Oracle Grid Infrastructure用の高可用性Network File Storage (NFS)では、高可用性仮想IP (HAVIP)でNFSエクスポートを公開し、Oracle Clusterwareエージェントを使用してHAVIPおよびNFSエクスポートが常にオンラインであることを確認することによって、NFS V2/V3/V4でエクスポートされたパスの連続したサービスが提供されます。ベースのNFSはファイル・ロックをサポートしていますが、HANFSはNFSファイル・ロックをサポートしていません。
注意:
Oracle Grid Infrastructure用の高可用性NFSを設定するには、次の手順を実行します。
新しいHAVIPリソースを追加および登録します。
次に例を示します。
# srvctl add havip -id hrexports -address my_havip_name
たとえば、my_havip_name
はVIPアドレスに対応するドメインネーム・サーバー(DNS)にマップされ、ファイルシステムのマウント時に、クライアント・システムにより使用されます。
srvctl
add
havip
の最初の処理では、次のことを確認します。
使用するアドレスが動的ではなく、静的であること。
DNS名は、ラウンドロビンの複数のDNS解決ではなく、1つのホストのみに解決すること。
ネットワーク・リソース、指定したIPアドレスおよび解決された名前は、同じサブネットにあること。
名前が使用中ではないこと。
SRVCTLは、id
を使用し、一意であることを確認して、適切なHAVIP名を作成します。最後の検証ステップとして、SRVCTLは、ora.net#.network
のnetwork
リソース(指定されている場合)が存在することを確認します。この手順の後で、SRVCTLは、ora.
id
.havip
の名前で、タイプora.havip.type
の新しいhavip
を追加します。この例では、名前はora.
hrexports
.havip
です。
次のSRVCTLでは、active
dispersion
などのHAVIP起動依存性を変更し、停止依存性を設定し、description
属性(指定されている場合)が適切に設定されていることを確認します。
Oracle ACFSの共有ファイルシステムを作成します。
Oracle Grid Infrastructure用の高可用性NFSは、クラスタ全体のアクセシビリティ用に構成されたOracle ACFSファイルシステムでのみ動作し、クラスタ・ノードの特定のサブセットでのアクセス用に構成されたOracle ACFSファイルシステムは、サポートされていません。高可用性NFSは、Oracle ACFS以外のファイルシステムではサポートされていません。
Oracle ACFSファイルシステムの作成の詳細は、「Oracle ACFSファイルシステムの作成」を参照してください。
Oracle ACFSファイルシステムを登録します。
次に例を示します。
$ srvctl add filesystem -device /dev/asm/d1volume1-295 -volume VOLUME1 \ -diskgroup HR_DATA -mountpath /oracle/cluster1/acfs1
関連項目:
srvctl
add
filesystem
コマンドの詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。
Oracle ACFSファイルシステムのエクスポート・リソースを作成します。
次に例を示します。
# srvctl add exportfs -id hrexports -path /oracle/cluster1/acfs1 \ -name hrexport1
ファイルシステムのエクスポート・リソースを作成してから、手順1で作成したHAVIPを起動し、srvctl
start
havip
コマンドを使用してファイルシステムをエクスポートします。
NFSマウント・オプションFSIDが任意のエクスポート・オプションに追加されます。範囲を10億以上にして、サーバーに設定されている他のFSIDとの考えられる競合を最小限にします。このFSIDオプションによって、ノード間の信頼できるフェイルオーバーが提供され、スナップショットのマウントの使用が可能になります。
構成されたエクスポートのデフォルトのマウント・オプションおよびエクスポート・オプションは、NFSサーバーのデフォルトになります。
完全修飾された相対パスは、絶対パスに変換されます。完全修飾されていない相対パスは、エクスポート・パスとして受け入れられません。
HAVIPは、使用可能なファイルシステムおよび他の実行中のHAVIPに基づいて、実行するのに最適なサーバーを検出しようとしますが、この分散は、クラスタの参加または離脱ノードなど、CSSメンバーシップの変更イベントの際にのみ発生します。
注意:
エクスポートを個別に開始および停止することはお薦めしません。この機能は、HAVIPの起動および停止操作によって指定する必要があります。
HAVIPが実行されていない場合、エクスポートは別のノードに指定できます。関連するHAVIPが起動すると、エクスポートは単一のノードに収集されます。
HAVIPの実行中に停止されたエクスポートを使用しているクライアントでは、NFSエラーestale
が発生し、ファイルシステムをディスマウントおよび再マウントする必要があります。
関連項目:
SRVCTLコマンドの詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。
Oracle Clusterwareリソースの詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。