A クラスタ VTSS の例

クラスタ VTSS 構成の使用では VTSS クラスタ化の基本について説明し、この付録では次のクラスタ化の例について示します。

単方向クラスタ VTSS

図A-1 に、単方向クラスタ VTSS デュアル ACS システムの例を示します。この例では、FICON ポートにより CLINK 接続が提供されます。また、この例では、MVS ホストは 1 つしか存在しませんが、このホストではユーザーが購入した 2 つの新しい VSM4 を使用して、保護する必要がある大量の重要なデータを出力します。

VTSS1 はプライマリ VTSS で、クラスタリンク (CLINK) を介してセカンダリ (VTSS2) に接続されます。VTV が VTSS1 に到達したときに、VTV のマネージメントクラスでレプリケーションを指定している場合は、VTSS2 にレプリケート (コピー) され、即時に移行されます (KEEP を指定)。

その結果、データ可用性 (いずれかの VTV が失敗した場合でも、各 VTSS にコピーが作成されます)、およびデータ保護 (両方の VTSS がオフラインになった場合でも、VTV は四角のテープ上にも存在しています) が強化されます。したがって、クラスタ VTSS は、ビジネス継続性およびビジネス復旧での重要なソリューションです。

図A-1 デュアル ACS 単方向クラスタ VTSS 構成

図A-1 の説明が続きます
説明: 図A-1 デュアル ACS 単方向クラスタ VTSS 構成

ここで、このクラスタ構成のハードウェアについて調べます。図A-2 は、8 枚の VCF カードを搭載した VSM4 の CONFIG チャネルインタフェース識別子を示しています。この構成では、次を割り当てます。

  • 8 つのホストポート

  • RTD 用の 4 つのポート。RTD ポートはすべて FICON ディレクタに接続され、それぞれが RTD に接続されているため、各ポートで両方の RTD の CHANIF 識別子が表示されます。ポート/ディレクタ当たり 1 回にアクティブにできるのは 1 つの RTD のみですが、これにより 8 つの RTD に対してバックエンド接続が可能になります。

  • 単方向 VTSS クラスタを形成するための CLINK 接続用の 4 つのポート、およびホスト接続用の 8 つのポート。クラスタ VTSS を形成するには、図A-2 に示すように、2 つの VSM4 (VTSS1 および VTSS2) の構成を同じにします。

    図A-2 8 枚の VCF カード、8 つのホストポート、8 つの RTD 用の FICON ディレクタ、4 つの CLINK ポートが搭載された VSM4

    図A-2 の説明が続きます
    説明: 図A-2 8 枚の VCF カード、8 つのホストポート、8 つの RTD 用の FICON ディレクタ、4 つの CLINK ポートが搭載された VSM4

ここまでは、単方向クラスタの例、および必要な VCF カードのポート構成について示してきました。次に、「単方向クラスタ VTSS システムの構成と管理」について調べます。

単方向クラスタ VTSS システムの構成と管理

図6-1 に示されている単方向クラスタシステムを構成して管理するには、次を実行します。

  1. システムにクラスタ VTSS 要件が存在することを確認します。

  2. CONFIG を使用して CLUSTER および CLINK 文を作成し、VTSS クラスタとその接続を定義します。

    次の例は、図6-1 に示されている 2 つの VSM4 (VTSS1 および VTSS2) の単方向クラスタを定義するための CONFIG JCL を示しています。

    次に留意してください。

    • CLUSTER 文は、VTSS1 および VTSS2 で構成されるクラスタを定義します。

    • CLINK 文は、VTSS1 のみの送信側 (Nearlink モード) ポートを使用して、クラスタを単方向として有効にします (ここで、VTSS1 はプライマリ、VTSS2 はセカンダリ)。

      //CREATECFG EXEC PGM=SWSADMIN,PARM='MIXED'
      //STEPLIB  DD DSN=hlq.SLSLINK,DISP=SHR
      //SLSCNTL  DD DSN=FEDB.VSMLMULT.DBASEPRM,DISP=SHR
      //SLSCNTL2 DD DSN=FEDB.VSMLMULT.DBASESEC,DISP=SHR
      //SLSSTBY  DD DSN=FEDB.VSMLMULT.DBASETBY,DISP=SHR
      //CFG22202 DD DSN=FEDB.VSMLMULT.CFG22202,DISP=SHR
      //SLSPRINT DD   SYSOUT=*
      //SLSIN    DD   *
      CONFIG RESET CDSLEVEL(V62ABOVE)
      GLOBAL MAXVTV=65000 MVCFREE=60 VTVATTR=SCRATCH RECALWER=YES
      LOCKSTR=STK_VTCS_LOCKS VTVPAGE=LARGE 
      RECLAIM THRESHLD=70 MAXMVC=30 START=40 CONMVC=5
      VTVVOL LOW=905000 HIGH=999999 SCRATCH
      VTVVOL LOW=C00000 HIGH=C25000 SCRATCH
      VTVVOL LOW=RMM000 HIGH=RMM020 SCRATCH
      MVCVOL LOW=N25980 HIGH=N25989
      MVCVOL LOW=N35000 HIGH=N35999
      VTSS NAME=VTSS1 LOW=70 HIGH=80 MAXMIG=8 MINMIG=4 RETAIN=5
      RTD  NAME=PR11A00 DEVNO=1A00 CHANIF=0C
      RTD  NAME=PR11A01 DEVNO=1A01 CHANIF=0D
      RTD  NAME=PR11A02 DEVNO=1A02 CHANIF=0K
      RTD  NAME=PR11A03 DEVNO=1A03 CHANIF=0L
      RTD  NAME=PR12A08 DEVNO=2A08 CHANIF=1C
      RTD  NAME=PR12A09 DEVNO=2A09 CHANIF=1D
      RTD  NAME=PR12A0A DEVNO=2A0A CHANIF=1K
      RTD  NAME=PR12A0B DEVNO=2A0B CHANIF=1L
      VTD LOW=9900 HIGH=99FF
      VTSS NAME=VTSS2 LOW=70 HIGH=80 MAXMIG=8 MINMIG=4 RETAIN=5
      RTD  NAME=PR23A00 DEVNO=3A00 CHANIF=0C
      RTD  NAME=PR23A01 DEVNO=3A01 CHANIF=0D
      RTD  NAME=PR23A02 DEVNO=3A02 CHANIF=0K
      RTD  NAME=PR23A03 DEVNO=3A03 CHANIF=0L
      RTD  NAME=PR24A08 DEVNO=4A08 CHANIF=1C
      RTD  NAME=PR24A09 DEVNO=4A09 CHANIF=1D
      RTD  NAME=PR24A0A DEVNO=4A0A CHANIF=1K
      RTD  NAME=PR24A0B DEVNO=4A0B CHANIF=1L
      VTD LOW=9900 HIGH=99FF
      CLUSTER NAME=CLUSTER1 VTSSs(VTSS1,VTSS2)
      CLINK VTSS=VTSS1 CHANIF=0G
      CLINK VTSS=VTSS1 CHANIF=0O
      CLINK VTSS=VTSS1 CHANIF=1G
      CLINK VTSS=VTSS1 CHANIF=1O
      
