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Oracle® Databaseインストレーション・ガイド
12cリリース1 (12.1) for Oracle Solaris
B71320-09
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3 Oracle Databaseのインストール前の作業

この章では、Oracle Universal Installerを起動する前に完了しておく必要がある作業について説明します。


注意:

Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)またはOracle Restartを使用する場合は、データベースのインストールおよび作成を行う前に、まず、スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureをインストールする必要があります。そうでない場合は、データベースを手動でOracle Restartに登録する必要があります。

この章の内容は次のとおりです。


関連項目:

  • 「スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureのサーバー構成」

  • 『Oracle Configuration Managerインストールおよび管理ガイド』および『Oracle Configuration Manager前提条件』のインストール前の要件に関する項

  • Oracle Configuration Managerをインストールする際に使用できる有効な国コードのリストは、『Oracle Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド』の付録A「国コード」を参照してください。


3.1 Solarisオペレーティング・システムのインストールのガイドライン

Oracle Solarisのサーバーへのインストールの詳細は、Oracle Solarisのドキュメントを参照してください。Oracle Solaris Automated Installer (AI)などのOracle Solaris 11のインストール・サービスを使用し、ネットワークを介してOracle Solaris 11オペレーティング・システムをインストールするサービスを作成し、管理することもできます。


関連項目:


3.2 システムへrootとしてログイン

インストール中は、rootまたは他のユーザーとして、リモート端末上で作業を行う必要があります。リモート表示できるようにする必要があるユーザー・アカウントに対して、次の手順を実行します。


注意:

別のユーザー(gridなど)としてログインする場合は、そのユーザーでもこの手順を繰り返します。

rootユーザーとしてログインしてリモート表示を有効にするには、次の手順のいずれかを実行します。

  • X Window SystemワークステーションまたはXターミナルからソフトウェアをインストールする場合は、次の手順を実行します。

    1. 新規Xターミナル・セッション(xterm)を開始します。

    2. ソフトウェアを別のシステムにインストールし、そのシステムをX11ディスプレイとして使用する場合は、次の構文を使用してコマンドを入力し、リモート・ホストがローカルのXサーバーでXアプリケーションを表示できるようにします。

      $ xhost + RemoteHost
      

      RemoteHostは完全修飾されたリモートのホスト名です。次に例を示します。

      $ xhost + somehost.example.com
      somehost.example.com being added to the access control list
      
    3. ローカル・システムにソフトウェアをインストールしない場合は、sshrlogin、またはtelnetコマンドを使用して、ソフトウェアをインストールするシステムに接続します。

      $ ssh -Y RemoteHost
      
    4. rootユーザーとしてログインしていない場合は、次のコマンドを入力してユーザーをrootに切り替えます。

      $ su - root
      password:
      #
      
  • Xサーバー・ソフトウェアがインストールされたPCまたはその他のシステムからソフトウェアをインストールする手順:


    注意:

    この手順の実行に関する詳細は、必要に応じてXサーバーのドキュメントを参照するか、Xサーバーのベンダーまたはシステム管理者に問い合せてください。使用しているXサーバーのソフトウェアによっては、別の順序でタスクを実行する必要がある場合があります。

    1. X Window Systemソフトウェアを起動します。

    2. X Window Systemソフトウェアのセキュリティ設定を、リモート・ホストでローカル・システムのXアプリケーションを表示できるように構成します。

    3. Oracleソフトウェア・インストール所有者(oracle)としてソフトウェアをインストールするリモート・システムに接続し、そのシステムでX端末セッション(xterm)を開始します。

    4. リモート・システム上で別の端末セッションを開き、rootユーザーとしてリモート・システムにログインします。プロンプトが表示されたら、rootとしてスクリプトを実行できます。

3.3 Oracle Database用のサーバーの構成

この項では、Oracle Databaseのインストール前に完了しておく必要のある、次のオペレーティング・システムの作業について説明します。

3.3.1 サーバーのハードウェアとメモリー構成の確認

現在のシステム情報を確認するには、次のコマンドを実行します。

  1. 次のコマンドを入力してシステム・アクティビティ・レポートを取得し、使用可能なRAMおよびスワップ領域を確認します。

    # sar -r n i
    

    次に例を示します。

    # sar -r 2 10
    

    システムに搭載されている物理RAMのサイズが要件のサイズより少ない場合は、次の手順に進む前にメモリーを増設してください。

  2. 構成済スワップ領域のサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/swap -l
    

    追加のスワップ領域の構成方法は、必要に応じてオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。


    注意:

    サーバーに対するスワップ領域の割当ての詳細は、Oracle Solarisのマニュアルを参照してください。Oracle Solarisのマニュアルのガイドラインは、このマニュアルに示すスワップ領域要件より優先されます。

  3. /tmpディレクトリ内の使用可能な領域の量を確認するには、次のコマンドを入力します。

    # df -k /tmp
    

    df -kコマンドでは、ディスク領域が1KBのブロックで表示されます。多くのシステムで、dfコマンドを-hフラグとともに使用して(df -h)、人間が判読可能な形式で出力を表示できます。

    /tmpディレクトリの空き領域が、必要な領域の要件を満たさない場合、次のいずれかの手順を実行します。

    • ディスク領域の要件が満たされるように、/tmpディレクトリから不要なファイルを削除します。

    • oracleユーザーの環境を設定するときに、TMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。


      関連項目:

