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Oracle® Traffic Directorインストレーション・ガイド
11g リリース1 (11.1.1.9.0)
B66147-05
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1 Oracle Traffic Directorのインストールの概要

Oracle Traffic Directorは、バックエンドのサーバーに対するHTTP/SおよびTCPトラフィックのロード・バランシングを行うためのソフトウェア・ロード・バランサです。これらのバックエンド・サーバーは、Oracle Traffic Director内でオリジン・サーバーと見なされており、アプリケーション・サーバー、Webサーバー、LDAPサーバーなどがあります。製品の機能の詳細は、『Oracle Traffic Director管理者ガイド』のOracle Traffic Directorのスタート・ガイドを参照してください。

このガイドでは、Oracle Traffic Directorのインストールについて説明します。


注意:

Oracle Traffic Directorのインストールを開始する前に、この製品およびその機能、関連用語、インストール・トポロジなどについて基本的に理解しておくことをお薦めします。詳細は、『Oracle Traffic Director管理者ガイド』のOracle Traffic Directorのスタート・ガイドを参照してください。

この章では次の項について説明します。

1.1 インストール、アンインストールおよび再インストールのタスク・フロー

表1-1では、Exalogicの物理構成と仮想構成またはOracle SuperClusterにインストールしている場合に実行されるタスクなど、Oracle Traffic Directorをインストールするために実行する必要がある作業について説明します。さらに、Oracle Traffic Directorのアンインストールと再インストールについても説明します。

表1-1 インストール、アンインストールおよび再インストールのタスク・フロー

タスク 詳細の参照先...

Oracle Traffic Directorのインストールの前提条件

第1.2項


Oracle Traffic Directorのインストール

第3.1項


管理サーバーの作成

第4.1項


管理ノードの作成

第4.2項


インストールの確認

第5.1項


Oracle Traffic Directorのアンインストール

第5.2項


Oracle Traffic Directorの再インストール

第5.3項



Oracle Traffic Directorを11.1.1.6.0または11.1.1.7.0から11.1.1.9.0にアップグレードする方法は、第6章「Oracle Traffic Directorのアップグレード」を参照してください。

1.2 Oracle Traffic Directorのインストールの前提条件

この項の内容は次のとおりです。

1.2.1 ExalogicにおけるOracle Traffic Directorのインストールの前提条件

次に、ExalogicにOracle Traffic Directorをインストールする場合の前提条件を示します。

  • 第2章「エンジニアド・システムにOracle Traffic Directorをインストールするための要件」「Oracle Traffic DirectorをインストールするためのExalogicにおける共有ストレージの構成」の手順を実行します。

  • 基礎となるInfiniBandファブリックがInfiniBandパーティション・テクノロジを活用している環境では、Oracle Traffic Directorはパーティションの一部でありフル・メンバーシップを持つことが必要となります。IBパーティションのフル・メンバーは、パーティションの他のメンバーと通信できます。フル・メンバーシップにより、Oracle Traffic Director管理サーバーおよびすべての管理ノードが問題なく相互に通信できることが保証されます。さらに、Oracle Traffic Directorインスタンスにはアプリケーション層ノードとの双方向通信が必要です。そのため、Oracle Traffic Directorを実行中の計算ノードおよびアプリケーション層の計算ノードは、すべてIBパーティションのフル・メンバーである必要があります。InfiniBandパーティションの活用の詳細は、『Oracle Exalogic Elastic Cloudマシン・オーナーズ・ガイド』のExalogic物理環境でのInfiniBandパーティションの使用に関する項を参照してください。

  • サポートされるプラットフォーム: Exalogic物理構成および仮想構成。

  • 最小メモリー: 2GB RAM (管理サーバーをホストするvServer)。


    注意:

    • Oracle Traffic Directorサーバー・インスタンスをホストするvServerを2GB RAMで構成することもできます。ただし、管理サーバー・インスタンスにおけるメモリーおよびvCPUの要件は、構成および負荷の要件によって変わる場合があります。

    • Oracle Traffic Directorにコンテンツのキャッシュが構成されている場合、静的コンテンツのキャッシュ用に割り当てられたメモリー量に基づいて仮想メモリーのサイズを増やす必要があります。コンテンツ・キャッシュの詳細は、『Oracle Traffic Director管理者ガイド』を参照してください。


