この章では、Oracle Universal Installerを起動する前に完了しておく必要がある作業について説明します。
注意: Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)またはOracle Restartを使用する場合は、データベースのインストールおよび作成を行う前に、まず、スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureをインストールする必要があります。そうでない場合は、データベースを手動でOracle Restartに登録する必要があります。 |
この章の内容は次のとおりです。
関連項目:
|
Oracle Solarisのサーバーへのインストールの詳細は、Oracle Solarisのドキュメントを参照してください。Oracle Solaris Automated Installer (AI)などのOracle Solaris 11のインストール・サービスを使用し、ネットワークを介してOracle Solaris 11オペレーティング・システムをインストールするサービスを作成し、管理することもできます。
関連項目:
|
インストール中は、root
または他のユーザーとして、リモート端末上で作業を行う必要があります。リモート表示できるようにする必要があるユーザー・アカウントに対して、次の手順を実行します。
注意: 別のユーザー(grid など)としてログインする場合は、そのユーザーでもこの手順を繰り返します。 |
root
ユーザーとしてログインしてリモート表示を有効にするには、次の手順のいずれかを実行します。
X Window SystemワークステーションまたはXターミナルからソフトウェアをインストールする場合は、次の手順を実行します。
新規Xターミナル・セッション(xterm
)を開始します。
ソフトウェアを別のシステムにインストールし、そのシステムをX11ディスプレイとして使用する場合は、次の構文を使用してコマンドを入力し、リモート・ホストがローカルのXサーバーでXアプリケーションを表示できるようにします。
$ xhost + RemoteHost
RemoteHost
は完全修飾されたリモートのホスト名です。次に例を示します。
$ xhost + somehost.example.com
somehost.example.com being added to the access control list
ローカル・システムにソフトウェアをインストールしない場合は、ssh
、rlogin
、またはtelnet
コマンドを使用して、ソフトウェアをインストールするシステムに接続します。
$ ssh -Y RemoteHost
root
ユーザーとしてログインしていない場合は、次のコマンドを入力してユーザーをroot
に切り替えます。
$ su - root password: #
Xサーバー・ソフトウェアがインストールされたPCまたはその他のシステムからソフトウェアをインストールする手順:
注意: この手順の実行に関する詳細は、必要に応じてXサーバーのドキュメントを参照するか、Xサーバーのベンダーまたはシステム管理者に問い合せてください。使用しているXサーバーのソフトウェアによっては、別の順序でタスクを実行する必要がある場合があります。 |
X Window Systemソフトウェアを起動します。
X Window Systemソフトウェアのセキュリティ設定を、リモート・ホストでローカル・システムのXアプリケーションを表示できるように構成します。
Oracleソフトウェア・インストール所有者(oracle
)としてソフトウェアをインストールするリモート・システムに接続し、そのシステムでX端末セッション(xterm
)を開始します。
リモート・システム上で別の端末セッションを開き、root
ユーザーとしてリモート・システムにログインします。プロンプトが表示されたら、root
としてスクリプトを実行できます。
この項では、Oracle Databaseのインストール前に完了しておく必要のある、次のオペレーティング・システムの作業について説明します。
現在のシステム情報を確認するには、次のコマンドを実行します。
次のコマンドを入力してシステム・アクティビティ・レポートを取得し、使用可能なRAMおよびスワップ領域を確認します。
# sar -r n i
次に例を示します。
# sar -r 2 10
システムに搭載されている物理RAMのサイズが要件のサイズより少ない場合は、次の手順に進む前にメモリーを増設してください。
構成済スワップ領域のサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。
# /usr/sbin/swap -l
追加のスワップ領域の構成方法は、必要に応じてオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。
注意: サーバーに対するスワップ領域の割当ての詳細は、Oracle Solarisのマニュアルを参照してください。Oracle Solarisのマニュアルのガイドラインは、このマニュアルに示すスワップ領域要件より優先されます。 |
/tmp
ディレクトリ内の使用可能な領域の量を確認するには、次のコマンドを入力します。
# df -k /tmp
df -k
コマンドでは、ディスク領域が1KBのブロックで表示されます。多くのシステムで、df
コマンドを-h
フラグとともに使用して(df -h
)、人間が判読可能な形式で出力を表示できます。
/tmp
ディレクトリの空き領域が、必要な領域の要件を満たさない場合、次のいずれかの手順を実行します。
ディスク領域の要件が満たされるように、/tmp
ディレクトリから不要なファイルを削除します。
oracle
ユーザーの環境を設定するときに、TMP
およびTMPDIR
環境変数を設定します。
/tmp
ディレクトリを含むファイル・システムを拡張します。
システムの空きディスク領域のサイズを確認するには、次のコマンドのいずれかを入力します。
# df -k # df -h
RAMサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。
# /usr/sbin/prtconf | grep "Memory size"
次のコマンドを入力して、システム・アーキテクチャでOracleソフトウェアを実行できるかどうかを確認します。
