この章では、XCMD でサポートされている XAPI 構成および管理コマンドについて説明します。これらのコマンドは、ACSLS リリース 8.4 の ELS 互換ボリュームプール機能を有効にします。次のようなコマンドがサポートされています。
これらのコマンドは、ACSLS user_proc から XCMD コマンドを使用して発行します。詳細は、第2章 XCMD コマンドの規則を参照してください。
次のコマンドセクションの構文フローダイアグラムで使用される規則については、構文規則を参照してください。
次のセクションでは、DEFINE POOL_Name
コマンドについて説明します。
図3-1に示すように、DEFINE POOL_Name
コマンドには次のパラメータが含まれます。
最大 13 文字のプール名。プール名には、パーセント記号 (%)、アンダースコア (_)、アスタリスク (*) を除き、任意の文字を含めることができます。
プールのタイプ。Scratch
(デフォルト) または Mvc
です。
オプションで、プール ID (nnnnn
) を指定します。
このパラメータを指定する場合は、現在存在していないプール ID を指定する必要があります。
このパラメータを指定しない場合は、10000 以降で最初の未使用の値がプール ID として自動的に割り当てられます。
次のセクションでは、DEFINE POOL_Access
コマンドについて説明します。
DEFINE POOL_Access
コマンドは、指定のホストに許可される pool_name
へのアクセスを定義します。特定の pool_name
に対してプールアクセスが定義されていない場合は、すべてのアクセスが許可されます。
図3-2に示すように、DEFINE POOL_Access
コマンドには次のパラメータが含まれます。
最大 13 文字のプール名。プール名には、パーセント記号 (%)、アンダースコア (_)、アスタリスク (*) を除き、任意の文字を含めることができます。指定する pool_name
は、DEFINE POOL_Name
コマンドを使用してプールタイプ SCRATCH
で事前に定義されている必要があります (MVC プールに対してアクセスは定義されない)。詳細は、DEFINE POOL_Nameを参照してください。
最大 31 文字のホスト名を指定します。このパラメータは必須です。
指定する HOSTid
は、インターネット完全修飾ドメイン名のホスト名の部分です。たとえば、完全修飾ドメイン名が myhost.plus.domain.name
の場合、指定する HOSTid
は myhost
です。
オプションで、マウントアクセスを指定します。True
または False
を指定できます。このパラメータは、POOLTYPE MVC
として定義されているプールに対してのみ有効です。
オプションで、スクラッチボリュームに対する XAPI コマンド query_scr_mnt_info
、sel_scratch
、および mount
へのアクセスを指定します。True
または False
を指定できます。このパラメータを指定しない場合は、デフォルトで True
に設定されます。
このパラメータは、POOLTYPE SCRATCH
として定義されているプールに対してのみ有効です。MVC
として定義されているプールに対してこのパラメータを指定すると、パラメータは自動的にデフォルトの False
になります。
オプションで、スクラッチアクセスを指定します。True
または False
を指定できます。このパラメータを指定しない場合は、デフォルトで True
に設定されます。
このパラメータは、POOLTYPE SCRATCH
として定義されているプールに対してのみ有効です。MVC
として定義されているプールに対してこのパラメータを指定すると、パラメータは自動的にデフォルトの False
になります。
次のセクションでは、DELETE POOL_Name
コマンドについて説明します。
DELETE POOL_Name
コマンドはプールを削除します。このコマンドは ACSLS delete pool
コマンドに似ていますが、次の点が異なります。
入力では、プール ID
の代わりにプール名
を指定します。
ユーザーは、プールに割り当てられているボリュームをプール 0 に割り当て直すこともできます。
ACSLS delete pool
コマンドの詳細については、『StorageTek Automated Cartridge System Library Software (ACSLS) 管理者ガイド』を参照してください。
図3-3に示すように、DELETE POOL_Name
コマンドには次のパラメータが含まれます。
