5 XCMD での XAPI ユーザー要求と HSC/VTCS コマンドのサポート

第3章で説明されている XAPI サーバーの構成および管理コマンド、第4章で説明されている XAPI サーバーオペレータコマンドに加えて、XCMD インタフェースでは多くの XAPI ユーザー要求および互換性のある HSC/MVS テキストコマンドもサポートされています。

たとえば、ACSLS user_proc から XCMD コマンドを使用して QUERY_VOLUME 要求を入力するには、次のようにします。

XCMD QUERY_VOLSER S00001

サポートされている XAPI 要求、コマンド、およびパラメータ

次の表は、XCMD でサポートされている XAPI 要求および対応する HSC/MVS テキストコマンドを示しています。

表5-1 XCMD でサポートされている XAPI 要求および対応する HSC/MVS コマンド

XAPI 要求 対応する HSC/MVS テキストコマンド

DISMOUNT

DISMount

EJECT

EJect

MOUNT

Mount

MOVE

MOVe

QUERY_CAP

Display Cap

QUERY_DRIVES

Display DRives

QUERY_DRIVE_INFO

Display DRIVE_INFO

QUERY_LSM

Display Lsm

QUERY_SERVER

対応する HSC/MVS テキストコマンドはありません

QUERY_SCRATCH

Display SCRatch

QUERY_THRESHOLD

Display THReshold

QUERY_VOLSER または QUERY_VOLUME

Display Volser

QUERY_VOLUME_INFO

Display VOLume_info

SCRATCH

SCRAtch

UNSCRATCH

UNSCratch

VOLRPT脚注 1 

VOLRpt


脚注 1 この VOLRPT は HSC 形式の VOLRPT コマンドおよびレポートです。ACSLS 形式の volrpt ではありません。

上記の HSC/MVS テキストコマンドについては、『ELS コマンド、制御文、およびユーティリティーリファレンス』を参照してください。

これらの要求およびコマンドがサポートされていますが、すべてのパラメータが ACSLS で有効なわけではありません。無効なパラメータは次のとおりです。

  • DISMOUNT (または DISMount コマンド)

    次を指定すると構文エラーになります。

    • MVS デバイスアドレス形式 ccuu

    • hostid 定位置パラメータ

  • EJECT (または EJect コマンド)

    次のパラメータを指定すると構文エラーになります。

    • WAITCAP

    • SEQ

    • RECTECH

  • MOUNT (または Mount コマンド)

    次を指定すると構文エラーになります。

    • MVS デバイスアドレス形式 ccuu

    • hostid 定位置パラメータ

    • MGMTCLAS パラメータは無効です

  • MOVE (または MOVe コマンド)

    すべてのパラメータがサポートされています。

  • QUERY_CAP (または Display Cap コマンド)

    • すべてのパラメータがサポートされています。

  • QUERY_DRIVES (または Display DRives コマンド)

    次のパラメータを指定すると構文エラーになります。

    • ALL

    • IDLE

    • LIBRARY

    • DETAIL

    • IDENTITY

    • MEDIA

    • RECTECH

    • UNIT

    • BYDRIVE

    • BYLOC

    • SHOWLSLOT

  • QUERY_DRIVE_INFO (または Display DRIVE_INFO コマンド)

    次のパラメータを指定すると構文エラーになります。

    • ALL

    • IDLE

    • LIBRARY

    • DETAIL

    • IDENTITY

    • MEDIA

    • RECTECH

    • VIRTUAL

    • DEVADDR

    • LSMLOC

  • QUERY_LSM (または Display Lsm コマンド)

    すべてのパラメータがサポートされています。

  • QUERY_SERVER (または Display SERVER コマンド)

    すべてのパラメータがサポートされています。

  • QUERY_SCRATCH (または Display SCRatch コマンド)

    すべてのパラメータがサポートされています。

  • QUERY_THRESHOLD (または Display THReshold コマンド)

    すべてのパラメータがサポートされています。

  • QUERY_VOLSER (または Display Volser コマンド)

    すべてのパラメータがサポートされています。

  • QUERY_VOLUME_INFO (または Display VOLume_info コマンド)

    すべてのパラメータがサポートされています。

  • SCRATCH (または SCRAtch コマンド)

    すべてのパラメータがサポートされています。

  • UNSCRATCH (または UNSCRatch コマンド)

    すべてのパラメータがサポートされています。

  • VOLRPT (または VOLRpt コマンド)

    次を指定すると構文エラーになります。

    • MEDEQUAL

    • NONMEDEQ

    • VAULT

SMC または VM Client の Route コマンドを使用した ACSLS XAPI サーバーへのコマンド発行

EJECT または VOLRpt コマンドを除き、表5-1 の HSC/MVS コマンドは、SMC/MVS クライアントまたは VM/Client から ACSLS XAPI サーバーに Route コマンドを使用して発行できます。

ACSLS cmd_proc から入力される XCMD コマンドとは異なり、SMC/MVS または VM/Client の Route コマンドでは、確立されている SMC/HSC 構文規則が尊重されます。また、XCMD トークンは省略されます。

例:

XAPI QUERY VOLUME 要求を ACSLS cmd_proc の XCMD コマンドとして発行するには、次のようにします。

XCMD QUERY VOLUME VOLSER

ここで、VOLSER は目的のボリュームです。

XAPI QUERY VOLUME 要求を SMC/MVS クライアントから ACSLS XAPI サーバーに ROUTE コマンドを使用して発行するには、次のようにします。

ROUTE ACSLS,QUERY VOLUME(volser)

ここで、volser は目的のボリュームです。

SMC ROUTE コマンドの詳細については、『ELS コマンド、制御文、およびユーティリティーリファレンス』を参照してください。