用途
ALLOCATE CHANNEL FOR MAINTENANCE
コマンドを使用すると、CHANGE
、DELETE
またはCROSSCHECK
コマンドの発行に備えてチャネルを手動で割り当てることができます。チャネルの割当て解除は、RELEASE CHANNEL
コマンドで実行できます。
注意:
CONFIGURE
を使用して、構成内のデバイス・タイプごとにチャネルを1つ以上割り当てる場合は、ALLOCATE CHANNEL FOR MAINTENANCE
を使用する必要はありません。メンテナンス・チャネルではなく構成済チャネルを使用することをお薦めします。構成済チャネルは、メンテナンス・チャネルでサポートされるメンテナンス・タスクのみでなく、指定したデバイスへのすべてのRMANのI/Oに使用できます。構成済チャネルは、RMANセッション全体で保持されます。
前提条件
このコマンドは、RUN
ブロック内ではなく、RMANプロンプトでのみ実行できます。ターゲット・インスタンスを事前に起動する必要があります。共有セッションにメンテナンス・チャネルを割り当てることはできません。
使用上の注意
メンテナンス・チャネルは、原則としてデバイスごとに1つずつ割り当ててください。手動割当てチャネルと自動チャネルが混在することはありません。一般に、1つのジョブに対して複数のメンテナンス・チャネルを割り当てるのは、次の場合に限定してください。
単一のコマンドを使用して、ディスクとテープの両方で、すべてのバックアップ・ピースのクロスチェックまたは削除を行えるようにする場合(例2-11を参照)。
各バックアップ・ピースが1つのノードのみに存在するOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)構成で、クロスチェックと削除を正常に機能させる場合(例2-12を参照)
RMANではメンテナンス・チャネルのネーミング規則としてORA_MAINT_
devicetype
_
n
が使用されます。devicetype
はDISK
またはsbt
で、n
はチャネル番号です。たとえば、RMANでは、手動で割り当てた2つのディスク・チャネルに次の名前が使用されます。
ORA_MAINT_DISK_1 ORA_MAINT_DISK_2
関連項目:
複数チャネルをクロスチェックおよび削除する方法は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』 を参照してください
構文
allocateForMaint::=
セマンティクス
allocateForMaint
構文要素 | 説明 |
---|---|
DEVICE TYPE deviceSpecifier |
バックアップ用のストレージ・タイプを指定します。 関連項目: 「 |
割り当てたチャネルの制御オプションを指定します。順次I/Oデバイスのチャネル・パラメータはプラットフォームによって異なります。 関連項目: 「 |
例
例2-10 バックアップ・セットの削除
すべてのRMANバックアップを削除して、テープ・セットを再利用する必要があるとします。この例では、ディスク・チャネルのみがデフォルトで構成されています。この例では、SBTチャネルを手動で割り当て、すべてのバックアップをテープから削除した後で、チャネルを解放します。
RMAN> ALLOCATE CHANNEL FOR MAINTENANCE DEVICE TYPE sbt; allocated channel: ORA_MAINT_SBT_TAPE_1 channel ORA_MAINT_SBT_TAPE_1: SID=135 device type=SBT_TAPE channel ORA_MAINT_SBT_TAPE_1: Oracle Secure Backup RMAN> DELETE NOPROMPT BACKUP; List of Backup Pieces BP Key BS Key Pc# Cp# Status Device Type Piece Name ------- ------- --- --- ----------- ----------- ---------- 9957 9954 1 1 AVAILABLE SBT_TAPE 8oic41ad_1_1 9974 9972 1 1 AVAILABLE SBT_TAPE c-28014364-20130308-17 10024 10021 1 1 AVAILABLE SBT_TAPE 8qic41c3_1_1 10045 10042 1 1 AVAILABLE SBT_TAPE c-28014364-20130308-18 10446 10443 1 1 AVAILABLE SBT_TAPE 8uic47fg_1_1 10487 10482 1 1 AVAILABLE SBT_TAPE 90ic47ih_1_1 10488 10483 1 1 AVAILABLE SBT_TAPE 91ic47j1_1_1 10524 10514 1 1 AVAILABLE SBT_TAPE 92ic47q4_1_1 10540 10538 1 1 AVAILABLE SBT_TAPE c-28014364-20130308-1a deleted backup piece backup piece handle=8oic41ad_1_1 RECID=198 STAMP=616695118 deleted backup piece backup piece handle=c-28014364-20130308-17 RECID=199 STAMP=616695145 deleted backup piece backup piece handle=8qic41c3_1_1 RECID=200 STAMP=616695171 deleted backup piece backup piece handle=c-28014364-20130308-18 RECID=201 STAMP=616695188 deleted backup piece backup piece handle=8uic47fg_1_1 