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Oracle® Solaris 11.3 でのネットワークファイルシステムの管理

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更新: 2016 年 11 月
 
 

NFS ファイル

システム上で NFS アクティビティーをサポートするにはいくつかのファイルが必要です。これらのファイルの多くは ASCII 形式ですが、一部のファイルはデータファイルです。次の表に NFS ファイルとその機能を示します。

表 7  NFS ファイル
ファイル名
機能
マニュアルページ
/etc/default/fs
ローカルファイルシステムのデフォルトファイルシステムタイプを指定します。クライアントやサーバーでサポートされるファイルシステムタイプは、/kernel/fs でファイルを確認することで判断できます。
fs(4) のマニュアルページ。
/etc/default/nfslogd
NFS サーバーログデーモン (nfslogd) の構成情報を指定します。
nfslogd(1M) のマニュアルページ。
/etc/dfs/dfstab
廃止: 共有されるローカルリソースを指定します。
dfstab(4) のマニュアルページ。
/etc/dfs/fstypes
リモートファイルシステムのデフォルトファイルシステムタイプを指定します。最初のエントリにデフォルトとして NFS ファイルシステムタイプを定義します。
fstypes(4) のマニュアルページ。
/etc/dfs/sharetab
共有されるローカルおよびリモートリソースを指定します。このファイルは編集しないでください。
sharetab(4) のマニュアルページ。
/etc/mnttab
自動マウントされるディレクトリを含めて、現在マウントされているファイルシステムを指定します。このファイルは編集しないでください。
mnttab(4) のマニュアルページ。
/etc/netconfig
トランスポートプロトコルを指定します。このファイルは編集しないでください。
netconfig(4) のマニュアルページ。
/etc/nfs/nfslog.conf
NFS サーバーロギングの一般構成情報を指定します。
nfslog.conf(4) のマニュアルページ。
/etc/nfs/nfslogtab
nfslogd デーモンによるログ後処理の情報を指定します。このファイルは編集しないでください。
/etc/nfssec.conf
NFS セキュリティーサービスを指定します。
nfssec.conf(4) のマニュアルページ。
/etc/rmtab
NFS クライアントによってリモートでマウントされるファイルシステムを指定します。このファイルは編集しないでください。
rmtab(4) のマニュアルページ。
/etc/vfstab
ローカルにマウントするファイルシステムを定義します。
vfstab(4) のマニュアルページ。

/etc/default/nfslogd ファイル

このファイルは、NFS サーバーログ機能を使用するときに使用されるいくつかのパラメータを定義します。


注 -  NFS Version 4 は NFS サーバーロギングをサポートしません。

次のパラメータを定義できます。

CYCLE_FREQUENCY

ログファイルを循環させる前に経過すべき時間数を決定するパラメータです。デフォルト値は 24 時間です。このオプションはログファイルが大きくなり過ぎるのを防ぐために使用します。

IDLE_TIME

nfslogd が、バッファーファイル内のさらなる情報を検査する前にスリープすべき秒数を決定するパラメータです。このパラメータは、構成ファイルの検査頻度も決定します。このパラメータと MIN_PROCESSING_SIZE によりバッファーファイルの処理頻度が決まります。デフォルト値は 300 秒です。この数値を増加させると、検査の回数が減ってパフォーマンスが向上します。

MAPPING_UPDATE_INTERVAL

ファイルハンドルパスマッピングテーブル内でレコードを更新する間隔を秒数で指定します。デフォルト値は 86400 秒つまり 1 日です。このパラメータは、ファイルハンドル-パスマッピングテーブルを継続的に更新することなく、テーブルを最新の状態に保つのに役立ちます。

MAX_LOGS_PRESERVE

保存するログファイル数を決めます。デフォルト値は 10 です。

MIN_PROCESSING_SIZE

バッファーファイルが処理してログファイルに書き込むための最小限のバイト数を設定します。このパラメータと IDLE_TIME によりバッファーファイルの処理頻度が決まります。デフォルト値は 524,288 バイトです。この数値を大きくするとバッファーファイルの処理回数が減ってパフォーマンスが向上します。

PRUNE_TIMEOUT

ファイルハンドルパスマッピングレコードを中断して削減できるようになるまでに経過しなければならない時間数を選択するパラメータです。デフォルト値は 168 時間、つまり 7 日間です。

UMASK

nfslogd によって作成されるログファイルのファイルモード生成マスクを指定します。デフォルト値は 0137 です。

/etc/nfs/nfslog.conf ファイル

このファイルは nfslogd で使用するログのパス、ファイル名、およびタイプを定義します。各定義はタグに関連付けられています。NFS サーバーのログを開始するためには、各ファイルシステムについてタグを付ける必要があります。広域タグはデフォルト値を定義します。


注 -  NFS Version 4 は NFS サーバーロギングをサポートしません。

必要に応じて、各タグに、次のパラメータを使用することができます。

defaultdir=path

ログファイルのデフォルトのディレクトリパスを指定するパラメータです。異なるように指定した場合を除いて、デフォルトディレクトリは /var/nfs です。

log=path/filename

ログファイルのパスとファイル名を指定するパラメータです。デフォルトは /var/nfs/nfslog です。

fhtable=path/filename

ファイルハンドルパスデータベースのパスとファイル名を選択するパラメータです。デフォルトは /var/nfs/fhtable です。

buffer=path/filename

バッファーファイルのパスとファイル名を決定するパラメータです。デフォルトは /var/nfs/nfslog_workbuffer です。

logformat=basic|extended

ユーザーから読み取り可能なログファイルを作成するときに使用するフォーマットを選択します。基本フォーマットでは、ftpd デーモンに似たログファイルが作成されます。拡張フォーマットは、より詳細に表示されます。

パスが指定されてない場合は、defaultdir によって定義されるパスが使用されます。絶対パスを使用すると defaultdir をオーバーライドできます。

ファイルを識別しやすくするために、ファイルを別々のディレクトリに入れておきます。次の例は必要な変更を示しています。

使用例 14  サンプル NFS サーバーロギング構成ファイル
# cat /etc/nfs/nfslog.conf
#ident  "@(#)nfslog.conf        1.5     99/02/21 SMI"
#
  .
  .
# NFS server log configuration file.
#

global  defaultdir=/var/nfs \
        log=nfslog fhtable=fhtable buffer=nfslog_workbuffer

publicftp log=logs/nfslog fhtable=fh/fhtables buffer=buffers/workbuffer

    この例は、log=publicftp で共有されるファイルシステムを示しています。log=publicftp で共有されるファイルシステムは次の値を使用します。

  • デフォルトのディレクトリは /var/nfs です。

  • ログファイルは、/var/nfs/logs/nfslog* に保存されます。

  • ファイルハンドル-パスデータベーステーブルは /var/nfs/fh/fhtables に保存されます。

  • バッファーファイルは /var/nfs/buffers/workbuffer に保存されます。

NFS サーバーロギングの有効化については、NFS サーバーログを有効にする方法を参照してください。