      TMPおよびTMPDIRの設定の詳細は、「Oracleソフトウェア所有者環境の構成」を参照してください。

    • /tmpディレクトリを含むファイル・システムを拡張します。

  4. システムの空きディスク領域のサイズを確認するには、次のコマンドのいずれかを入力します。

    # df -k
    # df -h
    
  5. RAMサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/prtconf | grep "Memory size"
    
  6. 次のコマンドを入力して、システム・アーキテクチャでOracleソフトウェアを実行できるかどうかを確認します。

    # /bin/isainfo -kv
    

    このコマンドでは、プロセッサ・タイプが表示されます。このコマンドからの出力は次のとおりです。

    Oracle Solaris on SPARC(64-Bit):

    64-bit sparcv9 kernel modules
    

    Oracle Solaris on x86-64(64-Bit):

    64-bit amd64 kernel modules
    

    想定した出力が表示されない場合、このシステムにそのソフトウェアはインストールできません。次の手順に進む前に、ご使用のシステム・アーキテクチャに適したソフトウェアを入手してください

3.3.2 一般的なサーバーの最低要件

次に示す、一般的な最低要件をシステムが満たしていることを確認してください。

  • システムが必ず実行レベル3で起動されるようにします。

  • システム・コンソールベースのインストールの実行中に、Oracle Universal Installerが正しく表示されるよう、ディスプレイカードの解像度が少なくとも1024 x 768であることを確認してください。

3.3.3 サーバー記憶域の最低要件

ご使用のOracle Solarisシステムが、次の記憶域要件を満たしていることを確認してください。

  • Oracle Solarisシステムが、表3-1および表3-2に説明されている、ソフトウェア・ファイルのディスク領域要件を満たしていることを確認してください。

    表3-1 Oracle Solaris on SPARC (64-Bit)におけるソフトウェア・ファイルのディスク領域要件

    インストール・タイプ ディスク領域(GB)

    Enterprise Edition

    6.5

    Standard Edition

    6.4

    Standard Edition One

    6.4

    Standard Edition 2

    6.4


    表3-2 Oracle Solaris on x86-64 (64-Bit)におけるソフトウェア・ファイルのディスク領域要件

    インストール・タイプ ディスク領域(GB)

    Enterprise Edition

    6.4

    Standard Edition

    6.2

    Standard Edition One

    6.2

    Standard Edition 2

    6.2


  • /tmpディレクトリに1GBの領域。

    /tmpディレクトリの空き領域が、必要な領域の要件を満たさない場合、次のいずれかの手順を実行します。

    • ディスク領域の要件が満たされるように、/tmpディレクトリから不要なファイルを削除します。

    • oracleユーザーの環境を設定するときに、TMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。


      関連項目:

      TMPおよびTMPDIRの設定の詳細は、「Oracleソフトウェア所有者環境の構成」を参照してください。

    • /tmpディレクトリを含むファイル・システムを拡張します。

3.3.4 サーバー・メモリーの最低要件

ご使用のOracle Solarisシステムが、次のメモリー要件を満たしていることを確認してください。

最小: 1GBのRAM

推奨: 2GB以上のRAM

表3-3は、インストールされているRAMと構成済スワップ領域の推奨サイズの関係を示したものです。

表3-3 Oracle Solarisのスワップ領域要件

RAM スワップ領域

1から2GB

RAMのサイズの1.5倍

2から16GB

RAMのサイズと同じ

16GB超

16GB


3.4 オペレーティング・システムの一般的なセキュリティの措置の確認

セキュアなオペレーティング・システムは、一般的なシステム・セキュリティの重要な基本です。オペレーティング・システムのデプロイメントが、オペレーティング・システム・ベンダーのセキュリティ・ガイドに記載されている一般的なセキュリティの措置に準拠していることを確認してください。

3.5 インストール修正スクリプトの使用

Oracle Universal Installerは、インストールの最小要件が満たされていない場合に検知し、要件を満たしていないシステム構成手順を実行するために、修正スクリプトと呼ばれるシェル・スクリプト・プログラムを作成します。Oracle Universal Installerは不完全なタスクを検出すると、修正スクリプト(runfixup.sh)を生成します。修正スクリプトを実行し、「修正および再チェック」をクリックします。修正スクリプトは、永続パラメータ設定とメモリーのパラメータの両方を変更するため、システムを再起動する必要はありません。


関連項目:

cluvfyコマンドの使用方法の詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』「クラスタ検証ユーティリティの参照」を参照してください

修正スクリプトによって、次の作業が実行されます。

  • 必要に応じて、インストールを正しく実行するために必要な値を次のカーネル・パラメータに設定します。

    • 共有メモリーのパラメータ。

    • オープン・ファイル記述子とUDP送受信のパラメータ

  • Oracleインベントリ(中央インベントリ)ディレクトリに権限が作成および設定されます。

  • インストール所有者、必要な場合はOracleインベントリ・ディレクトリ、オペレーティング・システム権限グループの、プライマリおよびセカンダリ・グループ・メンバーシップが作成または再構成されます。

  • 必要に応じて、シェル制限が必要な値に設定されます。

生成された修正スクリプトの内容を変更しないことをお薦めします。


注意:

修正スクリプトを使用しても、Oracle Databaseのインストールの前提条件がすべて確実に満たされるとはかぎりません。インストールを確実に成功させるには、すべてのインストール前の要件が満たされていることを確認する必要があります。

