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Oracle® Automatic Storage Management管理者ガイド
12cリリース1 (12.1)
B71290-10
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ディスク・グループ容量の管理

標準冗長性または冗長性でディスク・グループを作成するなど、Oracle ASMによって冗長性が提供される場合、1つまたは2つの障害グループに障害が発生した後に失われたデータの再作成を管理するには、各ディスク・グループに十分な容量を確保する必要があります。1つ以上のディスクに障害が発生した後、すべてのデータの冗長性をリストアするには、ディスク・グループ内の残りのディスクにある領域が必要です。十分な領域が残っていない場合、一部のファイルの冗長性が損われる可能性があります。

冗長性が損われるとは、ファイル内の1つ以上のエクステントが期待されるレベルでミラー化されないことを意味します。たとえば、高冗長性のディスク・グループで冗長性が損われたファイルの場合、少なくとも1つのファイル・エクステントと、3つではなく2つ以下のエクステント・コピーがあります。保護されていないファイルの場合、データ・エクステントが完全に失われる可能性があります。これ以外にもファイルの冗長性が損われる原因には、ディスクの領域が足りない場合や、障害グループの数が十分でない場合があります。V$ASM_FILEビューのREDUNDANCY_LOWERED列は、冗長性が損われたファイルに関する情報を提供します。

次のガイドラインは、1つ以上のディスクに障害が発生した後、すべてのディスク・グループ・データの冗長性を完全にリストアするための領域が十分であるかどうかを確認する上で役に立ちます。

V$ASM_DISKGROUPビューには、容量の管理に役立つ情報が含まれる次の列があります。

次の問合せの結果は、各ディスクが独自の障害グループに属している6つの1GB(1024MB)のディスクで構成された標準冗長性のディスク・グループの容量メトリックを示しています。

SQL> SELECT name, type, total_mb, free_mb, required_mirror_free_mb, 
     usable_file_mb FROM V$ASM_DISKGROUP;

NAME         TYPE     TOTAL_MB    FREE_MB REQUIRED_MIRROR_FREE_MB USABLE_FILE_MB
------------ ------ ---------- ---------- ----------------------- --------------
DATA         NORMAL       6144       3768                    1024           1372

REQUIRED_MIRROR_FREE_MB列は、1つ以上のディスクに障害が発生した後に冗長性を完全にリストアするには1GBの追加容量が必要であることを示しています。問合せ結果の最初の3つの数値列は未処理の数値です。つまり、これらの数値では冗長性が考慮されていません。標準冗長性として調整されているのは最後の列のみです。dataディスク・グループの問合せ出力の例では、次のように計算されています。

(FREE_MB - REQUIRED_MIRROR_FREE_MB) / 2 = USABLE_FILE_MB

(3768 - 1024) / 2 = 2744 / 2 = 1372

負の値のUSABLE_FILE_MB

FREE_MBREQUIRED_MIRROR_FREE_MBUSABLE_FILE_MBの関係により、USABLE_FILE_MBが負の値になることがあります。これは必ずしも重大な状況ではありませんが、次のような意味があります。

  • FREE_MBの値によっては、新しいファイルを作成できない場合があります。

  • 次に障害が発生したとき、ファイルの冗長性が損われる場合があります。

USABLE_FILE_MBが負の値になった場合、できるかぎり早くディスク・グループに領域を追加することをお薦めします。