# /bin/isainfo -kv
このコマンドでは、プロセッサ・タイプが表示されます。このコマンドからの出力は次のとおりです。
Oracle Solaris on SPARC(64-Bit):
64-bit sparcv9 kernel modules
Oracle Solaris on x86-64(64-Bit):
64-bit amd64 kernel modules
想定した出力が表示されない場合、このシステムにそのソフトウェアはインストールできません。次の手順に進む前に、ご使用のシステム・アーキテクチャに適したソフトウェアを入手してください
次に示す、一般的な最低要件をシステムが満たしていることを確認してください。
システムが必ず実行レベル3で起動されるようにします。
システム・コンソールベースのインストールの実行中に、Oracle Universal Installerが正しく表示されるよう、ディスプレイカードの解像度が少なくとも1024 x 768であることを確認してください。
ご使用のOracle Solarisシステムが、次の記憶域要件を満たしていることを確認してください。
ご使用のOracle Solarisシステムが、次のメモリー要件を満たしていることを確認してください。
最小: 1GBのRAM
推奨: 2GB以上のRAM
表3-3は、インストールされているRAMと構成済スワップ領域の推奨サイズの関係を示したものです。
セキュアなオペレーティング・システムは、一般的なシステム・セキュリティの重要な基本です。オペレーティング・システムのデプロイメントが、オペレーティング・システム・ベンダーのセキュリティ・ガイドに記載されている一般的なセキュリティの措置に準拠していることを確認してください。
Oracle Universal Installerは、インストールの最小要件が満たされていない場合に検知し、要件を満たしていないシステム構成手順を実行するために、修正スクリプトと呼ばれるシェル・スクリプト・プログラムを作成します。Oracle Universal Installerは不完全なタスクを検出すると、修正スクリプト(runfixup.sh
)を生成します。修正スクリプトを実行し、「修正および再チェック」をクリックします。修正スクリプトは、永続パラメータ設定とメモリーのパラメータの両方を変更するため、システムを再起動する必要はありません。
関連項目: cluvfyコマンドの使用方法の詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』の 「クラスタ検証ユーティリティの参照」を参照してください |
修正スクリプトによって、次の作業が実行されます。
必要に応じて、インストールを正しく実行するために必要な値を次のカーネル・パラメータに設定します。
共有メモリーのパラメータ。
オープン・ファイル記述子とUDP送受信のパラメータ
Oracleインベントリ(中央インベントリ)ディレクトリに権限が作成および設定されます。
インストール所有者、必要な場合はOracleインベントリ・ディレクトリ、オペレーティング・システム権限グループの、プライマリおよびセカンダリ・グループ・メンバーシップが作成または再構成されます。
必要に応じて、シェル制限が必要な値に設定されます。
生成された修正スクリプトの内容を変更しないことをお薦めします。
注意: 修正スクリプトを使用しても、Oracle Databaseのインストールの前提条件がすべて確実に満たされるとはかぎりません。インストールを確実に成功させるには、すべてのインストール前の要件が満たされていることを確認する必要があります。 |
インストールする製品に応じて、必要なオペレーティング・システム・カーネルとパッケージがインストールされていることを確認してください。
このマニュアルに記載されているのは、タイトル・ページに記載されている日付での最新の要件です。カーネル要件の最新情報については、次のURLのOracle Technology Networkでオンライン版を参照してください。
http://www.oracle.com/technetwork/indexes/documentation/index.html
Oracle Universal Installerによって、システムが示されたオペレーティング・システム・パッケージの要件を満たしていることを確認するチェックが実行されます。これらの検証が正常に完了するように、OUIを起動する前に要件を確認してください。
注意: オペレーティング・システムのアップグレード時を除いて、クラスタ・メンバー間で異なるオペレーティング・システム・バージョンを実行することはできません。各オペレーティング・システムがサポートされている場合でも、同じクラスタのメンバーで異なるオペレーティング・システム・バージョンのバイナリを実行することはできません。 |
この項に記載されているOracle Solarisのカーネルとパッケージは、Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructure 12c向けのSPARC 64ビット・システムでサポートされています。
注意: このマニュアルに記載されているプラットフォーム固有のハードウェア要件とソフトウェア要件は、このマニュアルの発行時点での最新情報です。ただし、このマニュアルの発行後にプラットフォームおよびオペレーティング・システム・ソフトウェアの新しいバージョンが動作保証されている場合があるため、My Oracle SupportのWebサイトの動作保証マトリックスで、動作保証済のハードウェア・プラットフォームおよびオペレーティング・システムのバージョンの最新リストを参照してください。 |
次の情報を使用して、サポートされているOracle Solaris 11リリースをチェックしてください。
表3-4 SPARC 64ビットでサポートされているOracle Solaris 11オペレーティング・システムの要件
項目 | 要件 |
---|---|
SSHの要件 |
セキュア・シェルはOracle Solarisのインストール時に構成されます。 |
Oracle Solaris 11のオペレーティング・システム |
