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Oracle® Automatic Storage Management管理者ガイド
12cリリース1 (12.1)
B71290-10
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ディスク・グループ・ディレクトリの管理

Oracle ASMディスク・グループには、Oracle ASMファイルを格納するためのシステム生成の階層ディレクトリ構造があります。Oracle ASMにより各ファイルに割り当てられるシステム生成のファイル名は、このディレクトリ階層内のパスを示します。次に、システム生成のファイル名の例を示します。

+data/orcl/CONTROLFILE/Current.256.541956473

プラス記号は、Oracle ASMファイルシステムのルートを示します。dataディレクトリは、ディスク・グループdata内のすべてのファイルの親ディレクトリです。orclディレクトリはorclデータベース内のすべてのファイルの親ディレクトリで、CONTROLFILEディレクトリにはorclデータベースのすべての制御ファイルが含まれます。

この階層には、作成するエイリアスを格納するための独自のディレクトリを作成できます。このため、Oracle ASMファイル用としてわかりやすいエイリアス名の他に、これらの名前に対してもわかりやすいパスを使用できます。

この項では、ALTER DISKGROUP文を使用してエイリアスのディレクトリ構造を作成する方法について説明します。また、ディレクトリ名の変更方法や、ディレクトリの削除方法についても説明します。この項の内容は次のとおりです。

ディレクトリの作成

ALTER DISKGROUP文のADD DIRECTORY句を使用して、Oracle ASMファイルのエイリアス名の階層ディレクトリ構造を作成します。スラッシュ文字(/)またはバックスラッシュ文字(\)を使用して、ディレクトリ・パスのコンポーネントを区切ります。ディレクトリ・パスは、先頭にプラス記号 (+)が付いたディスク・グループ名にする必要があり、その後に任意のサブディレクトリ名を指定できます。

ディレクトリ内でサブディレクトリまたはエイリアスを作成するには、その親ディレクトリが存在している必要があります。ディレクトリは、ディスク・グループ・レベルの下に作成する必要があります。

例5-10では、ディスク・グループdataの階層ディレクトリを作成し、このディレクトリには、+data/orcl/control_file1などのエイリアス名を含めることができます。

例5-11のSQL文は、+data/orclディレクトリの下にサブディレクトリがない場合、失敗します。

例5-10 新規ディレクトリの作成

ALTER DISKGROUP data ADD DIRECTORY '+data/orcl';

例5-11 新規サブディレクトリの作成

ALTER DISKGROUP data
     ADD DIRECTORY '+data/orcl/first_dir/second_dir';

ディレクトリ名の変更

ALTER DISKGROUP文のRENAME DIRECTORY句を使用して、ディレクトリ名を変更できます。システム生成のディレクトリ(システム生成の名前が含まれるディレクトリ)は、名前を変更できません。ルート・レベル(ディスク・グループ名)は、名前を変更できません。

例5-12では、ディレクトリ名を変更します。

例5-12 ディレクトリ名の変更

ALTER DISKGROUP data RENAME DIRECTORY '+data/mydir'
     TO '+data/yourdir';

ディレクトリの削除

ALTER DISKGROUP文のDROP DIRECTORY句を使用して、ディレクトリを削除できます。システム生成のディレクトリは削除できません。FORCE句も指定しないかぎり、エイリアス名を含むディレクトリは削除できません。

例5-13では、ディレクトリとその内容を削除します。

例5-13 ディレクトリの削除

ALTER DISKGROUP data DROP DIRECTORY '+data/yourdir' FORCE;