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Zero Data Loss Recovery Appliance保護されたデータベースの構成ガイド
リリース12.1
E57734-09
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3 保護されたデータベースの構成

この章では、リカバリ・アプライアンスを使用したバックアップおよびリカバリ操作用に保護されたデータベースを構成する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

3.1 リカバリ・アプライアンス用に保護されたデータベースを構成する方法の概要

保護されたデータベースのバックアップの中央リポジトリとしてリカバリ・アプライアンスを使用する場合は、リカバリ・アプライアンスと保護されたデータベースの両方を構成する必要があります。保護されたデーベースを構成するには、Enterprise Manager Cloud Control (Cloud Control)またはRMANを使用できます。

リカバリ・アプライアンスの構成手順では、保護されたデータベースに割り当てる保護ポリシーの作成、仮想プライベート・カタログを所有するリカバリ・アプライアンス・ユーザーの作成、リカバリ・アプライアンス・ユーザーへの保護されたデータベースのアクセス権の付与などを行います。これらの手順については、『Zero Data Loss Recovery Appliance管理者ガイド』を参照してください。

保護されたデータベースの構成では、保護されたデータベースからリカバリ・アプライアンスへのアクセスの有効化、保護されたデータベースのメタデータのリカバリ・アプライアンスへの追加、バックアップおよびリカバリ操作時に使用する設定の指定などを行います。

注意:

保護されたデータベースにはサーバー・パラメータ・ファイルを使用することをお薦めします。

注意:

Cloud Controlで作成したOracleウォレットはHTTPトランスポートのみをサポートします。HTTPSトランスポートを使用するには、Cloud Controlの外部にウォレットを設定する必要があります。

3.1.1 リカバリ・アプライアンス用に保護されたデータベースを構成する手順

保護されたデータベースの構成では、リカバリ・アプライアンスを使用して保護されたデータベースをバックアップおよびリカバリするために必要なセットアップ・タスクを実行します。

リカバリ・アプライアンス用に保護されたデータベースを構成する手順:

  1. 保護されたデータベースをリカバリ・アプライアンスに登録します。

    登録は1回かぎりのタスクであり、保護されたデータベースでリカバリ・アプライアンスを使用するための初回セットアップ時に実行する必要があります。これには、「保護されたデータベースの登録の概要」で説明しているタスクが含まれます。

  2. 保護されたデータベースのバックアップおよびリカバリ設定を構成します。

    これらの設定(「保護されたデータベースのバックアップ設定の概要」および「保護されたデータベースのリカバリ設定の概要」を参照)は、保護されたデータベースのバックアップおよびリカバリ操作時に使用されます。実行するバックアップまたはリカバリ・タスクに応じて設定を変更することが可能です。

  3. テスト・バックアップを実行して、保護されたデータベースが正しく構成されていることを確認します。

3.1.2 リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールの概要

リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールはOracleが提供するSBTライブラリで、メディア管理ライブラリとして機能します。RMANではリカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールを使用して、バックアップ・データをネットワーク経由でリカバリ・アプライアンスに転送します。バックアップ・モジュールは、リカバリ・アプライアンスへのバックアップまたはリカバリ操作で使用するRMAN SBTチャネルの割当て/構成を行う際に参照されます。リカバリ・アプライアンスへのバックアップ操作および完全バックアップ・セットのリストア操作はすべてこのバックアップ・モジュールを介して実行されます。

3.1.2.1 リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストール場所

リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールは次の場所にインストールする必要があります。

  • RMANを使用してリカバリ・アプライアンスにバックアップされるすべての保護されたデータベースのOracleホーム内

    特定のOracleホームが複数の保護されたデータベースによって使用されている場合、このOracleホームにはバックアップ・モジュールを1回だけインストールする必要があります。

  • レプリケーション環境でバックアップをダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスに送信するすべてのアップストリーム・リカバリ・アプライアンス上

    リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのライブラリ(libra.so)は、リカバリ・アプライアンスに事前インストールされています。ただし、レプリケーション・ユーザー資格証明が含まれているOracleウォレットが、アップストリーム・リカバリ・アプライアンスで構成されている必要があります。

関連項目:

3.1.2.2 リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールの構成ファイル

リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールの構成ファイルには、保護されたデータベースとリカバリ・アプライアンスとの通信で使用する構成設定が含まれています。リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールが保護されたデータベースのホストにインストールされる際に、構成ファイルが自動的に作成されます。リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストール時に指定可能な構成パラメータについては、「リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールの構成パラメータ」を参照してください。

リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールの一部の構成パラメータは、リカバリ・アプライアンスで使用するRMAN SBTチャネルを構成または割り当てる際にインラインで設定することもできます(例3-3および例3-4を参照)。

3.1.2.3 リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールの構成パラメータ

表3-1に、リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストール時に使用される構成パラメータを示します。これらのパラメータは、リカバリ・アプライアンスへのバックアップ時とリカバリ・アプライアンスからのリストア時に、保護されたデータベースで使用します。

表3-1 リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストーラ・パラメータ

パラメータ名 必須/オプション 説明

dbUser

必須

保護されたデータベースのバックアップへの接続や送受信に必要な権限を持つリカバリ・アプライアンス・ユーザーのユーザー名。

dbPass

必須

dbUserユーザーのパスワード。

host

必須

リカバリ・アプライアンスのSCANホスト名。

port

必須

リカバリ・アプライアンスのメタデータ・データベースのリスナー・ポート番号。

serviceName

必須

リカバリ・アプライアンスのメタデータ・データベースのサービス名。

walletDir

必須

リカバリ・アプライアンスへの接続に使用するリカバリ・アプライアンス・ユーザーの資格証明とプロキシ情報が格納されるOracleウォレットの場所。

注意: このディレクトリ内にOracleウォレットがすでに存在する場合、Recovery Applianceバックアップ・モジュールのインストーラによって既存のウォレットが上書きされます。

proxyHost

オプション

リカバリ・アプライアンスへのHTTP接続に使用するプロキシ・サーバーのホスト名(IPアドレス)およびTCPポート(書式: host:port)。

configFile

オプション

リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールの構成パラメータが格納されている構成ファイルの場所。

Linux/UNIXでは、デフォルトの場所は$ORACLE_HOME/dbs/raORACLE_SID.oraです。Windowsでは、デフォルトの場所は$ORACLE_HOME\database\raORACLE_SID.oraです。

libDir

オプション

リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールの共有ライブラリの格納場所。このライブラリを使用して、バックアップ・データをネットワーク経由でリカバリ・アプライアンスに転送します。

共有ライブラリは、$ORACLE_HOME/lib (Linux/UNIXの場合)および$ORACLE_HOME\database\lib (Windowsの場合)に格納することをお薦めします。

このパラメータを省略すると、インストーラは共有ライブラリをダウンロードしません。以前にバックアップ・モジュールをインストール済のOracleホームにOracleウォレットと構成ファイルを再生成する場合は、ライブラリをダウンロードする必要はありません。

libPlatform

オプション

リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールをインストールする必要がある保護されたデータベースのホストのプラットフォーム名。

通常、リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストーラが、実行中のプラットフォームを自動的に判断します。このパラメータを設定する必要があるのは、プラットフォームを特定できないことを示すエラーがインストーラによって表示された場合のみです。

プラットフォーム名として有効な値は、linux64、windows64、solaris_sparc64、solaris_sparcx64、zlinux64、aix_ppc64およびhpux_ia64です。

argFile

オプション

リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストール時に読み取る必要のある他のコマンドライン・パラメータの読取り元ファイル。

