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Oracle® Database VLDBおよびパーティショニング・ガイド
12c リリース1 (12.1)
B71291-10
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データのリカバリで使用される物理データベース構造

バックアップおよびリカバリ戦略を本格的に検討する前に、バックアップとリカバリの操作に関連する物理データ構造を確認します。これらのコンポーネントが、Oracleデータ・ストアのデータを構成するファイルやその他の構造を含み、このデータ・ストアを潜在的な障害から保護します。Oracle Databaseのリカバリには次の3つの基本コンポーネントが必要です。

データファイル

Oracle Databaseは、表領域と呼ばれる1つ以上の論理記憶域単位で構成されます。Oracle Databaseの各表領域は、データファイルという1つ以上のファイルで構成されます。データファイルは、Oracle Databaseが稼働しているホスト・オペレーティング・システムに存在する、またはホスト・オペレーティング・システムに接続する物理ファイルです。

データベースのデータは、データファイルにまとめて格納されており、データファイルがデータベースの各表領域を構成します。最も単純なOracle Databaseは、1つの表領域があり、1つのデータファイルが格納されます。データベースのデータファイルのコピーは、すべてのバックアップ戦略に欠かせない部分です。データファイルのサイズが大きいことが、VLDBのバックアップとリカバリにおいて主要な課題になります。

REDOログ

REDOログには、データベースのデータファイルに対する変更がすべて記録されます。REDOログの完全なセットとそれ以前のデータファイルのコピーがあれば、Oracleで、REDOログに記録された変更を再適用して、バックアップ時点から最後のREDOログの終了時点までの任意の時点のデータベースを再作成できます。Oracle Databaseでデータが変更されるたびに、その変更がオンラインREDOログにまず記録されてからデータファイルに適用されます。

Oracle Databaseでは、少なくとも2つのオンラインREDOログ・グループが必要です。各グループには、少なくとも1つのオンラインREDOログ・メンバーつまり1つのREDOログ・ファイルが含まれ、このファイルに変更内容が記録されます。時間隔で、Oracle DatabaseはオンラインREDOログ・グループを入れ替えます。現行オンラインREDOログに変更内容を格納する一方で、使用していないグループはアーカイブREDOログと呼ばれるアーカイブ場所にコピーできます。高可用性を実現するために、本番システムは、常に1グループ当たり複数のオンラインREDOメンバーを使用する必要があります。できればメンバーを異なる記憶域システムに配置することをお薦めします。アーカイブREDOログにはデータファイルのすべての更新記録が含まれるため、アーカイブREDOログの保存がバックアップ戦略の主要な部分です。多くのバックアップ戦略では、長期保管のためにアーカイブREDOログをディスクまたはテープにコピーします。

制御ファイル

制御ファイルには、データベースの物理構造とそのステータスの重要なレコードが含まれます。制御ファイルに格納される次のタイプの情報は、バックアップとリカバリに関連します。

  • 障害からリカバリするため、つまりメディア・リカバリを実行するために必要なデータベース情報

  • データベース構造情報(データファイルの詳細など)

  • REDOログの詳細

  • アーカイブREDOレコード

  • 過去のRMANバックアップのレコード

Oracle Databaseのデータファイル・リカバリ・プロセスのある部分は、制御ファイルのステータス情報(データベース・チェックポイント、現行オンラインREDOログ・ファイル、データファイル・ヘッダー・チェックポイントなど)によって決まります。制御ファイルが失われると、データ損失からのリカバリがさらに困難になります。最新のデータベース構造変更を保存し、リカバリを容易に行えるように、制御ファイルを定期的にバックアップする必要があります。