この項では、Oracle Business Intelligence Applicationsの機能構成の実行方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
ソース・データベースからターゲット・ビジネス分析ウェアハウスにデータを正確かつ適切に移動するには、BI Applicationsオファリングのいくつかの機能設定を実行する必要があります。これらの機能設定は、ビジネス要件あるいはトランザクション・ソース・システムの設定または構成に基づいており、関連データをソース・データベースからターゲット・データベースに移動および変換する方法を指示します。さらに、BI Applicationsのいくつかの機能設定は、データの表示方法を制御します。機能設定は、機能構成とも呼ばれます。詳細は、第3.2項「機能構成のロードマップ」を参照してください。
機能構成後のETLの起動について
FSMでのすべてのタスクが完了した後、「<オファリング>のETLと追加情報」の情報タスク(使用可能な場合)を使用して、そのオファリングに対してETLを実行するために指定する必要があるロード計画詳細を決定します。「<オファリング>のETLと追加情報」の情報タスクは、ロード計画に含める必要があるサブジェクト領域と、他のETL要件を指定します。
機能設定マネージャ(FSM)の実装プロジェクトに移動すると、その実装プロジェクトに対して指定されているオファリングに関連するタスクが表示されます。次のサンプル・スクリーンショットは、Oracle Financial Analyticsの機能タスクを示しています。
機能タスクのタイプの詳細は、第2.6項「FSMでの機能設定タスクについて」を参照してください。
Oracle Business Intelligence Applicationsでは、次のタスク・リストおよびタスクが使用可能です。
<オファリング>のスタート・ガイド: 各オファリングに、この情報タスクがあります。これは、そのオファリングの概要、および構成の開始に必要なその他の情報を提供します。
<オファリング>のETLと追加情報: 各オファリングに、この情報タスクがあります。これは、機能領域、およびオファリングの構成に関するその他の役立つ情報のリストを示します。
システム設定とインストール後の設定: このタスクは、オファリングで機能構成を開始する前に、システム管理者がOracle BI Applicationsデプロイメントごとに1回ずつ完了する必要があり、Oracle BI Applicationsのインストール後のすべての必須手順が含まれています。
共通領域およびディメンション: このタスク・リストには、複数のオファリングに共通するタスクが含まれています。共通タスクの完了の詳細は、第3.3.4.7項「共通領域およびディメンション構成タスク・リストのタスクの完了について」を参照してください。
<オファリング固有のタスク>: 各オファリングの機能タスクの完全なリストを取得するには、FSMで使用可能なタスク・リストおよびタスク・レポートを使用します。
次のリストは、Oracle Business Intelligence Applicationsの機能構成の大まかなロードマップを示しています。
注意: FSMを起動するには、Oracle BI Applications構成マネージャの「機能構成の実行」リンクをクリックします。Oracle BI Applications構成マネージャとFSMとの間でシングル・サインオンが構成されていない場合、FSMへのログインが必要になります。FSMには、Oracle BI Applications構成マネージャに対するものと同じログイン資格証明を使用します。 |
デプロイするオファリングおよびモジュールを構成します。たとえば、Oracle Financial Analyticsを、買掛管理、売掛管理および一般会計の機能領域とともにデプロイすることがあります。
詳細は、第3.3.1項「FSMでのオファリングの有効化」を参照してください。
実装プロジェクトを作成し、オファリングおよび1つ以上のモジュールを選択します。たとえば、Oracle Financial Analyticsを、買掛管理、売掛管理および一般会計の機能領域とともに構成する実装プロジェクトを作成できます。
詳細は、第3.3.2項「実装プロジェクトの作成とオファリングの選択」を参照してください。
重要な注意: 実装プロジェクトを作成すると、FSMによって、指定したオファリングの構成に必要なタスクが生成されます。デフォルトでは、これらのタスクはBI管理者ユーザーに割り当てられます。必要に応じて、機能開発者にタスクを割り当てて、それらの開発者がそのタスクを実行することもできます。
(オプション)指定されたオファリングおよびBIモジュールのタスクを、1人以上の機能開発者に割り当てます。たとえば、「買掛管理」タスクをユーザーFredに、「売掛管理」タスクをユーザーJillに、「一般会計」タスクをユーザーMikeに割り当てることができます。大きなプロジェクトでの構成の詳細は、第3.3.3項「機能構成タスクの実行」を参照してください。
