目的
Oracle ASMディスク・グループ間およびディスク・グループとオペレーティング・システム間でファイルをコピーできます。
構文および説明
cp src_file [--service service_name] [--port port_num] [connect_str:]tgt_file
表10-32に、cp
コマンドの構文オプションを示します。
表10-32 cpコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
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デフォルト+ASMではない場合、Oracle ASMインスタンス名を指定します。 |
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リスナー・ポート番号を指定します。デフォルト値は1521です。 |
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リモート・インスタンスのための接続文字列を指定します。 |
|
コピーするソース・ファイルの名前。 |
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作成されたターゲット・ファイル名のユーザー・エイリアス、またはエイリアスのディレクトリ名。 |
cp
では、2つのリモート・インスタンス間でファイルをコピーできません。ローカルOracle ASMインスタンスが、操作のソースまたはターゲットのいずれかである必要があります。
cp
コマンドを使用できるのは、次の場合です。
ディスク・グループからオペレーティング・システムへのファイルのコピー
ディスク・グループ間のファイルのコピー
オペレーティング・システムからディスク・グループへのファイルのコピー
一部のファイル・タイプは、cp
コマンドのソースまたは宛先にできません。これらのファイル・タイプには、OCRおよびOCRバックアップ・ファイル・タイプがあります。Oracle ASM SPFILEをバックアップ、コピーまたは移動するには、spbackup
、spcopy
またはspmove
の各コマンドを使用します。
コピーしたファイルがOracle ASMディスク・グループ内に存在する場合、これらのファイルの形式はリトル・エンディアン・システムとビッグ・エンディアン・システム間で移植できます。この形式はファイルの書込み時にOracle ASMによって自動的に変換されます。Oracle ASM以外のファイルをOracle ASMディスク・グループにコピーしたりOracle ASMディスク・グループからコピーする場合、ファイルを別のエンディアン・プラットフォームにコピーしてから、一般的に使用されているユーティリティの1つを使用してこのファイルを変換できます。
ローカル・インスタンスのコピー(デフォルトの場合)には、connect_str
は必要ありません。リモート・インスタンスのコピーの場合、接続文字列を指定する必要があり、Oracle ASMによりエコーしないプロンプトでパスワードを入力するように求められます。connect_str
の書式は次のとおりです。
user
@
host
.
SID
connect_str
パラメータではuser
、host
およびSID
は必須です。デフォルト・ポート番号は1521
であり、--port
オプションを使用して変更できます。
接続権限(SYSASM
またはSYSDBA
)は、ASMCMDの起動時に--privilege
オプションの使用によって決まります。詳細は、「接続タイプの指定」を参照してください。
関連項目:
接続文字列の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。
src_file
には、完全修飾ファイル名またはOracle ASMエイリアスのいずれかを指定する必要があります。
ASMCMDコピー・プロセス中に、Oracle ASMサーバーは、次の形式でOracle Managed File (OMF)ファイルを作成します。
diskgroup
/
db_unique_name
/
file_type
/
file_name
.
#
.
#
db_uniq_name
はASM
に設定し、#
は一連の数字です。コピー・プロセスで、ASMCMD cp
は、宛先のディレクトリ構造を作成し、その場所から、作成される実際のOMFファイルにユーザー・エイリアスを作成します。
例
次に、cp
コマンドの例を示します。1つ目の例では、data
ディスク・グループのファイルをオペレーティング・システム上にコピーします。2つ目の例では、オペレーティング・システム上のファイルをdata
ディスク・グループにコピーします。3つ目の例では、data
ディスク・グループのファイルをリモート・サーバーにコピーする方法を示します。ユーザーはパスワードの入力を求められます。
例10-41 ASMCMD cpコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > cp +data/orcl/datafile/EXAMPLE.265.691577295 /mybackups/example.bak copying +data/orcl/datafile/EXAMPLE.265.691577295 -> /mybackups/example.bak ASMCMD [+] > cp /mybackups/examples.bak +data/orcl/datafile/myexamples.bak copying /mybackups/examples.bak -> +data/orcl/datafile/myexamples.bak ASMCMD [+] > cp +data/orcl/datafile/EXAMPLE.265.691577295 sys@myserver.+ASM:/scratch/backup/myexamples.bak Enter Password: