| Oracle® Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Webユーザー・インタフェース開発者ガイド 11gリリース1(11.1.1.9.0) B52029-12 |
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この章では、インタラクティブなADF Facesコンポーネントの表現力が高いセットであるADFデータ視覚化コンポーネントの一般的な特性とフォーカスについて説明します。この部の他の章では、各コンポーネントの作成およびカスタマイズ方法について説明します。
この章では、次の項目について説明します。
ADFデータ視覚化コンポーネントには、データの表示および分析を行うための非常にグラフィカルな表形式の機能が用意されています。このコンポーネントでは、次の機能が提供されます。
ADFデータ・コントロールの使用をサポートするADF Facesのフル・コンポーネントです。
データ・コントロール・パネル、JSFビジュアル・エディタ、プロパティ・インスペクタおよびコンポーネント・パレットを使用して、設計時に宣言的作成を行えます。
ADFデータ視覚化コンポーネントのデータ・バインディングの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』の「データバインドされたADFデータ視覚化コンポーネントの作成」の章を参照してください。
ADFデータ視覚化コンポーネントには、チャート、グラフ、ゲージ、NBox、ピボット・テーブル、地理マップ、テーマ・マップ、ガント・チャート、階層ビューア、ツリーマップ、サンバーストおよびダイアグラムがあります。接頭辞dvt:は、各コンポーネント名の先頭に付いて、そのコンポーネントがADFデータ視覚化ツール(DVT)のタグ・ライブラリに属することを示します。
チャート・コンポーネントには、データを表示するために使用できる9タイプのグラフがあり、合計13種を超えるグラフに1つ以上のバリエーションがあります。チャート・コンポーネントを使用すると、様々なデータ視覚化を作成できます。これにより、様々な方法で複数の軸にある複数のデータ・ポイントを評価できます。たとえば、一群のグラフにより、あるグループからの結果と他のグループからの結果の比較が容易になります。
グラフのカテゴリは、次のとおりです。
面(areaChart): データを塗りつぶされた面として表します。面チャートを使用して、過去12か月の売上げなど、ある期間の傾向を示します。面チャートでは、1つの軸上に最低2グループのデータが必要です。軸には、月などの時間の経過を表すラベルが付けられることがよくあります。
棒(barChart): データを一連の縦棒で表します。棒グラフを使用して、ある期間の傾向の確認や複数の地域での異なる製品区分の売上げなど、同一時点での項目の比較を行います。
横棒(horizontalBarChart): Y軸に沿って棒を横向きに表示します。横棒グラフを使用して向きを持たせて傾向を表示したり、値を比較します。
バブル(bubbleChart): 円形のデータ・マーカー(バブル)の位置とサイズでデータを表します。(データ・アイテムが多数あり、全体の関係を表示する場合は特に)バブル・チャートを使用して3種類の値の相関関係を示します。たとえば、バブル・チャートを使用して、従業員の給与(X軸)、経験年数(Y軸)と生産性(バブルのサイズ)をプロットします。このようなチャートでは、生産性を給与および経験と比較して調べることができます。
組合せ(comboChart): 異なるタイプのデータ・マーカー(棒、線または面)を使用して、異なる種類のデータ・アイテムを表示するグラフ。組合せグラフを使用して、棒と線、棒と面、線と面あるいは3つすべての組合せを比較します。
折れ線(lineChart): データを線、一連のデータ・ポイントまたは線で結ばれたデータ・ポイントとして表します。折れ線グラフには、グループ内のメンバーごとに最低2つのポイントを表すデータが必要です。たとえば、月単位の折れ線グラフでは、少なくとも2つの月のデータが必要です。通常、特定の色の線は、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなどのデータの各グループに関連付けられています。折れ線グラフを使用して、同一期間の項目を比較します。
円(pieChart): 合計に対する比率としてデータ・アイテム・セットを表します。データ・アイテムが円のセクションとして表示され、円が切り分けられたパイのように見えます。円グラフを使用して、各製品ラインからの収益など、全体に対する各部分の関係を表します。
散布(scatterChart): データをデータ・マーカーの位置で表します。散布図を使用して、上位製品の売上げとコストなど、異なる2種類のデータ値の相関関係を表します。多数の項目の全体的な関係を表す場合は特に散布図を使用します。