  3. CONFIG GLOBAL 文で条件付きレプリケーションの設定を指定します。

    CONFIG GLOBAL REPLICAT=CHANGED
    

    この例では、CONFIG GLOBAL REPLICAT=CHANGED で次を指定します。

    • VTV が更新され、セカンダリに同じコピーが存在しない場合にのみ、VTV をレプリケートします。

    • MIGPOL パラメータを指定して、手順 5 で作成したストレージクラスにより ACS 00 および 01 に二重化された VTV を移行します。

      VTV を無条件でレプリケートするには、CONFIG GLOBAL REPLICAT=ALWAYS を指定します。

  4. VTV レプリケーションと 2 つのストレージクラスを指定するマネージメントクラスを作成して、レプリケート (二重化) された VTV を移行します。

    MGMT NAME(VSMREPL) REPLICAT(YES) MIGPOL(REPLSTR1,REPLSTR2)
    

    注記:

    • レプリケーションが発生するタイミングを指定する GLOBAL REPLICATGLOBAL REPLICAT 条件に一致したことを示す MGMTclas REPLICAT(YES) の間の相互作用に注意して、先に進み、レプリケートします。

    • マネージメントクラス VSMREPL では、即時移行ポリシーは指定されません。VTV レプリケーションでは、自動的に即時移行が実行されます。レプリケーションが完了すると、VTSS の即時移行キューにこのマネージメントクラスの VTV が追加されます。二重化は、レプリケート VTV の要件ではありません。詳細は、「クラスタ VTSS 構成の動作方法」を参照してください。

  5. レプリケートして移行した VTV を含む MVC のストレージクラスを作成します。

    STOR NAME(REPLSTR1) ACS(00) MEDIA(STK1R) MIRATE(RECEIVER)
    STOR NAME(REPLSTR2) ACS(01) MEDIA(STK1R) MIGRATE(RECEIVER)
    

    この例では、STORclas 文により、手順 4 の MIGPOL パラメータで参照されるストレージクラス REPLSTR1 および REPLSTR2 を定義します。また、ストレージクラスの MIGRATE パラメータは、レプリケートされた VTV を受信する VTSS (この場合は、セカンダリの VTSS2) が両方の ACS に対して移行を実行するように指定します。これは、セカンダリが移行エンジンとして機能していることを確認する 1 つの方法です。

  6. MGMTclas および STORclas 制御文を MGMTDEF コマンドによりロードします。

    MGMTDEF DSN(hsc.parms)
    
  7. TAPEREQ 文を作成して重要なデータを VSM にルーティングし、マネージメントクラス VSMREPL をデータに割り当てます。

    TAPEREQ DSN(*.PAYROLL.**) MEDIA(VIRTUAL) MGMT(VSMREPL)
    

    この例では、TAPEREQ 文で次を指定します。

    • HLQ マスクが *.PAYROLL.** であるデータセットを VSM にルーティングします。

    • 手順 4 で作成したマネージメントクラス VSMREPL を割り当てます。

      注意:

      VTV をレプリケートするには、VTCS が両方の VTSS に制御コマンドを送信できるように、VTSS1 と VTSS2 の両方を VTCS に対してオンラインに変更する必要があります。詳細は、クラスタ VTSS 構成の動作方法を参照してください。

    また、SMC TAPEREQ 文または SMC DFSMS ACS ルーチンを介してエソテリック置換を使用し、レプリケーションジョブを VSM にルーティングすることもできます。詳細は、『SMC の構成と管理ガイド』を参照してください。

  8. HSC PARMLIB オプションをチェックして、サブタイプ 28 レコードが有効であることを確認します。

    有効である場合、VTSS クラスタ化により、実行した各レプリケーションに対してサブタイプ 28 レコードが書き込まれます。

双方向クラスタ VTSS

図A-3 に、双方向クラスタ VTSS デュアル ACS システムの例を示します。この例では、FICON ポートにより CLINK 接続が提供されます。

このシステムは単方向の例によく似ていますが、さらに一歩進んだシステムです。CDS を共有している 2 つの MVS ホストが存在し、図中のすべての項目が相互接続されています。これらのサイトは、最高のデータ可用性と保護を実現するために互いにミラー化されています。双方向を実現するには、CLINK 文を使用して 2 つの VTSS をピアとして構成する必要があります。

図A-3 デュアル ACS 双方向クラスタ VTSS 構成

図A-3 の説明が続きます
説明: 図A-3 デュアル ACS 双方向クラスタ VTSS 構成

注記:

  • 双方向クラスタ化では、VTCS 6.1 以上が必要です。VTCS 6.1 より前のリリースでは、双方向クラスタを構成することはできません。

  • この構成は、合計最大 16 個の同時 NearLink I/O 転送を可能にする機能とともに示されています。これは、14 個の NearLink ポートにより複数のターゲット間で展開されており、ポート当たり合計最大 2 つの同時 NearLink I/O 転送が実行できます。この機能には、VTSS マイクロコード D02.06.00.00 以降が必要です。

図A-4 は、図A-3 に示されている VSMPR1 のCONFIG チャネルインタフェース識別子を示しています。この構成では、次を割り当てます。

  • 8 つのホストポート

  • RTD 用の 6 つのポート。RTD ポートはすべて FICON ディレクタに接続され、それぞれが 4 つの RTD に接続されているため、各ポートで 4 つすべての RTD の CHANIF 識別子が表示されます。ポート/ディレクタ当たり 1 回にアクティブにできるのは 1 つの RTD のみですが、これにより ACS00 用の 24 個の RTD に対してバックエンド接続が可能になります。

