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StorageTek Tape Analytics インストールおよび構成ガイド
リリース 2.0
E53328-01
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7 STA サービスの構成

/Oracle/StorageTek_Tape_Analytics/common/bin にある STA バックアップサービスユーティリティーと STA リソースモニターサービスユーティリティーを構成するには、次の手順を使用します。これらのユーティリティーの詳細および構成後の管理については、『STA 管理ガイド』を参照してください。

7.1 Linux PATH 設定の更新 (オプション)

Linux PATH 環境変数を更新して、STA サービスユーティリティー staservadm および staresmonadm の場所を含めるには、次の手順を使用します。

  1. テキストエディタでユーザー ID のプロファイルを開きます。例:

    # vi /root/.bash_profile
    
  2. 上のディレクトリを PATH 定義に追加します。例:

    # .bash_profile
    # User specific environment and startup programs
    
    PATH=$PATH:$HOME/bin
    PATH=$PATH:/Oracle/StorageTek_Tape_Analytics/common/bin
    
    export PATH
    
  3. ファイルを保存して終了します。

  4. Linux からログアウトしてふたたびログインします。

  5. PATH 環境変数の設定を表示します。上の STA ディレクトリが表示されるはずです。例:

    # echo $PATH
    /usr/kerberos/sbin:/usr/kerberos/bin:/usr/local/sbin:/usr/local/bin:/sbin:/bin:/usr/sbin:/usr/bin:/root/bin:/Oracle/StorageTek_Tape_Analytics/common/bin
    

7.2 バックアップ構成

STA バックアップサービスは、その管理ユーティリティー staservadm を使用して構成します。このユーティリティーのコマンドオプションの完全なリストを表示するには、staservadm ‐h と入力します。STA バックアップサービスの詳細は、『STA 管理ガイド』を参照してください。

タスク 1   staservadm ユーティリティープリファレンスの確認

使用可能なプリファレンス設定の説明および設定の定義については、表 7-1 を確認してください。

表 7-1 STA バックアップサービス管理ユーティリティー (staservadm) の属性

オプション
属性
説明
デフォルト値
使用する値

-S、--scp

-F、--ftp

File transfer type

バックアップファイルを STA サーバーからバックアップホストにコピーするために使用されるファイル転送の方法。オプションは、「SCP」(推奨) または「FTP」です。

SCP


-T、--time

Full backup dump time

STA がデータベース全体のバックアップダンプを実行する時間。ダンプは、この時間前後に 24 時間ごとに自動的に実行されます。実際の時間は、この時間よりあとの「スリープ間隔」秒内です。形式は、24 時間の時間を使用した hh:mm です。

00:00


-i、--int

Sleep interval

STA サービスデーモンが新しい増分バックアップファイルを調べるまでに待機する秒数。

300


-s、--server

Backup host name

STA サーバーがバックアップファイルをコピーする先となるサーバーホストの IPv4 アドレス、IPv6 アドレス、または完全修飾 DNS ホスト名。

なし



-u、--usr

Backup user ID

バックアップホストへの SCP ファイルの転送の実行が許可されているシステムユーザー ID。

なし



-p、--pwd

Backup password

バックアップユーザーに割り当てられているパスワード。


なし



-d、--dir

Backup directory

バックアップファイルがコピーされるバックアップホストにあるディレクトリ。


なし



-U、--dbusr

Database username

mysqldump コマンドの実行が許可されているデータベースユーザー名。STA データベースの DBA アカウントユーザー名を指定するべきです。

なし



-P、--dbpwd

Database password

データベースユーザー名のパスワード。


なし




タスク 2   リモートバックアップサーバーの構成

STA バックアップサービスによって生成された圧縮済みバックアップファイルを受信するようにリモートバックアップサーバー (または同等のもの) を構成するには、次の手順を使用します。Oracle では、リモートバックアップサーバーを構成することをお勧めします。

必要な領域は不定です。サイズは、保持するコピーの数に応じて、STA_DB ローカルバックアップに使用されるサイズの倍数であるべきです。バックアップサーバーストレージは、ミラー化またはストライプ化されているべきです。

