用途
IMPORT CATALOG
コマンドを使用すると、リカバリ・カタログ・スキーマにあるメタデータを別のカタログ・スキーマにインポートできます。様々なバージョンのカタログ・スキーマを作成し、複数のターゲット・データベースのメタデータを保存する場合は、このコマンドを使用すると、すべてのデータベース用に1つのカタログ・スキーマを保持することができます。
関連項目:
前提条件
RMANが、インポート先のリカバリ・カタログ(カタログ・データをインポートする先のカタログ)に接続されている必要があります。このリカバリ・カタログは、仮想プライベート・カタログにはできません。
ターゲット・データベースに接続していなくても、カタログ・スキーマはマージできます。このコマンドは、RMANプロンプトで実行してください。
リカバリ・カタログ・スキーマのソース・バージョンは、インポート先のリカバリ・カタログ・スキーマの現在のバージョンと同じである必要があります。同じでない場合、同じバージョンにスキーマをアップグレードします。
同じ名前のデータベースが、ソース・リカバリ・カタログ・スキーマとインポート先カタログ・スキーマの両方に登録されていないことを確認してください。両方のスキーマに登録されているデータベースがある場合は、UNREGISTER
を実行して、そのデータベースのソース・リカバリ・カタログでの登録を解除し、IMPORT
コマンドを再実行します。
使用上の注意
インポート操作が途中で失敗すると、インポートはロールバックされます。このため、一部のみインポートすることはできません。登録解除の操作は、インポートとは別に行われます。デフォルトでは、インポートが正常に行われると、インポート済のデータベースIDが、ソース・リカバリ・カタログ・スキーマから登録解除されます。
ストアド・スクリプトは、グローバルまたはローカルのいずれかです。スクリプトのインポート時に、インポート先のスキーマに同じ名前のオブジェクトが含まれていることが原因で、グローバル・スクリプトの名前が競合することがあります(ローカル・スクリプトの場合は競合しません)。その場合は、RMANにより、グローバル・スクリプト名がCOPY OF
script_name
に変更されます。たとえば、RMANでは、bp_cmd
という名前はCOPY OF bp_cmd
に変更されます。
名前が変更されたグローバル・スクリプトも一意でない場合、RMANは、その名前をCOPY(2) OF
script_name
に変更します。このスクリプト名も存在する場合、RMANは、スクリプトの名前をCOPY(3) OF
script_name
に変更します。RMANは、スクリプト名が一意になるまでCOPY(
n
) OF
のパターンを繰り返します。
セマンティクス
構文要素 | 説明 |
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ソース・リカバリ・カタログの接続文字列を指定します(このカタログは、メタデータがインポートされるカタログです)。 |
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ソース・カタログ・スキーマからメタデータをインポートするデータベースのDBIDのリストを指定します(例2-104を参照)。 指定しなかった場合は、RMANにより、ソース・カタログ・スキーマのすべてのデータベースIDのメタデータがマージされ、インポート先のカタログ・スキーマに入れられます。RMANでは、メタデータがマージされたデータベースが、リカバリ・カタログ・スキーマにすでに登録されていた場合は、エラーが発行されます。 |
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ソース・カタログ・スキーマからメタデータをインポートするデータベースのリストを指定します(例2-104を参照)。 指定しなかった場合は、RMANにより、ソース・カタログ・スキーマのすべてのデータベースのメタデータがマージされ、インポート先のカタログ・スキーマに入れられます。RMANでは、同じDBIDが両方のリカバリ・カタログに登録されていた場合は、エラーが発行されます。 |
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RMANでは、インポート済のデータベースIDを、ソース・カタログ・スキーマに強制的に保持します。デフォルトでは、インポート済のデータベースIDはソース・リカバリ・カタログ・スキーマから登録解除されます。 |
例
例2-103 すべての登録済データベースのメタデータのインポート
この例では、ユーザーrcat
が所有する10.2のカタログ・スキーマがデータベースprod
に含まれ、ユーザーrco
が所有する11.1のカタログ・スキーマがデータベースcatdb
に含まれています。RMANは、rcat
に登録されているすべてのデータベースIDのメタデータを、rco
が所有するリカバリ・カタログにインポートします。rcat
に登録されたすべてのターゲット・データベースは登録解除されます。
RMAN> CONNECT CATALOG rco@catdb recovery catalog database Password: password connected to recovery catalog database RMAN> IMPORT CATALOG rcat@prod; Starting import catalog at 15-FEB-13 source recovery catalog database Password: password connected to source recovery catalog database import validation complete database unregistered from the source recovery catalog Finished import catalog at 15-FEB-13
例2-104 登録済データベースのサブセットのメタデータのインポート
この例は、例2-103を部分的に変更したものです。リカバリ・カタログ全体をインポートするかわりに、DBIDが1618984270のデータベースのメタデータのみをインポートします。
RMAN> CONNECT CATALOG rco@catdb recovery catalog database Password: password connected to recovery catalog database RMAN> IMPORT CATALOG rcat@inst1 DBID=1618984270; Starting import catalog at 15-FEB-13 source recovery catalog database Password: password connected to source recovery catalog database import validation complete database unregistered from the source recovery catalog Finished import catalog at 15-FEB-13