  • FICON ディレクタを使用する 4 つのポート。2 つはオリジネータ用の Nearlink で、あとの 2 つは双方向 VTSS クラスタを形成する CLINK 接続のターミネータ用のホストモードです。

    図A-4 VSMPR1 - 8 枚の VCF カード、8 つのホストポート、24 個の RTD 用の FICON ディレクタ、4 つの CLINK が搭載された VSM5

    図A-4 の説明が続きます
    説明: 図A-4 VSMPR1 - 8 枚の VCF カード、8 つのホストポート、24 個の RTD 用の FICON ディレクタ、4 つの CLINK が搭載された VSM5

図A-5 は、VSMPR1 (双方向クラスタ内で 8 枚の VCF カードが搭載され、最大 32 個の RTD 機能が有効である VSM5) 用の CONFIG チャネルインタフェース識別子を示しています。この構成では、次を割り当てます。

  • 8 つのホストポート

  • RTD 用の 6 つのポート。RTD ポートはすべて FICON ディレクタに接続され、それぞれが 4 つの RTD に接続されているため、各ポートで 4 つすべての RTD の CHANIF 識別子が表示されます。ポート/ディレクタ当たり 1 回にアクティブにできるのは 1 つの RTD のみですが、これにより 24 個の RTD に対してバックエンド接続が可能になります。

    図A-5 VSMPR2 - 8 枚の VCF カード、8 つのホストポート、24 個の RTD 用の FICON ディレクタ、4 つの CLINK が搭載された VSM5

    図A-5 の説明が続きます
    説明: 図A-5 VSMPR2 - 8 枚の VCF カード、8 つのホストポート、24 個の RTD 用の FICON ディレクタ、4 つの CLINK が搭載された VSM5

  • FICON ディレクタを使用する 4 つのポート。2 つはオリジネータ用の Nearlink で、あとの 2 つは双方向 VTSS クラスタを形成する CLINK 接続のターミネータ用のホストモードです。

    注意:

    図6-3 に示されているように、各 CLINK は各 VTSS の同じストレージクラスタに接続する必要があり、これは 1 つの要件です。この方法で構成を行わないと、レプリケート、チャネル、および通信エラーが発生する場合があります。この場合、VSMPR1 の Nearlink ポート (CLINK オリジネータ) はストレージクラスタ 0 上にありますが、VSMPR2 のホストポート (CLINK ターミネータ) もストレージクラスタ 0 上にあります。ほかの方向に送信されているデータの CLINK 接続に対しても同様で、この場合は両方がストレージクラスタ 1 上にあります。

双方向クラスタシステムの構成と管理

図A-3 に示されている双方向クラスタシステムを構成して管理するには、次を実行します。

  1. システムに、「ELS のインストール」で説明されている、クラスタ VTSS 要件が存在することを確認します。

  2. CONFIG を使用して CLUSTER および CLINK 文を作成し、VTSS クラスタとその接続を定義します。

    次の例は、図A-3 に示されている 2 つの VSM4 (VSMPR1 および VSMPR2) の双方向クラスタを定義するための CONFIG JCL を示しています。

    • CLUSTER 文は、VSMPR1 および VSMPR2 で構成されるクラスタを定義します。

    • CLINK 文は、両方の VTSS の送信側 (Nearlink モード) ポートを使用して、クラスタを双方向として有効にし、各 CLINK の送信側および受信側ポートに対して各 VTSS で同じストレージクラスタを使用して接続します。

