この章では、計算ノード内にローカル・マウントされたNFS共有におけるOracle Traffic Directorのインストールについて説明します。
エンジニアド・システムにOracle Traffic Directorをインストールする場合は、第2章「エンジニアド・システムにOracle Traffic Directorをインストールするための要件」で説明されている手順を最初に実行します。
注意: Oracle Traffic Directorは、Solarisゾーン/コンテナ内に構成でき、Solaris 11.2以上でIP over InfiniBand (IPoIB)に高可用性を提供します。 |
この章の構成は、次のとおりです。
この項では、Oracle Traffic Directorを物理アプリケーションとしてインストールする手順を説明します。
注意: Oracle Traffic Directorをインストールする前に、第1.2項「Oracle Traffic Directorのインストールの前提条件」に示された前提条件が満たされていることを確認します。 |
Oracle Traffic Directorのインストールは、グラフィカル・ウィザードを使用するか、サイレント・モードで行うことができます。
この項では、Oracle Universal Installerによる対話的なグラフィカル・ウィザードを使用して、Oracle Traffic Directorをインストールする手順を説明します。高可用性を得るためにOracle Traffic Directorを構成するには、2つのマウント・ポイントで次の手順を実行する必要があります。
インストーラのZIPファイル(TrafficDirector.zip
)をダウンロードします。
インストーラのZIPファイルをダウンロードする場所は、製品の使用目的によって異なります。
開発の場合: Oracle Technology Network
http://www.oracle.com/technetwork/indexes/downloads/index.html
本稼働の場合: Oracle Software Delivery Cloud
インストーラのZIPファイルの内容を、選択したディレクトリに解凍します。このディレクトリは、製品の管理サーバー・インスタンスをインストールする対象のホスト上にしてください。
インストーラを解凍したディレクトリ内のDisk1
サブディレクトに移動します。
次のコマンドを実行します。
$./runInstaller
中央インベントリ・ディレクトリがホストでまだ使用可能でない場合、「インベントリ・ディレクトリの指定」画面が表示されます。
製品がOracle Universal Installerを使用してインストールされた場合、インベントリ・ディレクトリは、ホスト上のすべてのOracleホームにインストールされているすべてのOracleソフトウェア製品に関する情報の格納に使用されます。このディレクトリにはすべてのインストールのログ・ファイルも含まれます。
インベントリのデフォルトの場所は、USER_HOME
/oraInventory
です。他のシステムと共有されていないローカル・ファイルシステム上のディレクトリを使用することをお薦めします。
Oracleインベントリ・ディレクトリと、インベントリ・ディレクトリへのアクセス権限を付与するグループを指定します。グループには、Oracleインベントリ・ディレクトリへの書込み権限を指定する必要があります。このグループのすべてのメンバーが、このホストに製品をインストールできます。
「OK」をクリックして続行します。
root
ユーザーとして次のスクリプトを実行するよう求める、インベントリの場所の確認画面が表示されます。
inventory_directory/createCentralInventory.sh
注意: createCentralInventory.sh スクリプトを実行すると、次にこのホスト上にOracleソフトウェアをインストールする際、Oracle Universal Installerによってインベントリが自動的に特定されて更新されるため、インベントリ・ディレクトリの指定が不要になります。 |
このホストでroot
アクセス権がない場合に、(中央ではなく)ローカルのインベントリの場所でインストールを続行するには、ローカル・インベントリでインストールを続行を選択します。
「OK」をクリックして続行します。
Oracle Traffic Directorインストール・ウィザードが起動します。
インストール・ウィザードの画面に示される、画面上の指示および手順に従います。表3-1に、各画面の概要と必要なアクションを示します。
個々の画面の詳細は、画面で「ヘルプ」ボタンをクリックしてください。
表3-1 インストール・ウィザードの画面
画面 | 説明および必要なアクション |
---|---|
ようこそ |
「次へ」をクリックします。 |
ソフトウェア更新のインストール |
この画面では、My Oracle Supportアカウントを使用して、重要なセキュリティ更新を含む最新のソフトウェア更新を検索してダウンロードすることができます。
|
前提条件チェック |
前提条件が満たされているか確認するために、ホスト・コンピュータがインストーラによって分析されます。前提条件チェックの結果が画面に表示されます。 前提条件チェックが失敗した場合は、エラーまたは警告メッセージが表示されます。
「次へ」をクリックして続行します。 |