スパーク(sparkChart): 傾向や変化を1つのデータ値で表す簡単な縮小グラフで、通常、表の列内や関連テキストの行中に表示されます。スパーク・チャートには、基本的な条件付書式設定があります。スパーク・チャートにラベルが含まれていないため、近くの表の列や周囲のテキストによってスパーク・チャートの内容のコンテキストがわかります。
図23-1に、面グラフ、棒グラフ、横棒グラフ、バブル・チャート、組合せグラフ、折れ線グラフ、円グラフおよび散布図の例を示します。
図23-2に、表の列で売上げ傾向を表示する折れ線スパークチャートを示します。
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注意: ファンネル、パレート、レーダー・グラフおよび株価チャートは、サーバー側のレガシー・コンポーネントです。クライアント側のチャート・コンポーネントにはこれらのグラフの使用は、推奨されません。レガシー・グラフの使用の詳細は、付録H「グラフ・コンポーネントの使用方法」を参照してください。 |
アプリケーションでチャートを使用する方法などの詳細は、第24章「チャート・コンポーネントの使用方法」を参照してください。
ゲージ(gauge)コンポーネントは、売上げ、在庫レベル、温度または速度などの数量を表すための測定手段です。ゲージには通常1つのデータ値が表示され、多くの場合グラフより効果的です。しきい値を使用すると、ゲージでは、色を使用して許容範囲または非許容範囲などの状態情報を表示できます。
このコンポーネントでは次の種類のゲージを作成できます。
ダイアル: 循環軸上にプロットされたメトリック値を表示します。ゲージの背景属性によって、ゲージの背景が矩形、円形、半円形のいずれで表示されるかが決まります。インジケータは、軸上のダイアル・ゲージのメトリック値を指します。
例23-0に、背景が円、半円および長方形に設定された3つのダイアル・ゲージを示します。3つの例では、ゲージのメトリック値はすべて63です。
LED(電光表示): キー・パフォーマンス・インジケータ(KPI)などの測定値をグラフィカルに表します。LEDゲージには、数種の図形を使用できます。たとえば、ステータスを示すために色を使用する円形または長方形、カラー・インジケータに加えて、上下左右を指す三角形または矢印などです。
例23-0に、様々な図形、サイズおよびしきい値で構成されたLEDゲージを示します。
評価: メトリック値を表示し、オプションでメトリック値の入力を受け入れます。このゲージは、通常、映画の星評価など、製品やサービスの評価を示すために使用されます。
例23-0に、星、ダイアモンド、円および長方形を使用して構成した評価ゲージを示します。
ステータス・メーター: 水平軸または循環軸上にメトリック値を表示します。内側の矩形は、外側の矩形に表示された範囲に対する現在の測定値のレベルを示します。オプションで、ステータス・メーターは、メトリック値が事前定義済のしきい値内にあることを示す色を表示できます。
例23-0に、水平ステータス・メーターおよび円形ステータス・メーター用に構成されたステータス・メーター・ゲージの例を示します。ゲージは、しきい値を使用するように構成されており、これは色でゲージの値が許容範囲内にあるかどうかを示します。
アプリケーションでゲージを使用する方法などの詳細は、第25章「ゲージ・コンポーネントの使用」を参照してください。
ADFのNBoxはインタラクティブなデータ可視化ツールで、ユーザーは、各次元でデータの範囲を表した2次元のグリッドとして表示されるデータを見ることができます。データ・アイテムを表すカスタマイズ可能なノードは、2つの次元の交差によって形成されるセル内に表示されます。
nBoxコンポーネントは、データを表すノード、およびそのノードが配置されるセルが含まれるグリッドの2つの部分から構成されます。ノードの数がセルに割り当てられた領域よりも大きい場合、NBoxでは、ユーザーがクリックして追加のノードにアクセスできるインジケータが表示されます。
たとえば、図23-7に示すように、従業員のポテンシャルとパフォーマンスのデータの比較にnBoxコンポーネントを使用できます(行は従業員のポテンシャルを表し、列は従業員のパフォーマンスを表しています)。従業員を表すノードは、適切なセル内にスタンプされています。
アプリケーションでNBoxを使用する方法などの詳細は、第26章「NBoxコンポーネントの使用」を参照してください。
ピボット・テーブルでは、行または列での複数層のデータ・ラベルをサポートするグリッドを作成します。オプションのピボット・フィルタ・バーをピボット・テーブルと関連付けて、行エッジや列エッジに表示しないデータをフィルタ処理できます。行セットなどの適切なデータ・コントロールにバインドされている場合、このコンポーネントでは、グリッド・データの小計と合計を生成するオプションや、実行時のドリル操作もサポートされます。JDeveloperでは、「ピボット・テーブルの作成」ウィザードでピボット・テーブルのデータ・バインドおよび構成のための宣言サポートが提供されます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のデータバインドされたピボット・テーブルの作成に関する項を参照してください。