3.6 オペレーティング・システム要件について

インストールする製品に応じて、必要なオペレーティング・システム・カーネルとパッケージがインストールされていることを確認してください。

このマニュアルに記載されているのは、タイトル・ページに記載されている日付での最新の要件です。カーネル要件の最新情報については、次のURLのOracle Technology Networkでオンライン版を参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/indexes/documentation/index.html

Oracle Universal Installerによって、システムが示されたオペレーティング・システム・パッケージの要件を満たしていることを確認するチェックが実行されます。これらの検証が正常に完了するように、OUIを起動する前に要件を確認してください。


注意:

オペレーティング・システムのアップグレード時を除いて、クラスタ・メンバー間で異なるオペレーティング・システム・バージョンを実行することはできません。各オペレーティング・システムがサポートされている場合でも、同じクラスタのメンバーで異なるオペレーティング・システム・バージョンのバイナリを実行することはできません。

3.7 Oracle Solaris on SPARC (64-Bit)のオペレーティング・システム要件

この項に記載されているOracle Solarisのカーネルとパッケージは、Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructure 12c向けのSPARC 64ビット・システムでサポートされています。


注意:

このマニュアルに記載されているプラットフォーム固有のハードウェア要件とソフトウェア要件は、このマニュアルの発行時点での最新情報です。ただし、このマニュアルの発行後にプラットフォームおよびオペレーティング・システム・ソフトウェアの新しいバージョンが動作保証されている場合があるため、My Oracle SupportのWebサイトの動作保証マトリックスで、動作保証済のハードウェア・プラットフォームおよびオペレーティング・システムのバージョンの最新リストを参照してください。

https://support.oracle.com/


3.7.1 SPARC (64-bit)向けにサポートされるOracle Solaris 11リリース

次の情報を使用して、サポートされているOracle Solaris 11リリースをチェックしてください。

表3-4 SPARC 64ビットでサポートされているOracle Solaris 11オペレーティング・システムの要件

項目 要件

SSHの要件

セキュア・シェルはOracle Solarisのインストール時に構成されます。

Oracle Solaris 11のオペレーティング・システム

Oracle Solaris 11.1 SRU 14.5 (Branch: 0.175.1.14.0.5.0)以上のSRUおよびアップデート

Oracle Solaris 11のパッケージ

次のパッケージがインストールされている必要があります。

  • pkg://solaris/system/dtrace

  • pkg://solaris/developer/assembler

  • pkg://solaris/developer/build/make

  • pkg://solaris/system/xopen/xcu4 (Oracle Solaris 11の標準インストールの一部としてインストールされていない場合)

  • pkg://solaris/x11/diagnostic/x11-info-clients

  • pkg://solaris/compress/unzip


3.7.2 SPARC (64-bit)向けにサポートされるOracle Solaris 10リリース

次の情報を使用して、サポートされているOracle Solaris 10リリースをチェックしてください。

表3-5 SPARC 64ビットでサポートされているOracle Solaris 10オペレーティング・システムの要件

項目 要件

SSHの要件

セキュア・シェルはOracle Solarisのインストール時に構成されます。

Oracle Solaris 10のオペレーティング・システム

Oracle Solaris 10 Update 11 (Oracle Solaris 10 1/13 s10s_u11wos_24a)以上のアップデート。

Oracle Solaris 10用のパッケージおよびパッチ

次のパッケージおよびパッチ(またはそれ以降のバージョン)がインストールされている必要があります。

SUNWarc
SUNWbtool
SUNWcsl
SUNWdtrc
SUNWeu8os
SUNWhea
SUNWi1cs (ISO8859-1)
SUNWi15cs (ISO8859-15)
SUNWi1of
SUNWlibC
SUNWlibm
SUNWlibms
SUNWsprot
SUNWtoo
SUNWxwfnt
147440-25

注意: ロケールに応じて、追加のJava用フォント・パッケージが必要になる場合があります。詳細は、次のWebサイトを参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/solaris-font-requirements-142758.html

3.8 Oracle Solaris on x86-64 (64-Bit)のオペレーティング・システム要件

記載されているOracle Solarisのカーネルとパッケージは、Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructure 12c向けのx86-64 (64-bit)システムでサポートされています。

3.8.1 x86-64 (64-Bit)でサポートされているOracle Solaris 11リリース

次の情報を使用して、サポートされているOracle Solaris 11リリースをチェックしてください。

表3-6 x86-64 (64-Bt)のサポートされるOracle Solaris 11オペレーティング・システム要件

項目 要件

SSHの要件

セキュア・シェルはOracle Solarisのインストール時に構成されます。

Oracle Solaris 11のオペレーティング・システム

Oracle Solaris 11.1 SRU 14.5 (Branch: 0.175.1.14.0.5.0)以上のSRUおよびアップデート

Oracle Solaris 11のオペレーティング・システムおよびパッケージ

次のパッケージがインストールされている必要があります。

  • pkg://solaris/system/dtrace

  • pkg://solaris/developer/assembler

  • pkg://solaris/developer/build/make

  • pkg://solaris/system/xopen/xcu4 (Oracle Solaris 11の標準インストールの一部としてインストールされていない場合)