最大 13 文字のプール名。プール名には、パーセント記号 (%)、アンダースコア (_)、アスタリスク (*) を除き、任意の文字を含めることができます。指定する pool_name
は、DEFINE POOL_Name
コマンドを使用して事前に定義されている必要があります。詳細は、DEFINE POOL_Nameを参照してください
削除するプールに現在割り当てられているボリュームを、プール 0 に割り当て直すように指定します。このパラメータを指定しない場合、現在プール内にボリュームが存在していると、delete pool-name
コマンドは失敗します。
次のセクションでは、DELETE POOL_Access
コマンドについて説明します。
DELETE POOL_Access
コマンドは、単一のホスト名 (host_id
) に関連付けられたプールアクセス規則を削除するか、すべてのホストのプールアクセス規則をすべて削除します。
ホスト名 (host_id
) を指定すると、指定したホストのアクセス規則のみが指定のプールから削除されます。
ALLhost
を指定すると、そのプールのプールアクセス規則がすべて削除されます。
DELETE POOL_Access コマンドの構文に示すように、DELETE POOL_Access
コマンドには次のパラメータが含まれます。
最大 13 文字のプール名。プール名には、パーセント記号 (%)、アンダースコア (_)、アスタリスク (*) を除き、任意の文字を含めることができます。指定する pool_name
は、DEFINE POOL_Name
コマンドを使用して事前に定義されている必要があります。詳細は、DEFINE POOL_Nameを参照してください。
オプションで、最大 31 文字のホスト名を指定し、このホスト ID のアクセス制限を削除する (ほかのホスト ID のアクセス規則は変更しない) ように指定します。このパラメータは ALLhost
と一緒には指定できません。
オプションで、特定の pool_name
に対するすべてのホスト ID のアクセス制限を削除するように指定します。このパラメータは HOSTid
と一緒には指定できません。
次のセクションでは、SET POOL_Name
コマンドについて説明します。
SET POOL_Name
コマンドは、プール名にボリュームを割り当てるか、プール名に低位境界値を設定します。
注記:
コマンド構文が有効な場合は、範囲内の一部のボリュームをプールに追加できない場合でも、指定したボリューム範囲がデータベースに追加されます。次のいずれかの条件に当てはまる場合、ボリュームはプールへの追加に不適格です。ボリュームが LOCK
(ロックされた) 状態にある。
FORCE
が指定されていない場合に、ボリュームがすでに別のプールに含まれている。
ボリュームが論理ライブラリに含まれている。
ボリュームに ACSLS 所有者が存在し、アクセス制御が有効になっている。
図3-5に示すように、SET POOL_Name
コマンドには次のパラメータが含まれます。
最大 13 文字のプール名。プール名には、パーセント記号 (%)、アンダースコア (_)、アスタリスク (*) を除き、任意の文字を含めることができます。指定する pool_name
は、DEFINE POOL_Name
コマンドを使用して事前に定義されている必要があります。詳細は、DELETE POOL_Nameを参照してください。
オプションで、プールに含まれている必要がある使用可能なボリュームの最小数を定義します。使用可能なボリュームの数が低位境界値を下回ると、ACSLS システムは警告メッセージを生成します。
オプションで、volser のリスト、volser 範囲、または volser 範囲のリストを指定します。個別のボリュームまたは範囲を最大 16 個まで指定できます。
ボリューム範囲は ACSLS 形式の volser 範囲 (ASCII 照合順序) に従って評価されます。HSC ボリュームパターン範囲に準拠している必要はありません。ただし、1 つの範囲を表す 2 つのボリュームシリアル番号の文字数は同じである必要があり、それと同じ文字数のボリュームシリアル番号のみがその範囲内にあると見なされます。たとえば、1234-12356 という範囲は無効です。範囲 1234-2345 の場合、ボリュームシリアル番号 123567 は範囲内にあるとは見なされません。指定した範囲が有効な場合は、範囲内の一部のボリュームをプールに割り当てることができない場合でも、指定した範囲がデータベースに追加されます。指定するボリューム範囲は、既存のボリューム範囲に重複していないことと、相互に重複していないことが必要です。
ボリューム範囲は ACSLS 形式の volser 範囲に従って評価されます。