ピボット・テーブルでは、あるエッジ(行または列)またはピボット・フィルタ・バー(ページ・エッジ)から別のエッジにデータ・ラベルを切り替え、データの表示を変えることができます。たとえば、ピボット・テーブルで最初は、地域内の製品の合計売上げデータを行エッジに表示し、列エッジで年ごとに分類しているとします。実行時に地域と年を切り替えると、数年間の製品の合計売上げデータが、地域ごとに分類されて表示されます。
ピボット・テーブルでは、横方向と縦方向のスクロール、ヘッダーとセルの書式設定およびドラッグ・アンド・ドロップ・ピボットがサポートされています。ピボット・テーブルでは、実行時の行の昇順および降順のグループ・ソートもサポートされます。図23-8に、ピボット・フィルタ・バーのあるピボット・テーブルの例を示します。
アプリケーションでピボット・テーブルを使用する方法などの詳細は、第27章「ADFピボット・テーブル・コンポーネントの使用」を参照してください。
地理マップでは、ADFフレームワークにOracle Spatialの機能が提供されます。このコンポーネントでは、ビジネス・データをマップ上に表し、1つのマップ上に複数層の情報を重ね合せることができます。このコンポーネントでは、色テーマ、グラフ・テーマ(棒または円グラフ)および点テーマの同時表示がサポートされます。各タイプのテーマはいくつでも作成でき、マップ・ツールバーを使用して、実行時にテーマを選択できます。
地理マップの例として、各州での製品の人気を色の濃さで示す色テーマ、倉庫の在庫レベルを示す円グラフ・テーマおよび各倉庫の正確な位置を示す点テーマを使用した、アメリカの基準となるマップを考えてみます。この3つの全テーマをアメリカ合衆国の地図に重ね合せると、特定の地域で商品の人気度に応じた十分な在庫があるかどうかを簡単に評価できます。図23-9に、色テーマ、円グラフ・テーマおよび点テーマを使用した地理マップを示します。
アプリケーションで地理マップを使用する方法などの詳細は、第30章「マップ・コンポーネントの使用方法」を参照してください。
テーマ・マップでは、ビジネス・データをスタイル設定されたエリア内にパターンまたは関連付けられたマーカーとして表し、リモートのOracle MapViewerサービスへの接続は必要ありません。テーマ・マップでは、地理マップでの地理的な詳細なしで、データに焦点を合せます。
テーマ・マップは、米国、世界をはじめ、世界の大陸や地域(EMEAやAPACなど)などのあらかじめ作成されたベース・マップとともにパッケージ化されています。それぞれのベース・マップには、いくつかのリージョンのセットと、都市の固定セットが1つ含まれます。リージョンまたは都市の1つのセットはレイヤーと呼ばれます。各レイヤーは、データ・コレクションにバインドし、データを色やパターンの塗りつぶし、またはデータ・マーカー、あるいはその両方で表すためにスタイルを設定できます。実行時には、テーマ・マップでドリルが有効になっていないかぎり、一度に表示できるのは1つのマップ・レイヤーとその関連するデータのみです。
図23-10に、USAベース・マップを使用したテーマ・マップを示します。このSummit ADF DVTサンプル・アプリケーションのマップでは、州マップ・レイヤーを使用して、顧客の場所と倉庫の場所を表示し、倉庫のある州については製品インベントリ・レベルを表示しています。この例は、「データ・コントロール」パネルおよびテーマ・マップのバインディング・ダイアログを使用したときの、テーマ・マップのデフォルト機能を示しています。このデフォルト機能には、データにバインドされた凡例と、スタイル設定された点およびエリアに関連付けられるラベルなどがあります。
アプリケーションでテーマ・マップを使用する方法などの詳細は、第30章「マップ・コンポーネントの使用方法」を参照してください。
ガント・チャートは(横軸を時間とする)横棒グラフの一種で、リソースまたはタスクが、開始と終了が明確なタイム・フレームに示され、プロジェクトの計画や進捗管理に使用されます。
ガント・チャートは、2つのADFのツリー表とスプリッタの組合せで構成されます。左側の表にはタスクまたはリソースのリストが含まれ、右側の表は1つの列で構成され、特定期間の進捗がグラフ表示されます。
3種類のガント・コンポーネントがあります。
プロジェクト・ガント: タスクを縦に示し、横向きの予定表に各タスクの期間を棒で示すガント・チャートを作成します。
リソース使用率ガント:リソースが割当てを上回っているか下回っているかをグラフィカルに示すガント・チャートを作成します。リソースを縦に示し、横方向の時間軸にその割当てとキャパシティ(オプション)を示します。
