/Oracle/StorageTek_Tape_Analytics/common/bin にある STA バックアップサービスユーティリティーと STA リソースモニターサービスユーティリティーを構成するには、次の手順を使用します。これらのユーティリティーの詳細および構成後の管理については、『STA 管理ガイド』を参照してください。
Linux PATH 環境変数を更新して、STA サービスユーティリティー staservadm
および staresmonadm
の場所を含めるには、次の手順を使用します。
テキストエディタでユーザー ID のプロファイルを開きます。例:
# vi /root/.bash_profile
上のディレクトリを PATH 定義に追加します。例:
# .bash_profile # User specific environment and startup programs PATH=$PATH:$HOME/bin PATH=$PATH:/Oracle/StorageTek_Tape_Analytics/common/bin export PATH
ファイルを保存して終了します。
Linux からログアウトしてふたたびログインします。
PATH 環境変数の設定を表示します。上の STA ディレクトリが表示されるはずです。例:
# echo $PATH /usr/kerberos/sbin:/usr/kerberos/bin:/usr/local/sbin:/usr/local/bin:/sbin:/bin:/usr/sbin:/usr/bin:/root/bin:/Oracle/StorageTek_Tape_Analytics/common/bin
STA バックアップサービスは、その管理ユーティリティー staservadm
を使用して構成します。このユーティリティーのコマンドオプションの完全なリストを表示するには、staservadm ‐h
と入力します。STA バックアップサービスの詳細は、『STA 管理ガイド』を参照してください。
使用可能なプリファレンス設定の説明および設定の定義については、表 7-1 を確認してください。
表 7-1 STA バックアップサービス管理ユーティリティー (staservadm) の属性
オプション |
属性 |
説明 |
デフォルト値 |
使用する値 |
---|---|---|---|---|
-S、--scp -F、--ftp |
File transfer type |
バックアップファイルを STA サーバーからバックアップホストにコピーするために使用されるファイル転送の方法。オプションは、「SCP」(推奨) または「FTP」です。 |
SCP |
|
-T、--time |
Full backup dump time |
STA がデータベース全体のバックアップダンプを実行する時間。ダンプは、この時間前後に 24 時間ごとに自動的に実行されます。実際の時間は、この時間よりあとの「スリープ間隔」秒内です。形式は、24 時間の時間を使用した hh:mm です。 |
00:00 |
|
-i、--int |
Sleep interval |
STA サービスデーモンが新しい増分バックアップファイルを調べるまでに待機する秒数。 |
300 |
|
-s、--server |
Backup host name |
STA サーバーがバックアップファイルをコピーする先となるサーバーホストの IPv4 アドレス、IPv6 アドレス、または完全修飾 DNS ホスト名。 |
なし |
|
-u、--usr |
Backup user ID |
バックアップホストへの SCP ファイルの転送の実行が許可されているシステムユーザー ID。 |
なし |
|
-p、--pwd |
Backup password |
バックアップユーザーに割り当てられているパスワード。 |
なし |
|
-d、--dir |
Backup directory |
バックアップファイルがコピーされるバックアップホストにあるディレクトリ。 |
なし |
|
-U、--dbusr |
Database username |
|
なし |
|
-P、--dbpwd |
Database password |
データベースユーザー名のパスワード。 |
なし |
STA バックアップサービスによって生成された圧縮済みバックアップファイルを受信するようにリモートバックアップサーバー (または同等のもの) を構成するには、次の手順を使用します。Oracle では、リモートバックアップサーバーを構成することをお勧めします。
必要な領域は不定です。サイズは、保持するコピーの数に応じて、STA_DB ローカルバックアップに使用されるサイズの倍数であるべきです。バックアップサーバーストレージは、ミラー化またはストライプ化されているべきです。
バックアップサーバーで、システムの root ユーザーとしてログインします。
STA バックアップユーザーの新しいグループを作成します。例:
# groupadd -g 54321 stabckgr
この例では、グループ ID は「stabckgr」で、数値 GID を指定するために -g オプションが使用されています。
STA バックアップユーザーを作成します。例:
# adduser stabck -c "STA database backup user" -m -d /home/stabck -g stabckgr -s /bin/bash -u 98765
この例では、ユーザー ID は「stabck」で、次のオプションが使用されています。
‐c – コメント。
‐m – ユーザーのホームディレクトリを作成します。
‐d – ホームディレクトリのフルパス。
‐g – ユーザーを指定のグループに割り当てます。
‐s – 指定のログインシェルをユーザーに割り当てます。
‐u – 指定の数値 UID をユーザーに割り当てます。
STA バックアップユーザーにパスワードを割り当てます。例:
# passwd stabck Changing password for user stabck. New UNIX password: bckpwd1 Retype new UNIX password: bckpwd1 passwd: all authentication tokens updated successfully.