  • pkg://solaris/x11/diagnostic/x11-info-clients

  • pkg://solaris/compress/unzip


3.8.2 x86-64 (64-Bit)向けにサポートされるOracle Solaris 10リリース

次の情報を使用して、サポートされているOracle Solaris 10リリースをチェックしてください。

表3-7 x86-64 (64-Bt)のサポートされるOracle Solaris 10オペレーティング・システム要件

項目 要件

SSHの要件

セキュア・シェルはOracle Solarisのインストール時に構成されます。

Oracle Solaris 10のオペレーティング・システム

Oracle Solaris 10 Update 11 (Oracle Solaris 10 1/13 s10x_u11wos_24a)以上のアップデート。

Oracle Solaris 10用のパッケージおよびパッチ

次のパッケージおよびパッチ(またはそれ以降のバージョン)がインストールされている必要があります。

SUNWarc
SUNWbtool
SUNWcsl
SUNWdtrc
SUNWeu8os
SUNWhea
SUNWi1cs (ISO8859-1)
SUNWi15cs (ISO8859-15)
SUNWi1of
SUNWlibC
SUNWlibm
SUNWlibms
SUNWsprot
SUNWtoo
SUNWxwfnt
147441-25

注意: ロケールに応じて、追加のJava用フォント・パッケージが必要になる場合があります。詳細は、次のWebサイトを参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/solaris-font-requirements-142758.html

3.9 Oracle Solaris用の追加のドライバおよびソフトウェア・パッケージ

追加のドライバやパッケージをインストールする必要はありませんが、次のリストのドライバおよびパッケージをインストールまたは構成することが可能です。


注意:

Oracle Databaseスマート・フラッシュ・キャッシュは、Enterprise Edition専用の機能です。

3.9.1 Open Database Connectivityのインストール要件

Open Database Connectivity (ODBC)をインストールする場合は、次の項を確認してください。

3.9.1.1 ODBCドライバおよびOracle Databaseについて

Open Database Connectivity (ODBC)は、データベースにアクセスするためのAPIのセットで、データベースに接続してデータベース上でSQL文を実行します。ODBCドライバを使用するアプリケーションは、スプレッドシートやカンマ区切りファイルなど、不均一なデータ・ソースにアクセスできます。

3.9.1.2 Oracle Solaris用のODBCドライバのインストール

Oracle Solaris上でODBCを使用するには、次のパッケージが必要です。

unixODBC-2.3.1 or later

次のWebサイトからODBCドライバをダウンロードし、インストールしてください。

http://www.unixodbc.org/

3.9.2 Oracle Messaging Gatewayのインストール要件

Oracle Messaging Gatewayをインストールする場合は、次の項を確認してください。

3.9.2.1 Oracle Messaging Gatewayについて

Oracle Messaging Gatewayは、Oracle以外のメッセージ・システムとOracle Streams Advanced Queuingに基づくアプリケーション間の通信を可能にするOracleデータベースの機能です。

Oracle Messaging Gatewayでは、Oracle Streams Advanced Queuing (AQ)とWebSphere MQおよびTIBCO Rendezvousをベースとするアプリケーションとの統合がサポートされています。サポートされるバージョンについては、『Oracle Databaseアドバンスト・キューイング・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

3.9.2.2 Oracle Messaging Gatewayのインストール

Oracle Messaging Gatewayは、Oracle DatabaseのEnterprise Editionとともにインストールされます。

IBM WebSphere MQのCSDが必要な場合は、次のWebサイトでダウンロードおよびインストールの情報を参照してください。

http://www.ibm.com

3.9.3 Lightweight Directory Access Protocolのインストール要件

Lightweight Directory Access Protocolをインストールする場合は、次の項を確認してください。

3.9.3.1 LDAPおよびOracleプラグインについて

Lightweight Directory Access Protocol (LDAP)は、IPネットワーク上に分散したディレクトリ情報サービスにアクセスし、維持するためのアプリケーション・プロトコルです。Oracle Databaseスクリプトodisrvreg、Oracle Internet Directory用のoidca、またはサード・パーティのLDAPディレクトリ用のschemasyncなど、LDAPを必要とする機能を使用する場合は、LDAPパッケージが必要です。

3.9.3.2 LDAPパッケージのインストール

LDAPは、デフォルトのSolarisオペレーティング・システム・インストールに含まれています。

3.9.4 Oracle Solaris用のプログラミング環境のインストール要件

プログラミング環境をインストールする場合は、次の項を確認してください。

3.9.4.1 プログラミング環境およびOracle Databaseについて

Oracle Databaseでは、様々な環境におけるアプリケーション開発用に複数のプログラミング言語がサポートされています。一部の言語では、オペレーティング・システムに追加のコンパイラ・パッケージをインストールする必要があります。

プログラミング環境はオプションです。Oracle Databaseには必要ありません。


関連項目:

プログラミング環境の概要は、『Oracle Database開発ガイド』を参照してください

3.9.4.2 プログラミング環境のサポートの構成

システムが、構成するプログラミング環境の要件を満たしていることを確認してください。

表3-8 Oracle Solaris用のプログラミング環境の要件

プログラミング環境 サポート要件

Java Database Connectivity

JDK 6 (Java SE Development Kitリリース1.6.0_37以上の1.6へのアップデート): JNDI拡張およびOracle Java Database Connectivityを含みます。

Solaris 11でサポート: JDK 7 (Java SE Development Kitリリース1.7.0)

Solaris 10でサポート: JDK 7 (Java SE Development Kitリリース1.7.0)

このリリースでは、JDK 1.6がインストールされています。

Oracle Call Interface(OCI)

JDK 6 (Java SE Development Kitリリース1.6.0_37以上の1.6へのアップデート): JNDI拡張およびOracle Call Interfaceドライバを含みます。このリリースでは、JDK 1.6がインストールされています。