スケジュール・ガント:リソース管理を示し、手動のスケジュール表をベースにしたガント・チャートを作成します。リソースを縦方向に、対応するアクティビティを横方向の時間軸に表示します。
図23-11 に、スタッフ・リソースとスケジュールを表示したプロジェクト・ガントを示します。
アプリケーションでガント・チャートを使用する方法などの詳細は、第28章「ガント・チャート・コンポーネントの使用方法」を参照してください。
対話型のデータ視覚化ツールである時系列コンポーネントを使用すると、ユーザーはイベントを時間順に表示して、定義された時間範囲内で時間を進めたり戻したりできます。各イベントは時系列アイテムとして表され、単純なADFコンポーネントを使用してテキストやイメージなどの情報を表示したり、リンクなどのアクションを提供したりします。2つの時系列を構成して2系列のイベントを表示し、関連する情報を並べて比較することもできます。
時系列は、時間軸に沿った時系列アイテムとしてのイベントの表示、時系列に表示可能な期間に対応する移動可能な概要ウィンドウ、および時系列の時間増分全体を示した概要時間軸で構成されます。表示可能な時間範囲は、水平方向のズーム制御を使用して変更できます。イベントに対応する各時系列アイテムは、関連する情報やアクションを表示し、時間軸内のイベント日付に結び付けられます。時系列アイテムは、概要パネルにマーカーで表されます。時系列コンポーネントでは、イベントの系列が2つまでサポートされます。
図23-12に、従業員の雇用日を時間順に表示した時系列を示します。この例では、各イベントを表す時系列アイテムに、イメージとラベル付きテキストを使用して従業員に関する情報を表示しています。選択が構成されている場合は、時系列アイテム、引出線、および概要パネルのイベント・マーカーが強調表示されます。
アプリケーションでタイムラインを使用する方法などの詳細は、第29章「時系列コンポーネントの使用」を参照してください。
階層ビューアは、階層データが図中のリンクされたノードのセットとして表示されるコンポーネントです。ノードおよびリンクは、データの要素および関係に対応します。このコンポーネントでは、パンおよびズーム操作、ノードの展開および縮小、ノード内での簡単なADF Facesコンポーネントのレンダリング、そして階層ビューア・データの検索がサポートされています。階層ビューアの一般的な用途は、図23-13に示すような組織図を表示することです。
JDeveloperのコンポーネント・ギャラリには使用可能な階層ビューアのタイプおよび説明が表示され、コンポーネントの設計およびクイック・レイアウトの定義が視覚的にサポートされます。図23-14に、階層ビューアのコンポーネント・ギャラリを示します。
アプリケーションで階層ビューアを使用する方法などの詳細は、第31章「階層ビューア・コンポーネントの使用方法」を参照してください。
treemapおよびsunburstコンポーネントは、数量的な階層データを、サイズと色で視覚的に表された2つのディメンションで表示します。たとえば、ツリーマップまたはサンバーストを使用して地域の四半期ごとの売上げを表示し、売上げ傾向を特定する場合は、ノードのサイズで各地域の売上げ高を示し、ノードの色でその地域の売上げが四半期で増えたか減ったかを示すことができます。
ツリーマップおよびサンバーストでは、nodeと呼ばれる形を使用して、階層内のデータを表します。ツリーマップはノードをネストした矩形のセットとして表示します。ツリーのブランチごとに1つの矩形が割り当てられ、そこにサブブランチを表すより小さな矩形が並べられます。
図23-15に、米国の人口調査データを地域ごとにグループ化して表示し、色の属性で平均所得水準を表したツリーマップを示します。人口の多い州は人口の少ない州より大きなノードで表示されます。
サンバーストは、ノードを矩形レイアウトではなく、放射状に表示し、階層のトップを中心に、深いレベルになると中心から離れて表示します。図23-16に、サンバーストで表示した同じ国勢調査データを示します。
ツリーマップとサンバーストでは、何千ものデータ・ポイントを比較的小さな空間領域に表示できます。各ノードの相対サイズが全体に対する重要度を表しているため、これらのコンポーネントは大規模な階層データ・セットで傾向を特定する場合に適しています。情報の追加ディメンションを表すために、色も使用できます。
階層の1つのレイヤーでサイズと色を使用してデータの2つのメトリックを表示することが主な目的の場合は、ツリーマップを使用します。階層のすべてのレベルでのメトリックを表示する場合、かわりにサンバーストを使用します。エンド・ユーザーが階層を横断してデータの重要な部分を重点的に表示できるように、ドリルを有効にできます。
ツリーマップとサンバーストの情報、およびアプリケーションでのこれらの使用方法の詳細は、第32章「ツリーマップおよびサンバースト・コンポーネントの使用」を参照してください。
