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Oracle® Data Guard概要および管理
12c リリース1 (12.1)
B71304-07
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16 初期化パラメータ

表16-1にOracle Data Guard環境のデータベースに影響を与える初期化パラメータと、そのパラメータがプライマリ・データベース・ロール、スタンバイ・データベース・ロール、あるいはその両方のいずれに適用されるかを示します。また、これらのパラメータをOracle Data Guard環境で設定する場合の固有の注意点および推奨事項も記載します。『Oracle Databaseリファレンス』には、ALTER SYSTEM SET文の発行(たとえばALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_TRACEなど)、または初期化パラメータ・ファイルの編集による初期化パラメータの更新方法を含む、完全な初期化パラメータ情報が記載されています。初期化パラメータの設定方法の詳細は、オペレーティング・システム固有のOracleマニュアルを参照してください。

表16-1 Oracle Data Guard構成内のインスタンスの初期化パラメータ

パラメータ 適用可能先 注意点および推奨事項

COMPATIBLE = release_number

プライマリ

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ

スイッチオーバーを実行すると思われる場合は、同じ値をプライマリ・データベースおよびスタンバイ・データベースに指定します。値が異なる場合は、REDO転送サービスがREDOデータをプライマリ・データベースからスタンバイ・データベースに転送できない可能性があります。例については、「スタンバイ・データベース用のパラメータ・ファイルの作成」を参照してください。

ロジカル・スタンバイ・データベースは、スイッチオーバーがないと思われる場合、プライマリ・データベースよりCOMPATIBLEの設定が大きくなる可能性があります。

SQL Applyを使用したローリング・アップグレードの場合は、このパラメータを「ロジカル・スタンバイ・データベースの新規作成によるローリング・アップグレードの実行」で説明したガイドラインに従って設定します。

CONTROL_FILE_RECORD_KEEP_TIME = number_of_days

プライマリ

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ

オプション。このパラメータを使用して、指定された日数(0から365)内に、制御ファイル内(アーカイブREDOログ・ファイルなどの必要な情報が含まれている)の再使用可能レコードが上書きされないようにします。

CONTROL_FILES = 'control_file_name', 'control_file_name' ''

プライマリ

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ

必須。1つ以上の制御ファイルのパス名とファイル名を指定します。制御ファイルはすでにデータベースに存在している必要があります。2つの制御ファイルを使用することをお薦めします。現行の制御ファイルの別のコピーが存在していれば、問題のない制御ファイルを問題のある制御ファイルの場所にコピーした後、容易にインスタンスを再開できます。例については、「スタンバイ・データベース用のパラメータ・ファイルの作成」を参照してください。

DB_FILE_NAME_CONVERT = 'location_of_primary_database_datafile','location_of_standby_database_datafile'

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ

このパラメータには、文字列をペアで指定する必要があります。最初の文字列は、プライマリ・データベース・ファイル名の中で検索される文字列です。その文字列が一致すると、スタンバイ・データベース・ファイル名を構成する2番目の文字列に置き換えられます。複数のペアのファイル名を指定できます。

DB_UNIQUE_NAME = データベースの一意の名前

プライマリ

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ

LOG_ARCHIVE_CONFIGパラメータの指定時には必須のもので、それ以外の場合も推奨されます。このデータベースの一意の名前を指定します。この名前はプライマリ・データベースとスタンバイ・データベースのロールが逆になっても変更されません。DB_UNIQUE_NAMEパラメータは、DB_NAMEパラメータ値にデフォルト設定されます。

FAL_CLIENT = Oracle_Net_service_name

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ

このパラメータは必要なくなりました。設定されていない場合、フェッチ・アーカイブ・ログ(FAL)サーバーは、クライアントのDB_UNIQUE_NAMEに対応するLOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータからクライアントのネットワーク・アドレスを取得します。

FAL_SERVER = Oracle_Net_service_name

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ

欠落しているアーカイブREDOログ・ファイルをこのスタンバイ・データベースがフェッチ(要求)できるフェッチ元データベースのOracle Netサービス名を1つ以上指定します。

INSTANCE_NAME

プライマリ

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ

オプション。このパラメータが定義されており、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースが同じホストに存在する場合は、スタンバイ・データベースに対してプライマリ・データベースとは異なる名前を指定します。例については、「スタンバイ・データベース用のパラメータ・ファイルの作成」を参照してください。

