マルチパス化ソリューションは、冗長な物理パス・コンポーネントを使用することでフェイルオーバーを提供します。これらのコンポーネントとして、サーバーとストレージ・サブシステムの間に存在するアダプタ、ケーブルおよびスイッチなどがあります。これらのコンポーネントの1つ以上に障害が発生した場合、アプリケーションは引き続きデータにアクセスできるため、ストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)、ホスト・バス・アダプタ、インタフェース・ケーブル、またはマルチポート・ストレージ・アレイ上のホスト・ポートでのシングル・ポイント障害はなくなります。
マルチパス化は、オペレーティング・システムのデバイス・ドライバ・レベルで実装されるソフトウェア・テクノロジです。マルチパス化では疑似デバイスが作成され、使用可能なすべてのI/Oパスの間でI/O操作を共有し、それらの操作のバランスを取ることが容易になります。また、使用可能なすべてのパスにI/O負荷を分散させることでシステムのパフォーマンスも向上するので、自動フェイルオーバーやフェイルバックによる、より高いレベルのデータ可用性が提供されます。
Oracle ASMはマルチパス化機能を備えた設計になっていませんが、マルチパス化テクノロジとともに機能します。マルチパス化テクノロジは、数多くのソースから利用できます。ストレージ・ベンダーは固有のストレージ製品に対応したマルチパス化製品を提供しており、ソフトウェア・ベンダーは通常、複数のサーバー・プラットフォームとストレージ製品に対応したマルチパス化製品を開発しています。
関連項目:
特定のプラットフォームおよびストレージ製品のマルチパス化オプションの詳細は、ストレージまたはソフトウェア・ベンダーのマルチパス化のドキュメントを参照してください。
Oracle ASMでは、ASM_DISKSTRING
初期化パラメータの値を、マルチパス・ディスクを表す疑似デバイスと一致するパターンに設定することにより、マルチパス・ディスクを確実に検出できます。I/Oが疑似デバイスへ送られると、マルチパス・ドライバはそれを検出し、基礎となるサブパスにロード・バランシングを提供します。
Oracle ASMで同じディスク・デバイスに対して複数のパスが検出されると、エラーが発生します。マルチパス構成では単一のディスクが複数回現れる可能性があるため、マルチパス・ディスクのみを検出するようにOracle ASMを構成する必要があります。
ディスク検出の詳細は、「Oracle ASMディスク検出」を参照してください。
関連項目:
Oracle ASMおよびマルチパス化の詳細は、My Oracle Support(https://support.oracle.com
)の「Article」を参照してください。
システムのマルチパス化の構成については、プラットフォーム別のインストレーション・ガイドを参照してください。