3.1.3 保護されたデータベースの登録の概要

保護されたデータベースを登録すると、特定のリカバリ・アプライアンスが保護されたデータベースからバックアップを受信できるようになります。これは1回かぎりのタスクであり、保護されたデータベースでリカバリ・アプライアンスを使用するための初回セットアップ時に実行する必要があります。登録の手順は、リカバリ・アプライアンスと保護されたデータベースの両方で実行する必要があります。

保護されたデータベースの登録では、次のタスクを実行します。

  • 保護されたデータベースがリカバリ・アプライアンスにアクセスするために必要な資格証明の構成

    保護されたデータベースの管理者には、リカバリ・アプライアンスとの認証とバックアップおよびリカバリ操作を実行するための資格証明が必要です。そのためには、保護されたデータベースの管理ユーザーをリカバリ・アプライアンス・ユーザーに関連付けます(リカバリ・アプライアンスのメタデータ・データベースを使用)。これらの資格証明は、保護されたデータベース上に作成されるOracleウォレットに格納されます。

  • 保護されたデータベースに適切な保護ポリシーを関連付けることによる、リカバリ・アプライアンスでのリカバリ・ウィンドウ目標の定義と予約済領域の割当て

  • リカバリ・アプライアンス・ユーザーに対する保護されたデータベースへのアクセス権の付与

  • 保護されたデータベースのリカバリ・アプライアンス・カタログへの登録

    保護されたデータベースのバックアップに関するメタデータは、リカバリ・アプライアンス・カタログに格納する必要があります。リカバリ・アプライアンス・カタログには複数の仮想プライベート・カタログがあります。この保護されたデータベースのメタデータを操作する仮想プライベート・カタログの所有者を指定する必要があります。

  • Cloud Controlを使用する場合は、Cloud Controlからリカバリ・アプライアンスへの接続に使用する名前付き資格証明へのアクセス権がEnterprise Manager管理者に付与されている必要があります。保護されたデータベースをリカバリ・アプライアンスにバックアップおよびリカバリ・アプライアンスからリストアするように構成している場合、保護されたデータベースのバックアップやリストア操作を管理するEnterprise Manager管理者がリカバリ・アプライアンスに接続するためには、これらの資格証明へのアクセス権が必要です。

3.1.4 保護されたデータベースのバックアップ設定の概要

保護されたデータベースをリカバリ・アプライアンスにバックアップする前に、保護されたデータベースのバックアップ設定を構成する必要があります。これらの設定(表3-2を参照)では、保護されたデータベースのバックアップ環境のデフォルトの動作を定義します。各バックアップ設定のデフォルト値はRMANによって割り当てられます。ただし、保護されたデータベースのバックアップ要件に応じて設定を構成することをお薦めします。

表3-2 保護されたデータベースのバックアップ設定

バックアップ設定 説明

制御ファイルの自動バックアップ

バックアップ・レコードが追加されたり制御ファイルのデータベース構造メタデータが変更された場合に、制御ファイルおよびサーバー・パラメータ・ファイルを自動的にバックアップする必要があることを指定します。

ディスク・バックアップの場所

リカバリ・アプライアンスのバックアップを構成する際、バックアップのポーリングが必要な場合は、バックアップのポーリング位置を指定します。

バックアップの最適化

同じファイルがすでにリカバリ・アプライアンスにバックアップされている場合は、ファイルのバックアップをスキップします。

保存ポリシー

リカバリ目標を満たすために保存しておく必要のあるバックアップを指定します。リカバリ・ウィンドウまたは冗長性の値を指定できます。

パラレル・バックアップ計画を使用していて、既存の(リカバリ・アプライアンス以外の)バックアップ計画によって作成された不要なバックアップを削除する必要がある場合に、この設定を指定する必要があります。

アーカイブREDOログの削除ポリシー

アーカイブREDOログを削除できる条件を指定します。このポリシーは、すべてのアーカイブ先(高速リカバリ領域も含む)に適用されます。

3.1.5 保護されたデータベースのリカバリ設定の概要

表3-3に、保護されたデータベースのリカバリ設定を示します。一部の設定(高速リカバリ領域など)の値は、リカバリ・アプライアンス用の保護されたデータベースの構成内容に基づいて割り当てられます。

表3-3 保護されたデータベースのリカバリ設定

リカバリ設定 説明

必要な平均リカバリ時間

平均リカバリ時間(MTTR)は、保護されたデータベースのリカバリの所要時間です。保護されたデータベースで許容可能なMTTRに基づいてバックアップ計画を立てます。

ARCHIVELOGモード

ARCHIVELOGモードでは、一杯になったオンラインREDOログ・ファイルのグループをREDOログ・スイッチの発生直後からアーカイブできます。

必要に応じて、保護されたデータベースに次の追加プロパティを構成します。

  • ログのアーカイブ・ファイル名の書式

    アーカイブREDOログ・ファイルのデフォルトのファイル名の書式を指定します。この値はテキスト文字列と変数で指定します。有効な変数については、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。

  • アーカイブREDOログの保存先

    高速リカバリ領域をREDOログの保存先として使用するには、「アーカイブREDOログの保存先」をUSE_DB_RECOVERY_FILE_DESTに設定します。

注意: REDOデータをリカバリ・アプライアンスに送信する場合、ARCHIVELOGモードで保護されたデータベースを実行する必要があります。

関連項目: ARCHIVELOGモードでデータベースを実行する構成の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

高速リカバリ領域

高速リカバリ領域は、バックアップ関連ファイル(RMANバックアップ、アーカイブREDOログ・ファイル、制御ファイルとオンラインREDOログ・ファイルのコピーなど)を格納するディスクの場所です。高速リカバリ領域を使用すると、バックアップ関連ファイルの管理が自動化され、バックアップ関連ファイルのディスク領域の手動管理が必要最小限になります。

関連項目: 高速リカバリ領域の構成の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

3.2 保護されたデータベースのリカバリ・アプライアンスへの登録(Cloud Control)

Cloud Controlを使用して保護されたデータベースをリカバリ・アプライアンスに登録するための概要手順を次に示します。

  1. 保護されたデータベースのバックアップおよびリカバリに必要な権限を持つEnterprise Manager管理ユーザーを作成します。

    「保護されたデータベースの操作を管理するEnterprise Manager管理者の作成」を参照してください。

  2. 保護されたデータベースをリカバリ・アプライアンスに登録します。

    「Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのリカバリ・アプライアンスへの登録」を参照してください。

3.2.1 保護されたデータベースの操作を管理するEnterprise Manager管理者の作成

Enterprise Manager管理者とは、1つ以上の保護されたデータベースのデータ保護を管理するために必要なロールおよび権限を持つEnterprise Managerユーザーです。

protdb_adminという名前のEnterprise Manager管理者を作成する手順:

  1. 他のEnterprise Manager管理者アカウントを作成する権限を持つEnterprise Manager管理者として、Cloud Controlにログインします。

  2. 「設定」メニューから、「セキュリティ」「管理者」の順に選択します。

    管理者ページが表示されます。

  3. 「作成」をクリックして、「管理者の作成: プロパティ」ページを表示します。

  4. 「名前」および「パスワード」の各フィールドに、新しいEnterprise Manager管理者の資格証明を入力します。この例では、Enterprise Manager管理者の名前はprotdb_adminです。

    「パスワード・プロファイル」フィールドではDEFAULTが選択されています。この値を変更する必要はありません。このページの他のフィールドには必要に応じて情報を入力します。

  5. 「次へ」をクリックして、「管理者protdb_adminの作成: ロール」ページを表示します。

  6. EM_USERロールを「使用可能なロール」リストから「選択したロール」リストに移動して、「次へ」をクリックします。

    「管理者protdb_adminの作成: ターゲット権限」ページが表示されます。

  7. 「ターゲット権限」セクションで、新しいEnterprise Manager管理者によって管理されるすべての保護されたデータベースに対する権限を追加します。

    ターゲットの保護されたデータベースに対する権限を追加する手順:

