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Oracle® Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementアップグレード・ガイド
11gリリース2 (11.1.2.3.0)
E69899-05
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19 Oracle Adaptive Access Manager高可用性環境のアップグレード

この章では、手動アップグレード手順を使用して、Oracle WebLogic Server上のOracle Adaptive Access Manager高可用性環境を11gリリース2 (11.1.2.3.0)にアップグレードする方法を説明します。


注意:

既存のOracle Identity and Access Management環境がライフ・サイクル管理(LCM)ツールを使用してデプロイされた場合は、自動アップグレード手順を使用してOracle Identity and Access Management 11gリリース2 (11.1.2.3.0)にアップグレードする必要があります。

自動アップグレード手順、サポートされる開始ポイントおよびトポロジの詳細は、第2章「Oracle Identity and Access Managementの自動アップグレードの理解」を参照してください。



注意:

手順を進める前に、既存のOracle Adaptive Access Managerバージョンで高可用性アップグレードがサポートされているかどうかを確認してください。高可用性アップグレードでサポートされている開始ポイントの詳細は、第3.3項「Oracle Identity and Access Management手動アップグレードでサポートされる開始ポイント」を参照してください。

この章では、次の項目について説明します。

19.1 Oracle Adaptive Access Manager高可用性アップグレード・トポロジの理解

図19-1に、この章で説明されている手順に従うことにより11.1.2.3.0にアップグレード可能なOracle Adaptive Access Managerクラスタ設定を示します。

図19-1 Oracle Adaptive Access Manager高可用性アップグレード・トポロジ

図19-1の説明が続きます
「図19-1 Oracle Adaptive Access Manager高可用性アップグレード・トポロジ」の説明

ホストOAAMHOST1には、次が含まれます。

  • Oracle Adaptive Access Managerサーバー・アプリケーション(OAAM_SERVER)をホストするOracle Adaptive Access Manager管理対象サーバーWLS_OAAM_SERVER1

  • Oracle Adaptive Access Managerオフライン・サーバー・アプリケーション(OAAM_OFFLINE)をホストするOracle Adaptive Access Manager管理対象サーバーWLS_OAAM_OFFLINE1

  • Oracle Adaptive Access Manager Adminアプリケーション(OAAM_ADMIN)をホストするOracle Adaptive Access Manager管理対象サーバーWLS_OAAM_ADMIN1

  • WebLogic Serverの管理サーバー。通常の運用時は、これがアクティブ管理サーバーになります。

ホストOAAMHOST2には、次が含まれます。

  • Oracle Adaptive Access Manager サーバー・アプリケーション(OAAM_SERVER)をホストするOracle Adaptive Access Manager管理対象サーバーWLS_OAAM_SERVER2

  • Oracle Adaptive Access Managerオフライン・サーバー・アプリケーション(OAAM_OFFLINE)をホストするOracle Adaptive Access Manager管理対象サーバーWLS_OAAM_OFFLINE2

  • Oracle Adaptive Access Manager Adminアプリケーション(OAAM_ADMIN)をホストするOracle Adaptive Access Manager管理対象サーバーWLS_OAAM_ADMIN2

  • WebLogic Serverの管理サーバー。通常の運用時は、これがパッシブ管理サーバーになります。OAAMHOST1の管理サーバーが使用できなくなった場合は、この管理サーバーをアクティブにします。

OAAMHOST1およびOAAMHOST2でOracle Adaptive Access Managerサーバー・アプリケーションをホストしているOracle Adaptive Access Manager管理対象サーバーWLS_OAAM_SERVER1およびWLS_OAAM_SERVER2は、アクティブ/アクティブ・モードで動作するようにOAAM_SERVER_CLUSTERという名前のクラスタで構成されています。

OAAMHOST1およびOAAMHOST2でOracle Adaptive Access Managerオフライン・サーバー・アプリケーションをホストしているOracle Adaptive Access Manager管理対象サーバーWLS_OAAM_OFFLINE1およびWLS_OAAM_OFFLINE2は、アクティブ/アクティブ・モードで動作するようにOAAM_OFFLINE_CLUSTERという名前のクラスタで構成されています。

OAAMHOST1およびOAAMHOST2でOracle Adaptive Access Manager AdminアプリケーションをホストしているOracle Adaptive Access Manager管理対象サーバーWLS_OAAM_ADMIN1およびWLS_OAAM_ADMIN2は、アクティブ/アクティブ・モードで動作するようにOAAM_ADMIN_CLUSTERという名前のクラスタで構成されています。

19.2 アップグレード手順

表19-1に、図19-1で示されているOracle Adaptive Access Manager高可用性環境を11.1.2.3.0にアップグレードする手順を示します。

表19-1 Oracle Adaptive Access Manager高可用性アップグレードの手順

タスク番号 タスク 詳細の参照先

1

Oracle Adaptive Access Manager高可用性アップグレード・トポロジを確認して、現在の設定でOAAMHOST1およびOAAMHOST2を特定します。

