Oracle ASMのファイルおよびディレクトリには、XML DBリポジトリ内の仮想フォルダからアクセスできます。仮想フォルダのリポジトリ・パスは/sys/asm
です。実際にはフォルダの内容はリポジトリ内に存在しないため、フォルダは仮想です。フォルダの内容は、通常のOracle ASMファイルおよびディレクトリとして存在します。たとえば、/sys/asm
は、プログラム的なAPI(DBMS_XDB
パッケージなど)とXML DBプロトコル(FTPやHTTP/WebDAVなど)でOracle ASMファイルおよびディレクトリにアクセスして操作する手段を提供します。ASMCMD cp
コマンドを使用してファイルをコピーすることもできます。「cp」を参照してください。
この機能の一般的な用途としては、/sys/asm
をWebフォルダとしてグラフィカル・ユーザー・インタフェースに(WebDAVプロトコルで)表示し、次にデータ・ポンプ・ダンプセットをOracle ASMディスク・グループからオペレーティング・システムのファイルシステムにドラッグ・アンド・ドロップでコピーします。
SYS
以外のユーザーとしてログインする必要があります。また、XML DBプロトコルで/sys/asm
にアクセスするには、DBA
ロールが付与されている必要があります。/sys/asm
フォルダの詳細は、「/sys/asm内」を参照してください。
注意:
セキュリティ上の理由で、FTPはデフォルトで無効になっています。IETF FTPプロトコルの仕様ではパスワードをクリアテキストで送信することが要求されているためです。無効化は、FTPサーバーのポートをゼロ(0)にすることで実現しています。FTPを有効にするには、ftp-port
パラメータを使用するFTPポート(2100
など)に設定します。
関連項目:
Oracle XML DBについては(XML DBプロトコル・サーバーのポート番号を構成する他の方法など)、『Oracle XML DB開発者ガイド』を参照してください。
DBMS_XDB
パッケージについては、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。
Oracle ASM仮想フォルダは、XML DBのインストール時にデフォルトで作成されます。データベースがOracle ASMを使用するよう構成されていない場合は、フォルダは空で、フォルダに関する操作は許可されません。
Oracle ASM仮想フォルダには、Oracle ASM完全修飾ファイル名の構造によって定義された階層に従っているフォルダとサブフォルダが含まれます。図5-1に、この階層の例を示します。簡単にするために、エイリアス用に作成されるディレクトリは除外されています。
/sys/asm
フォルダには、マウントされたディスク・グループごとに1つのサブフォルダが含まれ、各ディスク・グループ・フォルダには、そのディスク・グループを使用するデータベースごとに1つのサブフォルダが含まれます。ディスク・グループ・フォルダには、管理者が作成したエイリアスに対応するファイルとフォルダが含まれていることもあります。さらにこの階層では、データベース・フォルダにファイル・タイプ・フォルダが含まれ、ファイル・タイプ・フォルダにOracle ASMファイルが含まれています。
/sys/asm
に関する使用上の制限事項を次に示します。
DBMS_XDB.LINK
などのAPIで既存のOracle ASMファイルまたはディレクトリに対するハード・リンクを作成することはできません。
Oracle ASMファイルを別のディスク・グループやOracle ASMの外部のディレクトリに名前変更(移動)することはできません。
ディスク・グループの名前を格納するためにディレクトリ/sys/asm
を使用できます。このディレクトリにその他のファイルを格納することはできません。/sys/asm
の下にあるディスク・グループ・ディレクトリ(/sys/asm/DATA
など)内で、これらのサブディレクトリにデータベース・ファイルのみを格納できます。これらのディレクトリにデータベース・ファイル以外のファイルを格納しようとすると、Oracle ASMで拒否されます。