  1. バックアップサーバーで、システムの root ユーザーとしてログインします。

  2. STA バックアップユーザーの新しいグループを作成します。例:

    # groupadd -g 54321 stabckgr
    

    この例では、グループ ID は「stabckgr」で、数値 GID を指定するために -g オプションが使用されています。

  3. STA バックアップユーザーを作成します。例:

    # adduser stabck -c "STA database backup user" -m -d /home/stabck -g stabckgr -s /bin/bash -u 98765
    

    この例では、ユーザー ID は「stabck」で、次のオプションが使用されています。

    • ‐c – コメント。

    • ‐m – ユーザーのホームディレクトリを作成します。

    • ‐d – ホームディレクトリのフルパス。

    • ‐g – ユーザーを指定のグループに割り当てます。

    • ‐s – 指定のログインシェルをユーザーに割り当てます。

    • ‐u – 指定の数値 UID をユーザーに割り当てます。

  4. STA バックアップユーザーにパスワードを割り当てます。例:

    # passwd stabck
    Changing password for user stabck.
    New UNIX password: bckpwd1
    Retype new UNIX password: bckpwd1
    passwd: all authentication tokens updated successfully.
    
  5. STA バックアップがコピーされるディレクトリを作成します。例:

    # cd /home/stabck
    # pwd
    /home/stabck
    # mkdir -p STAbackups
    # ls
    STAbackups
    

    この例では、「STAbackups」ディレクトリは STA バックアップユーザーのホームディレクトリに作成され、必要に応じて親ディレクトリを作成するために -p オプションが使用されています。

  6. すべての情報が正しく入力されていることを確認するために、ユーザー属性を表示します。例:

    # cat /etc/passwd |grep sta
    stabck:x:98765:54321:STA database backup user:/home/stabck:/bin/bash
    
  7. ディレクトリの排他的所有権とアクセス権を STA バックアップユーザーとグループに割り当てます。例:

    # chown -R stabck:stabckgr STAbackups
    # chmod -R 600 STAbackups
    

    この例では、再帰的に属性をディレクトリとそのファイルに割り当てるために -R オプションが使用されています。

  8. すべての情報が正しく入力されていることを確認するために、ディレクトリを一覧表示します。例:

    # ls -la |grep STA
    drw------- 2 stabck stabckgr 4096 Oct 19 14:20 STAbackups
    
タスク 3   STA バックアップサービスの構成

STA バックアップサービスを構成するには、次の手順を使用します。バックアップファイルがコピーされるディレクトリを指定できます。Oracle では、このディレクトリをリモートバックアップサーバーに配置することをお勧めします。

サービスが現在のスリープ間隔から復帰して新しい設定を処理するか、ユーザーが STA サービスデーモンを手動で再起動する ("STA サービスデーモンの再起動 (オプション)") とすぐに、構成設定が有効になります。

  1. STA サーバーで、root としてログインします。

  2. staservadm -Q コマンドを使用して現在の STA バックアップサービス設定を表示します。

    この例は、サービスがまだ構成されていないため、バックアップを実行していないことを示しています。

    # ./staservadm -Q
    Contacting daemon...connected.
    Querying Preferences.
     Current STA Backup Service Settings:
       Configured            [no]
       File Transfer      -S [SCP]
       Full Backup        -T [00:00]
       Sleep Interval     -i [300 sec]
       Backup Hostname    -s []
       Backup Username    -u []
       Backup Password    -p []
       Backup Directory   -d []
       Database Username  -U []
       Database Password  -P []
    
  3. 表 7-1 を参照として使用して、staservadm コマンドで属性値を設定します。

    属性を別のコマンドで送信することも、1 つのコマンドに結合することもできます。例:

    # ./staservadm -S -T 11:00 -i 350 -s stabaksvr -u stabck -p bckpwd1 -d /home/stabck/STAbackups -U sta_dba -P password1
    

    ユーティリティーは、コマンドに含まれているそれぞれの値を設定してから、現在のすべての設定を表示します。例:

    Contacting daemon...connected.
    Setting File Transfer Type... SCP
    Setting Sleep Interval....... 350
    Setting Backup Hostname...... stabaksvr
    Setting Backup Username...... stabck
    Setting Backup Password...... *******
    Setting Backup Directory..... /home/stabck/STAbackups
    Setting Full Backup Time..... 11:00
    Setting Database Username.... sta_dba
    Setting Database Password.... *********
    Done.
     Current STA Backup Service Settings:
       Configured            [yes]
       File Transfer      -S [SCP]
       Full Backup        -T [11:00]
       Sleep Interval     -i [350 sec]
       Backup Hostname    -s [stabaksvr]
       Backup Username    -u [stabck]
       Backup Password    -p [*******]
       Backup Directory   -d [/home/stabck/STAbackups]
       Database Username  -U [sta_dba]
       Database Password  -P [*********]
    