RECID=204 STAMP=616701424 deleted backup piece backup piece handle=90ic47ih_1_1 RECID=205 STAMP=616701521 deleted backup piece backup piece handle=91ic47j1_1_1 RECID=206 STAMP=616701538 deleted backup piece backup piece handle=92ic47q4_1_1 RECID=207 STAMP=616701764 deleted backup piece backup piece handle=c-28014364-20130308-1a RECID=208 STAMP=616701783 Deleted 11 objects RMAN> RELEASE CHANNEL; released channel: ORA_MAINT_SBT_TAPE_1
例2-11 複数のデバイス上のバックアップのクロスチェック
ディスク上とテープ上のアーカイブREDOログ・ファイルをクロスチェックする必要があるとします。また、デフォルトのデバイス・タイプがディスクに設定され、SBTチャネルも構成されていますが、ディスクとテープの両方に別のチャネルを使用する必要があるとします。その場合は、必要に応じた設定でメンテナンス・チャネルを手動で割り当てることができます。
RMAN> SHOW DEFAULT DEVICE TYPE; RMAN configuration parameters for database with db_unique_name PROD are: CONFIGURE DEFAULT DEVICE TYPE TO DISK; RMAN> SHOW CHANNEL; RMAN configuration parameters for database with db_unique_name PROD are: CONFIGURE CHANNEL DEVICE TYPE 'SBT_TAPE' PARMS 'SBT_LIBRARY=/usr/local/oracle/backup/lib/libobk.so, ENV=(OB_DEVICE_1=stape1)'; RMAN> ALLOCATE CHANNEL FOR MAINTENANCE DEVICE TYPE sbt PARMS 'SBT_LIBRARY=/usr/local/oracle/backup/lib/libobk.so, ENV=(OB_DEVICE_1=stape2)'; allocated channel: ORA_MAINT_SBT_TAPE_1 channel ORA_MAINT_SBT_TAPE_1: SID=135 device type=SBT_TAPE channel ORA_MAINT_SBT_TAPE_1: Oracle Secure Backup RMAN> ALLOCATE CHANNEL FOR MAINTENANCE DEVICE TYPE DISK FORMAT "/disk2/%U"; allocated channel: ORA_MAINT_DISK_2 channel ORA_MAINT_DISK_2: SID=101 device type=DISK Finished Control File and SPFILE Autobackup at 09-MAR-13 RMAN> CROSSCHECK BACKUP OF ARCHIVELOG ALL; crosschecked backup piece: found to be 'AVAILABLE' backup piece handle=/disk2/95ic69jc_1_1 RECID=210 STAMP=616769132 crosschecked backup piece: found to be 'EXPIRED' backup piece handle=/disk2/96ic69jf_1_1 RECID=211 STAMP=616769135 Crosschecked 2 objects crosschecked backup piece: found to be 'AVAILABLE' backup piece handle=/disk2/96ic69jf_1_1 RECID=211 STAMP=616769135 Crosschecked 1 objects RMAN> RELEASE CHANNEL; released channel: ORA_MAINT_SBT_TAPE_1 released channel: ORA_MAINT_DISK_2
例2-12 Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)構成でのクロスチェック
Oracle RAC構成内のすべてのノードに、すべてのストレージ・デバイス上のすべてのバックアップに対する同じアクセス権を付与する必要があります(ただし、これは必須要件ではありません)。Oracle RAC構成の2つのノードでバックアップのクロスチェックを実行するとします。各ノードには、ディスク・バックアップのサブセットへのアクセス権があります。すべてのバックアップは、クロスチェックで使用される2つ以上のノードからアクセス可能であるものとします。アクセスできないノードが1つ以上あるすべてのバックアップは、クロスチェックの後でEXPIRED
とマークされます。
次の例では、Oracle RACインスタンスinst1
およびinst2
へのチャネル接続を示します。両方のチャネル接続で、RMANは、ターゲット・データベース接続で入力したユーザー名とパスワードと同じものを使用します。
ALLOCATE CHANNEL FOR MAINTENANCE DEVICE TYPE DISK CONNECT '@inst1'; ALLOCATE CHANNEL FOR MAINTENANCE DEVICE TYPE DISK CONNECT '@inst2'; CROSSCHECK BACKUP;