Oracle Solaris 11.1 SRU 14.5 (Branch: 0.175.1.14.0.5.0)以上のSRUおよびアップデート |
Oracle Solaris 11のパッケージ |
次のパッケージがインストールされている必要があります。
|
次の情報を使用して、サポートされているOracle Solaris 10リリースをチェックしてください。
表3-5 SPARC 64ビットでサポートされているOracle Solaris 10オペレーティング・システムの要件
項目 | 要件 |
---|---|
SSHの要件 |
セキュア・シェルはOracle Solarisのインストール時に構成されます。 |
Oracle Solaris 10のオペレーティング・システム |
Oracle Solaris 10 Update 11 (Oracle Solaris 10 1/13 s10s_u11wos_24a)以上のアップデート。 |
Oracle Solaris 10用のパッケージおよびパッチ |
次のパッケージおよびパッチ(またはそれ以降のバージョン)がインストールされている必要があります。 SUNWarc SUNWbtool SUNWcsl SUNWdtrc SUNWeu8os SUNWhea SUNWi1cs (ISO8859-1) SUNWi15cs (ISO8859-15) SUNWi1of SUNWlibC SUNWlibm SUNWlibms SUNWsprot SUNWtoo SUNWxwfnt 147440-25 注意: ロケールに応じて、追加のJava用フォント・パッケージが必要になる場合があります。詳細は、次のWebサイトを参照してください。
|
記載されているOracle Solarisのカーネルとパッケージは、Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructure 12c向けのx86-64 (64-bit)システムでサポートされています。
次の情報を使用して、サポートされているOracle Solaris 11リリースをチェックしてください。
表3-6 x86-64 (64-Bt)のサポートされるOracle Solaris 11オペレーティング・システム要件
項目 | 要件 |
---|---|
SSHの要件 |
セキュア・シェルはOracle Solarisのインストール時に構成されます。 |
Oracle Solaris 11のオペレーティング・システム |
Oracle Solaris 11.1 SRU 14.5 (Branch: 0.175.1.14.0.5.0)以上のSRUおよびアップデート |
Oracle Solaris 11のオペレーティング・システムおよびパッケージ |
次のパッケージがインストールされている必要があります。
|
次の情報を使用して、サポートされているOracle Solaris 10リリースをチェックしてください。
表3-7 x86-64 (64-Bt)のサポートされるOracle Solaris 10オペレーティング・システム要件
項目 | 要件 |
---|---|
SSHの要件 |
セキュア・シェルはOracle Solarisのインストール時に構成されます。 |
Oracle Solaris 10のオペレーティング・システム |
Oracle Solaris 10 Update 11 (Oracle Solaris 10 1/13 s10x_u11wos_24a)以上のアップデート。 |
Oracle Solaris 10用のパッケージおよびパッチ |
次のパッケージおよびパッチ(またはそれ以降のバージョン)がインストールされている必要があります。 SUNWarc SUNWbtool SUNWcsl SUNWdtrc SUNWeu8os SUNWhea SUNWi1cs (ISO8859-1) SUNWi15cs (ISO8859-15) SUNWi1of SUNWlibC SUNWlibm SUNWlibms SUNWsprot SUNWtoo SUNWxwfnt 147441-25 注意: ロケールに応じて、追加のJava用フォント・パッケージが必要になる場合があります。詳細は、次のWebサイトを参照してください。
|
追加のドライバやパッケージをインストールする必要はありませんが、次のリストのドライバおよびパッケージをインストールまたは構成することが可能です。
注意: Oracle Databaseスマート・フラッシュ・キャッシュは、Enterprise Edition専用の機能です。 |
Open Database Connectivity (ODBC)をインストールする場合は、次の項を確認してください。
Open Database Connectivity (ODBC)は、データベースにアクセスするためのAPIのセットで、データベースに接続してデータベース上でSQL文を実行します。ODBCドライバを使用するアプリケーションは、スプレッドシートやカンマ区切りファイルなど、不均一なデータ・ソースにアクセスできます。
Oracle Solaris上でODBCを使用するには、次のパッケージが必要です。
unixODBC-2.3.1 or later
次のWebサイトからODBCドライバをダウンロードし、インストールしてください。
Oracle Messaging Gatewayをインストールする場合は、次の項を確認してください。
Oracle Messaging Gatewayは、Oracle以外のメッセージ・システムとOracle Streams Advanced Queuingに基づくアプリケーション間の通信を可能にするOracleデータベースの機能です。
Oracle Messaging Gatewayでは、Oracle Streams Advanced Queuing (AQ)とWebSphere MQおよびTIBCO Rendezvousをベースとするアプリケーションとの統合がサポートされています。サポートされるバージョンについては、『Oracle Databaseアドバンスト・キューイング・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
Oracle Messaging Gatewayは、Oracle DatabaseのEnterprise Editionとともにインストールされます。
