トランスポータブルチェックポイントの概要

即時のチェックポイントまたはスケジュールされたチェックポイントを作成する場合は、チェックポイントをトランスポータブルにするオプションを設定できます。トランスポータブルチェックポイントは、チェックポイントのクローン LUN情報が含まれている Microsoft Volume Shadow Copy Service (VSS) の XML ドキュメントで定義されます。VSS では、クローン LUNスナップショットと呼んでいます。トランスポータブルチェックポイントは、Microsoft Exchange および Microsoft SQL データベースに対して作成できます。

ドキュメントファイルはローカルワークステーションに格納されます。このため、このファイルはOracle FS Data Protection Manager (DPM) に認識されません。DPM がこのドキュメントを認識しないため、DPM はこのドキュメントを保守または表示できません。

トランスポータブルチェックポイントは、元のホストまたはOracle FS Systemに接続されている別のホストにインポートできます。チェックポイントを作成したOracle FS Systemにホストが接続されている場合は、トランスポータブルチェックポイントのクローン LUNをホストにインポートできます。クローン LUNがインポートされると、DPM によって管理されないLUNとなります。

トランスポータブルチェックポイントの XML ドキュメントは、ドキュメントが使用されるホストの OS およびシステムアーキテクチャーによって異なります。トランスポータブルチェックポイントをインポートする場合は、元の OS およびアーキテクチャーがインポート先のターゲットホストと互換性があることを確認してください。
注: VSS アプリケーションの互換性に関する Microsoft Developer Network の記事 (http://msdn.microsoft.com/en-us/library/aa384627(VS.85).aspx) を参照してください。
トランスポータブルチェックポイントをインポートする場合は、インポート処理中またはチェックポイントの XML ファイルがインポートされたあとに、クローン LUN (DPM インタフェース内ではスナップショットと呼ばれます) をマウントするオプションがあります。インポート時にクローン LUNをマウントする場合、元の場所にボリュームをマウントするか、新しい場所にマップできます。どちらの場合も、インポートされたチェックポイントは、DPM に表示されず、管理されません。インポート処理中にクローン LUNをマップしないことを選択した場合は、Windows のディスク管理ツールを使用してあとでマップできます。
注: Windows システムにチェックポイントをマウントする場合は、マウントフォルダではなく、マップされたドライブにマウントします。

トランスポータブルチェックポイントは診断のために使用できます。たとえば、Microsoft SQL データベースの整合性をテストするには、Microsoft SQL アプリケーションのチェックポイントを作成して、同じOracle FS Systemまたは Oracle Axiom システムとやり取りする別のホストにチェックポイントの XML ファイルをインポートします。その後、復元されたボリュームをホストのドライブの場所にマップし、コンテンツを検査するか、整合性をテストします。

トランスポータブルチェックポイントの作成処理中に、トランスポータブルチェックポイントのファイル名の接頭辞の部分を指定するオプションがあります。たとえば、サンフランシスコ支店からのデータベースアプリケーションのチェックポイントを簡単に識別したい場合があります。それらのチェックポイントを簡単に識別して取得するには、接頭辞 sf_finance をトランスポータブルチェックポイントに付加できます。