    1. 「追加」をクリックして、「検索と追加: ターゲット」ダイアログを表示します。

    2. 「ターゲット名」、「ターゲット・タイプ」、「ホスト上」の各フィルタを使用して、保護されたデータベースを検索します。保護されたデータベースを選択して、「選択」をクリックします。

      選択した保護されたデータベースが「ターゲット権限」セクションのターゲットのリストに追加されます。

    3. このターゲットの「表示」アイコンをクリックして、次の権限を選択します。

      リカバリ・アプライアンス・ターゲット: 表示権限。

      このEnterprise Manager管理ユーザーによって管理される保護されたデータベースに対応するターゲット: 完全権限

      このEnterprise Manager管理ユーザーによって管理される各保護されたデータベースのホストに対応するターゲット: 完全権限

    新しいEnterprise Managerユーザーによって管理される保護されたデータベースごとに、これらの手順を繰り返します。

  8. 「次へ」をクリックして、「管理者protdb_adminの作成: EMリソース権限」ページを表示します。

  9. 次の手順を実行してください。

    • ジョブ・システム権限の場合は、「権限付与の管理」列の「編集」アイコンをクリックします。「リソース・タイプ権限」セクションで、「作成」を選択してから、「続行」をクリックします。

    • EM管理ユーザーに既存の資格証明へのアクセス権を付与するには、「名前付き資格証明」列の「編集」アイコンをクリックします。「リソース権限」セクションで「追加」をクリックし、このEnterprise Manager管理者に関連付ける必要がある名前付き資格証明を選択します。

  10. 「確認」をクリックして、「管理者protdb_adminの作成: 確認」ページを表示します。

    この新しいユーザーのプロパティ、ロールおよび権限が表示されます。設定を確認し、修正する場合は「戻る」をクリックします。

  11. 「終了」をクリックすると、Enterprise Manager管理者が作成されます。

3.2.2 Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのリカバリ・アプライアンスへの登録

Cloud Controlでは、一部のタスクを自動的に実行することで、保護されたデータベースの登録処理が簡素化されます。

注意:

保護されたデータベースの登録に使用するリカバリ・アプライアンス設定セクションが表示されるのは、Oracle Database 11gリリース2 (11.2)以上を使用している保護されたデータベースのみです。保護されたデータベースのリリースが11.2より前の場合は、コマンドラインを使用して保護されたデータベースを登録し、仮想プライベート・カタログのユーザー資格証明を構成してください。

保護されたデータベースをリカバリ・アプライアンスに登録する手順:

  1. 保護されたデータベースをリカバリ・アプライアンスに追加します。

    この手順は、『Zero Data Loss Recovery Appliance管理者ガイド』の説明に従って、リカバリ・アプライアンス管理者が実行する必要があります。

    リカバリ・アプライアンス管理者は、保護されたデータベースを追加する際に、保護されたデータベースに関連付ける保護ポリシー、リカバリ・アプライアンス上で保護されたデータベース用に予約済のディスク領域の最小量、および保護されたデータベースのバックアップに必要な権限を持つリカバリ・アプライアンス・ユーザーを定義します。

  2. 「Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのホーム・ページへのアクセス」の説明に従って、保護されたデータベースのホーム・ページにアクセスします。
  3. 「可用性」メニューから「バックアップとリカバリ」を選択し、次に「バックアップ設定」を選択します。

    「バックアップ設定」ページが表示されます。

  4. リカバリ・アプライアンス設定セクションで、次の設定を指定します。
    • リカバリ・アプライアンス: 保護されたデータベースを登録するリカバリ・アプライアンスの名前を選択します。保護されたデータベースのバックアップは、このリカバリ・アプライアンスに格納されます。

    • 仮想プライベート・カタログのユーザー: この保護されたデータベースのバックアップを送信するために必要な権限を持つ、リカバリ・アプライアンスの仮想プライベート・カタログ・ユーザー(リカバリ・アプライアンス・ユーザー)を選択します。このユーザーは、リカバリ・アプライアンス管理者が事前に作成しておく必要があります(『Zero Data Loss Recovery Appliance管理者ガイド』を参照)。

      注意:

      リアルタイムREDOトランスポートの有効化を選択すると、保護されたデータベースのREDOデータを直接リカバリ・アプライアンスへ非同期にトランスポートできます。あるいは、「Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのリカバリ設定の構成」の説明に従って保護されたデータベースのリカバリ設定を構成する際に、リアルタイムREDOトランスポートを有効にすることもできます。

  5. 「適用」をクリックして、設定を保存します。

保護されたデータベースがリカバリ・アプライアンスに登録されると、保護されたデータベースのホーム・ページ(図3-1を参照)を使用して、保護されたデータベースの構成、バックアップおよびリカバリ操作を実行できるようになります。

3.2.3 Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのホーム・ページへのアクセス

Cloud Controlの保護されたデータベースのホーム・ページは一元的なインタフェースを提供し、保護されたデータベースの構成、バックアップおよびリカバリ・タスクを管理できます。

保護されたデータベースのホーム・ページにアクセスする手順:

  1. リカバリ・アプライアンス用のCloud Controlインタフェースを開き、保護されたデータベースのEnterprise Manager管理者としてログインします。
  2. 「ターゲット」メニューから、「データベース」を選択します。

    データベース・ページが表示されます。権限を有するすべての保護されたデータベースが一覧で表示されます。

  3. 「名前」列で、バックアップおよびリカバリ操作を実行する保護されたデータベースの名前をクリックします。

    選択した保護されたデータベースのホーム・ページが表示されます(図3-1を参照)。このページのメニュー・オプションを使用して、保護されたデータベースの構成、バックアップおよびリカバリ・タスクを実行します。

    図3-1 保護されたデータベースのホーム・ページ

    図3-1の説明が続きます。
    「図3-1 保護されたデータベースのホーム・ページ」の説明

3.3 保護されたデータベースのリカバリ・アプライアンスへの登録(コマンドライン)

リカバリ・アプライアンスでの登録手順は、DBMS_RAパッケージ内のプロシージャを使用して実行します。保護されたデータベースで実行する手順には、RMANまたはオペレーティング・システム・コマンドを使用します。

RMANを使用して保護されたデータベースをリカバリ・アプライアンスに登録する手順:

  1. リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールをインストールします。

    これにより、リカバリ・アプライアンスへのアクセスに必要な資格証明を格納するOracleウォレットが作成され、バックアップ・データをリカバリ・アプライアンスに転送する共有ライブラリがインストールされます。

    注意:

    保護されたOracle 10gデータベースでは、ライブラリをインストールしてウォレットを作成する手動の手順が別に必要です。これらのタスクを完了する手順は、「保護されたOracle 10gデータベースの登録」を参照してください。

  2. 保護されたデータベースをリカバリ・アプライアンスに追加します。

    リカバリ・アプライアンスのメタデータ・データベースに対してSYS権限を持つリカバリ・アプライアンス管理者が保護されたデータベースを追加します。保護されたデータベースに割り当てる必要のある保護ポリシーをリカバリ・アプライアンス管理者が判断できるように、次の情報を提供する必要があります。

    • 保護されたデータベースのリカバリ・ウィンドウ目標

    • この保護されたデータベースのバックアップを格納するために必要な推定領域

    関連項目:

    『Zero Data Loss Recovery Appliance管理者ガイド』

  3. 保護されたデータベースの認証に使用するリカバリ・アプライアンス・ユーザーに対して、バックアップおよびリカバリ操作の実行に必要な権限を付与します。このリカバリ・アプライアンス・ユーザーは、保護されたデータベースのメタデータが格納される仮想プライベート・カタログの所有者です。