IBM WebSphere MQのCSDが必要な場合は、次のWebサイトでダウンロードおよびインストールの情報を参照してください。
Lightweight Directory Access Protocolをインストールする場合は、次の項を確認してください。
Lightweight Directory Access Protocol (LDAP)は、IPネットワーク上に分散したディレクトリ情報サービスにアクセスし、維持するためのアプリケーション・プロトコルです。Oracle Databaseスクリプトodisrvreg
、Oracle Internet Directory用のoidca
、またはサード・パーティのLDAPディレクトリ用のschemasync
など、LDAPを必要とする機能を使用する場合は、LDAPパッケージが必要です。
LDAPは、デフォルトのSolarisオペレーティング・システム・インストールに含まれています。
プログラミング環境をインストールする場合は、次の項を確認してください。
Oracle Databaseでは、様々な環境におけるアプリケーション開発用に複数のプログラミング言語がサポートされています。一部の言語では、オペレーティング・システムに追加のコンパイラ・パッケージをインストールする必要があります。
プログラミング環境はオプションです。Oracle Databaseには必要ありません。
関連項目: プログラミング環境の概要は、『Oracle Database開発ガイド』を参照してください |
システムが、構成するプログラミング環境の要件を満たしていることを確認してください。
表3-8 Oracle Solaris用のプログラミング環境の要件
プログラミング環境 | サポート要件 |
---|---|
Java Database Connectivity |
JDK 6 (Java SE Development Kitリリース1.6.0_37以上の1.6へのアップデート): JNDI拡張およびOracle Java Database Connectivityを含みます。 Solaris 11でサポート: JDK 7 (Java SE Development Kitリリース1.7.0) Solaris 10でサポート: JDK 7 (Java SE Development Kitリリース1.7.0) このリリースでは、JDK 1.6がインストールされています。 |
Oracle Call Interface(OCI) |
JDK 6 (Java SE Development Kitリリース1.6.0_37以上の1.6へのアップデート): JNDI拡張およびOracle Call Interfaceドライバを含みます。このリリースでは、JDK 1.6がインストールされています。 |
Oracle C++ Oracle C++ Call Interface Pro*C/C++ Oracle XML Developer's Kit (XDK) |
Oracle Solaris Studio 12 (以前のSun Studio) デプロイするアプリケーションに応じて、追加のパッチが必要な場合があります。 Oracle Solaris Studioを次のURLからダウンロードします。
|
Pro*COBOL |
Micro Focus Server Express 5.1 |
Pro*FORTRAN |
Oracle Solaris Studio 12(Fortran 95) |
Oracle Enterprise Manager Database ExpressおよびOracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用する場合のみ、Webブラウザが必要です。WebブラウザがJavaScriptおよびHTML 4.0標準とCSS 1.0標準をサポートしている必要があります。これらの要件を満たすブラウザの一覧については、My Oracle SupportでEnterprise Manager動作保証マトリックスを参照してください。
https://support.oracle.com
関連項目: Enterprise Manager動作保証マトリックスにアクセスする手順については、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください。 |
インストールされているOracle Solarisのバージョンを確認するには、次のコマンドを入力します。
# uname -r 5.11
この例で示されているバージョンは、Oracle Solaris 11(5.11)です。
リリース・レベルを確認するには、次のコマンドを入力します。
# cat /etc/release Oracle Solaris 11.1 SPARC
必要なパッケージがインストールされているかどうかを調べるために、次のコマンドを入力します。
Oracle Solaris 10の場合
pkginfo -i pkg_name
Oracle Solaris 11の場合
pkg list pkg_name
ここで、pkg_name
はチェックする対象のパッケージの名前です。
たとえば、必要なOracle Solaris 10パッケージがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。
# pkginfo -i SUNWarc SUNWbtool SUNWhea SUNWlibC SUNWlibm SUNWlibms SUNWsprot \ SUNWtoo SUNWi1of SUNWi1cs SUNWi15cs SUNWxwfnt SUNWcsl SUNWdtrc
システム・アーキテクチャに必要なパッケージがインストールされていない場合は、インストールします。パッケージのインストールの詳細は、オペレーティング・システムまたはソフトウェアのドキュメントを参照してください。
注意: 表示されたパッケージのより新しいバージョンが、システムにインストールされている場合があります。記載のパッチがインストールされていない場合、記載のバージョンをインストールする前に、それより新しいバージョンがインストールされているかどうかを確認します。 |
次のコマンドを使用して必要なパッケージがあるかどうかをチェックします。
# /usr/bin/pkg verify [-Hqv] [pkg_pattern
...]