「Oracle Adaptive Access Manager高可用性アップグレード・トポロジの理解」を参照してください。

2

OAAMHOST1およびOAAMHOST2上の管理サーバーおよびすべての管理対象サーバーを停止します。

「OAAMHOST1およびOAAMHOST2上の管理サーバーおよび管理対象サーバーの停止」を参照してください。

3

既存の環境をバックアップします。

「既存の環境のバックアップ」を参照してください。

4

OAAMHOST2でOracle WebLogic ServerおよびOracle Adaptive Access Managerのバイナリを更新します。

「OAAMHOST2上のWebLogic ServerおよびOracle Adaptive Access Managerのバイナリの更新」を参照してください。

5

OAAMHOST1を11.1.2.3.0にアップグレードします。これは、アクティブな管理サーバーを実行しているホストです。

「OAAMHOST1の11.1.2.3.0へのアップグレード」を参照してください。

6

開始ポイントがOracle Adaptive Access Manager 11gリリース1 (11.1.1.5.0)である場合、OAAMHOST1で、OAAMパッケージを11.1.2.3.0にアップグレードする必要があります。

「OAAMHOST1上のコンポーネント・バージョンの更新」を参照してください

8

開始ポイントがOracle Adaptive Access Manager 11.1.1.5.0の場合、OAAMHOST1をアップグレードした後で、OAAMHOST1上のドメインをパックし、OAAMHOST2で解凍することで、OAAMHOST2に構成をレプリケートする必要があります。

「OAAMHOST2でのドメイン構成のレプリケート」を参照してください

6

OAAMHOST1およびOAAMHOST2で、WebLogic管理サーバーおよび管理対象サーバーを起動します。

「OAAMHOST1およびOAAMHOST2上の管理サーバーおよび管理対象サーバーの起動」を参照してください。


19.3 OAAMHOST1およびOAAMHOST2上の管理サーバーおよび管理対象サーバーの停止

アップグレード・プロセスを開始する前に、OAAMHOST1およびOAAMHOST2上のWebLogic管理サーバーおよびすべてのOracle Adaptive Access Manager管理対象サーバーを次の順序で停止します。

  1. OAAMHOST1およびOAAMHOST2上の両方で、Oracle Adaptive Access Manager管理対象サーバーを停止します。

  2. OAAMHOST1上のWebLogic管理サーバーを停止します。

管理対象サーバーの停止の詳細は、第24.1.9.1項「管理対象サーバーの停止」を参照してください。

管理サーバーの停止の詳細は、24.1.9.2項「WebLogic管理サーバーの停止」を参照してください。

19.4 既存の環境のバックアップ

すべてのサーバーの停止後は、アップグレード・プロセスを続行する前に次をバックアップする必要があります。

  • OAAMHOST1およびOAAMHOST2上の両方の、内包されているOracleホーム・ディレクトリを含むMW_HOMEディレクトリ(ミドルウェア・ホーム・ディレクトリ)。

  • OAAMHOST1およびOAAMHOST2上の両方のOracle Adaptive Access Managerドメイン・ホーム・ディレクトリ

  • 次のデータベース・スキーマ:

    • Oracle Adaptive Access Managerスキーマ

    • IAUスキーマ(いずれかのOracle Adaptive Access Managerスキーマの一部である場合)

    • MDSスキーマ

    スキーマをバックアップする方法の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

19.5 OAAMHOST2上のWebLogic ServerおよびOracle Adaptive Access Managerのバイナリの更新

管理サーバーをホストするOAAMHOST1をアップグレードする前に、OAAMHOST2で次の手順を実行する必要があります。

また、OAAMHOST2でそれぞれOracle Adaptive Access Managerを10.3.6および11.1.2.3.0バージョンにアップグレードします。これを行うには、OAAMHOST2で次の手順を実行します。

  1. 以前のバージョンを使用している場合は、OAAMHOST2でOracle WebLogic Serverを10.3.6にアップグレードします。

    Oracle WebLogic Serverの10.3.6へのアップグレードの詳細は、第24.1.5項「Oracle WebLogic Serverの11gリリース1 (10.3.6)へのアップグレード」を参照してください

  2. Oracle Identity and Access Management 11.1.2.3.0インストーラを使用して、OAAMHOST2でOracle Adaptive Access Managerのバイナリを11.1.2.3.0に更新します。

    Oracle Adaptive Access Managerバイナリの11.1.2.3.0へのアップグレードの詳細は、第24.1.6項「Oracle Identity and Access Managementバイナリの11gリリース2 (11.1.2.3.0)への更新」を参照してください

19.6 OAAMHOST1の11.1.2.3.0へのアップグレード

OAAMHOST2でOracle WebLogic ServerおよびOracle Adaptive Access Managerのバイナリを更新した後に、アクティブな管理サーバーが含まれるOAAMHOST1をアップグレードする必要があります。OAAMHOST2の11.1.2.3.0へのアップグレードには、次の重要なタスクが含まれます。