また、タスクはデフォルトのBI管理者ユーザーが実行することもできます。
詳細は、第3.3.4.2項「機能開発者へのタスクの割当て方法」を参照してください。
「タスクに進む」リンクをクリックすることで、機能構成タスクを完了します。
FSMの「タスクに進む」オプションにアクセスするには、FSMに、BI Applications機能開発者職務権限またはBI Applications管理者職務権限を持つユーザーとしてログインしている必要があります。
たとえば、ユーザーFredは、一般会計に関連するタスクを実行します。
詳細は、第3.3.4.4項「機能開発者ロールを使用して機能タスクを実行する方法」および第3.3.4.3項「管理者ロールを使用して機能タスクを実行する方法」を参照してください。
実装プロジェクトの進行状況を監視し、タスクが完了したことを確認します。たとえば、「概要」ページの「オファリング単位のパラメータ」レポートを使用して、値が指定されていないパラメータの数を監視できます。さらに、機能設定マネージャは、実装プロジェクトの進行状況を監視するためのグラフも備えています。
詳細は、第3.3.4.5項「実装プロジェクトの監視方法」を参照してください。
機能構成が完了すると、ETLをいつでも開始できます。ETLの実行の詳細は、Oracle Business Intelligence Applications ETLガイドを参照してください。
必要に応じて、Oracle BI Applications構成マネージャを使用して、設定データに変更を加えます。たとえば、実装マネージャは、Oracle BI Applications構成マネージャの「ドメインとマッピング」ページを使用して、ドメインを追加したり、マップされていないドメイン値を解決できます。
Oracle BI Applications構成マネージャでの構成変更の実行の詳細は、第4.9項「Oracle BI Applications構成マネージャでマップされていないドメイン値を見つける方法」を参照してください。
この項では、Oracle BI Applicationsオファリングを機能構成する方法について説明します。この項の内容は次のとおりです。
この手順は、第3.2項「機能構成のロードマップ」の一部です。
デプロイメント・プロジェクトの開始時に、オファリングおよび機能領域を実装用に有効化する必要があります。
オファリングを実装用に有効化していない場合は、FSMを使用してそのオファリングを構成できなくなります。
オファリングおよび機能領域を実装用に有効化するには:
Oracle BI Applications構成マネージャの「タスク」バーから、「機能構成の実行」リンクを選択して、機能設定マネージャを起動します。
「タスク」バーで「オファリングの構成」リンクを選択して、「オファリングの構成」ページを表示します。
デプロイするオファリングおよび機能領域ごとに、次の操作を行います。
デプロイするオファリングおよびそのオファリング内の各機能領域の横にある「実装に使用可能」チェック・ボックスを選択します。
注意: 選択したオファリングの「プロビジョニング済」列の値が「いいえ」である場合、次の警告が表示されます。
Warning: This offering is not provisioned. Offering implementations cannot be completed until the offering is provisioned. Do you want to continue?
続行する場合は、「はい」をクリックする必要があります。
選択したオファリングに固有のその他のオプションを選択します。
たとえば、「財務」オファリングを選択した場合、「補助元帳会計基準」フィールドを使用して、適切な会計メソッドを指定する必要があります。
変更内容を保存します。
この手順は、第3.2項「機能構成のロードマップ」の一部です。
機能設定マネージャを使用して、実装プロジェクトを作成し、デプロイするオファリングおよびモジュールを構成します。たとえば、Oracle Fusion Applications HCMをインストールした場合、実装プロジェクトを作成して、Oracle Fusion Applications HCM用のETLを構成できます。
Oracle Fusion Applications用のETLを構成するには、少なくとも1つの実装プロジェクトを作成する必要があります。実装プロジェクトを作成するときに、そのプロジェクトの一部としてデプロイするオファリングを選択します。
実装プロジェクトを作成すると、FSMによって、指定したオファリングの構成に必要なタスクが生成されます。デフォルトでは、これらのタスクはBI管理者ユーザーに割り当てられます。必要に応じて、機能開発者にタスクを割り当てて、それらの開発者がそのタスクを実行することもできます。
実装プロジェクトを作成する手順は次のとおりです。
Oracle BI Applications構成マネージャの「タスク」バーから、「機能構成の実行」リンクを選択して、機能設定マネージャを起動します。
「実装プロジェクトの管理」ページを表示し、「処理」→「作成」を選択して、「基本情報の入力」ページを表示します。