    関連項目:

    『Zero Data Loss Recovery Appliance管理者ガイド』

  4. 保護されたデータベースをリカバリ・アプライアンス・カタログに登録します。
  5. 登録プロセスが完了したらテスト・バックアップを実行し、構成が正しいことを確認します。

    「コマンドラインを使用したテスト・バックアップの実行」では、このタスクについて説明します。

3.3.1 リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストール

保護されたデータベースは、リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールを介してリカバリ・アプライアンスと通信します。保護されたデータベースをリカバリ・アプライアンスに登録する前に、保護されたデータベースのホストにバックアップ・モジュールをインストールする必要があります。リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールをインストールする必要がある場所については、「リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールの概要」を参照してください。

リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストール時に、保護されたデータベースとリカバリ・アプライアンスとの認証に必要な資格証明が格納されるOracleウォレットが作成されます。その他のOracleウォレットを作成するには、「保護されたデータベースでのOracleウォレットの作成」を参照してください。

注意:

保護されたOracle 10gデータベースでは、ライブラリをインストールしてウォレットを作成する手動の手順が別に必要です。これらのタスクを完了する手順は、「保護されたOracle 10gデータベースの登録」を参照してください。

リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールをインストールする手順:

  1. 「リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストールの準備」で説明している準備タスクを完了します。
  2. 「リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストーラの入手」の説明に従って、リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストーラをダウンロードします。
  3. 「リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストーラの実行」の説明に従って、1つ以上の保護されたデータベースが含まれている各Oracleホームに、リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールをインストールします。

3.3.1.1 リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストールの準備

リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールをインストールする前に、次の手順を完了してください。

  • Javaバージョン1.5以上が搭載されていることを確認します。

  • リカバリ・アプライアンス管理者に問い合せて、次の情報を入手します。

    • リカバリ・アプライアンスのホスト名およびポート番号

    • 保護されたデータベースとリカバリ・アプライアンスとの認証で使用するリカバリ・アプライアンス・ユーザーの資格証明

      保護されたデータベースのバックアップおよびリカバリ操作の実行に必要な権限を、リカバリ・アプライアンス・ユーザーに割り当てる必要があります。

  • 保護されたデータベースのリリースがOracle Database 10gリリース2以上であることを確認します。

3.3.1.2 リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストーラの入手

リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストーラは、Oracle Technology Network (OTN)からダウンロードするか、リカバリ・アプライアンスから入手できます。

リカバリ・アプライアンスでは、インストーラはra_installer.zipという名前で、ORACLE_HOME/libディレクトリ内にあります。インストール時、リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールはまず、ご使用のプラットフォームに必要なモジュールをOTNからダウンロードしようとします。OTNにアクセスできない場合、インストーラは必要なライブラリをリカバリ・アプライアンスから取得します。

リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストーラをOTNからダウンロードする手順:

  1. 次のOTNのURLにアクセスします。
  2. OTNアカウントの資格証明を使用してサインインします。
  3. 「ライセンス契約に同意する」を選択し、OTNライセンス契約に同意します。
  4. サポートされているすべてのプラットフォームをクリックして、ご使用のプラットフォーム用のリカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールをダウンロードします。

    リカバリ・アプライアンスのインストーラの名前はra_installer.zipです。

3.3.1.3 リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストーラの実行

保護されたデータベースのホスト・ファイル・システムにリカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールをインストールします。リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールは共有ライブラリなので、保護されたデータベースのすべてのインスタンスが参照できる共有ライブラリの検索パス内の場所にインストールする必要があります。たとえばOracleデータベースでは、$ORACLE_HOME/libが共有ライブラリのデフォルトの場所です。

リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールの場所は、ALLOCATE CHANNELまたはCONFIGURE CHANNELコマンドのSBT_LIBRARYパラメータで使用します(「リカバリ・アプライアンスのバックアップおよびリカバリ操作でのRMANチャネルの使用方法」を参照)。

リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストーラを実行する手順:

  1. 「リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストーラの入手」でダウンロードしたインストーラをローカル・ディレクトリに解凍します。

    インストーラには、ra_install.jarおよびra_readme.txtの各ファイルが含まれています。

  2. ORACLE_HOME環境変数が保護されたデータベースのOracleホームに設定されていることを確認します。
  3. 必須パラメータを指定してインストーラra_install.jarを実行します。表3-1に、リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストールに必要なパラメータを示します。

    たとえば、次のコマンドではVPCのユーザー名rauser11およびパスワードrau11pswdを使用して、Recovery Applianceのインストーラを実行します。リカバリ・アプライアンスの資格証明が格納されているOracleウォレットは$ORACLE_HOME/dbs/ra_walletに、リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュール用のSBTライブラリは$ORACLE_HOME/libにそれぞれ格納されます。リカバリ・アプライアンスの単一クライアント・アクセス名(SCAN)はra-scan、リカバリ・アプライアンスのメタデータ・データベースのリスナー・ポート番号は1521、リカバリ・アプライアンスのメタデータ・データベースのサービス名はmyzdlraです。

    % java -jar ra_install.jar -dbUser rauser11 -dbPass rau11pswd -host ra-scan -port 1521 
    -serviceName myzdlra -walletDir $ORACLE_HOME/dba/ra_wallet -libDir $ORACLE_HOME/lib 
    -proxyHost www-proxy.mycompany.com
    

    関連項目:

    Oracleウォレットを手動で作成する手順については、「保護されたデータベースでのOracleウォレットの作成」を参照してください

3.3.2 保護されたOracle 10gデータベースの登録

保護されたOracle 10gデータベースを登録するには、登録プロセスの前半で手動の構成手順が別に必要です。

保護されたデータベース・サーバーで次のタスクを実行します。

  1. tnsnames.oraファイルに、リカバリ・アプライアンスの接続記述子を追加します。

    この記述子が必要なのは、Oracle 10gでは簡易接続のネーミング・メソッドがサポートされていないためです。

    次の例は、リカバリ・アプライアンスのエントリがファイルでどのように表示されるかを示しています。

    ZDLRA9=
      (DESCRIPTION =
        (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = scaz15ingest-scan1)(PORT = 1521))
        (CONNECT_DATA = 
          (SERVER = DEDICATED)
          (SERVICE_NAME = zdlra9) 
        )
      )
    
  2. $ORACLE_HOME/dbsディレクトリに、Oracleウォレットのディレクトリを作成します。
  3. 前の手順で作成したサブディレクトリに、ウォレットを作成します。

    次の例では、ra_walletというサブディレクトリにウォレットを作成しています。

    $ /u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1/bin/mkstore -wrl
      /u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1/dbs/ra_wallet/ -create
    
  4. ウォレットに、リカバリ・アプライアンス・ユーザー(仮想プライベート・カタログのユーザー)の資格証明を追加します。

    次の例では、zdlra9というリカバリ・アプライアンスに対して、ユーザー名がrauser10、パスワードがwelcome1の資格証明を作成します。

    $ /u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1/bin/mkstore -wrl
      /u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1/dbs/ra_wallet/ -createCredential "zdlra9" "rauser10" "welcome1"
    
