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Oracle® Business Intelligence Applicationsインストレーション・ガイド
11gリリース1 (11.1.1.8.1)
E56352-01
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2 Oracle BI Applicationsのインストール前要件とデプロイ要件

この章では、Oracle BI Applicationsのインストール前要件とデプロイ要件について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

2.1 Oracle BI Applications用のデータベースの設定に関する一般的なガイドライン

この項の内容は次のとおりです。

2.1.1 Oracle Business Analytics Warehouseデータベースに関するガイドライン

次のガイドラインは、パフォーマンスとサイズの増加を考慮してデータ・ウェアハウスの物理データベースを設定する場合に役立ちます。

  • 他のアプリケーションが同じサーバー上で実行されていないことを前提として、サーバーの使用可能なメモリーの合計の約50から70パーセントをデータベースに割り当てます。

  • 少なくとも、データと索引の表領域を分けます。使用頻度の多い表とそれらの索引を分ける場合は、さらに表領域を作成します。

  • Oracleウェアハウスには、8Kのブロック・サイズを使用することをお薦めします。ブロック・サイズとOracleデータベースの詳細は、Oracle Technology NetworkでOracle Database 11gのドキュメント・ライブラリを参照してください。

  • 複数のディスク・ストレージ・システムを使用する場合は、表領域のコンテナとファイルをできるだけ多くのディスクにまたがってストライプ化します。

  • 表領域には、処理済のファイル・システムよりもRAWデバイスを使用した方が、パフォーマンスが向上します。

  • RAID-5は、パフォーマンスと可用性の良好なバランスをもたらすことで知られています。

2.1.2 Oracle Business Analytics Warehouseに個別のデータベースを使用する理由

Oracle Business Analytics Warehouseをトランザクション・データベースと同じデータベース内に配置することは技術的に可能ですが、パフォーマンス上の理由から推奨されません。トランザクション・データベースがオンライン・トランザクション処理(OLTP)データベースとして構造化されているのに対し、Oracle Business Analytics Warehouseはオンライン分析処理(OLAP)データベースとして構造化されており、それぞれが独自の目的に合わせて最適化されています。2つのデータベースを組み合せて使用しない理由は、次のとおりです。

  • ETLはハードウェア・リソースを最大限に活用するように構成されているため、ウェアハウスと他のプロジェクトとの間でリソースが共有されないようにする必要があります。

  • 分析問合せは、個々のトランザクションの入力および管理という、トランザクション・データベースの通常の使用目的の妨げになります。

  • トランザクション・データベース内のデータは、効率的に更新を行うために正規化されています。トランザクション問合せでは、いくつかの正規化された表が結合されるため、(あらかじめ結合された分析表や非正規化された分析表に比べて)処理速度は低下します。

  • 履歴データは、現在のトランザクション処理では必要ない場合でも、分析では必要になるため、トランザクション・データベースからパージできません。(一方、分析データベースは、履歴データのみでなく現在のデータ用のウェアハウスでもあります。)このため、トランザクション・データベースの処理速度はさらに低下します。

  • トランザクション・データベースは1つの特定のアプリケーション用にチューニングされているため、このような別々のトランザクション・データベースを使用して、通常は複数の機能アプリケーションにまたがって処理される分析問合せを実行することは生産的ではありません。

  • 分析データベースは、分析問合せと抽出、変換およびロード(ETL)処理専用にチューニングできます。これらの要件は、トランザクション・データベースの要件とは大きく異なります。

2.2 Oracle Business Analytics Warehouseに使用するOracleデータベース固有のガイドライン

この項では、Oracleデータベース固有のガイドラインを示します。内容は次のとおりです。

2.2.1 Oracleデータベースに関する一般的なガイドライン

この項では、Oracleデータベースのパフォーマンスの最適化に関するその他の推奨事項を示します。

  • Oracleデータベース上のOracle BI Applicationsでは、バイナリ・ソートのみがサポートされます。Oracleクライアントを実行する場合、次のいずれかを行います。

    • NLS_SORTパラメータをBINARYに設定します。

    • バイナリを含むNLS_LANG設定を選択します。

    専用のWebクライアントから十分なパフォーマンスを得るには、これらの設定が必要です。

  • ワークロード・システム統計を収集することをお薦めします。

  • Oracle BI ServerとOracleデータベースとの間のデータ・スループットを増加させるには、listener.ora内のSDUおよびTDU設定を変更します。デフォルトは2 KBで、8 KBまで増加させることができます。

  • サーバー側で、listener.oraファイルを編集します。特定のSID_LISTエントリの下にあるSID_DESCを、次のように変更します。

    SID_LIST_LISTENER =
       SID_LIST =
          SID_DESC = (SDU=16384)(TDU=16384) 
             ORACLE_HOME = /.....)
             SID_NAME = SOLAP) 
       )
    )
    
  • ログ・ファイル・グループの数を4に設定します。

  • クライアント側で、tnsnames.oraファイルを編集します。TNSの別名を、次のようにSDU=およびTDU=を追加することによって変更します。

    myhost_orcl.world=
       DESCRIPTION=(SDU=16384)(TDU=16384)
       ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST=myhost)(PORT=1521))
    CONNECT_DATA=(SID=ORCL))
    

2.2.2 Oracleテンプレート・ファイルの使用

より簡単にOracleデータベース上のBusiness Analytics Data Warehouseを構成するには、\<BI_Oracle_Home>\biapps\etlに格納されているパラメータ・テンプレート・ファイルinit11gR2_template.oraファイルまたはinit11gR2_Exadata_template.oraを参照します。

このパラメータ・テンプレート・ファイルでは、Oracle 11gR2用のコストベース・オプティマイザに基づくパラメータ・ガイドラインが提供されます。これらのガイドラインを開始点として使用します。特定のデータベース・サイズ、データ形状、サーバー・サイズ(CPUとメモリー)およびストレージの種類に基づいて、変更を行う必要があります。データベース管理者は、パフォーマンス・モニタリングおよびチューニングに基づいて、設定を変更する必要があります。

適切なテンプレート・ファイルを<ORACLE_HOME>/dbsディレクトリにコピーします。その後、テンプレート・ファイル内の推奨事項を確認し、特定のデータベース構成に基づいて変更を行います。データベース管理者は、パフォーマンス・モニタリングおよびチューニングの考慮事項に基づいて、設定を変更する必要があります。


注意:

NLS_LENGTH_SEMANTICSパラメータを使用すると、バイト長または文字長のセマンティクスを定義できます。Oracle BI Applicationsによってサポートされるこのパラメータの値は、BYTEとCHARです。MLS文字を使用する場合、このパラメータを、データベース・バージョンに対応するパラメータ・テンプレート・ファイル(つまり、init<DB version>.oraファイル)に追加できます。