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Oracle® Database Testingガイド
12cリリース1 (12.1)
B71349-07
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19.4 データ・マスキング・タスクの順序

この項のタスク順序では、データ・マスキングのワークフローを具体的に示すと同時に、一部のタスク順序では追加情報を紹介します。この順序を確認する前に、このプロセスを完了するためのオプションが2つあることに注意してください。

  • 別のデータベースへのエクスポートおよびインポート

    本番データベースをステージング領域にクローニングしてマスキングし、別のデータベースにエクスポートおよびインポートしてから、社内テスト実行者または外部のカスタマに提供できます。これは最も安全な方法です。

  • テスト・リージョンとしてのステージング領域の使用

    本番データベースをマスキングされたステージング領域にクローニングし、そのステージング領域を新しいテスト・リージョンにします。この場合は、SYSDBAアクセスや、データベース・ファイルへのアクセス権をテスト実行者に付与しないでください。付与するとセキュリティが低下します。マスキングされたデータベースでは、未使用ブロックと空きリストに元のデータが含まれます。この情報は、データを別のデータベースにエクスポート/インポートすることでのみパージできます。

次の基本的な手順は、データ・マスキング・プロセスを、追加情報が記載されている他のセクションの参照箇所とともに示します。

  1. アプリケーション・データベースを見直し、機密情報のソースを特定します。
  2. 機密データのマスキング・フォーマットを定義します。マスキング・フォーマットがシンプルであるか複雑であるかは、組織の情報セキュリティに対するニーズによって異なります。

    詳細は、「新規マスキング・フォーマットの作成」および「Oracle付属の事前定義済のマスキング・フォーマットの使用」を参照してください。

  3. それらのマスキング・フォーマットに表の列を関連付けるマスキング定義を作成します。データ・マスキングにより、データベースの外部キー関係が決定され、外部キー列がマスクに追加されます。

    詳細は、「アプリケーション・データ・モデルおよびワークロードによるマスキング」を参照してください。

  4. マスキング定義を保存してマスキング・スクリプトを生成します。
  5. マスキングされたデータが情報セキュリティ要件を満たしているかどうかを確認します。満たしていない場合は、マスキング定義を調整し、変更した表をリストアした後、マスキング定義の最適なセットが得られるまでマスキング定義の適用を繰り返します。
  6. 本番データベースをステージング領域にクローニングし、クローニング後に使用するマスキング定義を選択します。Enterprise Managerを使用してクローニングを実行すると、Enterprise Managerのクローニング・ワークフローにマスキングを追加できます。一方、Enterprise Managerを使用せずにクローニングを実行する場合、クローニングの完了後にEnterprise Managerからマスキングを開始する必要があります。クローニングされたデータベースは、本番環境用の機密データがまだ含まれているので、本稼働システムと同じ権限で制御する必要があります。

    クローニングが終わったら、パスワードを変更するだけでなく、データベース・リンク、ストリーム、または外部データ・ソースへの参照の更新または無効化も必ず実行してください。クローニングされたデータベース、または少なくともマスキングされたデータが含まれる表をバックアップします。そうしておけば、マスキング定義をさらに調整する必要がある場合に、オリジナル・データをリストアできます。

    詳細は、「本番データベースのクローニング」を参照してください。

  7. マスキングが終わったら、アプリケーション、レポートおよびビジネス・プロセスをすべてテストし、それらが機能していることを確認します。すべて正常に機能している場合は、マスキング定義をエクスポートし、バックアップとして保存することができます。
  8. ステージング・サイトのマスキング後、テスト・リージョンにクローニングする前に、MGMT_DM_TTという表をすべて削除します。これらの一時表は、元の機密列値とマスク値間のマッピングを含んでいるため、機密データとして扱う必要があります。

    これらの一時表は、デフォルトの「マスキング中に作成した一時表の削除」オプションにより、マスキング中に自動的に削除されます。ただし、このオプションの選択を解除することで、これらの一時表を維持できます。この場合、テスト・リージョンにクローニングする前にユーザーの責任で一時表を削除します。

  9. マスキングが完了したら、置換列フォーマットまたは表の列フォーマットによって使用するためにロードされたすべての表が削除されることを確認します。これらの表には、表の列フォーマットまたは置換フォーマットによって使用されるマスク値が含まれています。セキュリティ上の理由から、この情報をパージすることをお薦めします。

    詳細は、「置換フォーマットを使用した決定論的マスキング」を参照してください。

  10. データベースをテスト・リージョンにクローニングするか、データベースを新しいテスト・リージョンとして使用します。データベースを外部サイトまたは安全でないサイトにクローニングする場合、エクスポートまたはインポートを使用することをお薦めします。データベース・ファイル自体ではなく、データベースのみにデータを指定します。
  11. テスト用のクローニングされた本番環境の一部として、マスキング定義をアプリケーション・データベース管理者に提供し、データベースをマスキングできるようにします。