      //CREATECF EXEC PGM=SWSADMIN,PARM='MIXED'
      //STEPLIB  DD DSN=hlq.SLSLINK,DISP=SHR
      //SLSCNTL  DD DSN=FEDB.VSMLMULT.DBASEPRM,DISP=SHR
      //SLSCNTL2 DD DSN=FEDB.VSMLMULT.DBASESEC,DISP=SHR
      //SLSSTBY  DD DSN=FEDB.VSMLMULT.DBASETBY,DISP=SHR
      //SLSPRINT DD   SYSOUT=*
      //SLSIN    DD   *
       CONFIG RESET CDSLEVEL(V61ABOVE)
       GLOBAL MAXVTV=32000 MVCFREE=40 VTVATTR=SCRATCH RECALWER=YES LOCKSTR=VTCS_LOCKS
      REPLICAT=ALWAYS VTVPAGE=LARGE SYNCHREP=YES MAXRTDS=32
      RECLAIMTHRESHLD=70 MAXMVC=40  START=35
      RECLAIMTHRESHLD=70 MAXMVC=40  START=35
       VTVVOL LOW=905000 HIGH=999999 SCRATCH
       VTVVOL LOW=C00000 HIGH=C25000 SCRATCH
       VTVVOL LOW=RMM000 HIGH=RMM020 SCRATCH
       MVCVOL LOW=N25980 HIGH=N25989
       MVCVOL LOW=N35000 HIGH=N35999
       VTSS NAME=VSMPR1 LOW=70 HIGH=80 MAXMIG=8 MINMIG=4 RETAIN=5
       RTD  NAME=VPR12A00 DEVNO=2A00 CHANIF=0C:0
       RTD  NAME=VPR12A01 DEVNO=2A01 CHANIF=0C:1
       RTD  NAME=VPR12A02 DEVNO=2A02 CHANIF=0C:2
       RTD  NAME=VPR12A03 DEVNO=2A03 CHANIF=0C:3
       RTD  NAME=VPR12A04 DEVNO=2A04 CHANIF=0G:0
       RTD  NAME=VPR12A05 DEVNO=2A05 CHANIF=0G:1
       RTD  NAME=VPR12A06 DEVNO=2A06 CHANIF=0G:2
       RTD  NAME=VPR12A07 DEVNO=2A07 CHANIF=0G:3
       RTD  NAME=VPR12A08 DEVNO=2A08 CHANIF=0K:0
       RTD  NAME=VPR12A09 DEVNO=2A09 CHANIF=0K:1
       RTD  NAME=VPR12A0A DEVNO=2A0A CHANIF=0K:2
       RTD  NAME=VPR12A0B DEVNO=2A0B CHANIF=0K:3
       RTD  NAME=VPR13A00 DEVNO=3A00 CHANIF=1C:0
       RTD  NAME=VPR13A01 DEVNO=3A01 CHANIF=1C:1
       RTD  NAME=VPR13A02 DEVNO=3A02 CHANIF=1C:2
       RTD  NAME=VPR13A03 DEVNO=3A03 CHANIF=1C:3
       RTD  NAME=VPR13A04 DEVNO=3A04 CHANIF=1G:0
       RTD  NAME=VPR13A05 DEVNO=3A05 CHANIF=1G:1
       RTD  NAME=VPR13A06 DEVNO=3A06 CHANIF=1G:2
       RTD  NAME=VPR13A07 DEVNO=3A07 CHANIF=1G:3
       RTD  NAME=VPR13A08 DEVNO=3A08 CHANIF=1K:0
       RTD  NAME=VPR13A09 DEVNO=3A09 CHANIF=1K:1
       RTD  NAME=VPR13A0A DEVNO=3A0A CHANIF=1K:2
       RTD  NAME=VPR13A0B DEVNO=3A0B CHANIF=1K:3
       VTD LOW=9900 HIGH=99FF
       VTSS NAME=VSMPR2 LOW=70 HIGH=80 MAXMIG=8 MINMIG=4 RETAIN=5
       RTD  NAME=VPR22B00 DEVNO=2B00 CHANIF=0C:0
       RTD  NAME=VPR22B01 DEVNO=2B01 CHANIF=0C:1
       RTD  NAME=VPR22B02 DEVNO=2B02 CHANIF=0C:2
       RTD  NAME=VPR22B03 DEVNO=2B03 CHANIF=0C:3
       RTD  NAME=VPR22B04 DEVNO=2B04 CHANIF=0G:0
       RTD  NAME=VPR22B05 DEVNO=2B05 CHANIF=0G:1
       RTD  NAME=VPR22B06 DEVNO=2B06 CHANIF=0G:2
       RTD  NAME=VPR22B07 DEVNO=2B07 CHANIF=0G:3
       RTD  NAME=VPR22B08 DEVNO=2B08 CHANIF=0K:0
       RTD  NAME=VPR22B09 DEVNO=2B09 CHANIF=0K:1
       RTD  NAME=VPR22B0A DEVNO=2B0A CHANIF=0K:2
       RTD  NAME=VPR22B0B DEVNO=2B0B CHANIF=0K:3
       RTD  NAME=VPR23B00 DEVNO=3B00 CHANIF=1C:0
       RTD  NAME=VPR23B01 DEVNO=3B01 CHANIF=1C:1
       RTD  NAME=VPR23B02 DEVNO=3B02 CHANIF=1C:2
       RTD  NAME=VPR23B03 DEVNO=3B03 CHANIF=1C:3
       RTD  NAME=VPR23B04 DEVNO=3B04 CHANIF=1G:0
       RTD  NAME=VPR23B05 DEVNO=3B05 CHANIF=1G:1
       RTD  NAME=VPR23B06 DEVNO=3B06 CHANIF=1G:2
       RTD  NAME=VPR23B07 DEVNO=3B07 CHANIF=1G:3
       RTD  NAME=VPR23B08 DEVNO=3B08 CHANIF=1K:0
       RTD  NAME=VPR23B09 DEVNO=3B09 CHANIF=1K:1
       RTD  NAME=VPR23B0A DEVNO=3B0A CHANIF=1K:2
       RTD  NAME=VPR23B0B DEVNO=3B0B CHANIF=1K:3
       VTD LOW=9900 HIGH=99FF
       CLUSTER NAME=CLUSTER1 VTSSs(VSMPR1,VSMPR2)
       CLINK VTSS=VSMPR1 CHANIF=0O:0
       CLINK VTSS=VSMPR1 CHANIF=0O:1
       CLINK VTSS=VSMPR2 CHANIF=1O:0
       CLINK VTSS=VSMPR2 CHANIF=1O:1
      
  3. CONFIG GLOBAL 文で条件付きレプリケーションの設定を指定します。

    CONFIG GLOBAL REPLICAT=CHANGED
    

    この例では、単方向の例の場合と同様に、CONFIG GLOBAL REPLICAT=CHANGED を使用します。

  4. VTV レプリケーションと 2 つのストレージクラスを指定するマネージメントクラスを作成して、レプリケート (二重化) された VTV を移行します。

    MGMT NAME(VSMREPL) REPLICAT(YES) MIGPOL(REPLSTR1,REPLSTR2)
    

    また、この例では、クラスタ内で変更が行われて、ほかの VTSS では変更がない場合にのみ、VTV をレプリケートします。手順 5 で作成するストレージクラスにより ACS 01 および 00 に二重化された VTV を移行します。

  5. レプリケートして移行した VTV を含む MVC のストレージクラスを作成します。

    STOR NAME(REPLSTR1) ACS(01) MEDIA(STK1R) MIRATE(EITHER)
    STOR NAME(REPLSTR2) ACS(00) MEDIA(STK1R) MIGRATE(EITHER)
    

    この例では、STORclas 文により、手順 4 の MIGPOL パラメータで参照されるストレージクラス REPLSTR1 および REPLSTR2 を定義します。また、VTSS および RTD リソースを最適化するために、ストレージクラスの MIGRATE パラメータを使用して、いずれかの VTSS から生じるように移行できます。これは、双方向またはピアツーピア VTSS クラスタでは一般的な手法です。

  6. MGMTclas および STORclas 制御文を MGMTDEF コマンドによりロードします。

    MGMTDEF DSN(hsc.parms)
    
  7. TAPEREQ 文を作成して重要なデータを VSM にルーティングし、マネージメントクラス VSMREPL をデータに割り当てます。

    TAPEREQ DSN(*.PAYROLL.**) MEDIA(VIRTUAL) MGMT(VSMREPL)
    

    この例では、TAPEREQ 文で次を指定します。

    • HLQ マスクが *.PAYROLL.** であるデータセットを VSM にルーティングします。

    • 手順 4 で有効にしたマネージメントクラス VSMREPL を割り当てます。

      注意:

      VTV をレプリケートするには、VTCS が両方の VTSS に制御コマンドを送信できるように、VSMPR1 と VSMPR2 の両方を VTCS に対してオンラインに変更する必要があります。詳細は、クラスタ VTSS 構成の動作方法を参照してください。
    • また、SMC TAPEREQ 文または ELS ユーザー出口を介してエソテリック置換を使用し、レプリケーションジョブを VSM にルーティングすることもできます。エソテリックがすべてのピア VTSS 内のすべての VTD にわたって置換されている場合、クラスタ内のピア VTSS のいずれかがオフラインになっても、VTCS は引き続き正常に割り当てに影響を与えます。