「基本情報の入力」ページを使用して、プロジェクトの詳細を指定します。
注意: デフォルト名、コードおよび説明は自動的に作成されます。これらの値は、必要に応じて変更できます。「コード」値を変更する場合は、一意のコードを指定する必要があります。
ヒント: 「名前」フィールドを使用して、デプロイするオファリングを示す意味のあるプロジェクト名を指定します。次の手順で、実装するオファリングおよび機能領域をIPの一部として選択した後は、選択されているオファリングと機能領域を確認するために戻ることはできなくなります。 |
「次」をクリックして、「実装するオファリングの選択」ページを表示します。
注意: 「プロジェクトの保存およびオープン」をクリックしないでください。「プロジェクトの保存およびオープン」を選択すると、不完全な実装プロジェクトが作成され、それに対してオファリングおよび機能領域を後で指定できなくなります。 「次」をクリックして、次のページで「オファリング」を指定する必要があります。 |
「実装するオファリングの選択」ページを使用して、プロジェクトに含めるオファリングおよび機能領域を指定します。
たとえば、Oracle Procurement and Spend Analyticsを、買掛/未払金およびソーシングとともに構成する場合、「調達」、「買掛/未払金」、および「ソーシング」の横にある「含む」チェック・ボックスを選択します。
注意: オファリングの管理を容易にするために、1つの実装プロジェクトで1つのオファリングをデプロイすることをお薦めします。つまり、3つのオファリングをデプロイする場合は、3つの実装プロジェクトを作成します。
詳細を保存します。
プロジェクトを保存する場合、FSMによって、実装プロジェクトに含めたオファリングおよび機能領域の構成タスクのリストが生成されます。
この手順は、第3.2項「機能構成のロードマップ」の一部です。
実装プロジェクトを作成する場合、FSMによって、選択したオファリングおよび機能領域の構成に必要なタスクのリストが生成されます。オファリングの機能構成は、次の2つの方法で実行できます。
小規模のデプロイメントでは、BI Applications管理者職務権限でログインした1人の人間が、「タスクに進む」リンクを使用してオファリングを構成できます。詳細は、第3.3.4.3項「管理者ロールを使用して機能タスクを実行する方法」を参照してください。
大規模なデプロイメントでは、通常、次のように機能開発者のチームがオファリングを構成します。
実装マネージャがタスクを機能開発者に割り当てます。第3.3.4.2項「機能開発者へのタスクの割当て方法」を参照してください。
BI Applications機能開発者職務権限を使用してログインした機能開発者が、オファリングを構成します(詳細は、第3.3.4.4項「機能開発者ロールを使用して機能タスクを実行する方法」を参照)。
この項では、FSMを使用して実行する追加の管理タスクについて説明します。この項の内容は次のとおりです。
FSMで機能タスクを完了したら、タスクのステータスを更新します(たとえば、「完了」または「エラーありで完了」)。
情報タスクの「タスクに進む」をクリックすると、FSMの外部で実行する必要がある手順のリストが表示されます。たとえば、Oracle BI EE管理ツールを使用して、BIメタデータ・リポジトリの値を構成することが必要な場合があります。情報タスクにリストされている手順を完了したら、そのタスクのステータスを手動で「完了」に設定する必要があります。
最初の構成を完了した後にパラメータ値をリセットする必要がある場合、BI管理者は、かわりに、Oracle BI Applications構成マネージャの「設定データの保守および管理」オプションを使用できます。
大規模な構成プロジェクトを複数の人間で作業できるように、タスクを機能開発者に割り当てます。デフォルトでは、タスクはBI Applications管理者ユーザーに割り当てられます。タスクを機能開発者に割り当てると、その人がFSMにログインしたときにFSMの「割当済実装タスク」タブにそのタスクが表示されます、大きなプロジェクトでの構成の詳細は、第3.3.3項「機能構成タスクの実行」を参照してください。
機能開発者にタスクを割り当てる手順は次のとおりです。
Oracle BI Applications構成マネージャの「タスク」バーから、「機能構成の実行」リンクを選択して、FSMを起動します。
実装マネージャ(または管理者ロール)を使用してOracle BI Applications構成マネージャにログインしている必要があります。
「実装プロジェクト」タブを表示し、実装プロジェクトを選択します。
「タスク・リストおよびタスク」ペインで1つ以上のタスクを選択し、「タスクの割当」をクリックして「タスクの割当」ページを表示します。
「タスクの割当」ページを使用して、適切な機能開発者を検索して選択します。