-H
オプションは検証出力からヘッダーを省略します。
-q
オプションは、致命的なエラーが見つかった場合にエラーのみを返し、それ以外は出力しません。
-v
オプションではパッケージに関する情報メッセージが含まれます。
システムのアーキテクチャに必要なパッケージがインストールされていない場合は、My Oracle Supportからダウンロードしてインストールします。
https://support.oracle.com
関連項目:
|
注意: 表示されたパッチのより新しいバージョンが、システムにインストールされている場合があります。記載のパッチがインストールされていない場合、記載のバージョンをインストールする前に、それより新しいバージョンがインストールされているかどうかを確認します。 |
必要なオペレーティング・システム・パッチがあることを確認します。システムがこれらの要件を満たしていることを確認するために、次の手順を使用します。
オペレーティング・システム・パッチがインストールされているかどうかと、それが適切なバージョンなのかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。
# /usr/sbin/patchadd -p | grep patch_number
たとえば、いずれかのバージョンの119963パッチがインストールされているかどうかを確認するには、次のコマンドを使用します。
# /usr/sbin/patchadd -p | grep 119963
オペレーティング・システム・パッチがインストールされていない場合は、My Oracle Supportからダウンロードしてインストールします。
https://support.oracle.com
通常、Oracle Databaseをインストールするコンピュータはネットワークに接続されています。コンピュータのホスト名が、Domain Name System (DNS)、ネットワーク情報サービス(NIS)または集中管理されているTCP/IPホスト・ファイル(/etc/hosts
など)によって解決可能であることを確認します。ping
コマンドを使用して、コンピュータのホスト名が解決可能でることを確認します。次に例を示します。
ping myhostname pinging myhostname.example.com [192.0.2.2] with 32 bytes of data: Reply from 192.0.2.2: bytes=32 time=138ms TTL=56
コンピュータのホスト名が解決されない場合は、システム管理者に連絡してください。
Oracleソフトウェア用に次のディレクトリを識別または作成する必要があります。
注意:
|
Oracleベース・ディレクトリは、Oracleソフトウェア・インストールのトップレベル・ディレクトリです。Optimal Flexible Architecture(OFA)ガイドラインでは、次のようなパスをOracleベース・ディレクトリで使用することを推奨しています。
/mount_point/app/software_owner
mount_point
は、Oracleソフトウェアを格納するファイル・システムのマウント・ポイント・ディレクトリです。
このマニュアルの例では、マウント・ポイント・ディレクトリに/u01
を使用しています。
software_owner
は、oracle
またはgrid
など、Oracleソフトウェアをインストールするソフトウェア所有者のオペレーティング・システム・ユーザー名です。
注意: ORACLE_BASE 環境変数が設定された状態でサーバー・パラメータ・ファイル(spfile )を使用してデータベース・インスタンスを起動すると、その値は自動的にspfile に格納されます。ORACLE_BASE 環境変数の設定を解除して、インスタンスを再度起動すると、データベースではspfile に格納されたOracleベース・ディレクトリの値が使用されます。 |
すべてのOracle製品を含むOracleベース・ディレクトリを指定する必要があります。
注意: 既存のOracleベース・ディレクトリがある場合、データベースのインストール時に「Oracleベース」リストから選択できます。Oracleベースがない場合は、リスト・ボックスでテキストを編集して作成できます。デフォルトでは、リストには、Oracleベースの既存の値が含まれます。詳細は、「Oracle Databaseソフトウェアのインストール」を参照してください。 |
複数のインストールに同じOracleベース・ディレクトリを使用することも、異なるインストール用に別々のOracleベース・ディレクトリを作成することもできます。異なるオペレーティング・システム・ユーザーが同じシステム上にOracleソフトウェアをインストールする場合、各ユーザーは個別のOracleベース・ディレクトリを作成する必要があります。次に、Oracleベース・ディレクトリが同じシステム上に存在する例を示します。
/u01/app/oracle /u01/app/orauser
「Oracleベース・ディレクトリの作成」を参照してください。
Oracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory
