Oracle R Enterpriseの各リリースには、多くの場合、新しい機能が含まれています。次の各トピックでは、現在のリリースおよび以前の一部のリリースの機能について説明します。
次のトピックでは、Oracle R Enterprise 1.4での変更内容について説明します。
Oracle R Enterprise 1.4.1での変更内容は次のとおりです。
ore.glm
関数はモデル式のオフセット項を受け入れるようになり、この関数を使用して、一般化線形モデルの負の二項分布およびTweedie分布を適合できるようになりました。
ore.sync
関数にオプションの引数query
が追加され、データベース内にビューを作成せずに、最適化されたSQL SELECT
文からore.frame
オブジェクトを作成できるようになりました。この引数を使用すると、現行スキーマに対するCREATE VIEW
システム権限を持っていなくても問合せを作成できます。
シリアライズ用の新しいグローバル・オプションore.envAsEmptyenv
によって、Oracle Databaseへのシリアライズ中にオブジェクト内の参照される環境を空の環境で置き換えるかどうかを指定できます。このオプションは、次の各関数で使用されます。
ore.push
: list
オブジェクトの場合、オプションの引数としてenvAsEmptyenv
を受け入れます。
ore.save
: 名前付き引数としてenvAsEmptyenv
を取ります。
ore.doEval
およびその他の埋込みRの実行関数: 制御引数としてore.envAsEmptyenv
を受け入れます。
前述の引数のデフォルト値は、グローバル・オプションore.envAsEmptyenv
によって制御されますが、引数を使用して関数のグローバル・オプション値をオーバーライドできます。
次のトピックでは、Oracle R Enterprise 1.4での変更内容について説明します。
Oracle R Enterprise 1.4での変更内容は次のとおりです。
データ・プレゼンテーション関数で追加および改善された点は次のとおりです。
新しいfactanal
関数は、数値列を含むformula
オブジェクトまたはore.frame
オブジェクトでファクタ分析を実行します。
princomp
関数のどちらの署名も、scores
、subset
およびna.action
の引数をサポートします。
新しいgetXlevels
関数は、ore.frame
オブジェクトに関連するmodel.matrix
コールのxlev
引数で使用可能なファクタ・レベルのリストを作成します。
新しい探索的データ分析関数であるore.esm
は、時系列データの指数平滑法モデルを構築します。この関数は、単純指数平滑法または二重指数平滑法のいずれかを使用してモデルを構築します。この関数は、集計や欠損値の処理などの操作を使用して時系列データを事前処理できます。「時系列データでの指数平滑法モデルの構築」を参照してください。
Oracle R Enterpriseの回帰関数およびニューラル・ネットワーク・モデル関数で追加および改善された点は次のとおりです。
新しいore.glm
関数は、ロジスティック回帰、プロビット回帰およびポアソン回帰を含む、一般化線形モデルを適合するための方法を提供します。「一般化線形モデルの構築」を参照してください。
ore.lm
関数およびore.stepwise
関数でモデル式で列を導出する際の、1,000列までの制限がなくなりました。
ore.lm
関数は、加重最小二乗回帰を実行するためのweights
引数をサポートするようになりました。
anova
関数は、ore.lm
オブジェクトの分散分析を実行できるようになりました。
ore.stepwise
関数では、direction
引数の値が変更されました。値both
では、追加より削除が優先されるようになりました。新しいdirection
引数の値alternate
は、以前のboth
値の意味を持ちます。
ore.neural
関数にいくつかの新しい引数が追加されました。
Oracle Data Miningモデルのアルゴリズム関数で追加および改善された点は次のとおりです。
新しいore.odmAssocRules
関数は、Aprioriアルゴリズムを使用してOracle Data Miningの相関モデルを構築します。「相関ルール・モデルの構築」を参照してください。
新しいore.odmNMF
関数は、特徴抽出にNon-Negative Matrix Factorization(NMF)アルゴリズムを使用してOracle Data Miningモデルを構築します。「Non-Negative Matrix Factorizationモデルの構築」を参照してください。
新しいore.odmOC
関数は、クラスタ化に直交パーティショニング・クラスタ(O-Cluster)アルゴリズムを使用してOracle Data Miningモデルを構築します。「直交パーティショニング・クラスタ・モデルの構築」を参照してください。
Oracle R Enterpriseの追加のグローバル・オプションであるore.parallel
。「Oracle R Enterpriseのグローバル・オプション」を参照してください。
次の各トピックでは、Oracle R Enterprise 1.3での変更内容について説明します。
Oracle R Enterprise 1.3での新機能は次のとおりです。
OREpredict
パッケージでのインデータベース・データを使用するRモデルでの予測
row.names<-
を使用した順序付けおよび索引付け
OREodm
パッケージを使用したOracle Data Miningモデルでの予測
データベースでのRオブジェクトの保存および管理
日時データ型
サンプリングおよびパーティショニング
列の詳細名
埋込みRスクリプトでのOracle Databaseインスタンスへの自動接続
ore.neural
関数を使用したインデータベース・データを使用するRニューラル・ネットワークの構築
Oracle R Enterprise 1.1での新機能は次のとおりです。
追加のオペレーティング・システムのサポート:
Oracle R DistributionおよびOracle R Enterpriseは、IBM AIX 5.3以上および64-bit SPARCおよび64-bit x386(Intel)の両方のプロセッサの10以上でサポートされるようになりました。
Oracle R Enterpriseサーバーは、64-bitおよび32-bitのWindowsオペレーティング・システムで稼働するようになりました。
Rの数学ライブラリの向上
Oracle R EnterpriseでIntel Math Kernel Library (MKL)とAMD Core Math Library (ACML)のいずれかを動的に選択するためのサポートによって向上したOracle R Distributionを使用できるようになりました。
Solarisでは、BLASおよびLAPACKの高速な操作のために、Oracle R DistributionがOracle SUNパフォーマンス・ライブラリと動的にリンクされます。
Oracle Walletのサポートでは、Rスクリプトでクリア・テキストのデータベース認証資格証明を使用する必要がなくなりました。そのために、Oracle R EnterpriseがOracleウォレットと統合されています。
改善されたインストール・スクリプトでは、より多くの前提条件チェックおよび詳細なエラー・メッセージが提供されます。エラー・メッセージが、解決するためのアクションに関する具体的な説明を提供します。