  5. sqlnet.oraファイルに、Oracleウォレットの場所が含まれていることを確認します。

    次の例は、表示されるエントリを示しています。

    $ cat /u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1/network/admin/sqlnet.ora
    # sqlnet.ora Network Configuration File:
    /u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1/network/admin/sqlnet.ora
    # Generated by Oracle configuration tools.
    NAMES.DIRECTORY_PATH= (TNSNAMES, EZCONNECT)
    SQLNET.WALLET_OVERRIDE = true
    WALLET_LOCATION = 
    (SOURCE = 
        (METHOD = FILE)
        (METHOD_DATA =
          (DIRECTORY = /u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1/dbs/ra_wallet)
       )
      )
    
  6. リカバリ・アプライアンスのORACLE_HOME/libディレクトリから、保護されたデータベースのORACLE_HOME/libディレクトリに、libra.soファイルをコピーします。

3.3.3 保護されたデータベースのリカバリ・アプライアンス・カタログへの登録

すべての保護されたデータベースは、ターゲットのリカバリ・アプライアンスのリカバリ・アプライアンス・カタログを使用して、保護されたデータベースのバックアップ・メタデータを格納する必要があります。保護されたデータベースをリカバリ・アプライアンス・カタログに登録すると、保護されたデータベースのメタデータとそのバックアップがリカバリ・アプライアンス・カタログに格納されるようになります。ただし、「保護されたデータベースのメタデータのリカバリ・アプライアンス・カタログへのインポート」の説明に従ってRMANリカバリ・カタログをリカバリ・アプライアンス・カタログにインポートしないかぎり、RMANリカバリ・カタログに格納されている既存のバックアップ・メタデータは、リカバリ・アプライアンス・カタログでは使用できません。

保護されたデータベースをリカバリ・アプライアンスに登録するには、REGISTER DATABASEコマンドを使用します。

保護されたデータベースをリカバリ・アプライアンスに登録する手順:

  1. この保護されたデータベースのバックアップ・メタデータを格納するリカバリ・アプライアンス・カタログの所有者の名前およびパスワードを取得します。これらの資格証明については、リカバリ・アプライアンス管理者に問い合せてください。
  2. 保護されたデータベースにはTARGETとして、リカバリ・アプライアンス・カタログにはCATALOGとして接続します。
  3. REGISTER DATABASEコマンドを使用して保護されたデータベースを登録します。

    次のコマンドを実行すると、保護されたデータベースがリカバリ・アプライアンスに登録されます。

    REGISTER DATABASE;
    
    database registered in recovery catalog
    starting full resync of recover catalog
    full resync complete
    

関連項目:

  • REGISTER DATABASEコマンドの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』を参照してください。

  • RMANリカバリ・カタログの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  • ネット・サービス名の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。

3.4 保護されたデータベースのバックアップおよびリカバリ設定の構成(Cloud Control)

保護されたデータベースをリカバリ・アプライアンスにバックアップする前に、保護されたデータベースのバックアップおよびリカバリ設定を構成する必要があります。これらの構成済設定は、後続のバックアップおよびリカバリ操作で使用されます。

注意:

Cloud Controlを使用して登録できる保護されたデータベースは、Oracle Database 11gリリース2 (11.2)以上です。リリース11.2より前のOracle Databaseでは、コマンドラインを使用してバックアップおよびリカバリ設定を構成してください。

3.4.1 Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのバックアップ設定の構成

バックアップ設定では、保護されたデータベースのデフォルトのバックアップ環境を定義します。リアルタイムREDOトランスポートとポーリング位置を構成する設定では、リカバリ・アプライアンスへのバックアップの作成方法を定義します。その他の設定(制御ファイルの自動バックアップやバックアップの最適化など)では、保護されたデータベースのバックアップに関するベスト・プラクティスとパフォーマンス改善を定義します。これらの設定は、要件に基づいて構成できます。

Cloud Controlを使用して保護されたデータベースのバックアップ設定を構成する手順:

  1. 「Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのホーム・ページへのアクセス」の説明に従って、保護されたデータベースのホーム・ページにアクセスします。
  2. 「可用性」メニューから「バックアップとリカバリ」を選択し、次に「バックアップ設定」を選択します。

    保護されたデータベースの「バックアップ設定」ページが表示されます。図3-2に、「バックアップ設定」ページの「デバイス」タブを示します。「リカバリ・アプライアンス設定」セクションに、「Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのリカバリ・アプライアンスへの登録」で構成したリカバリ・アプライアンスおよびリカバリ・アプライアンス・ユーザーが表示されます。

    図3-2 保護されたデータベースの「バックアップ設定」ページ

    図3-2の説明が続きます
    「図3-2 保護されたデータベースの「バックアップ設定」ページ」の説明
  3. 「デバイス」タブで、次のオプション設定を構成します。
    • 保護されたデータベースのREDOデータをリカバリ・アプライアンスへ非同期に書き込むには、リカバリ・アプライアンス設定セクションでリアルタイムREDOトランスポートの有効化を選択します。

    • 保護されたデータベースのバックアップのポーリングを構成する場合は、「ディスク設定」セクションの「ディスク・バックアップの場所」設定でポーリング位置を指定します。

      この位置をポーリング位置として指定している保護ポリシーが保護されたデータベースに割り当てられている場合、この位置に作成されたディスク・バックアップがリカバリ・アプライアンスによって自動的に取得されます。ポーリング・ポリシーはリカバリ・アプライアンス管理者が作成します。

      関連項目:

  4. 「ポリシー」タブで、バックアップする必要のあるオブジェクトを定義する設定を構成します。

    このセクションの設定は必ずしも構成する必要はありませんが、制御ファイルおよびサーバー・パラメータ・ファイルの自動バックアップは構成することを強くお薦めします。表3-2に、これらの構成設定を示します。

    • 制御ファイルおよびサーバー・パラメータ・ファイルの自動バックアップを構成する手順:

      • 「各バックアップとデータベースの構成変更ごとに、制御ファイルおよびサーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)を自動的にバックアップ」を選択します。

      • 「自動バックアップ・ディスクの場所」フィールドに、制御ファイルおよびサーバー・パラメータ・ファイルの自動バックアップを格納する必要がある既存のディレクトリまたは自動ストレージ管理(ASM)のディスク・グループ名を指定します。場所が指定されていない場合、自動バックアップはローカルの高速リカバリ領域に格納されます。

    • バックアップの最適化を有効にするには、「バックアップ済の、読取り専用およびオフラインのデータファイルなどの未変更ファイルをスキップして、データベース全体のバックアップを最適化します」を選択します。

    • ブロック変更トラッキングを有効にするには、「増分バックアップの高速化のためブロック変更トラッキングを有効化」を選択し、「ブロック変更トラッキング・ファイル」フィールドにブロック変更トラッキング・ファイルの名前を指定します。

    • 「データベース全体のバックアップから除外される表領域」セクションには表領域を追加しないでください。

      注意:

      リカバリ・アプライアンスにバックアップする場合は、保護されたデータベースの初期全体バックアップにすべての表領域が含まれている必要があります。

    • 「アーカイブREDOログの削除ポリシー」セクションで次のいずれかのオプションを選択し、保護されたデータベースのホストに格納されているローカル・バックアップのREDOログ・ファイルの削除についてRMANでどのように処理すべきかを指定します。

      • なし

        高速リカバリ領域にあるアーカイブREDOログが1回以上バックアップされているか、バックアップ保存ポリシーに基づいて不要になっている場合、これらのファイルは削除できます。

      • 指定回数バックアップされたアーカイブREDOログ・ファイルを削除

        「バックアップ」フィールドに指定された回数バックアップされたアーカイブREDOログ・ファイルを削除します。

    注意:

    「保存ポリシー」セクションでは値を指定する必要はありません。保存ポリシーは、保護されたデータベースをリカバリ・アプライアンスに登録した際に関連付けられる保護ポリシーから継承されるため、「保存ポリシー」セクション内の設定はリカバリ・アプライアンスへのバックアップには使用されません。