    • SMC では、マネージメントクラス名が StorageTek DFSMS インタフェース内に割り当てられていれば、それを割り当て時に使用できます。このため、インタフェース内に割り当てられているエソテリックは、クラスタの一部である VTSS のみを含む必要がなくなります。エソテリックに、全機能が搭載されたクラスタのプライマリに置かれているドライブが含まれているかぎり、マネージメントクラスでレプリケーションを有効に指定した場合、プライマリ VTSS 上のドライブに対して割り当てを指定するのに十分な情報が SMC にはあります。

  8. HSC PARMLIB オプションをチェックして、サブタイプ 28 レコードが有効であることを確認します。

    有効である場合、VTSS クラスタ化により、実行した各レプリケーションに対してサブタイプ 28 レコードが書き込まれます。

拡張クラスタ化

拡張クラスタ化 (EC) を使用すると、図A-6 の例に示されているように、単一の Tapeplex (1 CDS) 構成内で CLINK を介して 3 つ以上の VTSS を接続できます。

図A-6 基本的な拡張クラスタ構成

図A-6 の説明が続きます
説明: 図A-6 基本的な拡張クラスタ構成

3 VTSS クラスタシステムの構成と管理

図A-6 に示すように、構成 1 は単一の「コレクタ」VTSS に対する 2 つの VTSS レプリケーションを示していますが、複数の VSM を持つプライマリの場所は、単一のコレクタ VSM を持つセカンダリの場所に対して VTV を提供できるため、これはもっとも実用的な構成です。各送信側 VTSS では、同期および非同期レプリケーションの両方が使用できます。各 VTSS には、同等の (モデルなど) RTD を接続する必要があります。構成 1 は CONFIG 文に示されているように、次に従います。

  • CLUSTER 文は、クラスタ化で構成されるすべての VTSS 名を定義します。

  • CLINK 文は、送信側 VTSS とその PARTNER、または宛先 VTSS での Nearlink ポートの場所を定義します。

    /CREATCFG EXEC PGM=SLUADMIN,PARM='MIXED'
    //STEPLIB DD DSN=hlq.SEALINK,DISP=SHR
    //SLSCNTL DD DSN=hlq.DBASEPRM,DISP=SHR
    //SLSCNTL2 DD DSN=hlq.DBASESEC,DISP=SHR
    //SLSSTBY DD DSN=hlq.DBASETBY,DISP=SHR
    //SLSPRINT DD SYSOUT=*
    //SLSIN DD *
    CONFIG RESET CDSLEVEL(V62ABOVE)
    GLOBAL MAXVTV=65000 MVCFREE=60 VTVATTR=SCRATCH RECALWER=YES
    LOCKSTR=STK_VTCS_LOCKS VTVPAGE=LARGE
    RECLAIM THRESHLD=70 MAXMVC=30 START=40 CONMVC=5
    VTSS NAME=VTSS1 LOW=70 HIGH=80 MAXMIG=8 MINMIG=4 RETAIN=5
    RTD NAME=PA11A00 DEVNO=1A00 CHANIF=0C
    RTD NAME=PA11A01 DEVNO=1A01 CHANIF=0D
    RTD NAME=PA11A02 DEVNO=1A02 CHANIF=0K
    RTD NAME=PA11A03 DEVNO=1A03 CHANIF=0L
    RTD NAME=PA12A08 DEVNO=2A08 CHANIF=1C
    RTD NAME=PA12A09 DEVNO=2A09 CHANIF=1D
    RTD NAME=PA12A0A DEVNO=2A0A CHANIF=1K
    RTD NAME=PA12A0B DEVNO=2A0B CHANIF=1L
    VTD LOW=7900 HIGH=79FF
    VTSS NAME=VTSS2 LOW=70 HIGH=80 MAXMIG=8 MINMIG=4 RETAIN=5
    RTD NAME=PA23A00 DEVNO=3A00 CHANIF=0C
    RTD NAME=PA23A01 DEVNO=3A01 CHANIF=0D
    RTD NAME=PA23A02 DEVNO=3A02 CHANIF=0K
    RTD NAME=PA23A03 DEVNO=3A03 CHANIF=0L
    RTD NAME=PA24A08 DEVNO=4A08 CHANIF=1C
    RTD NAME=PA24A09 DEVNO=4A09 CHANIF=1D
    RTD NAME=PA24A0A DEVNO=4A0A CHANIF=1K
    RTD NAME=PA24A0B DEVNO=4A0B CHANIF=1L
    VTD LOW=8900 HIGH=89FF
    VTSS NAME=VTSS3 LOW=70 HIGH=80 MAXMIG=8 MINMIG=4 RETAIN=5
    RTD NAME=PA33A00 DEVNO=3A00 CHANIF=0C
    RTD NAME=PA33A01 DEVNO=3A01 CHANIF=0D
    RTD NAME=PA33A02 DEVNO=3A02 CHANIF=0K
    RTD NAME=PA33A03 DEVNO=3A03 CHANIF=0L
    RTD NAME=PA34A08 DEVNO=4A08 CHANIF=1C
    RTD NAME=PA34A09 DEVNO=4A09 CHANIF=1D
    RTD NAME=PA34A0A DEVNO=4A0A CHANIF=1K
    RTD NAME=PA34A0B DEVNO=4A0B CHANIF=1L
    VTD LOW=9900 HIGH=99FF
    CLUSTER NAME=CLUSTER1 VTSS(VTSS1,VTSS2,VTSS3)
    CLINK VTSS=VTSS1 CHANIF=0G PART=VTSS3
    CLINK VTSS=VTSS2 CHANIF=0G PART=VTSS3
    

図A-6 に示すように、構成 2 は 2 つの受信側 VTSS に接続されている単一のレプリケート VTSS を示しています。VTV は VTSS1 または VTSS2 のいずれか 1 つの VTSS にのみレプリケートされ、受信側 VTSS は構成できないため、「コレクタ」という用語は使用されていませんでした。これは、現在 VTV を指定するための特定の VTSS を選択するマネージメントクラスのパラメータが存在しないため、理解するのが非常に重要な概念です。この構成は、VTV をセカンダリの特定の場所で終了する必要があり、さらに拡張双方向構成も適していないプライマリおよびセカンダリの場所の環境内での実装においては有効ではありません。送信側 VTSS では、同期および非同期レプリケーションの両方が使用できます。各 VTSS には、同等の (モデルなど) RTD を接続する必要があります。