ダイアグラムを使用し、データを表すノードと呼ばれる図形、およびノード間の関連を表すリンクを使用して情報をモデル化し、表現し、視覚化します。ダイアグラムは、柔軟で高度に構成可能なコンポーネントで、シンプルな図形やラベル付きのイメージを使用して幅広いデータ・アイテムを表示でき、また、ズーム・レベルやデータ・セット内の一意のグループに対する色などのスタイルに関する属性値を使用してより複雑なデータを表示できます。
ダイアグラムのリンクおよびノードのレイアウトは、フレームワークを介して、複数のカスタムJavaScriptファイルを使用して構成されます。フレームワークでは、SVGおよびJava2Dを含め、複数のプラットフォームでのレンダリングがサポートされます。
たとえば、ダイアグラムでは、データベース・スキーマを表、ビューおよびストアド・プロシージャなどの論理的なグループ・オブジェクトにモデル化したり、各従業員の複合的な情報セットとともに異なるズーム・レベルで従業員ツリーを表現したり、またはサンバースト・レイアウトを使用して米国の州間の人口移動の総数を視覚化したりできます。
ダイアグラムでは、ノードに図形が使用され、ノード間の関連を表すリンクに線が使用されます。図23-17に、円およびそれらの関連を表す直線からなる、円形のレイアウト・パターンで構成されたシンプルなダイアグラムを示します。この例には、ダイアグラムのズームのためのデフォルトのコントロール・パネルが含まれています。
ダイアグラムの情報、およびアプリケーションでのこれらの使用方法の詳細は、第33章「ダイアグラム・コンポーネントの使用」を参照してください。
データ視覚化コンポーネントでは、データの配信方法、自動部分ページ・レンダリング(PPR)、コンポーネントを表示するために使用されるイメージ・フォーマット、そしてデータの表示および編集方法など、同じ機能の大部分が共有されています。これらのコンポーネントを使用する前に、この共有機能と、その構成方法を理解することが重要です。
グラフ、ゲージ、ダイアグラム、ガント・チャート、階層ビューア、ピボット・テーブル、サンバースト、テーマ・マップ、時系列およびツリーマップを含むデータ視覚化コンポーネントは、データ・ソースからのデータ配信方法について構成できます。データは、レンダリング直後、データが使用可能になり次第、またはコンポーネントのシェルがレンダリングされた後の遅延フェッチのいずれかで、コンポーネントに配信できます。デフォルトでは、地理マップを除くすべてのデータ視覚化コンポーネントで、コンテンツが使用可能なときにデータ・ソースから配信されるようになっています。これらのコンポーネントのcontentDelivery属性は、デフォルトでwhenAvailableに設定されています。
ガント・チャート、階層ビューア、ピボット・テーブル、サンバースト、時系列およびツリーマップなど、ツリーまたはツリー表モデルに基づくデータ視覚化コンポーネントは仮想化されています。つまり、サーバーでコンポーネント用に存在する一部の行、列またはレベルのみが、クライアントに配信され、表示されます。これらのコンポーネントを構成して、一定の数の行、列またはレベルを一度にデータ・ソースからフェッチします。次の属性を使用して、フェッチ・サイズを構成します。
ガント・チャート:
fetchSize: データ・フェッチ・ブロックの行数を指定します。デフォルト値は25です。
horizontalFetchSize: データがフェッチされる水平データ・ウィンドウのサイズをピクセル数で指定します。このデータ・ウィンドウ内のタスク・バーのみがレンダリングされます。垂直方向への仮想化を実現するfetchSizeとは対照的に、horizontalFetchSizeは水平方向への仮想化を実現します。
階層ビューア:
levelFetchSize: 展開された親ノードごとに、一度にフェッチされて表示される子ノードの数を指定します。階層ビューアに表示される横方向のナビゲーション・コントロールを使用すれば、追加の子ノードをフェッチし、表示できます。デフォルト値は25です。
ピボット・テーブル:
rowFetchSize: 1データ・フェッチ・ブロック内の行数を指定します。デフォルト値は25です。
columnFetchSize: 1データ・フェッチ・ブロック内の列数を指定します。デフォルト値は10です。
サンバースト:
displayLevelsChildren: 初期レンダリング中に表示する子レベルの数を指定します。このプロパティは0ベースです。値0は、ルートの下の子レベルが表示されず、ルート自体は表示されることを意味します。デフォルト値は2で、ルートおよび子の最初の2つのレベルが表示されることを意味します。
時系列:
fetchStartTime: データを現時点でフェッチする時間範囲の開始を指定します。
fetchEndTime: データを現時点でフェッチする時間範囲の終了を指定します。
ツリーマップ:
