データのライフサイクルのある時点になると、データは定期的にアクセスされなくなり、アーカイブの対象とみなされます。従来、データはデータベースから削除されて大容量の情報を非常に低いコストで格納できるテープに格納されました。現在、データをテープにアーカイブする必要はありません。データベースに残しておくか、集中オンライン・アーカイブ・データベースに移すことができます。このようなすべての情報を、1GB当たりのコストがテープとほとんど変わらない低コスト・ストレージを使用して格納できます。
アーカイブ目的ですべてのデータをOracle Databaseに置いておくと多数の利点が得られます。最も重要な利点は、いつでもすぐにデータを利用できるということです。このため、データがアーカイブされたテープを探したり、テープが読取り可能かどうか、またデータベースにロードできる形式になっているかどうかを判断したりして、時間を無駄にせずにすみます。
データが長い間アーカイブされていた場合は、テープ・アーカイブからデータベースにデータをリロードするためのプログラムを作成する開発時間も必要になります。これにはコストや時間がかかることがわかっており、データが古い場合は特に顕著です。データベースに保存したデータは、オンライン状態で最新のデータベース・フォーマットになっているためこの問題はありません。
現在、データベースに履歴データを保持しても、データベースのバックアップに必要な時間やバックアップのサイズに影響することはありません。RMANを使用してデータベースをバックアップすると、変更されたデータのみがバックアップに取得されます。履歴データが変更される可能性は少ないため、一度データがバックアップされると、その後のバックアップはありません。
検討する必要があるもう1つの重要な要素は、データベースからデータを物理的に除去する方法です(特に本番システムから集中アーカイブに移す場合)。Oracleではトランスポータブル表領域またはパーティションを使用して、データベース間でこのデータを短時間で移動する機能が提供されます。これにより、データがひとまとまりの単位で移動されます。
データベースからデータを削除するにあたり、最も速い方法はデータのセットを削除することです。これは、データがパーティションに保持された状態で実現できます。パーティションの削除は非常に高速で処理できます。ただし、データの関係を維持する必要があるためにこの方法が不可能な場合は、従来のSQL delete文を発行する必要があります。delete文の発行に必要な時間を少なく見積らないようにしてください。
データをデータベースから削除する必要があり、将来、データベースにデータを戻す必要が生じる可能性がある場合は、トランスポータブル表領域などのデータベース・フォーマットのままデータを移動するか、Oracle DatabaseのXML機能を使用してオープン・フォーマットで情報を抽出することを検討してください。
Oracle Databaseでのデータのオンライン・アーカイブを検討する理由は次のとおりです。
ディスクのコストはテープのコストに近づいているため、データが入っているテープを探す時間やデータをリストアするためのコストをなくすことができます。
必要時にデータがオンラインになっており、高速アクセスを提供し、業務要件を満たします。
データがオンラインになっているためすぐにアクセスできます。このため、データを提供できないことで規制機関から罰金を課せられる可能性が少なくなります。
現在のアプリケーションを使用してデータにアクセスできるため、新しいアプリケーションを構築するためにリソースを無駄にする必要がありません。