STA バックアップがコピーされるディレクトリを作成します。例:
# cd /home/stabck # pwd /home/stabck # mkdir -p STAbackups # ls STAbackups
この例では、「STAbackups」ディレクトリは STA バックアップユーザーのホームディレクトリに作成され、必要に応じて親ディレクトリを作成するために -p オプションが使用されています。
すべての情報が正しく入力されていることを確認するために、ユーザー属性を表示します。例:
# cat /etc/passwd |grep sta stabck:x:98765:54321:STA database backup user:/home/stabck:/bin/bash
ディレクトリの排他的所有権とアクセス権を STA バックアップユーザーとグループに割り当てます。例:
# chown -R stabck:stabckgr STAbackups # chmod -R 600 STAbackups
この例では、再帰的に属性をディレクトリとそのファイルに割り当てるために -R オプションが使用されています。
すべての情報が正しく入力されていることを確認するために、ディレクトリを一覧表示します。例:
# ls -la |grep STA drw------- 2 stabck stabckgr 4096 Oct 19 14:20 STAbackups
STA バックアップサービスを構成するには、次の手順を使用します。バックアップファイルがコピーされるディレクトリを指定できます。Oracle では、このディレクトリをリモートバックアップサーバーに配置することをお勧めします。
サービスが現在のスリープ間隔から復帰して新しい設定を処理するか、ユーザーが STA サービスデーモンを手動で再起動する ("STA サービスデーモンの再起動 (オプション)") とすぐに、構成設定が有効になります。
STA サーバーで、root としてログインします。
staservadm -Q
コマンドを使用して現在の STA バックアップサービス設定を表示します。
この例は、サービスがまだ構成されていないため、バックアップを実行していないことを示しています。
# ./staservadm -Q Contacting daemon...connected. Querying Preferences. Current STA Backup Service Settings: Configured [no] File Transfer -S [SCP] Full Backup -T [00:00] Sleep Interval -i [300 sec] Backup Hostname -s [] Backup Username -u [] Backup Password -p [] Backup Directory -d [] Database Username -U [] Database Password -P []
表 7-1 を参照として使用して、staservadm
コマンドで属性値を設定します。
属性を別のコマンドで送信することも、1 つのコマンドに結合することもできます。例:
# ./staservadm -S -T 11:00 -i 350 -s stabaksvr -u stabck -p bckpwd1 -d /home/stabck/STAbackups -U sta_dba -P password1
ユーティリティーは、コマンドに含まれているそれぞれの値を設定してから、現在のすべての設定を表示します。例:
Contacting daemon...connected. Setting File Transfer Type... SCP Setting Sleep Interval....... 350 Setting Backup Hostname...... stabaksvr Setting Backup Username...... stabck Setting Backup Password...... ******* Setting Backup Directory..... /home/stabck/STAbackups Setting Full Backup Time..... 11:00 Setting Database Username.... sta_dba Setting Database Password.... ********* Done. Current STA Backup Service Settings: Configured [yes] File Transfer -S [SCP] Full Backup -T [11:00] Sleep Interval -i [350 sec] Backup Hostname -s [stabaksvr] Backup Username -u [stabck] Backup Password -p [*******] Backup Directory -d [/home/stabck/STAbackups] Database Username -U [sta_dba] Database Password -P [*********]
コマンド出力を調べて、値が正しく設定されていることを確認します。
STA リソースモニターサービスは、その管理ユーティリティー staresmonadm