displayLevelsChildren: 初期レンダリング中に表示する子レベルの数を指定します。このプロパティは0ベースです。値0は、ルートの下の子レベルが表示されず、ルート自体は表示されることを意味します。デフォルト値は2で、ルートおよび子の最初の2つのレベルが表示されることを意味します。
遅延配信の場合、ページにこれらのコンポーネントが1つ以上含まれると、そのページでは最初は標準のライフサイクルが実行されます。ただし、最初のリクエスト時にデータがフェッチされるのではなく、特別な個別の部分ページ・レンダリング(PPR)リクエストが実行され、コンポーネントのフェッチ・サイズの値が返されますページのレンダリング直後であるため、レンダー・レスポンス・フェーズのみがコンポーネントに対して実行され、対応するデータのフェッチおよび表示が可能になります。ユーザーのアクションにより後続のデータ・フェッチが実行される場合(別の行セットのためにピボット・テーブル・グリッド内をスクロールするなど)、別のPPRリクエストが実行されます。
コンテンツが使用可能なときに配信されるようにコンテンツ配信を構成すると、フレームワークでは最初のリクエストの間にデータの可用性をチェックし、使用可能であれば、そのデータがコンポーネントに送信されます。使用可能でない場合、データは遅延配信と同じように、別のPPRリクエスト時にロードされます。
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パフォーマンスのヒント: 遅延配信は、データ・フェッチがコストの高い(低速な)操作と予想される場合、たとえば低速で待機時間の長いデータベース接続や、Webサービスなどの低速なデータ・ソースからのデータのフェッチなどに使用する必要があります。ページにデータ視覚化コンポーネント以外のコンポーネントが多数含まれている場合にも、遅延配信を使用します。遅延配信を使用すると、データが使用可能になる前に、初期ページのレイアウト・コンポーネントおよびその他のコンポーネントが最初にレンダリングされます。ページではデータ視覚化コンポーネントが唯一のコンテキストである場合、あるいはコンポーネントから大量のデータが返される見込みがない場合は、即時配信を使用します。この場合、ユーザー・レスポンス時間がより高速で、サーバーCPU利用率がより高ければ、2番目のリクエストはサーバーに移動しないため、レスポンス時間は遅延配信を使用する場合よりも高速になります(または、場合によっては高速に感じます)。ツリーまたはツリー表モデルに基づくコンポーネントの場合、フェッチ・ブロックとして構成された値のみが最初に返されます。遅延配信と同様に、ユーザーのアクションが後続のデータ・フェッチの原因となる場合は、次の行セットが配信されます。 whenAvailable配信では、最初のレンダリング中にデータが使用可能な場合は即時配信を使用し、データが最初に使用可能でない場合には遅延配信に頼るという柔軟性が高まります。 |
ツリーまたはツリー表に基づくコンポーネントのフェッチ・サイズの設定の詳細は、10.1.1項「コンテンツ配信」を参照してください。
ADF Facesでは部分ページ・レンダリング(PPR)がサポートされており、ページ上で特定のコンポーネントをレンダリングでき、ページ全体をレンダリングする必要がありません。組込みのPPR機能に加えて、1つのコンポーネントがトリガーとして機能し、別のコンポーネントがリスナーとして機能するように依存関係を設定できるクロスコンポーネント・レンダリングを使用するように、コンポーネントを構成できます。詳細は、7.1項「部分ページ・レンダリングの概要」を参照してください。
デフォルトでは、ADFデータ視覚化コンポーネントで自動PPRがサポートされ、バックエンド・ビジネス・ロジックの結果として値が変更されるコンポーネントが自動的に再レンダリングされます。アプリケーションでFusionテクノロジ・スタックを使用する場合、任意のページで自動部分ページ・レンダリング機能を有効にできます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』の自動部分ページ・レンダリングに関する必知事項に関する項を参照してください。
Fusionテクノロジ・スタックには、アクティブ・データ・サービス(ADS)が含まれ、これはサーバー側のプッシュ・フレームワークで、これによりADF FacesコンポーネントおよびADFデータ視覚化コンポーネントのリアルタイムのデータ更新を提供できます。ADF Facesコンポーネントをデータ・ソースにバインドすると、ADSでは、ブラウザ・クライアントに明示的な更新リクエストを要求することなく、ブラウザ・クライアントにデータ更新をプッシュします。
表23-1に、アクティブ・データをサポートするDVTコンポーネントおよび追加詳細がある場所をリストします。
表23-1 アクティブ・データをサポートするDVTコンポーネント
| DVTコンポーネント | コンポーネントの詳細へのリンク |
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地理マップ |
