ナビゲーションに戻る

チャートフィールド組合せ編集について

このオプションの機能を使用すると、チャートフィールドとその値の組合せに基づき、望まない仕訳入力を元帳に転記をさせないための条件を設定して強制できます。

コミットメント コントロールを使用している場合は、予算仕訳入力の編集および転記を行う予算プロセッサ (FS_BP) アプリケーション エンジン プロセスで行われる転記またはバッチ転記処理とは別に、コミットメント コントロール予算仕訳の編集をオンラインで実行できます。

PeopleSoft Commitment Control』「Combination Editing for Budget and Budget Adjustment Journals[英語版] を参照してください。

PeopleSoft Commitment Control』「Using Combination Editing with Budget Transfer and Adjustment Journals[英語版] を参照してください。

チャートフィールド組合せ編集は次の方法で実装できます。

注: 組合せ編集は要約元帳には適用されません。

注: 組合せ編集では詳細プロジェクト チャートフィールドの HCM へのパブリッシュはサポートされません。これはソース レコードが COMBO_DATA_TBL であり、このテーブルには詳細プロジェクト チャートフィールドが含まれていないためです。パブリッシュされるプロジェクト チャートフィールドは PROJECT_ID のみです。

取引の処理と記録が行われる詳細元帳グループで組合せ編集をアクティブにすると、仕訳編集処理を実行したときにチャートフィールド組合せ編集処理も呼び出されます。

チャートフィールド組合せ編集では、チャートフィールドの組合せが、ユーザーが定義したチャートフィールド組合せの定義およびルールと比較されます。たとえば、PeopleSoft の基準チャートフィールドに値を割り当て、これに基準外チャートフィールドおよびその値を関連付けると、入力がチャートフィールド組合せルールおよび定義に確実に準拠するように、チャートフィールド組合せ編集によって if-then テストに似た処理が実行されます。有効または無効の条件のどちらが効率的に望まない入力を阻止するかに応じ、いずれかの条件でチャートフィールド組合せを設定できます。

チャートフィールド組合せ編集の実装方法と基礎テーブルとして使用するテーブルのタイプは、保守の効率性やスピード、容易性に大きく影響します。

このセクションでは、次の事項について説明します。

次に、効率性、チャートフィールド、ルールおよびツリーに関する一般的な推奨事項を示します。

使用するチャートフィールドの数

たとえば、資産、負債および資本の勘定科目への転記を特定の部門のみに許可し、他の部門には収益と費用の勘定科目への転記のみを許可する場合があります。最初の例では、2 つのチャートフィールド (勘定科目チャートフィールドと、貸借対照表勘定科目に制限する部門値の部門チャートフィールド) を含む編集ルールを定義します。

組合せ定義に製品という 3 つ目のチャートフィールドを導入すると、損益計算書勘定科目への転記を許可する部門に対し、特定の製品原価の記録のみという制限を課すことができます。

定義できる組合せの数に制限はありませんが、チャートフィールドの組合せを 3 つ以下にすると最大限のパフォーマンスを得られます。

使用する組合せルールの数

提案された組合せルールを分析し、重要であるものとそうでないものを判別してください。実装するルールの数が多くなればなるほど、取引の編集とルールの管理に要する時間が増えます。

組合せ編集ルールのツリー内のチャートフィールド値の範囲

PeopleSoft ツリーを使用すると、チャートフィールドの静的な値ではなく、チャートフィールド値の範囲を持つ組合せ編集ルールを設定できます。値の範囲を使用することで、組織内で発生したチャートフィールド値の変更に応じ、チャートフィールド組合せ編集ルールを簡単に最新の状態にすることができます。

春、夏、冬のツリーを組合せ編集で使用しツリー レベルとノードを使用すると、ツリー内の値をさらに制限できます。

組合せ編集をサポートするため、PeopleSoft ではさまざまなテーブル タイプが使用されます。次にそれらのメリットとデメリットを記載します。

テーブル タイプ

メリット

デメリット

COMBO_DATA_TBL テーブル

簡素な作りで、比較的高速な編集が可能です。

組合せの変更の程度が小さく、必要な組合せの数を含めるとテーブル サイズが中規模になる場合は、このテーブル タイプを使用します。

これは組合せ作成処理で作成される静的なテーブルです。一度作成が行われると、それ以降のルール変更を考慮するための新たな処理は実行されません。組合せの数によってはテーブル サイズが非常に大きくなり、作成処理に時間がかかることがあります。