  5. 「適用」をクリックしてバックアップ設定を保存します。

3.4.2 Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのリカバリ設定の構成

リカバリ設定では、保護されたデータベースのデフォルトのリカバリ環境を定義します。リカバリ・アプライアンスの必須設定は、ログのアーカイブ・ファイル名の書式のみです。他のリカバリ設定は必要に応じて構成してください。

Cloud Controlを使用して保護されたデータベースのリカバリ設定を構成する手順:

  1. 「Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのホーム・ページへのアクセス」の説明に従って、保護されたデータベースのホーム・ページにアクセスします。
  2. 「可用性」メニューから「バックアップとリカバリ」を選択し、次に「リカバリ設定」を選択します。

    保護されたデータベースの「リカバリ設定」ページが表示されます(図3-3を参照)。

    図3-3 保護されたデータベースのリカバリ設定

    図3-3の説明が続きます
    「図3-3 保護されたデータベースのリカバリ設定」の説明
  3. 「インスタンス・リカバリ」セクションで、「平均リカバリ時間の指定(FAST_START_MTTR_TARGET)」を指定します。リカバリ設定の簡単な説明は、表3-3を参照してください。
  4. 「メディア・リカバリ」セクションで、次の手順を実行します。
    • (オプション)「ARCHIVELOGモード」を選択します。

    • (オプション)「ログのアーカイブ・ファイル名の書式」フィールドに、アーカイブREDOログ・ファイルの名前に使用する書式を指定します。

    • 「アーカイブREDOログの保存先」フィールドにアーカイブREDOログ・ファイルの格納先を入力するか、USE_DB_RECOVERY_FILE_DESTを指定してREDOログ・ファイルを必ずローカルの高速リカバリ領域に格納するように指示します。

      この保護されたデータベースの「バックアップ設定」でリアルタイムREDOトランスポートの有効化を選択している場合、アーカイブREDOログの保存先は自動的に設定されます。

  5. 保護されたデータベースのローカルの高速リカバリ領域を構成するには、「高速リカバリ」セクションで次のように指定します。
    • 「高速リカバリ領域の場所」フィールドに、バックアップ関連ファイルを格納するファイルシステムまたはASMの場所を指定します。保護されたデータベースの高速リカバリ領域を構成することをお薦めします。保護されたデータベースのローカル・バックアップは高速リカバリ領域に格納されます。

    • 「高速リカバリ領域サイズ」フィールドに、高速リカバリ領域に割り当てられるディスク領域の割当て制限を指定します。これは、この保護されたデータベース用のリカバリ領域で使用可能な記憶域の最大サイズです。高速リカバリ領域を構成する場合は、必ずサイズを指定する必要があります。

  6. 「適用」をクリックしてリカバリ設定を保存します。

3.4.3 Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのバックアップ構成のクリア

保護されたデータベースのバックアップ構成をクリアし、既存のRecovery Appliance設定を削除できます。バックアップ構成をクリアすると、現在構成されているRecovery Applianceと仮想プライベート・カタログ・ユーザー、構成されている任意のRMANチャネル、およびリアルタイムREDOトランスポート構成が削除されます。

Cloud Controlを使用して保護されたデータベースのバックアップ構成をクリアする手順:

  1. 「Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのホーム・ページへのアクセス」の説明に従って、保護されたデータベースのホーム・ページにアクセスします。
  2. 「可用性」メニューから「バックアップとリカバリ」を選択し、次に「バックアップ設定」を選択します。

    保護されたデータベースの「バックアップ設定」ページが表示されます(図3-2を参照)。

  3. 「リカバリ・アプライアンス設定」セクションで、「構成のクリア」をクリックします。

    注意:

    保護されたデータベースにリアルタイムREDOトランスポートが構成されていた場合、Cloud Controlでこの保護されたデータベースの「REDO送信」列の正確な状態を維持するよう手動でREDOログ・スイッチに強制する必要があります。

3.5 保護されたデータベースのバックアップおよびリカバリ設定の構成(コマンドライン)

通常のRMANコマンドを使用して、保護されたデータベースのバックアップおよびリカバリ設定を構成できます。これらの構成済設定は、後続のバックアップおよびリカバリ操作で使用されます。

この項には次のトピックが含まれます:

3.5.1 コマンドラインを使用した保護されたデータベースのバックアップ設定の構成

保護されたデータベースのバックアップ設定のデフォルト値はRMANによって割り当てられます。CONFIGUREコマンドを使用すると、保護されたデータベースのバックアップ要件に応じて、これらの設定を変更できます。

コマンドラインを使用して保護されたデータベースのバックアップ設定を構成する手順:

  1. RMANを使用して、保護されたデータベースにTARGETとして接続します。

    次のコマンドでは、RMANを起動し、オペレーティング・システム認証を使用して保護されたデータベースにターゲットとして接続します。

    % rman target /
    
  2. CONFIGUREコマンドを使用して、必要なバックアップ設定を構成します。

    構成可能なバックアップ設定は次のとおりです。

    関連項目:

    バックアップの最適化の構成の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  3. (オプション)保護されたデータベースのREDOトランスポート・サービスを設定するには、「リアルタイムREDOトランスポートの構成」の説明に従って、リアルタイムREDOトランスポートを構成します。

3.5.1.1 リアルタイムREDOトランスポートの構成

リアルタイムREDOトランスポートを構成すると、保護されたデータベースのREDOデータはリカバリ・アプライアンスに直接トランスポートされて格納されます。これにより、連続するアーカイブ・ログのバックアップ間でデータ損失の危険にさらされる期間が短くなります(「保護されたデータベースのリアルタイムREDOトランスポートの構成について」を参照)。

保護されたデータベースのリアルタイムREDOトランスポートを構成する手順は1回かぎりです。設定すると、保護されたデータベースのREDOデータはリカバリ・アプライアンスへ非同期にトランスポートされます。

注意:

  • REDOトランスポートに使用するユーザーは、リカバリ・アプライアンスにバックアップを送信するために構成したのと同じユーザーである必要があります。

  • 保護されたデータベースのリアルタイムREDOトランスポート構成をクリアする場合、保護されたデータベースの正確な状態を維持するよう手動でREDOログ・スイッチに強制する必要があります。ログ・スイッチはリモート・サーバー・プロセス(RFS)を強制して、REDOデータのリカバリ・アプライアンスへの送信を停止します。

関連項目:

  • REDOトランスポートがサポートされているOracle Databaseのリリースの詳細は、『Zero Data Loss Recovery Appliance管理者ガイド』を参照してください。

  • Oracle Data Guardが装備されているリカバリ・アプライアンス用にREDOトランスポートを構成する方法の詳細は、『Data Guard構成へのZero Data Loss Recovery Applianceのデプロイ』を参照してください。

保護されたデータベースのリアルタイムREDOトランスポートを有効にする手順:

  1. 保護されたデータベース・ユーザーがリカバリ・アプライアンスにバックアップを送信する際に使用する、リカバリ・アプライアンス・ユーザーが構成されていることを確認します。この同じユーザーが、REDOトランスポートにも使用されます。

    リカバリ・アプライアンス(およびREDOトランスポート)ユーザーの資格情報を含む、保護されたデータベースに、Oracleウォレットが作成されたことも確認します。このプロセスは、「保護されたデータベースでのOracleウォレットの作成」を参照してください。

    関連項目:

    リカバリ・アプライアンス・ユーザーが使用する仮想プライベート・カタログのアカウントの詳細は、『Zero Data Loss Recovery Appliance管理者ガイド』を参照してください

