これらの例は、Oracle ClusterwareによるOracle RACデータベースに対する制御を最小化するために使用します(アップグレード中に必要となる可能性があります)。
デフォルトでは、Oracle ClusterwareによってOracle RAC環境のデータベースの再起動が制御されます。たとえば、データベースのアップグレード中など、場合によっては、Oracle ClusterwareのOracle RACデータベースに対する制御レベルを最小限に抑える必要があることがあります。
注意:
サード・パーティのクラスタウェアを使用する場合は、Oracle Clusterwareを使用してOracle RACインスタンスを管理することをお薦めします。インスタンスを手動に設定し、そのインスタンスをサード・パーティのクラスタウェアで起動する場合は、データベース・インスタンスの監視および再起動にサード・パーティのクラスタウェアを使用しないでください。Oracle Clusterwareがこれを行う必要があるためです。
システムの再起動時にOracle ClusterwareによるOracle RACデータベースの再起動を防止する場合、または障害が発生したインスタンスの2回目以降の再起動を回避する場合、制御の程度を定義する管理ポリシーを構成します。管理ポリシーには、AUTOMATIC (デフォルト)とMANUALの2つがあります。管理ポリシーをAUTOMATICに設定すると、データベースは、データベース・ホスト・コンピュータの再起動時に、前回の実行状態(起動または停止)に自動的にリストアされます。MANUALの場合、データベースは、データベース・ホスト・コンピュータの再起動時に、自動的に再起動されることはありません。MANUALに設定しても、Oracle Restartは、実行中のデータベースを監視し、障害発生時にデータベースを再起動します。
SRVCTLコマンドを使用して、次の例に示すとおり、Oracle Clusterwareの管理ポリシーを表示および変更します。
例1: 現行管理ポリシーの表示
次のコマンド構文を使用して、現行の管理ポリシーを表示します(ここで、db_unique_name
は、管理ポリシーを変更するデータベースの名前です)。
srvctl config database -db db_unique_name -all
例2: 現行の管理ポリシーの別の管理ポリシーへの変更
次のSRVCTLコマンド構文を使用して、現行の管理ポリシーをAUTOMATIC、MANUALまたはNORESTARTに変更します。
srvctl modify database -db db_unique_name -policy [AUTOMATIC | MANUAL | NORESTART]
このコマンド構文は、データベース・リソースのリソース属性を設定します。
例3: 新規データベース用の管理ポリシーの指定
srvctl add database
コマンドを使用して新しいデータベースを追加する場合、次の例のように-policy
パラメータを使用して管理ポリシーをAUTOMATIC
、MANUAL
またはNORESTART
のいずれかに指定できます(ここで、db_unique_name
はデータベース名です)。
srvctl add database -db db_unique_name -policy [AUTOMATIC | MANUAL | NORESTART]
-oraclehome $ORACLE_HOME -dbname DATA
このコマンド構文によって、新しいデータベースがOracle Clusterwareに制御されるようになります。管理ポリシー・オプションを指定しない場合、Oracle Databaseによってデフォルト値
が使用されます。管理ポリシーを変更した後、Oracle Clusterwareリソースは、影響を受けたデータベースの新しい値を記録します。automatic