Oracle C++
Oracle C++ Call Interface
Pro*C/C++
Oracle XML Developer's Kit (XDK)

Oracle Solaris Studio 12 (以前のSun Studio)

デプロイするアプリケーションに応じて、追加のパッチが必要な場合があります。

Oracle Solaris Studioを次のURLからダウンロードします。

http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/solarisstudio/overview/index.html

Pro*COBOL

Micro Focus Server Express 5.1

Pro*FORTRAN

Oracle Solaris Studio 12(Fortran 95)


3.9.5 Webブラウザのインストール要件

Oracle Enterprise Manager Database ExpressおよびOracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用する場合のみ、Webブラウザが必要です。WebブラウザがJavaScriptおよびHTML 4.0標準とCSS 1.0標準をサポートしている必要があります。これらの要件を満たすブラウザの一覧については、My Oracle SupportでEnterprise Manager動作保証マトリックスを参照してください。

https://support.oracle.com

関連項目:

Enterprise Manager動作保証マトリックスにアクセスする手順については、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください。

3.10 ソフトウェア要件の確認

ソフトウェア要件を確認するには、次の手順を実行します。

  1. インストールされているOracle Solarisのバージョンを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # uname -r
    5.11
    

    この例で示されているバージョンは、Oracle Solaris 11(5.11)です。

  2. リリース・レベルを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # cat /etc/release
    Oracle Solaris 11.1 SPARC
    
  3. 必要なパッケージがインストールされているかどうかを調べるために、次のコマンドを入力します。

    Oracle Solaris 10の場合

    pkginfo -i pkg_name
    

    Oracle Solaris 11の場合

    pkg list pkg_name
    

    ここで、pkg_nameはチェックする対象のパッケージの名前です。

    たとえば、必要なOracle Solaris 10パッケージがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。

    # pkginfo -i SUNWarc SUNWbtool SUNWhea SUNWlibC SUNWlibm SUNWlibms SUNWsprot \
     SUNWtoo SUNWi1of SUNWi1cs SUNWi15cs SUNWxwfnt SUNWcsl SUNWdtrc
    

    システム・アーキテクチャに必要なパッケージがインストールされていない場合は、インストールします。パッケージのインストールの詳細は、オペレーティング・システムまたはソフトウェアのドキュメントを参照してください。


注意:

表示されたパッケージのより新しいバージョンが、システムにインストールされている場合があります。記載のパッチがインストールされていない場合、記載のバージョンをインストールする前に、それより新しいバージョンがインストールされているかどうかを確認します。

3.11 Oracle Solaris 11のオペレーティング・システム・パッケージの確認

次のコマンドを使用して必要なパッケージがあるかどうかをチェックします。

# /usr/bin/pkg verify [-Hqv] [pkg_pattern ...]

-Hオプションは検証出力からヘッダーを省略します。

-qオプションは、致命的なエラーが見つかった場合にエラーのみを返し、それ以外は出力しません。

-vオプションではパッケージに関する情報メッセージが含まれます。

システムのアーキテクチャに必要なパッケージがインストールされていない場合は、My Oracle Supportからダウンロードしてインストールします。

https://support.oracle.com

関連項目:


3.12 Oracle Solaris 10のオペレーティング・システム・パッチの確認


注意:

表示されたパッチのより新しいバージョンが、システムにインストールされている場合があります。記載のパッチがインストールされていない場合、記載のバージョンをインストールする前に、それより新しいバージョンがインストールされているかどうかを確認します。

必要なオペレーティング・システム・パッチがあることを確認します。システムがこれらの要件を満たしていることを確認するために、次の手順を使用します。

  1. オペレーティング・システム・パッチがインストールされているかどうかと、それが適切なバージョンなのかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/patchadd -p | grep patch_number
    

    たとえば、いずれかのバージョンの119963パッチがインストールされているかどうかを確認するには、次のコマンドを使用します。

    # /usr/sbin/patchadd -p | grep 119963
    

    オペレーティング・システム・パッチがインストールされていない場合は、My Oracle Supportからダウンロードしてインストールします。

    https://support.oracle.com
    

3.13 ホスト名解決の確認

通常、Oracle Databaseをインストールするコンピュータはネットワークに接続されています。コンピュータのホスト名が、Domain Name System (DNS)、ネットワーク情報サービス(NIS)または集中管理されているTCP/IPホスト・ファイル(/etc/hostsなど)によって解決可能であることを確認します。pingコマンドを使用して、コンピュータのホスト名が解決可能でることを確認します。次に例を示します。

ping myhostname
pinging myhostname.example.com [192.0.2.2] with 32 bytes of data:
Reply from 192.0.2.2: bytes=32 time=138ms TTL=56

コンピュータのホスト名が解決されない場合は、システム管理者に連絡してください。

3.14 必要なソフトウェア・ディレクトリの識別

Oracleソフトウェア用に次のディレクトリを識別または作成する必要があります。


注意:

  • Oracleソフトウェア用に選択したパス(Oracleホーム・パス、Oracleベース・パスなど)では、ASCII文字のみを必ず使用してください。一部のパスにインストール所有者名がデフォルトで使用されるため、このASCII文字制限はユーザー名、ファイル名およびディレクトリ名に適用されます。