  • Oracle WebLogic Serverの10.3.6へのアップグレード

  • Oracle Adaptive Access Managerバイナリの11.1.2.3.0へのアップグレード

  • データベース・スキーマのアップグレード

  • Oracle Platform Security Servicesのアップグレード

  • アプリケーションの再デプロイ

OAAMHOST1のアップグレード手順は、開始ポイントにより異なります。

19.7 OAAMHOST1上のコンポーネント・バージョンの更新

開始ポイントがOracle Adaptive Access Manager 11gリリース1 (11.1.1.5.0)である場合は、次のパッケージを11gリリース1 (11.1.1.5.0)から11gリリース2 (11.1.2.3.0)にアップグレードする必要があります。

  • oracle.dogwood.top

  • oracle.idm.oinav

  • oracle.oaam.suite

  • oracle.oaam.oaam_admin

  • oracle.oaam.oaam_server

  • oracle.oaam.oaam_offline


注意:

開始ポイントがOracle Adaptive Access Manager 11gリリース2 (11.1.2.2.0)、11gリリース2 (11.1.2.1.0)または11gリリース2 (11.1.2)である場合は、このタスクをスキップします。

パッケージをアップグレードするには、OAAMHOST1domain-info.xmlを更新するドメイン・アップデータ・ユーティリティ(com.oracle.cie.domain-update_1.0.0.0.jar)を実行する必要があります。OAAMHOST1は、管理サーバーを実行しているホストです。

必要なOracle Adaptive Access Managerパッケージを11.1.2.3.0にアップグレードするには、OAAMHOST1で次の手順を実行します。

  1. $ORACLE_HOME/oaam/upgradeディレクトリに移動します。このディレクトリに、ドメイン・アップデータ・ユーティリティcom.oracle.cie.domain-update_1.0.0.0.jarファイルがあります。

  2. 次のコマンドを使用して、パッケージをアップグレードします。

    java -cp MW_HOME/utils/config/10.3/config-launch.jar:./com.oracle.cie.domain-update_1.0.0.0.jar com.oracle.cie.external.domain.DomainUpdater <DOMAIN_HOME> <package_name>:11.1.1.5.0,:11.1.2.3.0

    このコマンドで、<DOMAIN_HOME>はOracle Adaptive Access Managerドメインへの絶対パスを表し、<package_name>はアップグレードするパッケージを表します。

    次のすべてのパッケージについて、このコマンドを実行します。

    • oracle.dogwood.top

    • oracle.idm.oinav

    • oracle.oaam.suite

    • oracle.oaam.oaam_admin

    • oracle.oaam.oaam_server

    • oracle.oaam.oaam_offline

19.8 OAAMHOST2でのドメイン構成のレプリケート

この手順は、Oracle Adaptive Access Manager 11gリリース1 (11.1.1.5.0)を11.1.2.3.0にアップグレードする場合に適用されます。

OAAMHOST1でOracle Adaptive Access Manager 11.1.1.5.0を11.1.2.3.0にアップグレードした後、OAAMHOST2で構成をレプリケートする必要があります。このタスクには、OAAMHOST1でのアップグレード済ドメインのパック実行およびOAAMHOST2でのパックの解凍が含まれます。


注意:

この手順を実行する前に、管理対象サーバーが停止されていることを確認します。このタスクが完了するまで、管理対象サーバーを起動しないでください。

これを行うには、次の手順を実行します。

  1. OAAMHOST1で、次のコマンドを$MW_HOME/oracle_common/common/binから実行して、アップグレード済のドメインをパックします。

    UNIXの場合:

    sh pack.sh -domain=<Location_of_OAAM_domain> -template=<Location_where_domain_configuration_jar_to_be_created> -template_name="OAAM Domain" -managed=true

    Windowsの場合:

    pack.cmd -domain=<Location_of_OAAM_domain> -template=<Location_where_domain_configuration_jar_needs_to_be_created> -template_name="OAAM Domain" -managed=true

  2. OAAMHOST1上でpackコマンドにより作成されたドメイン構成jarファイルを、OAAMHOST2上の任意のアクセス可能な場所にコピーします。

  3. OAAMHOST2で、次のコマンドを$MW_HOME/oracle_common/common/binから実行して、ドメインを解凍します。

    UNIXの場合:

    sh unpack.sh -domain=<Location_of_OAAM_domain> -template=<Location_on_OAAMHOST2_where _you_copied_jar_file_created_by_pack_command> -overwrite_domain=true

    Windowsの場合:

    unpack.cmd -domain=<Location_of_OAAM_domain> -template=<Location_on_OAAMHOST2_where _you_copied_jar_file_created_by_pack_command> -overwrite_domain=true

19.9 OAAMHOST1およびOAAMHOST2上の管理サーバーおよび管理対象サーバーの起動

OAAMHOST1およびOAAMHOST2で、WebLogic管理サーバーおよびOracle Adaptive Access Manager管理対象サーバーを次の順序で起動します。

  1. OAAMHOST1のWebLogic管理サーバーを起動します。

  2. OAAMHOST1およびOAAMHOST2で、Oracle Adaptive Access Manager管理対象サーバーを起動します。

WebLogic管理サーバーの起動の詳細は、24.1.8.2項「WebLogic管理サーバーの起動」を参照してください。

管理対象サーバーの起動の詳細は、第24.1.8.3項「管理対象サーバーの起動」を参照してください。