30.2.4項「マップ点テーマのアクティブ・データ・サポートに関する必知事項」 |
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ピボット・テーブルおよびピボット・フィルタ・バー |
また、アクティブなデータを表示するために |
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サンバースト |
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ツリーマップ |
32.1.2.16項「アクティブ・データ・サポート(ADS)」 |
アクティブ・データ・サービスの使用の詳細は、第37章「非同期バックエンドでのアクティブ・データ・サービスの使用方法」を参照してください。
JDeveloperは、抽象クラスjava.util.ResourceBundleを使用してロケール固有のリソースを提供し、ADF Facesおよびデータ視覚化コンポーネントをローカライズしやすいようにサポートします。
データ視覚化コンポーネントには、コンポーネントの一部であるテキストが含まれている場合があり、たとえばaf:tableコンポーネントでは、データの初期ロード中にaf:tableコンポーネントがデータをフェッチしている間、あるいはユーザーが表をスクロールしている間に、リソース文字列af_table.LABEL_FETCHINGが、ブラウザで表示されるメッセージ・テキストに使用されます。JDeveloperでは、これらのテキスト・リソースを28言語に自動的に変換します。これらのテキスト・リソースは、リソース・バンドルで参照されます。イタリア語を使用するようにブラウザを設定した場合、コンポーネント内に含まれるテキストはすべて自動的にイタリア語で表示されます。
text属性を子のgraphTitleコンポーネントで設定して、pieGraphコンポーネントのタイトルを定義する場合など、コンポーネントに追加するテキストには、実際のテキストが含まれているリソース・バンドルを指定して、各ロケール版のリソース・バンドルを作成し、<locale-config>要素を追加して、アプリケーションのfaces-config.xmlファイルにデフォルトおよびサポートされるロケールを定義する必要があります。また、アプリケーションのすべてのページでリソース・バンドルを使用できるようにするには、アプリケーションのfaces-config.xmlファイルに<resource-bundle>要素を追加する必要があります。リソース・バンドルを構成および登録すると、式言語(EL)エディタによりバンドルのキーが表示され、アプリケーション・ページでのバンドルの参照が簡単になります。
ADFコンポーネントに追加するテキストのテキスト・リソースを作成するプロセスを簡略化するために、JDeveloperでは、ビジュアル・エディタの変換可能な文字列に関する、リソース・バンドルの自動同期がサポートされています。ビジュアル・エディタまたはプロパティ・インスペクタで直接コンポーネントを編集すると、ベース・リソース・バンドルにテキスト・リソースが自動的に作成されます。詳細は、21.2項「JDeveloperにおける自動リソース・バンドル統合の使用方法」を参照してください。
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注意: データベースから取得されたテキストは変換されません。 |
タイトルおよびラベルの子コンポーネントのあるデータ視覚化コンポーネントの場合、属性ドロップダウン・リストを使用して「テキスト・リソースの選択」ダイアログを開き、アプリケーション・リソース・バンドルから変換可能な文字列を選択または追加することにより、テキスト・リソースを作成し、リソース・バンドルに追加することもできます。または、「式ビルダー」を選択して、式言語(EL)エディタを開き、実行時にタイトルまたはラベルのために実行される式を作成することができます。
JDeveloperでは、UI優先開発を使用して任意のデータ視覚化コンポーネントをJSFページに追加し、後からADFデータ・コントロールまたはマネージドBeanを使用して、表示するデータを手動でバインドできます。この場合、コンポーネントをコンポーネント・パレットからページにドラッグし、プロパティ・インスペクタでデータを手動でバインドします。
たとえば、簡単なUI-first開発を使用してページを設計しているときには、コンポーネント・パレットを使用して棒グラフをJSFページに追加します。ページにチャート・コンポーネントをドラッグ・アンド・ドロップすると、「チャートの作成」ダイアログに使用可能なグラフ・タイプのカテゴリが説明とともに表示され、グラフの作成を視覚的に支援します。グラフの凡例のクイック・スタート・レイアウトも指定できます。図23-18に、デフォルトの棒グラフ・タイプおよびクイック・スタート・レイアウトが選択された棒グラフのための棒グラフの作成ダイアログを示します。