を使用して構成します。このユーティリティーのコマンドオプションの完全なリストを表示するには、コマンド行で staresmonadm ‐h
と入力します。生成されるレポートを含め STA リソースモニターの詳細は、『STA 管理ガイド』を参照してください。
表 7-2 のオプションの説明を確認して、設定を定義します。
表 7-2 STA リソースモニター (staresmonadm) 属性
オプション |
属性 |
説明 |
デフォルト値脚注 1 | 使用する値 |
---|---|---|---|---|
-T、--time |
Daily report time |
STA が標準の日次レポートを送信する時間。レポートは、この時間前後に 24 時間ごとに自動的に送信されます。実際の時間は、この時間よりあとの「スリープ間隔」秒内です。形式は、24 時間の時間を使用した hh:mm です。 |
00:00 |
|
-i、interval |
Sleep interval |
STA リソースモニターがスキャンの間に待機する秒数。 |
300 |
|
-n、--nag |
Nag mode |
最高水位標に達した場合に STA がアラートを出す頻度を示します。「on」に設定した場合、システムがスキャンされるたびに STA はアラート電子メールを送信します。「off」に設定した場合、アラートは単に標準の日次レポートに記録されます。 |
Off |
|
-U、--dbusr |
Database username |
「information_schema」表および MySQL サーバーの内部システムグローバル変数に対して問合せを実行することが許可されているデータベースユーザー名。STA データベースの DBA アカウントユーザー名または STA データベースのルートアカウントユーザー名 ( |
なし |
|
-P、--dbpwd |
Database password |
データベースユーザー名に割り当てられているパスワード。 |
なし |
|
-t、--tblsphwm |
Database tablespace HWM |
使用可能な最大の割合として入力する、データベース表領域の最高水位標。 |
-1 |
|
-b、--backvolhwm |
Local backup HWM |
可能な最大の割合として入力する、STA ローカルバックアップボリューム (/dbbackup) の最高水位標。 |
-1 |
|
-d、--dbvolhwm |
Database disk volume HWM |
使用可能な最大の割合として入力する、STA データベースボリューム (/dbdata/mysql) の最高水位標。 |
-1 |
|
-l、--logvolhwm |
Logging disk volume HWM |
使用可能な最大の割合として入力する、STA データベースログ (/var/log/tbi/) の最高水位標。 |
-1 |
|
-z、--rootvolhwm |
Root volume HWM |
使用可能な最大の割合として入力する、ルートボリューム (/) の最高水位標。 |
-1 |
|
-x、--tmpvolhwm |
Tmp volume HWM |
使用可能な最大の割合として入力する、一時ディレクトリボリューム (/tmp) の最高水位標。 |
-1 |
|
-m、--memhwm |
Physical memory (RAM) HWM |
使用可能な最大の割合として入力する、合計システムメモリー (仮想メモリーを除く) の最高水位標。 |
-1 |
|
-f、--from |
Email from |
標準の日次レポート電子メールの「From」フィールドに表示される名前または電子メールアドレス。 |
StaResMon@localhost |
|
-r、--recips |
Email recipients |
コロン区切りのリストとして入力する、受信者電子メールアドレス。 |
なし |
|
-s、--subject |
Email subject |
標準の日次レポート電子メールの「Subject」フィールドに表示される、最大 128 文字のエントリ。空白が含まれる場合は引用符で囲みます。電子メールの送信時に、yyyy-mm-dd hh:mm:ss 形式のタイムスタンプがエントリに追加されます。 |
STA Resource Monitor Report |
|
-o、--outfile |
Output data file |
コンマ区切り (.csv) の出力データファイルのフルパス。 |
/var/log/tbi/db/staresmon.csv |
脚注 1 デフォルト値 -1 は、属性が構成されていないことを示しています。
STA リソースモニターサービスを構成するには、次の手順を使用します。サービスが現在のスリープ間隔から復帰して新しい設定を処理するか、ユーザーが STA サービスデーモンを手動で再起動する ("STA サービスデーモンの再起動 (オプション)") とすぐに、構成設定が有効になります。
STA サーバーで、root としてログインします。
staresmonadm -Q
コマンドを使用して現在の STA リソースモニター設定を表示します。
この例は、サービスがまだ構成されていないため、スキャンを実行していないことを示しています。