  • データベース・ソフトウェアが使用するすべてのパス(Oracleホーム・パスおよびOracleベース・パスなど)は、"# % & ' () * + , - . / : ; < = > ? @ _ A-Z a-z 0-9の文字のみを使用する必要があります。これには、ユーザー名、ファイル名およびディレクトリ名も含まれます。このリリースでは、Oracle Grid InfrastructureホームまたはOracle Databaseホームでの他の文字の使用はサポートされません。文字セットは、オペレーティング・システムのユーザーおよびファイルのネーミング規則により、さらに制限されます。


3.14.1 Oracleベース・ディレクトリ

Oracleベース・ディレクトリは、Oracleソフトウェア・インストールのトップレベル・ディレクトリです。Optimal Flexible Architecture(OFA)ガイドラインでは、次のようなパスをOracleベース・ディレクトリで使用することを推奨しています。

/mount_point/app/software_owner

各項目の意味は次のとおりです。

  • mount_pointは、Oracleソフトウェアを格納するファイル・システムのマウント・ポイント・ディレクトリです。

    このマニュアルの例では、マウント・ポイント・ディレクトリに/u01を使用しています。

  • software_ownerは、oracleまたはgridなど、Oracleソフトウェアをインストールするソフトウェア所有者のオペレーティング・システム・ユーザー名です。


注意:

ORACLE_BASE環境変数が設定された状態でサーバー・パラメータ・ファイル(spfile)を使用してデータベース・インスタンスを起動すると、その値は自動的にspfileに格納されます。ORACLE_BASE環境変数の設定を解除して、インスタンスを再度起動すると、データベースではspfileに格納されたOracleベース・ディレクトリの値が使用されます。

すべてのOracle製品を含むOracleベース・ディレクトリを指定する必要があります。


注意:

既存のOracleベース・ディレクトリがある場合、データベースのインストール時に「Oracleベース」リストから選択できます。Oracleベースがない場合は、リスト・ボックスでテキストを編集して作成できます。デフォルトでは、リストには、Oracleベースの既存の値が含まれます。詳細は、「Oracle Databaseソフトウェアのインストール」を参照してください。

複数のインストールに同じOracleベース・ディレクトリを使用することも、異なるインストール用に別々のOracleベース・ディレクトリを作成することもできます。異なるオペレーティング・システム・ユーザーが同じシステム上にOracleソフトウェアをインストールする場合、各ユーザーは個別のOracleベース・ディレクトリを作成する必要があります。次に、Oracleベース・ディレクトリが同じシステム上に存在する例を示します。

/u01/app/oracle
/u01/app/orauser

「Oracleベース・ディレクトリの作成」を参照してください。

3.14.2 Oracleインベントリ・ディレクトリ

Oracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory)には、システム上にインストールされたすべてのソフトウェアのインベントリが格納されます。このディレクトリは、単一システム上にインストールされたすべてのOracleソフトウェアに必須であり、共有のものです。既存のOracleインベントリ・パスがある場合は、Oracle Universal InstallerはそのOracleインベントリを使用します。

システムに初めてOracleソフトウェアをインストールする場合、Oracle Universal Installerでは、Optimal Flexible Architectureに準拠した/u[01-09]/app形式のパス(/u01/appなど)が提供されます。インストールを実行中のユーザーは、このパスへの書込み権限があります。該当する場合、Oracle Universal Installerにより、/u[01-09]/app/oraInventoryパスにOracleインベントリ・ディレクトリが作成されます。次に例を示します。

/u01/app/oraInventory

インストールの際にoracleユーザーのORACLE_BASEを設定した場合は、Oracle Universal Installerにより、パスORACLE_BASE/../oraInventoryORACLE_BASEの1レベル上にOracleインベントリ・ディレクトリが作成されます。たとえば、ORACLE_BASE/u01/app/oracleに設定されている場合、Oracleインベントリ・ディレクトリは、パス/u01/app/oraInventoryに作成されます。

OFA準拠パスも作成しておらず、ORACLE_BASEも設定していない場合、Oracleインベントリ・ディレクトリはインストールを実行するユーザーのホーム・ディレクトリに配置されます。次に例を示します。

/home/oracle/oraInventory

Oracle Universal Installerでは、指定したディレクトリが作成され、それに対する適切な所有者、グループおよび権限が設定されます。ユーザーが作成する必要はありません。


注意:

  • すべてのOracleソフトウェア・インストールはOracle Inventoryディレクトリに依存します。ディレクトリは定期的にバックアップしてください。

  • システムからすべてのOracleソフトウェアを完全に削除した場合を除き、このディレクトリは削除しないでください。

  • デフォルトでは、Oracleインベントリ・ディレクトリはOracleベース・ディレクトリの下にインストールされません。これは、すべてのOracleソフトウェア・インストールが共通のOracleインベントリを共有するためです。その結果、すべてのユーザーに対してOracleインベントリは1つしかありません。一方、各ユーザーには個別のOracleベースがあります。


3.14.3 Oracleホーム・ディレクトリ

Oracleホーム・ディレクトリは、特定のOracle製品のソフトウェアをインストールするディレクトリです。異なるOracle製品、または同じOracle製品でもリリースが異なる場合は、別々のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。Oracle Universal Installerを実行すると、このディレクトリのパスと識別名を指定するよう求められます。OFAガイドラインに従い、指定するOracleホーム・ディレクトリは、インストールを実行するユーザー・アカウントのOracleベース・ディレクトリのサブディレクトリであることを強くお薦めします。Oracleホーム・ディレクトリのパスは、次のように指定することをお薦めします。

oracle_base/product/11.2.0/db_home_1
oracle_base/product/12.1.0/dbhome_1
oracle_base/product/12.1.0/grid

