容量割り当てのオーバーヘッド

論理ボリュームのプロビジョニングを計画するときには、さまざまなニーズに対応するために Oracle FS System が割り当てる追加の容量も考慮する必要があります。これらをすべて合わせた追加分の容量をシステムオーバーヘッドと呼びます。

Oracle FS System Manager (GUI) は Oracle FS System に存在するストレージドメイン、ドライブグループ、および論理ボリュームの物理容量をレポートします。

RAID 保護のオーバーヘッド

データ保護のオーバーヘッドを考慮して、Oracle FS System は要求された容量に一定の容量を上乗せしてボリュームを作成します。追加される容量は次に示すとおり、作成するボリュームの RAID レベルと、そのボリュームの初期ストレージクラスに何を選択したかによって異なります。
  • RAID 5、ソリッドステートドライブ (SSD): 20%

  • RAID 5、ハードディスクドライブ (HDD): 10%
    注: GUI 上では RAID 5 HDD の物理容量と論理容量が 20% のように見えますが、これはシステムがスペアの領域をオーバーヘッド計算に含めているためです。
  • RAID 6、容量 HDD: 20%

  • RAID 10、すべてのストレージクラス: 100%

たとえば、新しいボリュームの容量として 250G バイトを指定したとします。HDD ストレージクラスで単一冗長性を選択した場合、システムは新しいボリュームに RAID 5 ジオメトリを使用し、容量の 10% (25G バイト) を上乗せした容量を割り当てます。ただし、容量 HDD に二重冗長性を選択した場合、システムは新しいボリュームに RAID 6 ジオメトリを使用し、容量の 20% (50G バイト) を上乗せした容量を割り当てます。
注: これらのオーバーヘッドのパーセンテージは概算で、さまざまな理由によって増減します。

ボリュームで消費される容量とシステムがレポートするボリューム容量には両方とも RAID 保護のオーバーヘッドが含まれています。

インフィル予約のオーバーヘッド

ハードディスクドライブ (HDD) が含まれるストレージドメインでは、シンボリュームのインフィル用の容量 (必要な場合) として Oracle FS System が 50G バイトの物理容量を予約します。この予約分は、一部または全体がその HDD に配置されるすべての SAN LUN で使用可能です。
注: インフィル用の予約容量は、レポートされるストレージドメインおよびドライブグループの空き物理容量に含まれています。

Oracle FS System はこのインフィル予約容量を予約しておくことで、シンプロビジョニングされたボリュームが拡大したときに物理容量が意図せず消費されるのを防ぎます。シンプロビジョニングされたボリュームの拡張が必要になり、ストレージドメイン内の通常の HDD 容量がすべて割り当てられている場合、システムはこの予約容量を使用します。