5 リモートライブラリの構成

図5-1 は、リモートライブラリを使用した構成例を示します。以降のセクションでは、この例を構成する方法について説明します。

図5-1 リモート TapePlex 下で動作する RTD

図5-1 の説明が続きます
説明: 図5-1 リモート TapePlex 下で動作する RTD

SMC SCMDS ファイルの変更

SMC は、VTCS とリモート TapePlex 間のすべての通信を管理するため、リモート TapePlex への接続方法を認識する必要があります。これを行うには、ローカルおよびリモートの TapePlex に加え、リモート TapePlex への TCP/IP 制御パスを定義する 1 つ以上の SMC SERVER 文を定義します。次の例に示すように、SMC CMDS ファイルでこれを行えます。

TAPEPLEX NAME(TMVSA)LOCSUB(HSC0)
TAPEPLEX NAME(TMVSB)LOCSUB(HSC1)
SERVER NAME(TMVSB)IP(192.168.1.10)PORT(60000)

この例の内容は次のとおりです。

  • TAPEPLEX 文。これは、ローカル MVS ホスト (HSC0) 上で HSC を実行しているローカルの TapePlex、TMVSA を定義します。

  • 2 番目の TAPEPLEX 文。これは、リモート MVS ホスト (HSC1) 上で HSC を実行しているリモート TapePlex、TMVSB を定義します。

  • TMVSB への UUI 通信パスを定義する SERVER コマンド。ここでは:

    • リモートサーバー名は TMVSB です。

    • IP パラメータの値は、UUI 通信用の ELS ポートの IP アドレス 192.168.1.10 です。

    • PORT パラメータの値は 60000 です。TMVSB との SMC 通信用の SERVER PORT パラメータには、この値が常に使用されます。

リモートライブラリを定義するための VTCS CONFIG デックの更新

リモートライブラリと、VTSS からリモートライブラリへの接続を定義するように、VTCS CONFIG デックを更新する必要があります。次の例に示すように、リモートライブラリは、CONFIG STORMNGR 文で定義されます。

TAPEPLEX THISPLEX=TMVSA
STORMNGR NAME=TMVSB
VTSS NAME=VTSS1 LOW=70 HIGH=80 MAXMIG=8 MINMIG=4 RETAIN=5
RTDPATH  NAME=RM1RTD1 STORMNGR=TMVSB DEVNO=1A00 CHANIF=0A:0
RTDPATH  NAME=RM1RTD2 STORMNGR=TMVSB DEVNO=1A01 CHANIF=0A:1
RTDPATH  NAME=RM1RTD3 STORMNGR=TMVSB DEVNO=1I00 CHANIF=0I:0
RTDPATH  NAME=RM1RTD4 STORMNGR=TMVSB DEVNO=1I01 CHANIF=0I:1
VTD LOW=6900 HIGH=69FF

この例では、次に留意してください。

  • CONFIG TAPEPLEX 文は、ローカル TapePlex として TMVSA を指定します。

  • STORMNGR 文は、リモートライブラリとして TMVSB を指定します。

  • VTSS1 の CONFIG RTDPATH ステートメント。これは次の内容を指定します。

    • RTDPATH の名前。

    • リモートライブラリへの接続 (STORMNGR=TMVSB)。

    • デバイス番号 (DEVNO)。

    • ci:p 形式での VTSS と RTD の接続ごとの CHANIF 値。ここでは:

      • c は 0 または 1 です。

      • i は A または I です。

      • P は 0 - 3 です。

        注記:

        VSM5 の場合、CHANIF 値は、VSM5「IFF Configuration Status Screen」で指定された値に一致する必要があります。VSM 6 の場合、これは各 VTSS で一意である必要がありますが、VSM 6 TCP/IP ポートの実際の値に対応していません。

現在、STORclas STORMNGR パラメータを使用して、データをリモートライブラリにルーティングできます。次に例を示します。

STOR NAME(REMLIB) STORMNGR(TMVSB)

MVC プールの構成

できれば VOLPARM/POOLPARM 定義を通じて、リモートライブラリのすべての MVC をローカル MVC プール定義に含める必要があります。ローカル HSC は、リモート MVC を非ライブラリとして扱います。

通常、どのリモートライブラリサーバーでも、何らかの方法で「外部管理」されるものとして MVC を定義する必要があります。直列化がないため、リモート TapePlex でローカル MVC のプールを共有させることはサポートされていません。

データ転送のために MVC のプールが共有されている場合、アクティブに MVC に書き込める TapePlex は 1 つだけです。ほかの TapePlex は、読み取り専用のアクセスだけを行えます。ドライブでの MVC の直列化はユーザーの責任で行なってください。