機能開発者がログインして「割当済実装タスク」タブを表示すると、自身に割り当てられているタスクのみが表示されます(詳細は、第3.3.4.4項「機能開発者ロールを使用して機能タスクを実行する方法」を参照)。BI管理者がログインして「実装プロジェクト」タブを表示すると、すべてのタスクが表示されます(詳細は、第3.3.4.3項「管理者ロールを使用して機能タスクを実行する方法」を参照)。
小規模のデプロイメント・プロジェクトでは、BI Applications管理者職務権限を持つ1人の人間が、Oracle BI Applicationsの設定および機能構成タスクを実行することがあります。
BI Applications管理者職務権限を使用してFSMにログインすると、実装プロジェクトに含まれているすべてのタスクが表示されます。
管理者として機能タスクを実行する手順は次のとおりです。
Oracle BI Applications構成マネージャの「タスク」バーから、「機能構成の実行」リンクを選択して、FSMを起動します。
BI Applications管理者職務権限を使用してOracle BI Applications構成マネージャにログインしている必要があります。
「実装プロジェクト」タブを表示し、オファリングに対して作成した実装プロジェクトを選択します。
「タスク・リストおよびタスク」ペインで、タスクを選択して「タスクに進む」をクリックします。
「タスクに進む」をクリックすると、そのタスクを完了できる構成画面が表示されます。
たとえば、次のスクリーンショットは、HR Workforce Extract Dateという名前のデータ・ロード・パラメータに日付を指定するための構成画面を示しています。
中規模から大規模のデプロイメント・プロジェクトでは、数人の機能開発者がオファリングの機能タスクを実行する場合があります。機能開発者ロールを使用して機能設定マネージャにログインすると、自身に割り当てられているタスクのみが表示されます。他の機能開発者に割り当てられているタスクは表示されません。
機能開発者ロールを使用して機能タスクを実行する手順は次のとおりです。
機能開発者ロールを使用してOracle BI Applications構成マネージャにログインします。
Oracle BI Applications構成マネージャの「タスク」バーから、「機能構成の実行」リンクを選択します。
「割当済実装タスク」タブを表示します。
「タスク・リストおよびタスク」ペインで、タスクを選択して「タスクに進む」をクリックします。
「タスクに進む」をクリックすると、そのタスクを完了できる構成画面が表示されます。
たとえば、次のスクリーンショットは、HR Workforce Extract Dateという名前のデータ・ロード・パラメータに日付を指定するための構成画面を示しています。
機能設定マネージャを使用して実装プロジェクトを監視し、プロジェクトの進行状況を追跡します。
実装プロジェクトを監視する手順は次のとおりです。
Oracle BI Applications構成マネージャの「タスク」バーから、「機能構成の実行」リンクを選択して、FSMを起動します。
実装マネージャ・ロールを使用してOracle BI Applications構成マネージャにログインしている必要があります。
「実装プロジェクト」タブを表示し、デプロイする実装プロジェクトを選択します。
たとえば、「概要」ページで円グラフを使用して進行状況を監視できます。
「実装プロジェクト詳細」ペインを使用して、プロジェクトのステータスを監視します。
また、Oracle BI Applications構成マネージャを使用して、プロジェクトの進行状況を監視したり、設定データを保守したり、必要に応じてOracle Business Analytics Warehouseを拡張することができます。詳細は、第4項「機能構成データの管理と保守」を参照してください。
自身に割り当てられている機能タスクを監視し、デプロイしているOracle Fusion ApplicationsにおけるETLの構成の進行状況を追跡します。
自身に割り当てられている機能タスクを監視する手順は次のとおりです。
Oracle BI Applications構成マネージャの「タスク」バーから、「機能構成の実行」リンクを選択して、FSMを起動します。
管理者ロールを使用してOracle BI Applications構成マネージャにログインしている必要があります。
「実装プロジェクトの管理」ページを表示し、デプロイする実装プロジェクトを選択します。
グラフおよびチャートを使用して、選択した実装プロジェクトの進行状況を監視します。
実装プロジェクトにどのオファリングを含めるかに関係なく、タスクには「共通領域およびディメンション構成」タスク・リストがあり、これには、複数のオファリングに共通するタスクが含まれています。たとえば、「グローバル通貨の構成」は複数のオファリングに共通するタスクです。
タスクが完了したら、そのタスク・ステータスが「完了」に設定されます。「共通領域およびディメンション構成」タスク・リストの完了済タスクは、すべてのオファリングにわたってステータス「完了」に設定されます。つまり、「共通領域およびディメンション構成」タスク・リストのタスクは、Oracle BI Applicationsデプロイメントごとに1回のみ実行する必要があります。