他のファイルシステムと同様、Oracle ASMディレクトリはファイルのコンテナであり、Oracle ASMディレクトリは他のディレクトリのツリー構造の一部になります。完全修飾されたファイル名は、ルートにプラス記号(+)が付いたディレクトリの階層で示されます。ディスク・グループごとに、Oracle ASMによりディスク・グループ内で完全修飾されたファイル名の構造に対応するディレクトリ階層が自動的に作成されます。この階層構造でのディレクトリを、システム生成のディレクトリと呼びます。
ASMCMDでは、cd(ディレクトリ変更)コマンドを使用して、このディレクトリ階層を上下に移動できます。ASMCMDのls(ディレクトリのリスト)コマンドでは、現行ディレクトリの内容をリストし、pwdコマンドでは、現行ディレクトリ名を出力します。
ASMCMDを起動すると、現行ディレクトリはルート(+)に設定されます。たとえば、dataおよびfraの2つのディスク・グループを持つOracle ASMインスタンスの場合、ルート・ディレクトリを現行ディレクトリとしてlsコマンドを入力すると、出力結果は次のようになります。
ASMCMD> ls data/ fra/
次に、Oracle ASMディレクトリ・ツリー(前述の完全修飾されたファイル名を参照)を移動する例を示します。
ASMCMD> cd +data/orcl/CONTROLFILE ASMCMD> ls Current.256.541956473 Current.257.541956475
システム生成のディレクトリのサブディレクトリとして、独自のディレクトリを作成できます。これを行うには、ASMCMD mkdirコマンドを使用します。ユーザー作成のディレクトリにもサブディレクトリを作成でき、システム生成のディレクトリおよびユーザー作成のディレクトリの両方の階層構造をcdコマンドを使用して移動できます。
次の例では、ディスク・グループdataのorclの下にディレクトリmydirを作成します。
ASMCMD> mkdir +data/orcl/mydir
注意:
ディレクトリorclは、システム生成のディレクトリです。dataの内容は、ディスク・グループdataの内容を表します。
-pフラグを付けてASMCMDを起動すると、ASMCMDでは、プロンプトの一部に常に現行ディレクトリが表示されます。「ASMCMDプロンプトへの現行ディレクトリの表示」を参照してください。
ASMCMD [+] > cd data/orcl ASMCMD [+data/orcl] >
ASMCMDでは、ディレクトリの大文字と小文字は入力したとおりに保持されます。