拡張クラスタ環境内に双方向レプリケーションを実装する場合は、構成 2 が非常に重要になります。双方向レプリケーションが必要な場合、1 方向では「多 VTSS 対 1 VTSS」構成を使用して、ほかの方向では「VTSS ペア」構成を使用しますが、ここで「VTSS ペア」は、レプリケートされた VTV が常駐する必要がある 2 つの VTSS 間で構成します。

構成 2 は CONFIG 文に示されているように、次に従います。

  • CLUSTER 文は、クラスタ化で構成されるすべての VTSS 名を定義します。

  • CLINK 文は、送信側 VTSS とその PARTNER、または宛先 VTSS での Nearlink ポートの場所を定義します。

    //CREATCFG EXEC PGM=SLUADMIN,PARM='MIXED'
    //STEPLIB DD DSN=hlq.SEALINK,DISP=SHR
    //SLSCNTL DD DSN=hlq.DBASEPRM,DISP=SHR
    //SLSCNTL2 DD DSN=hlq.DBASESEC,DISP=SHR
    //SLSSTBY DD DSN=hlq.DBASETBY,DISP=SHR
    //SLSPRINT DD SYSOUT=*
    //SLSIN DD *
    CONFIG RESET CDSLEVEL(V62ABOVE)
    GLOBAL MAXVTV=65000 MVCFREE=60 VTVATTR=SCRATCH RECALWER=YES
    LOCKSTR=STK_VTCS_LOCKS VTVPAGE=LARGE
    RECLAIM THRESHLD=70 MAXMVC=30 START=40 CONMVC=5
    VTSS NAME=VTSS1 LOW=70 HIGH=80 MAXMIG=8 MINMIG=4 RETAIN=5
    RTD NAME=PA11A00 DEVNO=1A00 CHANIF=0C
    RTD NAME=PA11A01 DEVNO=1A01 CHANIF=0D
    RTD NAME=PA11A02 DEVNO=1A02 CHANIF=0K
    RTD NAME=PA11A03 DEVNO=1A03 CHANIF=0L
    RTD NAME=PA12A08 DEVNO=2A08 CHANIF=1C
    RTD NAME=PA12A09 DEVNO=2A09 CHANIF=1D
    RTD NAME=PA12A0A DEVNO=2A0A CHANIF=1K
    RTD NAME=PA12A0B DEVNO=2A0B CHANIF=1L
    VTD LOW=7900 HIGH=79FF
    VTSS NAME=VTSS2 LOW=70 HIGH=80 MAXMIG=8 MINMIG=4 RETAIN=5
    RTD NAME=PA23A00 DEVNO=3A00 CHANIF=0C
    RTD NAME=PA23A01 DEVNO=3A01 CHANIF=0D
    RTD NAME=PA23A02 DEVNO=3A02 CHANIF=0K
    RTD NAME=PA23A03 DEVNO=3A03 CHANIF=0L
    RTD NAME=PA24A08 DEVNO=4A08 CHANIF=1C
    RTD NAME=PA24A09 DEVNO=4A09 CHANIF=1D
    RTD NAME=PA24A0A DEVNO=4A0A CHANIF=1K
    RTD NAME=PA24A0B DEVNO=4A0B CHANIF=1L
    VTD LOW=8900 HIGH=89FF
    VTSS NAME=VTSS3 LOW=70 HIGH=80 MAXMIG=8 MINMIG=4 RETAIN=5
    RTD NAME=PA33A00 DEVNO=3A00 CHANIF=0C
    RTD NAME=PA33A01 DEVNO=3A01 CHANIF=0D
    RTD NAME=PA33A02 DEVNO=3A02 CHANIF=0K
    RTD NAME=PA33A03 DEVNO=3A03 CHANIF=0L
    RTD NAME=PA34A08 DEVNO=4A08 CHANIF=1C
    RTD NAME=PA34A09 DEVNO=4A09 CHANIF=1D
    RTD NAME=PA34A0A DEVNO=4A0A CHANIF=1K
    RTD NAME=PA34A0B DEVNO=4A0B CHANIF=1L
    VTD LOW=9900 HIGH=99FF
    CLUSTER NAME=CLUSTER1 VTSS(VTSS1,VTSS2,VTSS3)
    CLINK VTSS=VTSS3 CHANIF=0G PART=VTSS1
    CLINK VTSS=VTSS3 CHANIF=0G PART=VTSS2
    

TCP/IP CLINK による VSM5 間のクラスタ

図A-7 TCP/IP CLINK によるクラスタ VSM5

図A-7 の説明が続きます
説明: 図A-7 TCP/IP CLINK によるクラスタ VSM5

図A-7 に、TCP/IP CLINK による VSM5 間のクラスタの例を示します。

図A-7 において、冗長性を確保するために、表A-1付録A で示されているように、ネイティブ IP に対して各 VSM5 の別の IFF カード上でターゲットを使用するとします。

