Oracle ASM動的ボリューム・マネージャ(Oracle ADVM)は、ボリューム管理サービスと、クライアントとの標準ディスク・デバイス・ドライバ・インタフェースを提供します。ファイルシステムと他のディスクベース・アプリケーションからは、相手がベンダー・オペレーティング・システム上の他のストレージ・デバイスである場合と同様に、I/OリクエストがOracle ADVMボリューム・デバイスに送信されます。
Oracle ADVMボリューム・デバイスは、Oracle ASM動的ボリュームから構成されます。各Oracle ASMディスク・グループ内では、1つ以上のOracle ADVMボリューム・デバイスを構成できます。Oracle ADVMドライバは、Oracle ADVMボリューム・デバイスに対するI/Oリクエストを、Oracle ASMディスク・グループ内にある対応するOracle ASM動的ボリュームおよびディスク・セット内のブロックにマップします。Oracle ADVMボリューム・デバイスでは、Oracle ASMボリューム・マネージャ機能をエクスポートし、異常なシステム停止、Oracle ASMインスタンス障害またはシステム障害が発生した場合にも、ボリュームのミラーの一貫性が維持されることを保証します。
Oracle ADVMは、Oracle ADVMボリューム・ファイルとして割り当てられているOracle ASM記憶域にディスク・ドライバ・インタフェースを提供することで、Oracle ASMを拡張します。Oracle ADVMは、ファイル・システムを含む仮想ディスクの作成に使用できます。Oracle ADVMボリュームに含まれるこれらのファイルシステムは、Oracle Databaseファイルの範囲を越えるファイル(実行可能ファイル、レポート・ファイル、トレース・ファイル、アラート・ログ、その他のアプリケーション・データファイルなど)をサポートできます。Oracle ADVMボリュームは実際にはOracle ASMファイルであるため、Oracle ASMファイルと同じ管理権限が必要です。
Oracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)は、Oracle ADVMインタフェースを介して、Oracle ASMと通信します。Oracle ADVMを追加することにより、Oracle ASMは、データベース・ファイルとデータベース・ファイル以外のファイルの両方の要件を満たすユーザー・データの完全なストレージ・ソリューションになります。
Oracle ASMディスク・グループにボリュームを追加するには、ディスク・グループ属性COMPATIBLE.ASM
およびCOMPATIBLE.ADVM
を'11.2'
に設定する必要があります。
注意:
動的ボリュームは、従来のデバイス・パーティショニングに取って代ります。各ボリュームは個々に名前が付けられ、単一ファイルシステム用に構成できます。Oracle ADVMボリュームは、Oracle ASMディスク・グループ・ストレージからオンデマンドで作成され、必要に応じて動的にサイズを変更できます。これらの属性により、Oracle ADVMボリュームは、物理デバイスや関連のパーティショニング方式よりもはるかに柔軟です。
Oracle ADVM機能には、次のものがあります。
Oracle ADVMボリュームを管理するALTER
DISKGROUP
ADD
| RESIZE
|DROP
| ENABLE
| DISABLE
| MODIFY
VOLUME
SQL文。
「ディスク・グループでのOracle ADVMボリュームの管理」を参照してください。
関連項目:
ALTER DISKGROUP
SQL文の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
Oracle ADVMボリュームを管理するためのASMCMDコマンドライン・ツール。
「ASMCMDによるOracle ADVMの管理」を参照してください。
Oracle ADVMボリュームに関する情報を表示する新しいV$ASM
ビュー。
「ビューを使用したOracle ACFS情報の表示」を参照してください。
ファイルシステムおよびボリューム・デバイス・ファイルを管理するためのOracle ACFSオペレーティング・システム・ユーティリティ。
「コマンドライン・ツールによるOracle ACFSの管理」を参照してください。