アプリケーションは、Oracle Database、Oracle ClusterwareおよびOracle RACの多数の機能を使用してOracle RAC環境の障害を最小限に抑えたり、マスクすることができます。たとえば、次の操作が可能です。
VIPアドレスを使用してデータベースに接続することで、TCP/IPのタイムアウト待機時間をなくします。
詳細な操作手順を作成し、インフラストラクチャ内のすべてのコンポーネントに対して、定義されたサービス・レベルを満たす適切で有効なサポート契約があることを確認します。
接続時フェイルオーバー、高速接続フェイルオーバー、高速アプリケーション通知、ロード・バランシング・アドバイザなどのOracle RACの自動ワークロード管理機能を使用します。
関連項目:
詳細は、「動的データベース・サービスによるワークロード管理」を参照してください。
個別のボリューム・グループに投票ディスクを配置して、I/Oスループットの低下による停止を減らします。x個の投票デバイスの障害に対応するには、2x + 1個のミラーを構成します。
Oracle Database Quality of Service Management (Oracle Database QoS Management)を使用して、システムを監視し、パフォーマンスのボトルネックを検出します。
約2ミリ秒(ms)以下のI/Oサービス時間でOCRを配置します。
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初期化パラメータを使用してデータベース・リカバリをチューニングします。
Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)を使用してデータベース記憶域を管理します。
厳密変更制御手順が有効であることを確認します。
LDAP、NIS、DNSなどの周辺のインフラストラクチャに高可用性およびリジリエンスがあることを確認します。これらのエンティティは、Oracle RACデータベースの可用性に影響します。可能な場合は、ローカルのバックアップ手順を定期的に実行します。
Oracle Enterprise Managerを使用して、Oracle RACデータベースのみでなく、Oracle RAC環境全体を管理します。Oracle Enterprise Managerを使用して、サービスの作成と変更、およびクラスタ・データベース・インスタンスとクラスタ・データベースの起動と停止を実行できます。
関連項目:
Oracle RAC環境でOracle Enterprise Managerを使用する方法の詳細は、『Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド』を参照してください。
Recovery Manager (RMAN)を使用して、データ・ファイル、制御ファイル、サーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)およびアーカイブREDOログ・ファイルのバックアップ、リストアおよびリカバリを実行します。RMANをメディア・マネージャとともに使用すると、ファイルを外部記憶域にバックアップできます。また、Oracle RACデータベースのバックアップまたはリカバリの実行時にパラレル化を構成できます。Oracle RACでは、RMANのチャネルは、すべてのOracle RACインスタンス間で動的に割り当てられます。チャネルのフェイルオーバーによって、1つのノード上で失敗した操作を別のノードで継続できます。RMANは、Oracle Enterprise Manager Backup Managerまたはコマンドラインから実行できます。
関連項目:
RMANの使用方法の詳細は、「Recovery Managerの構成およびアーカイブ」を参照してください
順序番号を使用している場合、常にNOORDER
オプションを指定したCACHE
を使用することによって、順序番号生成のパフォーマンスを最適化します。ただし、CACHE
オプションを使用すると、連続しない順序番号が生成される場合があります。連続しない順序番号を使用できない環境では、NOCACHE
オプションを使用するか、または順序番号の事前生成を検討してください。アプリケーションでは順序番号の順序付けが必要で、連続しない順序番号を使用できる場合は、CACHE
およびORDER
を使用して、Oracle RACの順序番号のキャッシュおよび順序付けを行います。アプリケーションで連続した順序番号の順序付けが必要な場合は、NOCACHE
およびORDER
を使用します。NOCACHE
とORDER
の組合せは、その他のキャッシュおよび順序付けの組合せと比較すると、パフォーマンスに最も大きな影響を及ぼします。
注意:
連続しない順序番号を使用できない環境では、順序番号の事前生成を検討するか、またはORDER
およびCACHE
オプションを使用してください。
索引を使用する場合は、逆キー索引などの方法を検討してパフォーマンスを最適化します。逆キー索引は、挿入日付に基づいた索引のように、索引の一方に頻繁に挿入を行う場合に特に有効です。