  2. 保護されたデータベースが次の条件を満たしていることを確認します。
    • ARCHIVELOGモードが有効になっていること

    • DB_UNIQUE_NAMEパラメータが設定されていること

  3. 保護されたデータベースに、初期化パラメータREMOTE_LOGIN_PASSWORDFILEおよびLOG_ARCHIVE_FORMATが設定されていることを確認します。
    REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILE=exclusive
    LOG_ARCHIVE_FORMAT='log_%d_%t_%s_%r.arc'
    

    REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILEの設定値は、exclusivesharedのどちらかです。

  4. SQL*Plusを起動し、SYSDBAまたはSYSBACKUP権限を持つユーザーとして保護されたデータベースに接続します。

    次のコマンドでは、オペレーティング・システム認証を使用して、保護されたデータベースにSYSDBA権限で接続します。

    % sqlplus / as sysdba
    
  5. (Oracle RACのみ) DG_CONFIGリストが含まれるようにLOG_ARCHIVE_CONFIG初期化パラメータを設定します。また、保護されたデータベースのDB_UNIQUE_NAMEも設定します。

    SYSDBA権限を持つユーザーとして保護されたデータベースに接続した場合、次のSQLコマンドを実行すると、db_unique_namehr_ptdbで、db_namehr_ptdbDB_UNIQUE_NAMEパラメータおよび LOG_ARCHIVE_CONFIGパラメータが保護されたデータベースに設定されます。

    ALTER SYSTEM SET DB_UNIQUE_NAME=hr_ptdb SCOPE=BOTH;
    ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_CONFIG='DG_CONFIG=(zdlra2,hr_ptdb)' SCOPE=BOTH;
    

    リカバリ・アプライアンス・データベースのDB_NAMEおよびDB_UNIQUE_NAMEzdlra2です。

    関連項目:

    DG_CONFIGリストの設定の詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。

  6. リカバリ・アプライアンス上のREDOステージング領域を指すようにアーカイブ・ログの保存先を構成します。

    アーカイブ・ログの保存先を構成するには、LOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータ(nは1から31までの任意の数)の1つを設定します。REDOデータの格納先を指定するSERVICE属性を含める必要があります。この属性は、保護されたデータベースからのREDOストリームを格納するリカバリ・アプライアンス・データベースのネット・サービス名に設定します。

    次の例では、ネット・サービス名がbostonのリカバリ・アプライアンスにREDOデータを非同期にトランスポートするよう、保護されたデータベースを構成します。

    ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_DEST_3='SERVICE=boston 
    VALID_FOR=(ALL_LOGFILES, ALL_ROLES) ASYNC DB_UNIQUE_NAME=zdlra2' SCOPE=BOTH;
    

    関連項目:

    LOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータの設定の詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。

  7. 手順6で構成したアーカイブREDOログの保存先でロギングを有効にするには、LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_nパラメータ(nは、手順6で指定したLOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータで使用されている値と一致)を設定します。

    次のコマンドでは、LOG_ARCHIVE_DEST_3パラメータを使用して設定した保存先でアーカイブREDOロギングを有効にします。

    ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_3='ENABLE' SCOPE=BOTH;
    

    関連項目:

    LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_nパラメータの設定の詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。

  8. この保護されたデータベース用に作成されたリカバリ・アプライアンス・ユーザーにREDOトランスポートを設定します(手順1を参照)。

    次の例では、REDOトランスポート・ユーザーをravpc1に設定します。

    ALTER SYSTEM SET REDO_TRANSPORT_USER=ravpc1 SCOPE=BOTH;
    
  9. 保護されたデータベースを停止し、再起動します。
    SHUTDOWN IMMEDIATE;
    STARTUP;
    

    保護されたデータベースでサーバー・パラメータ・ファイルのかわりにパラメータ・ファイルが使用されている場合、保護されたデータベースを起動する前に、手順5から8で設定したパラメータをパラメータ・ファイルに追加してください。

3.5.1.2 保護されたデータベースでのOracleウォレットの作成

Oracleウォレットには、保護されたデータベースがリカバリ・アプライアンスとの認証に使用するリカバリ・アプライアンス・ユーザーの資格証明が格納されます。これらの同じ資格証明は、構成されていればバックアップとREDOの送信にも使用されます。リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールをインストールすると、Oracleウォレットは自動的に作成されます。ウォレットと必須エントリの追加は、手動で行うこともできます。

注意:

保護されたデータベースのsqlnet.oraファイルには、Oracleウォレットの場所が含まれている必要があります。ウォレットの場所は通常、リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのインストール時に、このファイルに自動的に追加されます。

例3-1 保護されたデータベースでのOracleウォレットの作成

次のコマンドでは、ravpc1という名前のリカバリ・アプライアンスのユーザーの資格証明を格納するOracleウォレットを作成します。

$ mkstore                         \
  -wrl $ORACLE_HOME/oracle/wallet \
  -createALO                      \
  -createCredential newyork ravpc1

ravpc1ユーザーのパスワードを要求された場合は入力します。ここで、newyorkはリカバリ・アプライアンス・データベースのネット・サービス名です。mkstoreコマンドを実行する前に、ディレクトリ$ORACLE_HOME/oracle/walletが作成されている必要があります。

例3-2 複数のユーザー資格証明が含まれるOracleウォレットの作成

次のコマンドでは、保護されたデータベースのOracleウォレットに2組の資格証明を作成します。このシナリオの場合、ra_userは、通常のバックアップおよびリカバリ操作(さらに、有効な場合はリアルタイムREDO)の際にリカバリ・アプライアンスによっても使用され、データ同期の際にData Guardスタンバイ・データベースによっても使用されます。リカバリ・アプライアンスのサービス名はzdlra2で、Data Guard設定のプライマリ・データベースのサービス名はchicagoです。

$ mkstore                                             \
  -wrl $ORACLE_HOME/oracle/wallet                     \
  -createALO                                          \
  -createCredential chicago ra_user                 \
  -createCredential zdlra2 ra_user        

プロンプト表示されたら、ra_userのパスワードを入力します。mkstoreコマンドを実行する前に、ディレクトリ$ORACLE_HOME/oracle/walletが作成されている必要があります。

3.5.2 コマンドラインを使用した保護されたデータベースのリカバリ設定の構成

RMANによって割り当てられた、保護されたデータベースのリカバリ設定のデフォルト値を変更するには、CONFIGUREコマンドを使用します。

コマンドラインを使用して保護されたデータベースのリカバリ設定を構成する手順:

  1. RMANを使用して、保護されたデータベースにTARGETとして接続します。

    次のコマンドでは、RMANを起動し、オペレーティング・システム認証を使用して保護されたデータベースにターゲットとして接続します。

    % rman target /
    
  2. CONFIGUREコマンドを使用して、必要なリカバリ設定を構成します。

    リカバリ設定については、「保護されたデータベースのリカバリ設定の概要」を参照してください。

    関連項目:

    『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』

3.5.3 リカバリ・アプライアンスのバックアップおよびリカバリ操作でのRMANチャネルの使用方法

Recovery Applianceとの間でバックアップをやり取りするには、Recovery Applianceバックアップ・モジュールに対応するRMAN SBT (テープへのシステム・バックアップ)チャネルを使用する必要があります。

保護されたデータベースの操作にRMANチャネルを使用する場合、次の方法を使用できます。

3.5.3.1 リカバリ・アプライアンスで使用するRMAN SBTチャネルの構成

リカバリ・アプライアンスで使用するRMAN SBTチャネルを構成するには、RMAN CONFIGUREコマンドを使用します。保護されたデータベースにチャネルを構成すると、その保護されたデータベースでのバックアップ、リストアおよびメンテナンスのすべての操作に適用可能な永続設定が作成されます。構成済の設定は、特定の操作でALLOCATEコマンドを使用して明示的に削除、変更またはオーバーライドされるまで有効なままです。