  4. コマンド出力を調べて、値が正しく設定されていることを確認します。

7.3 リソースモニター構成

STA リソースモニターサービスは、その管理ユーティリティー staresmonadm を使用して構成します。このユーティリティーのコマンドオプションの完全なリストを表示するには、コマンド行で staresmonadm ‐h と入力します。生成されるレポートを含め STA リソースモニターの詳細は、『STA 管理ガイド』を参照してください。

タスク 1   staresmonadm ユーティリティープリファレンスの確認

表 7-2 のオプションの説明を確認して、設定を定義します。

表 7-2 STA リソースモニター (staresmonadm) 属性

オプション
属性
説明
デフォルト値脚注 1  使用する値

-T、--time

Daily report time

STA が標準の日次レポートを送信する時間。レポートは、この時間前後に 24 時間ごとに自動的に送信されます。実際の時間は、この時間よりあとの「スリープ間隔」秒内です。形式は、24 時間の時間を使用した hh:mm です。

00:00


-i、interval

Sleep interval

STA リソースモニターがスキャンの間に待機する秒数。

300


-n、--nag

Nag mode

最高水位標に達した場合に STA がアラートを出す頻度を示します。「on」に設定した場合、システムがスキャンされるたびに STA はアラート電子メールを送信します。「off」に設定した場合、アラートは単に標準の日次レポートに記録されます。

Off


-U、--dbusr

Database username

「information_schema」表および MySQL サーバーの内部システムグローバル変数に対して問合せを実行することが許可されているデータベースユーザー名。STA データベースの DBA アカウントユーザー名または STA データベースのルートアカウントユーザー名 (root) のいずれかを指定するべきです。

なし



-P、--dbpwd

Database password

データベースユーザー名に割り当てられているパスワード。


なし



-t、--tblsphwm

Database tablespace HWM

使用可能な最大の割合として入力する、データベース表領域の最高水位標。


-1


-b、--backvolhwm

Local backup HWM

可能な最大の割合として入力する、STA ローカルバックアップボリューム (/dbbackup) の最高水位標。

-1


-d、--dbvolhwm

Database disk volume HWM

使用可能な最大の割合として入力する、STA データベースボリューム (/dbdata/mysql) の最高水位標。

-1


-l、--logvolhwm

Logging disk volume HWM

使用可能な最大の割合として入力する、STA データベースログ (/var/log/tbi/) の最高水位標。

-1


-z、--rootvolhwm

Root volume HWM

使用可能な最大の割合として入力する、ルートボリューム (/) の最高水位標。

-1


-x、--tmpvolhwm

Tmp volume HWM

使用可能な最大の割合として入力する、一時ディレクトリボリューム (/tmp) の最高水位標。

-1


-m、--memhwm

Physical memory (RAM) HWM

使用可能な最大の割合として入力する、合計システムメモリー (仮想メモリーを除く) の最高水位標。

-1


-f、--from

Email from

標準の日次レポート電子メールの「From」フィールドに表示される名前または電子メールアドレス。

StaResMon@localhost


-r、--recips

Email recipients

コロン区切りのリストとして入力する、受信者電子メールアドレス。


なし



-s、--subject

Email subject

標準の日次レポート電子メールの「Subject」フィールドに表示される、最大 128 文字のエントリ。空白が含まれる場合は引用符で囲みます。電子メールの送信時に、yyyy-mm-dd hh:mm:ss 形式のタイムスタンプがエントリに追加されます。

STA Resource Monitor Report


-o、--outfile

Output data file

コンマ区切り (.csv) の出力データファイルのフルパス。

/var/log/tbi/db/staresmon.csv



脚注 1 デフォルト値 -1 は、属性が構成されていないことを示しています。

タスク 2   STA リソースモニターの構成

STA リソースモニターサービスを構成するには、次の手順を使用します。サービスが現在のスリープ間隔から復帰して新しい設定を処理するか、ユーザーが STA サービスデーモンを手動で再起動する ("STA サービスデーモンの再起動 (オプション)") とすぐに、構成設定が有効になります。