Oracle Universal Installerは、指定したディレクトリ・パスをOracleベース・ディレクトリの下に作成します。また、適切な所有者、グループおよび権限も設定されます。このディレクトリを作成する必要はありません。


注意:

インストール時には、事前定義済の権限が適用された既存のディレクトリを、Oracleホーム・ディレクトリとして指定しないでください。指定した場合、ファイルおよびグループの所有権のエラーによりインストールが失敗する可能性があります。

3.15 Oracleベース・ディレクトリの識別または作成

インストールを開始する前に、既存のOracleベース・ディレクトリを識別するか、必要に応じて作成する必要があります。この項の内容は、次のとおりです。


注意:

システムに他のOracleベース・ディレクトリが存在する場合でも、Oracleベース・ディレクトリを作成できます。

3.15.1 既存のOracleベース・ディレクトリの識別

既存のOracleベース・ディレクトリは、Optimal Flexible Architecture (OFA)ガイドラインに準拠するパスを持たない可能性があります。ただし、既存のOracleインベントリ・ディレクトリまたは既存のOracleホーム・ディレクトリを識別する場合、通常は次のようにOracleベース・ディレクトリを識別できます。

  • 既存のOracleインベントリ・ディレクトリを識別します。詳細は、「Oracle Inventoryが存在しない場合のOracle Inventoryグループの作成」を参照してください。


    注意:

    新規インストールの場合、oraInventoryディレクトリをOracleベース・ディレクトリに配置しないことをお薦めします。ただし、既存のインストールがある場合、この項の手順に従ってください。

  • 既存のOracleホーム・ディレクトリの識別。

    次のコマンドを入力してoratabファイルの内容を表示します。

    # more /var/opt/oracle/oratab
    

    oratabファイルが存在する場合は、次のような構成情報が含まれます。

    *:/u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1:N
    *:/opt/orauser/infra_904:N
    *:/oracle/9.2.0:N
    

    各行に指定されたディレクトリ・パスは、Oracleホーム・ディレクトリを示します。使用するOracleソフトウェア所有者のユーザー名が末尾に付いているディレクトリ・パスは、Oracleベース・ディレクトリとして有効な選択です。oracleユーザーを使用してソフトウェアをインストールする場合、前述の例でリストされている次のディレクトリのどちらかを選択できます。

    /u03/app/oracle
    /oracle
    

    注意:

    可能であれば、最初のパス(/u03/app/oracle)のようなディレクトリ・パスを選択します。このパスは、OFAガイドラインに準拠しています。

  • 既存のOracleベース・ディレクトリの識別

    Oracleホーム・ディレクトリの場所を確認したら、次のようなコマンドを実行してOracleベースの場所を確認します。

    cat /u01/app/oraInventory/ContentsXML/inventory.xml
    

このインストールに既存のOracleベース・ディレクトリの使用を決定する前に、次の条件を満たしていることを確認してください。

  • このディレクトリがオペレーティング・システムと同じファイル・システム上にないこと。

  • Oracleベース・ディレクトリには、ソフトウェア・ファイル用に5GBの空きディスク領域が必要です。

    Oracleベース・ディレクトリがあるファイル・システムの空きディスク領域を確認するには、次のコマンドを入力します。

    # df -k
    

    このコマンドでは、ディスク領域が1KBのブロックで表示されます。多くのシステムで、dfコマンドを-hフラグとともに使用して(df -h)、人間が判読可能な形式で出力を表示できます。

詳細は、次の項を参照してください。

3.15.2 Oracleベース・ディレクトリの作成

Oracleベース・ディレクトリを作成する前に、十分な空きディスク領域を持つ適切なファイル・システムを識別する必要があります。

適切なファイル・システムを識別するには、次のようにします。

  1. 次のコマンドを使用して、マウント済の各ファイル・システム上の空きディスク領域を確認します。

    # df -k
    

    このコマンドでは、ディスク領域が1KBのブロックで表示されます。多くのシステムで、dfコマンドを-hフラグとともに使用して(df -h)、人間が判読可能な形式で出力を表示できます。

  2. 表示された結果から、適切な空き領域があるファイル・システムを識別します。

    識別するファイル・システムは、ローカル・ファイル・システム、クラスタ・ファイル・システムまたは動作保証されているNASデバイス上のNFSファイル・システムのいずれかです。

  3. 指定したファイル・システム用のマウント・ポイント・ディレクトリの名前を書き留めます。

Oracleベース・ディレクトリを作成して、適切な所有者、グループおよび権限を指定するには、次のようにします。

  1. 次のようなコマンドを入力し、識別したマウント・ポイント・ディレクトリに推奨サブディレクトリを作成し、それに対する適切な所有者、グループおよび権限を設定します。

    # mkdir -p /mount_point/app/oracle_sw_owner
    # chown -R oracle:oinstall /mount_point/app/oracle_sw_owner
    # chmod -R 775 /mount_point/app/oracle_sw_owner
    