LOG_ARCHIVE_CONFIG ='DG_CONFIG=(db_unique_name, db_unique_name, ... )'

プライマリ

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

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強く推奨いたします。Oracle Data Guardの機能を完全に有効にするには、このパラメータのDG_CONFIG属性をOracle Data Guard構成のデータベースごとに明示的に設定する必要があります。構成内の各データベース名のDB_UNIQUE_NAMEを含み、各名前がカンマで区切られたテキスト文字列にDG_CONFIGを設定します。

LOG_ARCHIVE_DEST_n = {LOCATION=path_name | SERVICE=service_name, attribute, attribute }

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必須。最大30(ここでn = 1, 2, 3, ...31)の宛先を定義します。それぞれがLOCATIONまたはSERVICE属性を指定する必要があります。各LOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータに対し、それぞれ対応するLOG_ARCHIVE_DEST_STATE_nパラメータを指定します。

LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_n = {ENABLE|DEFER|ALTERNATE}

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ロジカル・スタンバイ

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必須。LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_nパラメータを指定して、指定された(または代替の)宛先へのREDO転送サービスによるREDOデータの転送を有効または無効に設定します。各LOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータに対し、LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_nパラメータを定義します。「LOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータの属性」も参照してください。

LOG_ARCHIVE_FORMAT=log%d_%t_%s_%r.arc

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ロジカル・スタンバイ

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LOG_ARCHIVE_FORMATおよびLOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータが連結され、データベースに完全修飾されたアーカイブREDOログ・ファイル名が生成されます。

LOG_ARCHIVE_MAX_PROCESSES =integer

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ロジカル・スタンバイ

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オプション。Oracleソフトウェアが最初に起動するアーカイバ(ARCn)プロセスの数(1から30)を指定します。デフォルト値は4です。

LOG_ARCHIVE_MIN_SUCCEED_DEST

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ロジカル・スタンバイ

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オプション。このパラメータは、ログ・ファイル・グループを再使用する前にアーカイブする必要のあるローカルまたはリモートの必須の宛先、またはローカルのオプションの宛先の数を指定します。

LOG_ARCHIVE_TRACE=integer

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ロジカル・スタンバイ

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オプション。スタンバイ・サイトへのREDOデータの転送をトレースするには、このパラメータを設定します。有効な整数値については、「アーカイブ・トレースの設定」に説明されています。

LOG_FILE_NAME_CONVERT = 'location_of_primary_database_redo_logs','location_of_standby_database_redo_logs'

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ

このパラメータは、プライマリ・データベースのオンラインREDOログ・ファイルのパス名をスタンバイ・データベースのパス名に変換します。例については、「スタンバイ・データベース用のパラメータ・ファイルの作成」を参照してください。

REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILE = {EXCLUSIVE|SHARED}

プライマリ

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

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オペレーティング・システムの認証を管理ユーザーに使用する場合およびSSLをREDO転送の認証に使用する場合はオプション。それ以外の場合は、Oracle Data Guard構成内の各データベースに対して、EXCLUSIVEまたはSHAREDに設定する必要があります。

SHARED_POOL_SIZE = bytes

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ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

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オプション。オンラインREDOログ・ファイルから読み込んだ情報を処理するSystem Global Area(SGA)の指定に使用します。使用可能なSGAが大きいと、処理できる情報量も大きくなります。

STANDBY_ARCHIVE_DEST = filespec

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ

このパラメータは非推奨であり、下位互換性のためにのみ保持されています。

STANDBY_FILE_MANAGEMENT = {AUTO | MANUAL}

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フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ

STANDBY_FILE_MANAGEMENTパラメータをAUTOに設定し、データファイルをプライマリ・データベースに追加、またはプライマリ・データベースから削除すると、手動操作なしで該当する変更内容がスタンバイ・データベースにも反映されるようにします。プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースのディレクトリ構造が異なる場合は、DB_FILE_NAME_CONVERT初期化パラメータも設定して、プライマリ・データベースのデータファイルの1つ以上のセットのファイル名を(フィジカル)スタンバイ・データベースのファイル名に変換する必要があります。