ロケールは特定の地域に関する言語および文化的規約データの集まりです。Oracle Solaris などの UNIX オペレーティングシステムの文脈において、ロケールという用語は一連の標準によって定義される特定の意味を持っています。詳細は、Oracle Solaris 11.3 国際化対応言語環境の利用ガイドを参照してください。
C ロケールは POSIX ロケールとも呼ばれますが、これは、POSIX に準拠するすべてのシステムの POSIX システムデフォルトロケールです。Oracle Solaris オペレーティングシステムは POSIX システムです。C ロケールは『Single UNIX Specification, Version 3』で規定されています。この仕様を読んだりダウンロードしたりするには、http://www.unix.org/version3/online.html で登録を行なってください。
国際化されたプログラムを C ロケールで実行するには、次のいずれかの方法を使用します。
すべてのロケール環境変数の設定を解除します。C ロケールでアプリケーションを実行します。
$ unset LC_ALL LANG LC_CTYPE LC_COLLATE LC_NUMERIC LC_TIME LC_MONETARY LC_MESSAGES
ロケールを明示的に C または POSIX に設定します。
$ LC_ALL=C $ export LANG=C
一部のアプリケーションは、setlocale(3C) を実際に呼び出して現在のロケールを参照することなしに、LANG 環境変数をチェックします。この場合、LC_ALL および LANG ロケール環境変数を指定することで、シェルが明示的に C ロケールに設定されます。ロケール環境変数間の優先順位の関係については、setlocale(3C) のマニュアルページを参照してください。
端末環境で現在のロケールをチェックするには、locale(1) コマンドを実行します。
$ locale LANG=C LC_CTYPE="C" LC_NUMERIC="C" LC_TIME="C" LC_COLLATE="C" LC_MONETARY="C" LC_MESSAGES="C" LC_ALL=
ロケールのカテゴリの種類は次のとおりです。
文字の分類および大文字/小文字の変換。
月の名前、曜日、一般的な完全表示や短縮表示など、日付や時間の書式を指定します。
ロケールの通貨記号、千の区切り文字、符号の位置、小数点以下の桁数など、通貨の書式を指定します。
小数区切り文字 (または基数文字)、千の区切り文字、およびグループ化を指定します。
ロケールの照合順序および正規表現の定義を指定します。
ローカライズされたメッセージの記述言語と、ロケールの肯定と否定の応答 (yes と no の文字列と表現) を指定します。
言語レンダリングに関する情報を提供するレイアウトエンジンを指定します。言語レンダリング (またはテキストレンダリング) は、文字の形状や方向の属性に依存します。
Oracle Solaris 11 のコアロケールは次のとおりです。
zh_CN.UTF-8
zh_TW.UTF-8
en_US.UTF-8
fr_FR.UTF-8
de_DE.UTF-8
it_IT.UTF-8
ja_JP.UTF-8
ko_KR.UTF-8
pt_BR.UTF-8
es_ES.UTF-8
コアロケールは、追加インストールが可能なロケールよりも、ローカライズメッセージのレベルでより広い範囲をカバーします。インストーラやパッケージマネージャーなどの Oracle Solaris OS コンポーネントはコアロケールでのみローカライズされていますが、GNOME や Firefox といったサードパーティーソフトウェアのローカライズメッセージは通常、より多くのロケールで使用可能となっています。
Oracle Solaris 環境のどのロケールでも、関連する言語やアプリケーションのローカライズメッセージが存在していれば、そのローカライズメッセージを表示できます。ローカライズされたメッセージを含む追加のロケールは、pkg facet プロパティを変更することで、インストールリポジトリからシステムに追加できます。