例3-3では、リカバリ・アプライアンスで使用するRMAN SBTチャネルを構成します。これを構成した後は、リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールに対応するSBTチャネルをバックアップまたはリカバリ操作ごとに明示的に割り当てる必要はありません。

例3-3 リカバリ・アプライアンスで使用するRMANチャネルの構成

この例では、リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールを指しているSBT_LIBRARYパラメータを使用して、RMAN SBTチャネルを構成します。共有ライブラリlibra.soの完全パスが指定されています。RA_WALLETパラメータは、この保護されたデータベースとリカバリ・アプライアンスとの認証に使用する資格証明が格納されているOracleウォレットの場所を表します。ra-scanはリカバリ・アプライアンスのSCANで、zdlra5はリカバリ・アプライアンスのメタデータ・データベースのサービス名です。

CONFIGURE CHANNEL DEVICE TYPE 'SBT_TAPE' 
PARMS 'SBT_LIBRARY=/u01/app/oracle/product/11.2.0.4.0/dbhome_1/lib/libra.so,
ENV=(RA_WALLET=location=file:/u01/app/oracle/product/11.2.0.4.0/dbhome_1/dbs/zdlra 
credential_alias=ra-scan:1521/zdlra5:dedicated)' FORMAT '%U_%d';

3.5.3.2 リカバリ・アプライアンスで使用するRMAN SBTチャネルの割当て

リカバリ・アプライアンスへのバックアップまたはリカバリ・アプライアンスからのリカバリに使用するRMAN SBTチャネルを割り当てるには、RMAN ALLOCATEコマンドを使用します。特定の操作では、操作前にRMAN SBTチャネルを明示的に割り当てることにより、CONFIGUREコマンドで設定済の永続構成をオーバーライドできます。ALLOCATEコマンドとその他のコマンドをRUNブロックで囲みます。

例3-4では、リカバリ・アプライアンスで使用するRMAN SBTチャネルを割り当ててから、アーカイブREDOログを含む保護されたデータベースの全体バックアップを作成します。

例3-4 リカバリ・アプライアンスで使用するRMANチャネルの割当て

この例では、リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールの完全パスを指定するSBT_LIBRARYパラメータを使用して、RMAN SBTチャネルを割り当てます。ENV設定では、リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールで使用する構成パラメータを指定します。ra-scanはリカバリ・アプライアンスのSCANで、zdlra5はリカバリ・アプライアンスのメタデータ・データベースのサービス名です。

RUN
{
ALLOCATE CHANNEL c1 DEVICE TYPE sbt_tape 
PARMS='SBT_LIBRARY=/u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_1/lib/libra.so,
ENV=(RA_WALLET=location=file:/u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_1/dbs 
credential_alias=ra-scan:1521/zdlra5:dedicated)' FORMAT '%U_%d';
BACKUP INCREMENTAL LEVEL 1 DATABASE PLUS ARCHIVELOG;
}

3.6 テスト・バックアップおよびリカバリ操作の実行

保護されたデータベースをリカバリ・アプライアンスに登録した後で、テスト・バックアップおよびリカバリ操作を実行することをお薦めします。このテストにより、構成設定が正確であること、およびリカバリ・アプライアンスへのバックアップとリカバリ・アプライアンスからのリカバリが正常に実行されることを確認できます。テスト・バックアップまたはリカバリでなんらかの問題が発生した場合は、設定を修正して保護されたデータベースを再構成できます。

3.6.1 コマンドラインを使用したテスト・バックアップの実行

保護されたデータベースをリカバリ・アプライアンス用に構成した後でテスト・バックアップを試行することにより、リカバリ・アプライアンスへの接続をテストできます。

保護されたデータベースのテスト・バックアップを作成する手順:

  1. 保護されたデータベースにはTARGETとして、リカバリ・アプライアンス・カタログにはCATALOGとして接続します。
  2. 「リカバリ・アプライアンスで使用するRMAN SBTチャネルの構成」の説明に従って、リカバリ・アプライアンス用にRMAN SBTチャネルを構成します。

    チャネル数を選択する際の適切なガイドラインとしては、増分バックアップで現在使用しているチャネル数、またはコア数/CPU数に応じてノード当たり2つまたは4つのチャネル数(デフォルト)から始めることをお薦めします。

  3. 次のRMANコマンドを使用して、全体バックアップを実行します。
    BACKUP DEVICE TYPE SBT CUMULATIVE INCREMENTAL LEVEL 1 DATABASE
        PLUS ARCHIVELOG FORMAT %d_%U;
    

    このBACKUPコマンドは、レベル0のバックアップが存在しない場合に初めて実行されるとき、新しいレベル0のバックアップを作成します。

    注意:

    リカバリ・アプライアンスでは、バックアップする必要があるログを追跡し、同じアーカイブREDOログを重複してバックアップしないようにしているので、アーカイブREDOログを定期的なバックアップに含めることができます。アーカイブREDOログを含めておくと、ギャップが存在する場合に役立ちます。アーカイブREDOログがないと、ギャップの検出が遅れる可能性があります。

3.6.2 コマンドラインを使用したテスト・リカバリの実行

保護されたデータベースのテスト・バックアップをリカバリ・アプライアンスに作成した後で、テスト・リカバリを実行してこのバックアップを検証できます。

保護されたデータベースのテスト・リカバリを実行する手順:

  1. 保護されたデータベースを停止してからNOMOUNTモードで再起動します。
  2. 保護されたデータベースにはTARGETとして、リカバリ・アプライアンス・カタログにはCATALOGとして接続します。
  3. 「リカバリ・アプライアンスで使用するRMAN SBTチャネルの構成」の説明に従って、リカバリ・アプライアンス用にRMAN SBTチャネルを構成します。
  4. 次のRMANコマンドを使用して、前に作成済のテスト・バックアップをリカバリ・アプライアンスからリストアします。VALIDATEオプションを使用すると、本番データベースを妨げずにこれを行うことができます。
    RESTORE VALIDATE DATABASE;
    

これらのバックアップおよびリカバリ手順が正常に実行されたら、クライアント・データベースではリカバリ・アプライアンスへの定期バックアップをいつでも実行できます。

3.6.3 Cloud Controlを使用したテスト・バックアップの実行

保護されたデータベースを構成した後で、テスト・バックアップを実行して構成が正確であることを確認します。

Cloud Controlを使用してテスト・バックアップを実行する手順:

  1. 「Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのホーム・ページへのアクセス」の説明に従って、保護されたデータベースのホーム・ページにアクセスします。
  2. 「可用性」メニューから「バックアップとリカバリ」を選択し、次に「バックアップ設定」を選択します。

    「バックアップ設定」ページの「デバイス」タブが表示されます。図3-4に、このページのリカバリ・アプライアンス設定セクションを示します。

    図3-4 「バックアップ設定」ページのリカバリ・アプライアンス設定セクション

    図3-4の説明が続きます
    「図3-4 「バックアップ設定」ページのリカバリ・アプライアンス設定セクション」の説明
  3. リカバリ・アプライアンス設定セクションで、「テスト・バックアップ」をクリックします。

    Cloud Controlによりテスト・バックアップが開始され、「処理中: リカバリ・アプライアンスへのバックアップのテスト」ページが表示されます。

    バックアップが成功した場合は、リカバリ・アプライアンスへのバックアップのテストが成功しました。というメッセージが表示されます。

    バックアップの実行時にエラーが発生すると、リカバリ・アプライアンスへのバックアップのテストが失敗しましたというエラー・メッセージが表示されます。「エラーの詳細を表示」をクリックすると、エラーの原因に関する詳細情報が含まれている「エラーの詳細を表示」ページが表示されます。問題を修正してからテスト・バックアップを実行します。