表A-1 VSMPR1 の CLINK IPIF 値

IFF カード ターゲット番号
IP の例 対応する CLINK IPIF

IFF0

ターゲット 0

128.0.1.1

0A:0

IFF1

ターゲット 0

128.0.2.1

0I:0

IFF2

ターゲット 0

128.0.3.1

1A:0

IFF3

ターゲット 0

128.0.4.1

1I:0


表A-2 VSMPR2 の CLINK IPIF 値

IFF カード ターゲット番号
IP の例 対応する CLINK IPIF

IFF0

ターゲット 0

128.0.1.2

0A:0

IFF1

ターゲット 0

128.0.2.2

0I:0

IFF2

ターゲット 0

128.0.3.2

1A:0

IFF3

ターゲット 0

128.0.4.2

1I:0


次の例は、図A-7 に示されている構成を表A-1 および表A-2 の値で定義するための CONFIG JCL を示しています。

//CREATECF EXEC PGM=SLUADMIN,PARM='MIXED'
//STEPLIB  DD DSN=hlq.SEALINK,DISP=SHR
//SLSCNTL  DD DSN=FEDB.VSMLMULT.DBASEPRM,DISP=SHR
//SLSCNTL2 DD DSN=FEDB.VSMLMULT.DBASESEC,DISP=SHR
//SLSSTBY  DD DSN=FEDB.VSMLMULT.DBASETBY,DISP=SHR
//SLSPRINT DD   SYSOUT=*
//SLSIN    DD   *
 CONFIG CDSLEVEL(V61ABOVE)
GLOBAL MAXVTV=32000 MVCFREE=40 VTVATTR=SCRATCH RECALWER=YES 
LOCKSTR=VTCS_LOCKS REPLICAT=ALWAYS VTVPAGE=LARGE INITMVC=YES
SYNCHREP=YES MAXRTDS=16 FASTMIGR=YES
RECLAIM THRESHLD=70 MAXMVC=40  START=35
VTSS NAME=VSMPR1 LOW=70 HIGH=80 MAXMIG=8 MINMIG=4 RETAIN=5
VTD LOW=8900 HIGH=89FF
RTD  NAME=VPR12A00 DEVNO=2A00 CHANIF=0C:0
RTD  NAME=VPR12A01 DEVNO=2A01 CHANIF=0C:1
RTD  NAME=VPR12A02 DEVNO=2A02 CHANIF=0C:2
RTD  NAME=VPR12A03 DEVNO=2A03 CHANIF=0C:3
RTD  NAME=VPR12A04 DEVNO=2A04 CHANIF=0G:0
RTD  NAME=VPR12A05 DEVNO=2A05 CHANIF=0G:1
RTD  NAME=VPR12A06 DEVNO=2A06 CHANIF=0G:2
RTD  NAME=VPR12A07 DEVNO=2A07 CHANIF=0G:3
VTSS NAME=VSMPR2 LOW=70 HIGH=80 MAXMIG=8 MINMIG=4 RETAIN=5
VTD LOW=9900 HIGH=99FF
RTD  NAME=VPR22B00 DEVNO=2B00 CHANIF=0C:0
RTD  NAME=VPR22B01 DEVNO=2B01 CHANIF=0C:1
RTD  NAME=VPR22B02 DEVNO=2B02 CHANIF=0C:2
RTD  NAME=VPR22B03 DEVNO=2B03 CHANIF=0C:3
RTD  NAME=VPR22B04 DEVNO=2B04 CHANIF=0G:0
RTD  NAME=VPR22B05 DEVNO=2B05 CHANIF=0G:1
RTD  NAME=VPR22B06 DEVNO=2B06 CHANIF=0G:2
RTD  NAME=VPR22B07 DEVNO=2B07 CHANIF=0G:3
CLUSTER NAME=CLUSTER1 VTSSs(VSMPR1,VSMPR2)
 CLINK VTSS=VSMPR1 IPIF=0A:0
 CLINK VTSS=VSMPR1 IPIF=0I:0
 CLINK VTSS=VSMPR1 IPIF=1A:0
 CLINK VTSS=VSMPR1 IPIF=1I:0
 CLINK VTSS=VSMPR2 IPIF=0A:0
 CLINK VTSS=VSMPR2 IPIF=0I:0
 CLINK VTSS=VSMPR2 IPIF=1A:0
 CLINK VTSS=VSMPR2 IPIF=1I:0

VLE に相互接続された、TCP/IP CLINK による VSM5 と VSM 6 間のクラスタ

図A-8 に、TCP/IP CLINK による VSM5 と VSM 6 間のクラスタの例を示しますが、ここで各 VTSS は 2 つの VLE に相互接続されています。

図A-8 VLE に相互接続された、TCP/IP CLINK による VSM5 と VSM6 間のクラスタ

図A-8 の説明が続きます
説明: 図A-8 VLE に相互接続された、TCP/IP CLINK による VSM5 と VSM6 間のクラスタ

図A-8 において、冗長性を確保するために、表A-3表A-4. で示されているように、ネイティブ IP と VLE 接続に対して VSM5 (VSMPR1) の別の IFF カード上でターゲットを使用するとします。

表A-3 VSMPR1 の CLINK IPIF 値

IFF カード ターゲット番号
IP の例 対応する CLINK IPIF

IFF0

ターゲット 0

128.0.1.1

0A:0

IFF1

ターゲット 0

128.0.2.1

0I:0

IFF2

ターゲット 0

128.0.3.1

1A:0

IFF3

ターゲット 0

128.0.4.1

1I:0


表A-4 VSMPR1 の RTD IPIF 値

IFF カード ターゲット番号
IP の例 対応する CLINK IPIF

IFF0

ターゲット 1

128.0.1.2

0A:1

IFF1

ターゲット 1

128.0.2.2

0I:1

IFF2

ターゲット 1

128.0.3.2

1A:1

IFF3

ターゲット 1

128.0.4.2

1I:1


次の例は、図A-8 に示されている構成を表A-3 および表A-4 の値で定義するための CONFIG JCL を示しています。

//CREATECF EXEC PGM=SLUADMIN,PARM='MIXED'
//STEPLIB  DD DSN=hlq.SEALINK,DISP=SHR
//SLSCNTL  DD DSN=FEDB.VSMLMULT.DBASEPRM,DISP=SHR
//SLSCNTL2  DD DSN=FEDB.VSMLMULT.DBASESEC,DISP=SHR
//SLSSTBY   DD DSN=FEDB.VSMLMULT.DBASETBY,DISP=SHR
//SLSPRINT  DD   SYSOUT=*
//SLSIN     DD   *
CONFIG CDSLEVEL(V61ABOVE)
GLOBAL MAXVTV=32000 MVCFREE=40 VTVATTR=SCRATCH RECALWER=YES 
LOCKSTR=VTCS_LOCKS REPLICAT=ALWAYS VTVPAGE=LARGE INITMVC=YES
SYNCHREP=YES MAXRTDS=16 FASTMIGR=YES
RECLAIM THRESHLD=70 MAXMVC=40  START=35
VTSS NAME=VSMPR1 LOW=70 HIGH=80 MAXMIG=8 MINMIG=4 RETAIN=5
VTD LOW=9900 HIGH=99FF
RTD  NAME=VL1RTD1 STORMNGR=VLE1 IPIF=0A:1
RTD  NAME=VL1RTD2 STORMNGR=VLE1 IPIF=0I:1
RTD  NAME=VL2RTD1 STORMNGR=VLE2 IPIF=1A:1
RTD  NAME=VL2RTD2 STORMNGR=VLE2 IPIF=1I:1
CLUSTER NAME=CLUSTER1 VTSSs(VSMPR1,VSMPR2)
 CLINK VTSS=VSMPR1 IPIF=0A:0
 CLINK VTSS=VSMPR1 IPIF=0I:0
 CLINK VTSS=VSMPR1 IPIF=1A:0
 CLINK VTSS=VSMPR1 IPIF=1I:0
 CLINK VTSS=VSMPR2 IPIF=0A:0
 CLINK VTSS=VSMPR2 IPIF=0I:0
 CLINK VTSS=VSMPR2 IPIF=1A:0
 CLINK VTSS=VSMPR2 IPIF=1I:0

