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Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド
12c リリース1 (12.1) for Linux and UNIX Systems
B71325-07
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D.4 既存のOracle RACデータベースでのプロセスの停止方法

この付録では、既存のデータベースにさらに製品を追加するための準備、またはパッチを更新するための準備として、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)データベースですべてのプロセスを停止する方法について説明します。この付録の内容は次のとおりです。

D.1 Oracle RACデータベースのバックアップ

Oracleソフトウェアを変更する前に、Oracle Databaseインストールのバックアップを作成することをお薦めします。

D.2 Oracle RACデータベースの停止

各ノードの既存のOracle Databaseインスタンスを通常の順序または優先度の高い順に停止します。Oracle Enterprise Managerまたはサーバー制御(SRVCTL)ユーティリティを使用して、Oracle RACデータベースおよびそのインスタンスを停止できます。


注意:

Oracle ClusterwareまたはOracle Restartを使用している場合は、Oracleソフトウェアを変更する前に、すべてのクラスタ・ノードですべてのOracle Databaseインスタンスを停止する必要があります。パッチの更新を実行する場合の詳細な手順は、パッチ・セット・ノートを参照してください。


関連項目:

Oracle Restartの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。


D.3 すべてのOracleプロセスの停止

データベース・ソフトウェアを変更するOracleホーム・ディレクトリで実行されているすべてのリスナー・プロセスとその他のプロセスを停止します。


注意:

Oracle ASMインスタンス、Oracle ClusterwareまたはOracle Restartを停止するには、その前にこれらを使用するすべてのデータベース・インスタンスを停止する必要があります。

D.3.1 製品の追加またはアップグレード前のOracle Databaseプロセスの停止

この項では、Oracle Database 12c リリース1 (12.1)にさらに製品を追加する前に実行する必要がある作業の概要を説明します。Oracle Databaseソフトウェアのみを更新する場合は、更新するOracleホームから実行されているデータベース・インスタンスのみを停止する必要があります。パッチのアップグレードを実行する場合の詳細な手順は、そのパッチのデータベース・パッチ・セット・ノートを参照してください。


注意:

次の手順は、ここに示す順序で実行する必要があります。

  1. 各ノードのOracleホームで、データベースにアクセスする可能性のあるすべてのプロセスを停止します。


    注意:

    Oracle Enterprise Manager Cloud Controlによって監視されているプロセスを停止する前に、停止するプロセスのブラックアウトをOracle Enterprise Manager Cloud Controlに設定します。これは、これらのプロセスの可用性レコードが、計画外のシステム停止ではなく計画停止時間であったことを示すようにするために必要です。

  2. すべてのノードですべてのOracle RACインスタンスを停止します。データベースのすべてのOracle RACインスタンスを停止するには、次のコマンドを入力します。db_nameはデータベースの名前です。

    $ oracle_home/bin/srvctl stop database -db db_name
    

D.3.2 Oracle ClusterwareおよびOracle ASMインスタンスの停止

Oracle ClusterwareまたはOracle ASMソフトウェアをアップグレードする場合は、まず、記憶域にOracle ASMを使用するすべてのOracle RACデータベース・インスタンスおよびすべてのOracle Databaseインスタンスを停止する必要があります。データベース・インスタンスを停止したら、次の手順に従ってOracle ASMインスタンスおよびOracle Clusterwareを停止します。


注意:

次の手順は、ここに示す順序で実行する必要があります。

  1. 各ノードのOracleホームで、データベースにアクセスしている可能性のあるすべてのプロセスを停止します(たとえば、Oracle Enterprise Manager Cloud ControlエージェントまたはOracle Net Servicesリスナーを停止します)。


    注意:

    Oracle Enterprise Manager Cloud Controlによって監視されているプロセスを停止する前に、停止するプロセスのブラックアウトをOracle Enterprise Manager Cloud Controlに設定します。これは、これらのプロセスの可用性レコードが、計画外のシステム停止ではなく計画停止時間であったことを示すようにするために必要です。

  2. すべてのノードですべてのOracle RACインスタンスを停止します。データベースのすべてのOracle RACインスタンスを停止するには、次のコマンドを入力します。db_nameはデータベースの名前です。