インストール場所の指定 |
Oracleホーム・ディレクトリを指定します。 Oracleホームは、Oracle製品のソフトウェア・バイナリが格納されているディレクトリです。この場所は、計算ノード内にローカル・マウントされたNFS共有です。ランタイム・プロセスからこのディレクトリに書き込むことはできないので注意してください。 注意: Oracle Traffic Directorには、他のOracle製品への実行時依存性はありません。したがって製品のインストール先は、どのディレクトリでも現在空であれば可能です。 「次へ」をクリックして続行します。 |
インストール・サマリー |
この画面には、前に指定したOracleホーム・ディレクトリが表示されます。また、インストールに使用されるディスク領域と使用可能な空き領域も示されます。 この画面の情報を確認します。 Oracleホーム・ディレクトリを変更するには、「戻る」ボタン、または左側のナビゲーション・ペインで「インストール場所」リンクをクリックします。 インストール・ウィザードでこれまで指定した設定をテキスト・ファイル(レスポンス・ファイル)に保存するには、「保存」をクリックします。必要な場合は、このレスポンス・ファイルを使用して、同じインストールをコマンドラインから実行できます。 「インストール」をクリックして、インストール・プロセスを続行します。 |
インストールの進行状況 |
この画面には、インストール・プロセスの進捗状況とステータスが表示されます。 インストールを取り消す場合は、「取消」をクリックします。インストールを取り消す前にシステムにコピーされたファイルは、システムにそのまま残ります。これらは手作業で削除する必要があります。 「次へ」をクリックして続行します。 |
インストール完了 |
「終了」をクリックします。 |
この項では、インストール・オプションをコマンドラインで指定することで、非対話的なモードでOracle Traffic Directorをインストールする手順を説明します。Exalogicでは、高可用性を得られるようOracle Traffic Directorを構成するには、2つのマウント・ポイントで次の手順を実行する必要があります。
注意: Oracle Traffic Directorをインストールするホストで、中央インベントリ・ディレクトリがまだ使用可能でない場合は、サイレント・インストールを始める前にoraInst.loc ファイルを作成する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』のUNIXユーザーのoraInst.locファイルの作成に関する項を参照してください。 |
インストーラのZIPファイル(TrafficDirector.zip
)をダウンロードします。
インストーラのZIPファイルをダウンロードする場所は、製品の使用目的によって異なります。
開発の場合: Oracle Technology Network
http://www.oracle.com/technetwork/indexes/downloads/index.html
本稼働の場合: Oracle Software Delivery Cloud
インストーラのZIPファイルの内容を、選択したディレクトリに解凍します。このディレクトリは、製品の管理サーバー・インスタンスをインストールする対象のホスト上にしてください。
インストーラを解凍したディレクトリ内のDisk1
サブディレクトに移動します。
次のコマンドを実行します。
$./runInstaller -silent -waitforcompletion -invPtrLoc path_to_oraInst.loc_file ORACLE_HOME=oracle_home SKIP_SOFTWARE_UPDATES=true
ORACLE_HOME
に指定するパスは、計算ノード内にローカル・マウントされたNFS共有である必要があります。
注意: Oracle Traffic Directorでサイレント・インストールを実行する間は、ignoreSysPrereqs オプションを使用するとインストールが失敗するため、使用しないでください。 |
runInstaller
コマンドのオプションの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』のOracle Fusion Middlewareのサイレント・インストールおよびアンインストールに関する項を参照してください。
Oracle Traffic Directorのインストール中にエラーが発生した場合は、次の作業を実行します。
コンピュータが第1.2項「Oracle Traffic Directorをインストールするための前提条件」で指定されている要件を満たしていることを確認します。
インストール・ウィザードの使用中に、いずれかのインストール画面で誤った情報を入力した場合は、「戻る」をクリックしてその画面まで戻り、正しい情報を入力してインストールを続行します。
インストーラによるファイルのコピーまたはリンク中にエラーが発生した場合は、次の手順を実行してください。
エラーをメモしてインストール・ログ・ファイルを確認します。詳細は、第5.1.1項「インストール・ログの確認」を参照してください。
次のコマンドを実行して、失敗したインストールを削除します。
$ORACLE_HOME/oui/bin/runInstaller -d
エラーの原因となった問題を修正します。
インストール処理を再開します。