  1. STA サーバーで、root としてログインします。

  2. staresmonadm -Q コマンドを使用して現在の STA リソースモニター設定を表示します。

    この例は、サービスがまだ構成されていないため、スキャンを実行していないことを示しています。

    # ./staresmonadm -Q
    Contacting daemon...connected.
    Querying Preferences.
     Current STA Resource Monitor Service Settings:
       Configured                        [no]
       Send Reports                   -T [00:00]
       Sleep Interval                 -i [300 sec]
       Alert Nagging                  -n [off]
       DB Username                    -U []
       DB Password                    -P []
       DB Tablespace hwm              -t [-1%]
       DB Backup hwm   (/dbbackup)    -b [-1%]
       DB Data hwm     (/dbdata)      -d [-1%]
       Log Volume hwm  (/var/log/tbi) -l [-1%]
       Root Volume hwm (/)            -z [-1%]
       Tmp Volume hwm  (/tmp)         -x [-1%]
       System Memory hwm              -m [-1%]
       Email 'From:'                  -f [StaResMon@localhost]
       Email 'To:'                    -r []
       Email 'Subject:'               -s [STA Resource Monitor Report]
       Output File                    -o [/var/log/tbi/db/staresmon.csv]
    
  3. 表 7-2 を参照として使用して、staresmonadm コマンドで属性値を設定します。

    属性を別のコマンドで送信することも、1 つのコマンドに結合することもできます。例:

    # ./staresmonadm -T 13:00 -i 600 -n on -U sta_dba -P password1 -t 65 -b 65 -d 65 -l 65 -z 70 -x 80 -m 75 -r john.doe@company.com
    

    ユーティリティーは、コマンドに含まれているそれぞれの値を設定してから、現在のすべての設定を表示します。例:

    Contacting daemon...connected.
    Setting DB Tablespace HWM..... 65
    Setting DB Disk Volume HWM.... 65
    Setting Logging Volume HWM.... 65
    Setting Backup Volume HWM..... 65
    Setting Root Volume HWM....... 70
    Setting Temp Volume HWM....... 80
    Setting System Memory HWM..... 75
    Setting 'To:' addresses....... john.doe@company.com
    Setting Send Time............. 13:00
    Setting Sleep Interval........ 600
    Setting Alert Nag Mode........ ON
    Setting DB Username........... sta_dba
    Setting DB Password........... *********
    Done.
     Current STA Resource Monitor Service Settings:
       Configured                        [yes]
       Send Reports                   -T [13:00]
       Sleep Interval                 -i [600 sec]
       Alert Nagging                  -n [on]
       DB Username                    -U [sta_dba]
       DB Password                    -P [*********]
       DB Tablespace hwm              -t [65%]
       DB Backup hwm   (/dbbackup)    -b [65%]
       DB Data hwm     (/dbdata)      -d [65%]
       Log Volume hwm  (/var/log/tbi) -l [65%]
       Root Volume hwm (/)            -z [70%]
       Tmp Volume hwm  (/tmp)         -x [80%]
       System Memory hwm              -m [75%]
       Email 'From:'                  -f [StaResMon@localhost]
       Email 'To:'                    -r [john.doe@company.com]
       Email 'Subject:'               -s [STA Resource Monitor Report]
       Output File                    -o [/var/log/tbi/db/staresmon.csv]
    
  4. コマンド出力を調べて、値が正しく設定されていることを確認します。

7.4 STA サービスデーモンの再起動 (オプション)

STA サービスデーモン staservd を再起動するには、次の手順を使用します。

STA バックアップサービスまたは STA リソースモニターサービスの構成設定を変更して、新しい設定を即時に有効にする場合に、この手順が役に立ちます。この手順を使用しない場合、サービスがスリープ間隔からウェイクアップして、新しい設定を処理するとすぐに、新しい設定が有効になります。

  1. STA サービスデーモンを停止します。

    # STA stop staservd
    
  2. STA サービスデーモンを起動します。

    # STA start staservd
    
  3. デーモンのステータスを表示して、実行中であることを確認します。

    # STA status staservd
    

7.5 ライブラリ接続の確認

サービスの構成が終了したら、構成済みのすべてのライブラリが「最新データの取得」要求を完了したことを確認します (「Last Connection Status」には「SUCCESS」と示され、STA はライブラリから交換データを受信しているはずです)。

詳細は、"ライブラリからの最新の構成データの取得"を参照してください。