renamedg
ツールを使用すると、クローン化されたディスク・グループの名前を変更できます。ディスク・グループ上でrenamedg
を実行する前に、クラスタ内のすべてのノードでディスク・グループをディスマウントする必要があります。
renamedg
では、次の2段階のプロセスを使用して、ディスク・グループの名前を変更します。
フェーズ1
このフェーズでは、フェーズ2で使用される構成ファイルを生成します。
フェーズ2
このフェーズでは、構成ファイルを使用して、ディスク・グループの名前を変更します。
構文は次のとおりです。
renamedg {-help | help=true} renamedg [phase={one|two |both}] dgname=diskgroup newdgname=newdiskgroup [config=configfile] [asm_diskstring=discoverystring, discoverystring ...] [clean={true|false}] [check={true|false}] [confirm={true|false}] [verbose={ true|false}] [keep_voting_files={true|false}]
phase=
{one
|two
|both
}
実行されるフェーズを指定します。指定可能な値はone
、two
またはboth
です。この引数はオプションです。デフォルトはboth
です。
通常、両方のフェーズを実行します。第2フェーズ中に問題が発生した場合は、生成された構成ファイルを使用してフェーズtwo
を再実行します。
dgname=
diskgroup
名前を変更するディスク・グループの名前を指定します。
newdgname=
newdiskgroup
ディスク・グループの新しい名前を指定します。
config=
configfile
フェーズ1で生成される構成ファイルへのパスを指定するか、フェーズ2で使用される構成ファイルへのパスを指定します。
この引数はオプションです。デフォルトの構成ファイルの名前はrenamedg_config
で、コマンドが実行されるディレクトリにあります。プラットフォームによっては、一重引用符が必要になります。
asm_diskstring=
discoverystring
,
discoverystring
...
Oracle ASM検出文字列を指定します。Oracle ASMディスクがプラットフォームのデフォルトの場所にない場合は、asm_diskstring
値を指定する必要があります。通常ワイルドカード文字を指定する場合に、プラットフォームによっては一重引用符が必要になります。
clean=
{true
|false
}
許容しなければ無視されるエラーを削除するかどうかを指定します。デフォルトはtrue
です。
check=
{true
|false
}
フェーズ2で使用されるブール値を指定します。true
の場合、ディスクに加えられる変更のリストが出力されます。書込みは発行されません。オプション・パラメータで、デフォルトはfalse
です。
confirm=
{true
|false
}
フェーズ2で使用されるブール値を指定します。false
の場合、加えられる変更が出力され、実際に変更が加えられる前に確認を求めます。オプションの値で、デフォルトはfalse
です。checkがtrue
に設定されている場合、このパラメータの値は不要です。
verbose=
{true
|false
}
verbose=true
の場合、verboseの実行を指定します。デフォルトは、false
です。
keep_voting_files=
{true
|false
}
名前を変更したディスク・グループで投票ファイルを保持するかどうかを指定します。デフォルトはfalse
で、名前を変更したディスク・グループから投票ファイルを削除します。
注意:
renamedg
は リソースを更新せず、またrenamedg
は、データベース内のファイル参照も更新しません。この動作のため、フェーズtwo
の完了後に、ディスク・グループの元のリソースは自動的に削除されません。ディスク・グループの古いリソースは、Oracle Clusterware Control(CRSCTL)のcrsctl
stat
res
-t
コマンドを使用してステータスをチェックした後、サーバー制御ユーティリティ(SRVCTL)のsrvctl
remove
diskgroup
コマンドを使用して手動で削除できます。
例4-12は、renamedg
のいくつかの使用例を示しています。最初の例では、ディスクを検索するためにディスク文字列を使用し、verbose
オプションを有効にして、fra1
ディスク・グループの名前をfra2
に変更します。2番目の例では、renamedg
操作のフェーズone
の実行中に構成ファイルのみを作成します。3番目の例では、renamedg
のフェーズone
の実行で生成された構成ファイルを使用して、renamedg
操作のフェーズtwo
を実行します。
ディスク・グループの名前を変更後、新しいディスク・グループ名と一致するように、ディスク・グループ内のディスクの名前を変更できます。次に例を示します。
SQL> ALTER DISKGROUP fra2 RENAME DISKS ALL;
ディスクの名前変更の詳細は、「ディスク・グループ内のディスクの名前変更」を参照してください。
例4-12 renamedgの使用方法
$ renamedg dgname=fra1 newdgname=fra2 asm_diskstring='/devices/disk*' verbose=true $ renamedg phase=one dgname=fra1 newdgname=fra2 asm_diskstring='/devices/disk*' config=/tmp/fra2.conf verbose=true $ renamedg phase=two dgname=fra1 newdgname=fra2 config=/tmp/fra2.conf verbose=true