UI優先開発を使用したデータ視覚化コンポーネントの作成、コンポーネント・データ要件の理解、DVT親コンポーネントおよび子コンポーネントの構成、コンポーネントの外観のカスタマイズ、およびコンポーネントへの特殊効果と双方向性の追加の詳細は、このマニュアルのこの部の次の章を参照してください。
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注意: ファンネル、パレート、レーダー・グラフおよび株価チャートは、サーバー側のレガシー・コンポーネントです。クライアント側のチャート・コンポーネントにはこれらのグラフの使用は、推奨されません。レガシー・グラフの使用の詳細は、付録H「グラフ・コンポーネントの使用方法」を参照してください。 |
または、データ優先開発を使用すれば、データ・バインディングを処理するADFデータ・コントロールを使用してコンポーネントを作成できます。この場合、「データ・コントロール」パネルからデータ・コレクションをドラッグし、データ・バインディング・ダイアログに入力してデータの表示を構成します。
たとえば、データ・コントロール・パネルからデータ・コントロールをドラッグすることで、DVTチャートを作成してデータバインドします。コンポーネント・ギャラリには使用可能なグラフのカテゴリ、タイプおよび説明が表示され、グラフの設計およびクイック・レイアウトの定義が視覚的にサポートされます。図23-19に、データ・コントロールからのグラフの作成で表示されるコンポーネント・ギャラリを示します。
作成するグラフのカテゴリおよびタイプを選択後、データ・バインディング・ダイアログを表示し、データ・コレクション属性をチャート・コンポーネントにバインドします。図23-20に、棒グラフを作成してデータバインドするために使用された棒グラフの作成ダイアログを示します。
すべてのデータ視覚化コンポーネントは、ADFデータ・コントロールのデータ・コレクションにバインドできます。データ・コントロールへのこれらのコンポーネントのデータ・バインドの詳細および例は、次の参照先を参照してください。
『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のデータバインドされたグラフの作成に関する項
『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のデータバインドされたグラフの作成に関する項
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注意: ファンネル、パレート、レーダー・グラフおよび株価チャートは、サーバー側のレガシー・コンポーネントです。クライアント側のグラフにはこれらの使用は、推奨されません。 |
『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のデータバインドされたゲージの作成に関する項
『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のデータバインドされたNBoxの作成に関する項
『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のデータバインドされたピボット・テーブルの作成に関する項
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注意: JDeveloperでは、「ピボット・テーブルの作成」ウィザードでピボット・テーブルのデータ・バインドおよび構成のための宣言サポートが提供されます。 |
『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のデータバインドされた地理マップの作成に関する項
『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のデータバインドされたテーマ・マップの作成に関する項
『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のデータバインドされたガント・チャートの作成に関する項
『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のデータバインドされたタイムラインの作成に関する項
『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のデータバインドされた階層ビューアの作成に関する項
『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のデータバインドされたツリーマップとサンバーストの作成に関する項
『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のデータバインドされたダイアグラムの作成に関する項