  • 管理サーバー/ノード当たりのCPUの数: CPU 2台(Exalogic物理構成)、vCPU 2から4台(Exalogic仮想構成)。

  • Java Runtime Environment (JRE): JRE 7 (インストーラに含まれます)。

  • Oracle Traffic DirectorをOracle Linux 5にインストールする場合の必須パッケージを次に示します。

    • compat-glibc-2.3.4-x86_64以上

    • compat-libstdc++-33-3.2.3-x86_64以上

    • glibc-2.5-12-x86_64以上

    • libgcc-4.1.1-x86_64以上

    • libstdc++-4.1.1-x86_64以上

  • Exalogic内にホスト2台(物理計算ノードまたは仮想マシンのいずれか)。


    注意:

    Oracle Traffic Directorを2台のホストにインストールする必要があるのは、高可用性を得る場合のみです。高可用性を得る目的で構成する必要がない場合は、Oracle Traffic Directorを1台のホストにインストールできます。

  • 高可用性を得るためにOracle Traffic Directorを構成する場合、ネットワーク・インタフェース内の浮動/仮想IPアドレスが必要です。

1.2.2 Oracle SuperClusterにおけるOracle Traffic Directorのインストールの前提条件

次に、Oracle SuperClusterにOracle Traffic Directorをインストールする場合の前提条件を示します。

  • 第2章「エンジニアド・システムにOracle Traffic Directorをインストールするための要件」「Oracle Traffic DirectorをインストールするためのOracle SuperClusterにおけるゾーンの構成および作成」の手順を実行します。

  • サポートされるプラットフォーム: Oracle SuperClusterドメイン内のSolaris 11.1グローバル・ゾーン


    注意:

    Oracle Traffic Directorは非グローバル・ゾーンにデプロイできますが、高可用性の機能は備わりません。

  • 最小メモリー: 管理サーバーをホストするOracle VM Server for SPARC用2GB RAM


    注意:

    • Oracle Traffic Directorサーバー・インスタンスをホストするOracle VM Server for SPARCを2GB RAMで構成することもできます。ただし、管理サーバー・インスタンスにおけるメモリーおよびCPUの要件は、構成および負荷の要件によって変わる場合があります。

    • Oracle Traffic Directorにコンテンツのキャッシュが構成されている場合、静的コンテンツのキャッシュ用に割り当てられたメモリー量に基づいて仮想メモリーのサイズを増やす必要があります。コンテンツ・キャッシュの詳細は、『Oracle Traffic Director管理者ガイド』を参照してください。


  • Java Runtime Environment (JRE): JRE 7 (インストーラに含まれます)。

  • Oracle SuperCluster内でグローバル・ゾーンまたは非グローバル・ゾーンをホストするOracle VM Servers for SPARC


    注意:

    Oracle Traffic Directorを高可用性を得られるように構成する場合は、2つのグローバル・ゾーンにインストールする必要があります。また、すべての管理ノードがグローバル・ゾーンで実行されている必要があります。

    高可用性を得る目的で構成する必要がない場合は、Oracle Traffic Directorを1つのグローバル・ゾーンまたは非グローバル・ゾーンにインストールできます。Oracle Traffic Directorの高可用性を得るための構成の詳細は、『Oracle Traffic Director管理者ガイド』の高可用性を得るためのOracle Traffic Directorの構成に関する項を参照してください。


  • 高可用性を得るためにOracle Traffic Directorを構成する場合、ネットワーク・インタフェース内の浮動/仮想IPアドレスが必要です。

1.2.3 LinuxにおけるOracle Traffic Directorのインストールの前提条件

次に、適切な制限付き使用ライセンスでOracle LinuxにOracle Traffic Directorをインストールするための前提条件を示します。

  • 少なくとも1コアのCPUと4 GB RAMおよび4 GBスワップ。

  • Oracle Traffic DirectorをOracle Linux 5にインストールする場合の必須パッケージを次に示します。

    • compat-glibc-2.3.4-x86_64以上

    • compat-libstdc++-33-3.2.3-x86_64以上

    • glibc-2.5-12-x86_64以上

    • libgcc-4.1.1-x86_64以上

    • libstdc++-4.1.1-x86_64以上

  • NFSへのOracle Traffic Directorのインストールを計画している場合は、Oracle Traffic Directorインスタンス・ホーム(Oracle Traffic Director構成の場所)にルート・ユーザーとしての書込みアクセス権があることを確認する必要があります。