範囲に指定する 2 つの volser の文字数は同じである必要があります。
範囲に指定する最初の volser 要素は、必ず 2 番目の volser 要素より小さくなければなりません。
指定した volser が 6 文字より短い場合、volser は空白で埋められた左揃えの 6 文字フィールドとして評価されます。
ASCII 照合順序を使用して評価した場合に、最初の volser 要素よりも厳密に大きいか等しく、かつ 2 番目の volser 要素よりも厳密に小さいか等しい volser だけが、範囲内にあります。たとえば、volser 範囲 123456-234567 には volser 12345A が含まれます。
指定した範囲が有効な場合は、範囲内の一部のボリュームをプールに割り当てることができない場合でも、指定した範囲が pool_name
データベースに追加されます。指定するボリューム範囲は、既存のボリューム範囲に重複していないことと、相互に重複していないことが必要です。
指定のボリューム範囲をプールの既存の範囲に追加するように指定します。これはデフォルトです。指定する場合は、VOLumes も指定する必要があります。ADD
は REPLace
と一緒には指定できません。
現在指定されているボリューム範囲を指定のボリューム範囲で置き換え、元の範囲に含まれていたボリュームをプール 0 に割り当て直すように指定します。指定する場合は、VOLumes
(または VOLSer
) も指定する必要があります。REPlace
は ADD
と一緒には指定できません。
オプションで、ほかのプールにすでに割り当てられているボリュームを新しいプールに割り当て直すように指定します。このパラメータが指定されていない場合、別のプールに現在割り当てられているボリュームは更新されません。指定する場合は、VOLumes
(または VOLSer
) も指定する必要があります。
オプションで、事前に定義されているボリューム範囲をデータベース内のボリュームに適用するように指定します。上記の制限のために一部のボリュームが更新されなかった場合は、このパラメータを使用できます。指定する場合は、VOLumes
(または VOLSer
) も指定する必要があります。
次のセクションでは、QUERY POOL_Name
コマンドについて説明します。
図3-6に示すように、QUERY POOL_Name
コマンドには次のパラメータが含まれます。
最大 13 文字の既存のプール名か、アスタリスク (*) 文字で終わる汎用名。このパラメータは必須です。
出力の表示は、pool_name
の形式によって次のように異なります。
pool_name
が汎用名でない場合は、一致する 1 つのプールに定義されている volser および volser 範囲がプール情報に表示されます。
pool_name
が汎用名である (末尾に「*」がある) 場合は、一致するプールに定義されている volser および volser 範囲はプール情報に表示されません。
次の例では、ユーザーは QUERY POOL_Name
コマンドを発行して、pool1 に関する情報を表示します (関連付けられたボリューム範囲も含まれます)。
XCMD QUERY POOL_NAME POOL1
次の例では、ユーザーは QUERY POOL_Name
を発行して、すべての名前付きプールに関する情報を表示します (ボリューム範囲は含まれません)。
XCMD QUERY POOL_NAME *
次の例では、ユーザーは QUERY POOL_Name
コマンドを発行して、「A
」で始まるすべてのプールに関する情報を表示します (ボリューム範囲は含まれません)。
XCMD QUERY POOL_NAME A*
次のセクションでは、QUERY POOL_Access
コマンドについて説明します。
図3-7に示すように、QUERY POOL_Access
コマンドには次のパラメータが含まれます。
最大 13 文字のプール名。プール名には、パーセント記号 (%)、アンダースコア (_)、アスタリスク (*) を除き、任意の文字を含めることができます。指定する pool_name
は、DEFINE POOL_Name
コマンドを使用して事前に定義されている必要があります。詳細は、DEFINE POOL_Nameを参照してください。
オプションで、1-31 文字のホスト名を指定します。指定する host_id
は、DEFINE_POOL_Access
コマンドを使用して pool_name
に対して事前に定義されている必要があります。詳細は、DEFINE POOL_Accessを参照してください。
このパラメータを指定しない場合は、プールに関連付けられたすべてのホストのアクセス規則が表示されます。