    $ oracle_home/bin/srvctl stop database -db db_name
    
  3. すべてのノード上のOracle Clusterwareノード・アプリケーションおよびリソースをすべて停止します。ノードで実行されているノード・アプリケーションを停止するには、次のコマンドを入力します(u01/app/grid/12.1.0はGridホーム、nodeはアプリケーションが実行されているノードの名前)。

    $ u01/app/grid/12.1.0/bin/srvctl stop nodeapps -node node
    
  4. rootユーザーとして、すべてのノードで次のコマンドを入力して、各ノードのOracle ClusterwareプロセスおよびOracle ASMインスタンスを停止します。

    # crsctl stop cluster
    

    クラスタ内のすべてのノードのOracle ClusterwareおよびOracle ASMインスタンスを停止するには、crsctl stop cluster -allという1つのコマンドを入力すると実行できます。


    注意:

    crsctl stop crsコマンドは、シングル・インスタンス・データベースのOracle Restartサービスの停止に使用します。

D.4 CVUを使用したOracle RACアップグレードの準備状況の検証

この項の内容を確認してOracle RACクラスタのアップグレードの準備ができていることを検証します。

D.4.1 CVUデータベース・アップグレード検証コマンドのオプション

Oracle RACインストールのアップグレードの準備状況を確認するには、クラスタ検証ユーティリティ(CVU)のコマンドcluvfy stage -predbinst -upgradeを使用します。-predbinst -upgradeフラグを指定してcluvfyを実行すると、システム・チェックが実行され、クラスタが既存のOracle RACインストールからのアップグレードに適した状態にあるかどうかが確認されます。

このコマンドでは次の構文を使用します。可変的な内容はイタリック体で示されています。

cluvfy stage -pre dbinst -upgrade -src_dbhome src_RAChome  -dest_dbhome 
dest_RAChome -dest_version dest_version [-fixup[-fixupdirpath]] [-verbose]

オプションは次のとおりです。

  • -src_dbhome src_RAChome

    このフラグは、アップグレード対象のソースのOracle RACホームの場所(src_RAChomeはアップグレードするホームのパス)を示すために使用します。

  • -dest_dbhome dest_RAChome

    このフラグは、アップグレードしたOracle RACホームの場所(dest_RAChomeはOracle RACホームのパス)を示すために使用します。

  • -dest_version dest_version

    このフラグは、アップグレード(パッチセットを含む)のリリース番号を示すために使用します。リリース番号には、プラットフォーム固有のパッチのレベルにリリースを指定する5桁の数字が含まれている必要があります。たとえば、12.1.0.1.0などです。


    関連項目:

    リリース番号の形式については、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

  • -fixup [-fixupdir fixupdirpath]]

    -fixupフラグは、クラスタのアップグレードの準備ができていることを確認するために実行が必要な必須手順に関する命令を生成することを示すために使用します。デフォルトの場所は、CVUの作業ディレクトリです。別のディレクトリに修正指示を配置する場合は、-fixupdirフラグを追加して修正ディレクトリへのパスを指定します。

  • -verbose

    -verboseフラグを使用すると、個々のチェックの詳細な出力が生成されます。

D.4.2 Oracle RACインフラストラクチャに対するシステム・アップグレードの準備状況の検証例

次のコマンドを実行すると、Oracle RACのインストールに必要な権限が、ノードnode1およびnode2で構成されているかどうかを検証できます。

$ ./cluvfy stage -pre dbinst -upgrade -src_dbhome /u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1 -dest_dbhome 
/u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1 -dest_version 12.1.0.0.0 -fixup
-fixupdirpath /home/oracle/fixup -verbose

D.4.3 Oracle Databaseのアップグレードに対するシステム準備状況の検証

クラスタ検証ユーティリティ(CVU)を使用すると、データベースのアップグレードを開始する前準備として、システムをチェックできます。インストーラによって適切なCVUチェックが自動的に実行され、問題の修正を求めるプロンプトが表示されるか、またはアップグレードを進める前にクラスタ内のすべてのノード上で実行するための修正スクリプトが提供されます。


関連項目:

『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』