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Oracle® Database Testingガイド
12cリリース1 (12.1)
B71349-07
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3.1.3 Exadataシミュレーション・ワークフローの使用

Exadataシミュレーション・ワークフローを使用すると、SQLワークフローのパフォーマンスに対するExadata Storage Serverインストールの影響をシミュレートできます。

Oracle Exadataは、非常に大きなI/O帯域幅を備えているうえ、データベースからストレージへのSQL処理のオフロード機能があります。これによって、Oracle Databaseでは、I/Oインターコネクトを介して送信されるデータ量を大幅に削減可能になると同時に、Exadataストレージ・セルへのCPUリソースのオフロードが可能になります。

SQLパフォーマンス・アナライザは、Exadata Storage Serverインストールをシミュレートし、SQLワークロードに対するI/Oインターコネクトの使用率の減少を測定することで、Exadata SQLオフロード処理の効果を分析することができます。

Exadataシミュレーションを実行するためにシステムのハードウェアや構成を変更する必要はありません。SQLチューニング・セットを選択した後、SQLパフォーマンス・アナライザによりタスクが作成され、Exadata Storage Serverシミュレーションが無効の状態で最初の試行が実行されます。SQLパフォーマンス・アナライザでは次に、Exadata Storage Serverシミュレーションが有効な状態で2回目の試行が実行されます。その後、「I/Oインターコネクト・バイト」比較メトリックを使用して2つの試行が比較され、Oracle Exadataを使用している場合は、Exadataストレージ・セルからデータベースに送信する必要のないデータの量を見積るSQLパフォーマンス・アナライザ・レポートが生成されます。両方のSQL試行で、SQL文が完了するまで実行され、I/Oインターコネクト・バイトの測定値が取得されます(最初の試行が実際のExadataの値で、2番目の試行がシミュレートされたExadataの値です)。I/Oインターコネクト・バイトで測定された変化を確認することによって、Exadataストレージ・セルで実行可能なフィルタリングの量、および通常このデータの処理に使用されるCPUの量のうちデータベースからオフロード可能な量を的確に見積もることができます。

注意:

Exadataシミュレーションを使用しても計画の変更は発生しません。シミュレーションがI/Oインターコネクトの使用状況の向上に関する測定に重点を置いているため、Exadata Storage Serverインストール内で実行計画が変更されることはありません。また、Oracle Exadataはデータベースに送信されるデータ量のみを削減するため、データ圧縮が使用されている場合(次の注意を参照)を除いて、I/Oインターコネクト・バイトが増加することはありません。

注意:

I/Oインターコネクト・バイトは、Exadata Storage Serverインストールを使用した場合のパフォーマンス変化の影響を測定するための唯一のメトリックであるため、Oracle Exadataをデータ圧縮とともに使用した場合は適切に機能しません。Exadataストレージ・セルはデータの圧縮解除も行うため、データが圧縮されている場合、Oracle Exadataを使用した状態でのSQL文(2番目のSQL試行)のI/Oインターコネクト・バイトが、Oracle Exadataを使用しない状態のI/Oインターコネクト・バイトよりも増加することがあります。実際にはそうでないにもかかわらず、SQL文のパフォーマンスが低下したと報告されるため、この比較は誤解を与えます。

注意:

Exadataシミュレーションのワークフローは、Exadata以外のハードウェアでExadata Storage Serverインストールをシミュレートするために使用されます。Exadataハードウェアで変化をテストするには、標準のSQLパフォーマンス・アナライザのワークフローを使用します。

注意:

Exadataシミュレーションがサポートされているのは、DSSおよびデータ・ウェアハウスのワークロードに対してのみです。

SQLパフォーマンス・アナライザのExadataシミュレーション・ワークフローを使用する方法

  1. 「SQLパフォーマンス・アナライザ」ページの「SQLパフォーマンス・アナライザ・ワークフロー」で、「Exadataシミュレーション」をクリックします。

    「Exadataシミュレーション」ページが表示されます。

  2. 「タスク名」フィールドに、タスクの名前を入力します。

  3. 「SQLチューニング・セット」フィールドに、分析するSQLワークロードが含まれているSQLチューニング・セットの名前を入力します。

    または、検索アイコンをクリックして、「検索と選択: SQLチューニング・セット」ウィンドウでSQLチューニング・セットを検索します。

    選択したSQLチューニング・セットが「SQLチューニング・セット」フィールドに表示されます。

  4. 「説明」フィールドに、オプションでタスクの説明を入力します。

  5. 「SQL当たりの時間制限」リストで、次のいずれかのアクションを実行して、試行時のSQL実行の時間制限を決定します。

    • 「5分」を選択します。

      この実行では、SQLチューニング・セット内の各SQL文が最大5分間実行され、パフォーマンス・データが収集されます。

    • 「無制限」を選択します。

      この実行では、SQLチューニング・セット内の各SQL文が完了するまで実行され、パフォーマンス・データが収集されます。実行統計を収集することによってパフォーマンス分析の精度は大幅に向上しますが、分析にかかる時間は長くなります。1つのSQL文によってタスクが長時間停止状態になる場合があるため、この設定は使用しないことをお薦めします。

    • 「カスタマイズ」を選択して、指定する秒数、分数、時間数を入力します。

  6. 「スケジュール」セクションで、次の手順を実行します。

    1. 「タイムゾーン」リストで、タイムゾーン・コードを選択します。

    2. 「即時」(即時にタスクを開始する場合)または、「後で」(「日付」および「時間」フィールドで指定した時間にタスクを開始するようスケジュールする場合)を選択します。

  7. 「発行」をクリックします。

    「SQLパフォーマンス・アナライザ」ページが表示されます。

    「SQLパフォーマンス・アナライザのタスク」セクションに、このタスクのステータスが表示されます。ステータス・アイコンをリフレッシュするには、「リフレッシュ」をクリックします。タスクが完了すると、「ステータス」フィールドが「完了」に変更されます。

  8. 「SQLパフォーマンス・アナライザのタスク」セクションで、タスクを選択して「名前」列のリンクをクリックします。

    「SQLパフォーマンス・アナライザのタスク」ページが表示されます。

    このページには、次のセクションが含まれています。

    • SQLチューニング・セット

      このセクションには、SQLチューニング・セットに関する情報(名前、所有者、説明、SQLチューニング・セットに含まれているSQL文の数など)の概要が表示されます。

    • SQL試行

      このセクションには、SQLパフォーマンス・アナライザのタスクで使用されるSQL試行を示す表が含まれています。

    • SQL試行比較

      このセクションには、SQL試行比較の結果を示す表が含まれています。

  9. 「比較レポート」列のアイコンをクリックします。

    「SQLパフォーマンス・アナライザのタスク結果」ページが表示されます。

  10. パフォーマンス分析の結果を確認します。詳細は、「Oracle Enterprise Managerを使用したSQLパフォーマンス・アナライザ・レポートの確認」を参照してください。

    最初と2番目の試行間のExadataシミュレーションでのSQLパフォーマンスの向上は、このレポートに取得されます。一般に、SQLワークロードに多数の行をスキャンする問合せ、または表の列の小さなサブセットをスキャンする問合せが含まれている場合、より大きな効果を期待できます。逆に、索引付き表または行数が少ない表を問合せるSQLワークロードは、Exadataシミュレーションからの効果は少なくなります。