)には、システム上にインストールされたすべてのソフトウェアのインベントリが格納されます。このディレクトリは、単一システム上にインストールされたすべてのOracleソフトウェアに必須であり、共有のものです。既存のOracleインベントリ・パスがある場合は、Oracle Universal InstallerはそのOracleインベントリを使用します。
システムに初めてOracleソフトウェアをインストールする場合、Oracle Universal Installerでは、Optimal Flexible Architectureに準拠した/u[01-09]/app
形式のパス(/u01/app
など)が提供されます。インストールを実行中のユーザーは、このパスへの書込み権限があります。該当する場合、Oracle Universal Installerにより、/u[01-09]/app/oraInventory
パスにOracleインベントリ・ディレクトリが作成されます。次に例を示します。
/u01/app/oraInventory
インストールの際にoracle
ユーザーのORACLE_BASE
を設定した場合は、Oracle Universal Installerにより、パスORACLE_BASE/../oraInventory
のORACLE_BASE
の1レベル上にOracleインベントリ・ディレクトリが作成されます。たとえば、ORACLE_BASE
が/u01/app/oracle
に設定されている場合、Oracleインベントリ・ディレクトリは、パス/u01/app/oraInventory
に作成されます。
OFA準拠パスも作成しておらず、ORACLE_BASE
も設定していない場合、Oracleインベントリ・ディレクトリはインストールを実行するユーザーのホーム・ディレクトリに配置されます。次に例を示します。
/home/oracle/oraInventory
Oracle Universal Installerでは、指定したディレクトリが作成され、それに対する適切な所有者、グループおよび権限が設定されます。ユーザーが作成する必要はありません。
注意:
|
Oracleホーム・ディレクトリは、特定のOracle製品のソフトウェアをインストールするディレクトリです。異なるOracle製品、または同じOracle製品でもリリースが異なる場合は、別々のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。Oracle Universal Installerを実行すると、このディレクトリのパスと識別名を指定するよう求められます。OFAガイドラインに従い、指定するOracleホーム・ディレクトリは、インストールを実行するユーザー・アカウントのOracleベース・ディレクトリのサブディレクトリであることを強くお薦めします。Oracleホーム・ディレクトリのパスは、次のように指定することをお薦めします。
oracle_base/product/11.2.0/db_home_1 oracle_base/product/12.1.0/dbhome_1 oracle_base/product/12.1.0/grid
Oracle Universal Installerは、指定したディレクトリ・パスをOracleベース・ディレクトリの下に作成します。また、適切な所有者、グループおよび権限も設定されます。このディレクトリを作成する必要はありません。
注意: インストール時には、事前定義済の権限が適用された既存のディレクトリを、Oracleホーム・ディレクトリとして指定しないでください。指定した場合、ファイルおよびグループの所有権のエラーによりインストールが失敗する可能性があります。 |
インストールを開始する前に、既存のOracleベース・ディレクトリを識別するか、必要に応じて作成する必要があります。この項の内容は、次のとおりです。
注意: システムに他のOracleベース・ディレクトリが存在する場合でも、Oracleベース・ディレクトリを作成できます。 |
既存のOracleベース・ディレクトリは、Optimal Flexible Architecture (OFA)ガイドラインに準拠するパスを持たない可能性があります。ただし、既存のOracleインベントリ・ディレクトリまたは既存のOracleホーム・ディレクトリを識別する場合、通常は次のようにOracleベース・ディレクトリを識別できます。
既存のOracleインベントリ・ディレクトリを識別します。詳細は、「Oracle Inventoryが存在しない場合のOracle Inventoryグループの作成」を参照してください。
注意: 新規インストールの場合、oraInventory ディレクトリをOracleベース・ディレクトリに配置しないことをお薦めします。ただし、既存のインストールがある場合、この項の手順に従ってください。 |
次のコマンドを入力してoratab
ファイルの内容を表示します。
# more /var/opt/oracle/oratab
oratab
ファイルが存在する場合は、次のような構成情報が含まれます。
*:/u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1:N *:/opt/orauser/infra_904:N *:/oracle/9.2.0:N
各行に指定されたディレクトリ・パスは、Oracleホーム・ディレクトリを示します。使用するOracleソフトウェア所有者のユーザー名が末尾に付いているディレクトリ・パスは、Oracleベース・ディレクトリとして有効な選択です。oracle