    次に例を示します。

    # mkdir -p /u01/app/oracle
    # chown -R oracle:oinstall /u01/app/oracle
    # chmod -R 775 /u01/app/oracle
    
  2. この後の項でoracleユーザーの環境を構成する際に、ORACLE_BASE環境変数を設定して、作成したOracleベース・ディレクトリを指定します。

3.16 Oracle Databaseファイルおよびリカバリ・ファイルの記憶域オプションの選択

Oracle Databaseファイルには、データファイル、制御ファイル、REDOログ・ファイル、サーバー・パラメータ・ファイル、およびパスワード・ファイルが含まれます。すべてのインストールに対して、Oracle Databaseファイルで使用する記憶域オプションを選択する必要があります。データベースのインストール時に、リカバリ・ファイル(高速リカバリ領域)に使用する記憶域オプションを選択する必要があります。各ファイル・タイプに、同じ記憶域オプションを使用する必要はありません。


注意:

ファイル・システムおよびOracle ASMでは、データベース・ファイルおよびリカバリ・ファイルがサポートされます。

次のガイドラインに従って、各ファイル・タイプの記憶域オプションを選択します。

インストールを開始する前にディスク記憶域を構成する方法については、選択するオプションに応じて次のいずれかの項を参照してください。

3.17 Oracle Databaseファイルまたはリカバリ・ファイル用ディレクトリの作成

この項の内容は、次のとおりです。

3.17.1 Oracle Databaseファイルのファイル・システムの記憶域に関するガイドライン

ファイル・システムにOracle Databaseファイルを格納する場合は、次のガイドラインを使用してファイルの格納場所を決定します。

  • Oracle Universal Installerにより提示されるデータベース・ファイル・ディレクトリのデフォルト・パスは、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリです。

  • データベース・ファイルの格納には、単一のファイル・システムまたは複数のファイル・システムのどちらでも選択できます。

    • 単一のファイル・システムを使用する場合は、データベース専用の物理デバイス上でファイル・システムを選択してください。

      最適のパフォーマンスと信頼性を得るには、複数の物理デバイス上でRAIDデバイスまたは論理ボリュームを選択して、Stripe-And-Mirror-Everything(SAME)方法論を実装します。

    • 複数のファイル・システムを使用する場合は、データベース専用の個別物理デバイス上でファイル・システムを選択します。

      この方法を使用すると、様々なデバイスに物理入出力操作を分散させ、個別の制御ファイルを作成して信頼性を高めることができます。これにより、OFAガイドラインを完全に実装することもできます。「詳細」データベース作成オプションを選択すると、このメソッドを実装できます。

  • インストール時に事前構成済データベースを作成する場合は、選択するファイル・システム(複数も可)に2GB以上の空きディスク領域が必要です。

    本番データベースの場合は、データベースの用途に応じて必要なディスク領域の量を見積もる必要があります。

  • 最適なパフォーマンスを得るには、データベース専用の物理デバイス上にあるファイル・システムを選択する必要があります。

  • oracleユーザーが指定したパスにファイルを作成するには、書込み権限が必要です。

3.17.2 必要なディレクトリの作成


注意:

この手順を行う必要があるのは、Oracleベース・ディレクトリとは別のファイル・システム上にOracle Databaseまたはリカバリ・ファイルを格納する場合のみです。

Oracleベース・ディレクトリから個別のファイル・システム上にOracleデータベース・ファイルまたはリカバリ・ファイルのディレクトリを作成する手順は、次のとおりです。

  1. マウント済の各ファイル・システム上の空きディスク領域を判別するには、次のコマンドを使用します。

    # df -k
    

    このコマンドでは、ディスク領域が1KBのブロックで表示されます。多くのシステムで、dfコマンドを-hフラグとともに使用して(df -h)、人間が判読可能な形式で出力を表示できます。

  2. 表示された情報から、使用するファイル・システムを識別します。

    ファイル・タイプ ファイル・システム要件
    データベース・ファイル 次のいずれかを選択します。
    • 2GB以上の空きディスク領域を持つ単一のファイル・システム

    • 合計で2GB以上の空きディスク領域を持つ2つ以上のファイル・システム

    リカバリ・ファイル 2.4GB以上の空きディスク領域を持つファイル・システムを選択します。

    多数のファイル・タイプに対して同じファイル・システムを使用している場合は、各タイプに対するディスク領域要件を加算して、ディスク領域要件の合計を判断します。

  3. 指定したファイル・システム用のマウント・ポイント・ディレクトリの名前を書き留めます。

  4. 次のようなコマンドを入力し、マウント・ポイント・ディレクトリごとに推奨サブディレクトリを作成し、それに対する適切な所有者、グループおよび権限を設定します。

    • データベース・ファイル・ディレクトリ:

      # mkdir /mount_point/oradata
      # chown oracle:oinstall /mount_point/oradata
      # chmod 775 /mount_point/oradata
      

      データベース・ファイル・ディレクトリのデフォルトの位置は、$ORACLE_BASE/oradataです。

    • リカバリ・ファイル・ディレクトリ(高速リカバリ領域):

      # mkdir /mount_point/fast_recovery_area
      # chown oracle:oinstall /mount_point/fast_recovery_area
      # chmod 775 /mount_point/fast_recovery_area
      

      デフォルトの高速リカバリ領域は、$ORACLE_BASE/fast_recovery_areaです。高速リカバリ領域は、データベース・ファイル・ディレクトリのディスクとは別の物理ディスク上に保持することをお薦めします。この方法により、oradataを含むディスクがなんらかの理由で使用できない場合に、高速リカバリ領域を使用してデータを取得できます。

  5. 記憶域にOracle ASMを使用する方法の詳細は、「スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureのサーバー構成」および「既存のOracleプロセスの停止」を参照してください。