# ./staresmonadm -Q Contacting daemon...connected. Querying Preferences. Current STA Resource Monitor Service Settings: Configured [no] Send Reports -T [00:00] Sleep Interval -i [300 sec] Alert Nagging -n [off] DB Username -U [] DB Password -P [] DB Tablespace hwm -t [-1%] DB Backup hwm (/dbbackup) -b [-1%] DB Data hwm (/dbdata) -d [-1%] Log Volume hwm (/var/log/tbi) -l [-1%] Root Volume hwm (/) -z [-1%] Tmp Volume hwm (/tmp) -x [-1%] System Memory hwm -m [-1%] Email 'From:' -f [StaResMon@localhost] Email 'To:' -r [] Email 'Subject:' -s [STA Resource Monitor Report] Output File -o [/var/log/tbi/db/staresmon.csv]
表 7-2 を参照として使用して、staresmonadm
コマンドで属性値を設定します。
属性を別のコマンドで送信することも、1 つのコマンドに結合することもできます。例:
# ./staresmonadm -T 13:00 -i 600 -n on -U sta_dba -P password1 -t 65 -b 65 -d 65 -l 65 -z 70 -x 80 -m 75 -r john.doe@company.com
ユーティリティーは、コマンドに含まれているそれぞれの値を設定してから、現在のすべての設定を表示します。例:
Contacting daemon...connected. Setting DB Tablespace HWM..... 65 Setting DB Disk Volume HWM.... 65 Setting Logging Volume HWM.... 65 Setting Backup Volume HWM..... 65 Setting Root Volume HWM....... 70 Setting Temp Volume HWM....... 80 Setting System Memory HWM..... 75 Setting 'To:' addresses....... john.doe@company.com Setting Send Time............. 13:00 Setting Sleep Interval........ 600 Setting Alert Nag Mode........ ON Setting DB Username........... sta_dba Setting DB Password........... ********* Done. Current STA Resource Monitor Service Settings: Configured [yes] Send Reports -T [13:00] Sleep Interval -i [600 sec] Alert Nagging -n [on] DB Username -U [sta_dba] DB Password -P [*********] DB Tablespace hwm -t [65%] DB Backup hwm (/dbbackup) -b [65%] DB Data hwm (/dbdata) -d [65%] Log Volume hwm (/var/log/tbi) -l [65%] Root Volume hwm (/) -z [70%] Tmp Volume hwm (/tmp) -x [80%] System Memory hwm -m [75%] Email 'From:' -f [StaResMon@localhost] Email 'To:' -r [john.doe@company.com] Email 'Subject:' -s [STA Resource Monitor Report] Output File -o [/var/log/tbi/db/staresmon.csv]
コマンド出力を調べて、値が正しく設定されていることを確認します。
STA サービスデーモン staservd を再起動するには、次の手順を使用します。
STA バックアップサービスまたは STA リソースモニターサービスの構成設定を変更して、新しい設定を即時に有効にする場合に、この手順が役に立ちます。この手順を使用しない場合、サービスがスリープ間隔からウェイクアップして、新しい設定を処理するとすぐに、新しい設定が有効になります。
STA サービスデーモンを停止します。
# STA stop staservd
STA サービスデーモンを起動します。
# STA start staservd
デーモンのステータスを表示して、実行中であることを確認します。
# STA status staservd
サービスの構成が終了したら、構成済みのすべてのライブラリが「最新データの取得」要求を完了したことを確認します (「Last Connection Status」には「SUCCESS」と示され、STA はライブラリから交換データを受信しているはずです)。
詳細は、"ライブラリからの最新の構成データの取得"を参照してください。