ユーザーを使用してソフトウェアをインストールする場合、前述の例でリストされている次のディレクトリのどちらかを選択できます。
/u03/app/oracle /oracle
注意: 可能であれば、最初のパス(/u03/app/oracle )のようなディレクトリ・パスを選択します。このパスは、OFAガイドラインに準拠しています。 |
既存のOracleベース・ディレクトリの識別
Oracleホーム・ディレクトリの場所を確認したら、次のようなコマンドを実行してOracleベースの場所を確認します。
cat /u01/app/oraInventory/ContentsXML/inventory.xml
このインストールに既存のOracleベース・ディレクトリの使用を決定する前に、次の条件を満たしていることを確認してください。
このディレクトリがオペレーティング・システムと同じファイル・システム上にないこと。
Oracleベース・ディレクトリには、ソフトウェア・ファイル用に5GBの空きディスク領域が必要です。
Oracleベース・ディレクトリがあるファイル・システムの空きディスク領域を確認するには、次のコマンドを入力します。
# df -k
このコマンドでは、ディスク領域が1KBのブロックで表示されます。多くのシステムで、df
コマンドを-h
フラグとともに使用して(df -h
)、人間が判読可能な形式で出力を表示できます。
詳細は、次の項を参照してください。
Oracleベース・ディレクトリが存在し、それを使用する場合は、「Oracle Databaseファイルおよびリカバリ・ファイルの記憶域オプションの選択」を参照してください。
この後の項でoracle
ユーザーの環境を構成する際に、ORACLE_BASE
環境変数を設定して選択したディレクトリを指定します。
Oracleベース・ディレクトリがシステム上にない、またはOracleベース・ディレクトリを作成する場合は、「Oracleベース・ディレクトリの作成」を参照してください。
Oracleベース・ディレクトリを作成する前に、十分な空きディスク領域を持つ適切なファイル・システムを識別する必要があります。
次のコマンドを使用して、マウント済の各ファイル・システム上の空きディスク領域を確認します。
# df -k
このコマンドでは、ディスク領域が1KBのブロックで表示されます。多くのシステムで、df
コマンドを-h
フラグとともに使用して(df -h
)、人間が判読可能な形式で出力を表示できます。
表示された結果から、適切な空き領域があるファイル・システムを識別します。
識別するファイル・システムは、ローカル・ファイル・システム、クラスタ・ファイル・システムまたは動作保証されているNASデバイス上のNFSファイル・システムのいずれかです。
指定したファイル・システム用のマウント・ポイント・ディレクトリの名前を書き留めます。
Oracleベース・ディレクトリを作成して、適切な所有者、グループおよび権限を指定するには、次のようにします。
次のようなコマンドを入力し、識別したマウント・ポイント・ディレクトリに推奨サブディレクトリを作成し、それに対する適切な所有者、グループおよび権限を設定します。
# mkdir -p /mount_point/app/oracle_sw_owner # chown -R oracle:oinstall /mount_point/app/oracle_sw_owner # chmod -R 775 /mount_point/app/oracle_sw_owner
次に例を示します。
# mkdir -p /u01/app/oracle # chown -R oracle:oinstall /u01/app/oracle # chmod -R 775 /u01/app/oracle
この後の項でoracle
ユーザーの環境を構成する際に、ORACLE_BASE
環境変数を設定して、作成したOracleベース・ディレクトリを指定します。
Oracle Databaseファイルには、データファイル、制御ファイル、REDOログ・ファイル、サーバー・パラメータ・ファイル、およびパスワード・ファイルが含まれます。すべてのインストールに対して、Oracle Databaseファイルで使用する記憶域オプションを選択する必要があります。データベースのインストール時に、リカバリ・ファイル(高速リカバリ領域)に使用する記憶域オプションを選択する必要があります。各ファイル・タイプに、同じ記憶域オプションを使用する必要はありません。
注意: ファイル・システムおよびOracle ASMでは、データベース・ファイルおよびリカバリ・ファイルがサポートされます。 |
次のガイドラインに従って、各ファイル・タイプの記憶域オプションを選択します。
各ファイル・タイプに、任意の組合せのサポートされている記憶域オプションを選択します。
Oracle ASMをOracle Databaseファイルまたはリカバリ・ファイル、あるいはその両方に使用するかどうかを決定します。詳細は、「Oracle Automatic Storage Managementの記憶域要件の識別」を参照してください。
これらの記憶域オプションの詳細は、「データベース記憶域オプション」を参照してください
インストールを開始する前にディスク記憶域を構成する方法については、選択するオプションに応じて次のいずれかの項を参照してください。
