オプションのSECTOR_SIZE
ディスク・グループ属性をCREATE
DISKGROUP
SQL文とともに使用すると、ディスク・グループのSECTOR_SIZE
の値に設定されたセクター・サイズでディスクを指定できます。Oracle ASMでは、パフォーマンスを低下させることなく、4KBのセクター・ディスク・ドライブをサポートします。SECTOR_SIZE
ディスク・グループ属性は、ディスク・グループ作成時にのみ設定できます。
SECTOR_SIZE
の値は、512、4096または4Kに設定できます(ディスクによってこれらの値がサポートされている場合)。デフォルト値はプラットフォームによって異なります。セクター・サイズをデフォルト値以外の値に設定するには、COMPATIBLE.ASM
およびCOMPATIBLE.RDBMS
ディスク・グループ属性を11.2
以上に設定する必要があります。
注意:
Oracle Automatic Storage Managementクラスタ・ファイルシステム(Oracle ACFS)では、4KBのセクター・ドライブをサポートしません。4KBのセクター・ディスク・ドライブを512セクター・エミュレーション・モードで使用すると、Oracle ACFSではパフォーマンスが低下します。
セクター・サイズ・ディスク・グループ属性には、次の検証が適用されます。
Oracle ASMでは、異なるセクター・サイズのディスクが同じディスク・グループに追加されないようにします。この検証は、CREATE
DISKGROUP
、ALTER
DISKGROUP
ADD
DISK
およびALTER
DISKGROUP
MOUNT
操作中に発生します。
SECTOR_SIZE
属性がディスク・グループの作成時に明示的に指定された場合、Oracle ASMでは、ディスク検索文字列により検出されたすべてのディスクに、指定した値と等しいセクター・サイズがあるか検証しようとします。セクター・サイズが指定した値と異なるディスクが1つ以上あった場合、またはOracle ASMでディスク・セクター・サイズの検証ができなかった場合、作成操作は失敗します。
Oracle ASMでは、マウント操作時にもディスク・セクター・サイズの検証を試みますが、SECTOR_SIZE
属性の値と異なるセクター・サイズのディスクが1つ以上あった場合、操作は失敗します。
ディスク・グループの作成時にSECTOR_SIZE
属性が指定されず、検出されたすべてのディスクのセクターが同じ値であることがOracle ASMで検証できると、その値が作成されるディスク・グループ・セクター・サイズとみなされます。異なるセクター・サイズのディスクがある場合、作成操作は失敗します。
ALTER
DISKGROUP
..ADD
DISK
SQL文を使用して新しいディスクを既存のディスク・グループに追加する場合、追加する新しいディスクはセクター・サイズがSECTOR_SIZE
ディスク・グループ属性と同じ値である必要があります。新しいディスクのセクター・サイズが異なる場合、変更操作は失敗します。
V$ASM_ATTRIBUTE
ビューに問い合せるか、ASMCMD lsattr
コマンドを実行すると、成功したディスク・グループ作成について想定された、または明示的に設定されたセクター・サイズ値を確認できます。V$ASM_DISKGROUP
ビューのSECTOR_SIZE
列に問い合せることもできます。
SQL> SELECT name, value FROM V$ASM_ATTRIBUTE WHERE name = 'sector_size' AND group_number = 1; NAME VALUE --------------------------- ----------------------- sector_size 512 SQL> SELECT group_number, sector_size FROM V$ASM_DISKGROUP WHERE group_number = 1; GROUP_NUMBER SECTOR_SIZE ------------ ----------- 1 512
すべてのディスクが、設定可能なすべてのSECTOR_SIZE
値をサポートしているわけではありません。セクター・サイズ属性の設定は、物理ハードウェアに対応している必要があります。
例4-3に示すように、CREATE
DISKGROUP
SQL文でSECTOR_SIZE
属性を使用すると、Oracle ASMディスク・グループがあるディスク・ドライブのセクター・サイズを指定できます。
関連項目:
ディスク・グループの属性およびCREATE DISKGROUP
SQL文の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』 を参照してください。
BLOCKSIZE
キーワードの詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
V$ASM_ATTRIBUTE
ビューとV$ASM_DISKGROUP
ビューの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。
例4-3 4Kセクター・サイズのディスク・グループの作成
CREATE DISKGROUP data NORMAL REDUNDANCY FAILGROUP controller1 DISK '/devices/diska1', '/devices/diska2', '/devices/diska3', '/devices/diska4' FAILGROUP controller2 DISK '/devices/diskb1', '/devices/diskb2', '/devices/diskb3', '/devices/diskb4' ATTRIBUTE 'compatible.asm' = '11.2', 'compatible.rdbms' = '11.2', 'sector_size'='4096';