デフォルト: NEVER
用途
表モード・エクスポート(TABLES
パラメータで指定)または全体モード・エクスポート(FULL
パラメータで指定)中にトランスポータブル・オプションを使用する必要があるかどうかを指定します。
構文および説明
TRANSPORTABLE = [ALWAYS | NEVER]
使用可能な値の定義は、次のとおりです。
ALWAYS
- エクスポート・ジョブでトランスポータブル・オプションを使用するように指定します。トランスポータブルが使用できない場合、ジョブは失敗します。
表モード・エクスポートでトランスポータブル・オプションを使用すると、指定した表、パーティションまたはサブパーティションのメタデータのみがエクスポートされるトランスポータブル表領域エクスポートになります。
全体モード・エクスポートでトランスポータブル・オプションを使用すると、データベースの完全なコピーを作成するために必要なすべてのオブジェクトおよびデータがエクスポートされる全体トランスポータブル・エクスポートになります。
NEVER
: エクスポート・ジョブでトランスポータブル・オプションではなくダイレクト・パスまたは外部表による方法を使用してデータをアンロードするように指定します。これはデフォルトです。
注意:
トランスポータブル・モードで表領域全体をエクスポートする場合は、TRANSPORT_TABLESPACES
パラメータを使用します。
表のパーティションの一部のみをエクスポートし、TRANSPORTABLE=ALWAYS
パラメータを使用すると、インポート時にそれぞれのパーティションが非パーティション表になります。
表のパーティションのサブセットのみをエクスポートし、TRANSPORTABLE
パラメータを使用しない場合、またはそのパラメータがNEVER
に設定されている場合(デフォルト)は、インポート時に次のようになります。
PARTITION_OPTIONS=DEPARTITION
を使用している場合は、ダンプ・ファイル・セットに含まれるそれぞれのパーティションが、非パーティション表として作成されます。
PARTITION_OPTIONS
を使用していない場合は、完全な表が作成されます。つまり、完全な表内のすべてのメタデータが、ソース上での表定義と同じになるようにターゲット・システム上に存在します。ただし、指定されたパーティション用にエクスポートされたデータのみが表に挿入されます。
制限事項
TRANSPORTABLE
パラメータは、表モード・エクスポートおよび全体モード・エクスポートでのみ有効です。
TRANSPORTABLE
パラメータを使用するには、COMPATIBLE
初期化パラメータを11.0.0以上に設定する必要があります。
FULL
パラメータをTRANSPORTABLE
(全体トランスポータブル・エクスポートの実行)と組み合せて使用するには、データ・ポンプのVERSION
パラメータを12.0以上に設定する必要があります。VERSION
パラメータを指定しない場合、COMPATIBLE
データベース初期化パラメータを12.0以上に設定する必要があります。
トランスポータブル・エクスポートを実行するユーザーには、DATAPUMP_EXP_FULL_DATABASE
権限が必要です。
表、パーティションおよびサブパーティションに関連付けられている表領域は読取り専用である必要があります。
全体トランスポータブル・エクスポートでは、データ移動方法の組合せが使用されます。トランスポータブル表領域に存在するオブジェクトは、そのメタデータのみがアンロードされ、データはデータ・ファイルがソース・システムからターゲット・システムにコピーされるときにコピーされます。コピーする必要のあるデータ・ファイルは、エクスポート操作のログ・ファイルの最後に表示されます。非トランスポータブル表領域に存在するオブジェクト(SYSTEM
やSYSAUX
など)は、そのメタデータとデータの両方がダンプ・ファイル・セットにアンロードされます。(全体トランスポータブル・エクスポートの実行の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。)
エクスポートを実行するユーザーのデフォルトの表領域を、転送対象となっている表領域のいずれかに設定することはできません。
例
次の例では、sh
ユーザーがDATAPUMP_EXP_FULL_DATABASE
ロールを持ち、表sales2
がパーティション化されて表領域tbs2
内に格納されているとします。(tbs2
表領域はソース・データベースで読取り専用に設定する必要があります。)
> expdp sh DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=tto1.dmp TABLES=sh.sales2 TRANSPORTABLE=ALWAYS
エクスポートが正常に完了した後は、データ・ファイルをターゲット・データベース領域にコピーする必要があります。次に、PARTITION_OPTIONS
とREMAP_SCHEMA
の各パラメータを使用してインポート操作を実行し、sales2
の各パーティションを固有の表にします。
> impdp system PARTITION_OPTIONS=DEPARTITION TRANSPORT_DATAFILES=oracle/dbs/tbs2 DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=tto1.dmp REMAP_SCHEMA=sh:dp