この例では、VSM5 (VSMPR1) の CLINK IPIF および RTD IPIF パラメータ値を、表A-3 および表A-4 に示されている値に一致させる必要があり、VSM 6 (VSMPR2) の CLINK IPIF および RTD IPIF 値は、これらの値に関する VTCS の制約条件のみを満たす必要があり、さらに各 VTSS で一意にする必要があります。これらの値は、VSM 6 TCP/IP ポートの実際の値には対応していません。

TCP/IP CLINK による VSM 6 間の「テープレス」クラスタ

図A-9 に、TCP/IP CLINK による VSM 6 間の「テープレス」クラスタの例を示します。

図A-9 TCP/IP CLINK による VSM6 間のテープレスクラスタ

図A-9 の説明が続きます
説明: 図A-9 TCP/IP CLINK による VSM6 間のテープレスクラスタ

次の例は、図A-9 に示されている構成を定義するための CONFIG JCL を示しています。

//CREATECF EXEC PGM=SLUADMIN,PARM='MIXED'
//STEPLIB  DD DSN=hlq.SEALINK,DISP=SHR
//SLSCNTL  DD DSN=FEDB.VSMLMULT.DBASEPRM,DISP=SHR
//SLSCNTL2 DD DSN=FEDB.VSMLMULT.DBASESEC,DISP=SHR
//SLSSTBY  DD DSN=FEDB.VSMLMULT.DBASETBY,DISP=SHR
//SLSPRINT DD   SYSOUT=*
//SLSIN    DD   *
CONFIG CDSLEVEL(V61ABOVE)
GLOBAL MAXVTV=32000 MVCFREE=40 VTVATTR=SCRATCH RECALWER=YES 
LOCKSTR=VTCS_LOCKS REPLICAT=ALWAYS VTVPAGE=LARGE INITMVC=YES
SYNCHREP=YES MAXRTDS=16 FASTMIGR=YES
RECLAIM THRESHLD=70 MAXMVC=40  START=35
VTSS NAME=VSMPR1 LOW=70 HIGH=80 MAXMIG=8 MINMIG=4 RETAIN=5
VTD LOW=8900 HIGH=89FF
CLUSTER NAME=CLUSTER1 VTSSs(VSMPR1,VSMPR2)
 CLINK VTSS=VSMPR1 IPIF=0A:0
 CLINK VTSS=VSMPR1 IPIF=0A:1
 CLINK VTSS=VSMPR1 IPIF=0A:2
 CLINK VTSS=VSMPR1 IPIF=0A:3
 CLINK VTSS=VSMPR2 IPIF=0A:0
 CLINK VTSS=VSMPR2 IPIF=0A:1
 CLINK VTSS=VSMPR2 IPIF=0A:2
 CLINK VTSS=VSMPR2 IPIF=0A:3

この例では、両方の VSM 6 の CLINK IPIF 値は、これらの値に関する VTCS の制約条件のみを満たす必要があり、さらに各 VTSS で一意にする必要があります。これらの値は、VSM 6 TCP/IP ポートの実際の値には対応していません。また、クラスタがテープレスであるため、いずれの VSM 6 にも CONFIG RTD 文は存在しません。

単方向または双方向のいずれを使用するのか

VTSSLST および VTSSSEL 文を使用して、双方向クラスタを単方向にできます。この処理を実行する理由は何でしょうか。プライマリおよびセカンダリ VTSS のロールを切り替える必要があるとします。「双方向クラスタシステムの構成と管理」の冒頭の手順で説明されているのと同じ設定から開始します。ステップ 5 を完了したら、次の VTSSLST および VTSSSEL 文により変更を加えます。

VTSSLST NAME(SITEA) VTSS(VSMPR1)
VTSSSEL FUNCTION(SCRATCH) HOST(MVSA) VTSSLST(SITEA)
VTSSSEL FUNCTION(SPECIFIC) HOST(MVSA) VTSSLST(SITEA)

この例では、次のようになります。

  • VTSSLST 文により、VSMPR1 のみを含む VTSS リスト SITEA を定義します。

  • VTSSSEL 文は、MVSA から SITEA へのスクラッチおよび特定の VTV マウントを指定しますが、ここには VSMPR1 のみが含まれているため、効率的にプライマリにできます。

したがって、このクラスタは実際に双方向ですが、VTSSLST および VTSSSEL 文により、いずれかの VTSS を効率的にプライマリにしてもう一方をセカンダリにするための柔軟性が備えられており、単に MGMTDEF コマンドで、対応する MGMTclasSTORclasVTSSLST、および VTSSSEL 制御文をロードするだけです。

プライマリおよびセカンダリを切り替える必要があるとします。この場合、VTSSLST および VTSSSEL 文を再書き込みして、VSMPR2 をプライマリに、VSMPR1 をセカンダリにします。

VTSSLST NAME(SITEB) VTSS(VSMPR2)
VTSSSEL FUNCTION(SCRATCH) HOST(MVSB) VTSSLST(SITEB)
VTSSSEL FUNCTION(SPECIFIC) HOST(MVSB) VTSSLST(SITEB)

この例では、次のようになります。

  • VTSSLST 文により、VSMPR2 のみを含むリスト SITEB を定義します。

  • VTSSSEL 文により、MVSB から SITEB へのスクラッチおよび特定の VTV マウントを指定しますが、ここには VSMPR2 のみが含まれているため、効率的にプライマリにできます。

最後に、このクラスタを実際に双方向クラスタとして適切に動作させるとします。この場合、VTSSLST および VTSSSEL 文を削除して、定義を再ロードします。