データベース記憶域またはリカバリ・ファイル記憶域にファイル・システムを使用する場合は、「Oracle Databaseファイルまたはリカバリ・ファイル用ディレクトリの作成」を参照してください。
データベース記憶域またはリカバリ・ファイル記憶域にOracle ASMを使用するには、「Oracle Automatic Storage Management用の記憶域の構成」の項を参照してください。
既存のディスク・グループを識別し、その空きディスク領域を確認するには、「既存のOracle Automatic Storage Managementディスク・グループの使用」の項を参照してください。
ファイル・システムにOracle Databaseファイルを格納する場合は、次のガイドラインを使用してファイルの格納場所を決定します。
Oracle Universal Installerにより提示されるデータベース・ファイル・ディレクトリのデフォルト・パスは、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリです。
データベース・ファイルの格納には、単一のファイル・システムまたは複数のファイル・システムのどちらでも選択できます。
単一のファイル・システムを使用する場合は、データベース専用の物理デバイス上でファイル・システムを選択してください。
最適のパフォーマンスと信頼性を得るには、複数の物理デバイス上でRAIDデバイスまたは論理ボリュームを選択して、Stripe-And-Mirror-Everything(SAME)方法論を実装します。
複数のファイル・システムを使用する場合は、データベース専用の個別物理デバイス上でファイル・システムを選択します。
この方法を使用すると、様々なデバイスに物理入出力操作を分散させ、個別の制御ファイルを作成して信頼性を高めることができます。これにより、OFAガイドラインを完全に実装することもできます。「詳細」データベース作成オプションを選択すると、このメソッドを実装できます。
インストール時に事前構成済データベースを作成する場合は、選択するファイル・システム(複数も可)に2GB以上の空きディスク領域が必要です。
最適なパフォーマンスを得るには、データベース専用の物理デバイス上にあるファイル・システムを選択する必要があります。
oracle
ユーザーが指定したパスにファイルを作成するには、書込み権限が必要です。
注意: この手順を行う必要があるのは、Oracleベース・ディレクトリとは別のファイル・システム上にOracle Databaseまたはリカバリ・ファイルを格納する場合のみです。 |
Oracleベース・ディレクトリから個別のファイル・システム上にOracleデータベース・ファイルまたはリカバリ・ファイルのディレクトリを作成する手順は、次のとおりです。
マウント済の各ファイル・システム上の空きディスク領域を判別するには、次のコマンドを使用します。
# df -k
このコマンドでは、ディスク領域が1KBのブロックで表示されます。多くのシステムで、df
コマンドを-h
フラグとともに使用して(df -h
)、人間が判読可能な形式で出力を表示できます。
表示された情報から、使用するファイル・システムを識別します。
ファイル・タイプ | ファイル・システム要件 |
---|---|
データベース・ファイル | 次のいずれかを選択します。
|
リカバリ・ファイル | 2.4GB以上の空きディスク領域を持つファイル・システムを選択します。 |
多数のファイル・タイプに対して同じファイル・システムを使用している場合は、各タイプに対するディスク領域要件を加算して、ディスク領域要件の合計を判断します。
指定したファイル・システム用のマウント・ポイント・ディレクトリの名前を書き留めます。
次のようなコマンドを入力し、マウント・ポイント・ディレクトリごとに推奨サブディレクトリを作成し、それに対する適切な所有者、グループおよび権限を設定します。
データベース・ファイル・ディレクトリ:
# mkdir /mount_point/oradata # chown oracle:oinstall /mount_point/oradata # chmod 775 /mount_point/oradata
データベース・ファイル・ディレクトリのデフォルトの位置は、$ORACLE_BASE/oradata
です。
リカバリ・ファイル・ディレクトリ(高速リカバリ領域):
# mkdir /mount_point/fast_recovery_area # chown oracle:oinstall /mount_point/fast_recovery_area # chmod 775 /mount_point/fast_recovery_area
デフォルトの高速リカバリ領域は、$ORACLE_BASE/fast_recovery_area
です。高速リカバリ領域は、データベース・ファイル・ディレクトリのディスクとは別の物理ディスク上に保持することをお薦めします。この方法により、oradata
を含むディスクがなんらかの理由で使用できない場合に、高速リカバリ領域を使用してデータを取得できます。
記憶域にOracle ASMを使用する方法の詳細は、「スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureのサーバー構成」および「既存のOracleプロセスの停止」を参照してください。