オンラインとバックグラウンドの組合せ編集をサポートしています。

ユーザー定義テーブル

簡素な作りで、比較的高速な編集が可能です。

これは静的なテーブルで、場合によっては高度な保守が必要になります。

静的マスター セレクタ テーブル

比較的小規模で簡素な作りのテーブルが短時間で作成されます。

COMBO_DATA_TBL と比較すると、このテーブルはチャートフィールド値の変更の導入が容易であり、サイズも小さいためより短い時間で作成されます。

結果の直感性の程度は劣ります。静的なテーブルであることは変わりませんが、COMBO_DATA_TBL ほどの制限はありません。静的マスター セレクタ テーブルは、一般会計およびサブシステムでのオンラインおよびバックグラウンド処理をサポートしています。

動的マスター セレクタ テーブル

静的なものは一切含まれず、編集は最新の組合せルールおよびチャートフィールド値と整合します。

このテーブル タイプはチャートフィールドの頻繁な変更により効率よく対応します。これらのテーブルの作成と削除は、一般会計のバックグラウンド編集の編集処理中に行われます。

このテーブルは、一般会計のバックグラウンドまたはバッチ処理にのみ適用されます。

PS_COMB_EXPLODED テーブル

[詳細値を保持] を使用するこのオプションは、静的マスター セレクタ テーブルの使用バリエーションの 1 つであり、ツリー ノードが多数のチャートフィールド値を網羅する場合に特に便利です。作成処理に要する時間は長くなりますが、バッチとオンラインの組合せ編集のパフォーマンスが大幅に向上します。これはマスター セレクタ テーブルから生成された詳細値が永続テーブル (PS_COMB_EXPLODED) に保持されるためで、編集リクエストがあるたびに一時テーブルに詳細値を展開する必要がなくなります。

ツリー ノードに含まれる既存の値範囲で発生した変更は、その変更以前に作成された PS_COMB_EXPLODED テーブルには反映されません。ツリーや組合せ定義およびルールで変更が発生した場合は、このテーブルを再作成する必要があります。

混合テーブル

複数のテーブルを使用して処理を調整し、パフォーマンスを最大化し、保守を最小限に抑えることができます。たとえば、COMBO_DATA_TBL では少数の変更が発生しない組合せを使用し、頻繁に変更される組合せルールには動的マスター セレクタ テーブルを使用します。

実装と保守を行う専門家が必要です。

次に、テーブルとそのメリットに関する詳細を記載します。

通常マスター セレクタ テーブルには、他のテーブルと比較した場合に次のような特徴があります。

  • 作成と保守に要する時間が短くなります。

  • 使用するデータベース領域が少なくなります。

  • 任意の数の有効日付き PeopleSoft ツリーを網羅する日付範囲または期間に対して、作成を実行できます。

注: ツリー内の値範囲を使用する場合、再作成が必要になるのは、ツリー内のノードまたは範囲を変更したとき、またはルールで使用されているツリー ノードを変更したときのみです。

ツリー内の詳細値を使用する場合は、ツリー内の詳細値に変更を加えるたびにセレクタ テーブルを再作成する必要があります。マスター セレクタ テーブルの再作成は、COMBO_DATA_TBL よりも短い時間で終了します。

PeopleSoft 一般会計供給側システムでは、バッチおよびサブシステム オンライン編集の両方をサポートする静的マスター セレクタ テーブル用のパラメータ セットを作成できます。

一般会計のバッチ編集で静的マスター セレクタ テーブルまたは動的セレクタ テーブルを使用することを選択できます。マスター セレクタ テーブルの作成オプションを使用して組合せデータ作成を実行しなかった場合、組合せ編集プログラムによってバッチ編集処理中に動的セレクタ テーブルが作成されます。

静的セレクタ テーブルを使用し、追加の一時テーブルに値を保存した場合、ツリー ノードで定義されたチャートフィールド値の範囲をシステム側で展開する必要があります。一時テーブルに移入するための展開処理は、新しい取引の編集が行われるたびに繰り返されます。一時テーブルは現在の編集の間しか保持されませんが、生成された詳細値の組合せを PS_COMB_EXPLODED という永続テーブルに保存することで、後続の組合せ編集でも使用できるようになります。PS_COMB_EXPLODED テーブルを使用した場合、作成処理に要する時間は長くなりますが、バッチの組合せ編集のパフォーマンスが大幅に向上します。これは繰り返し行われる値の展開と一時テーブルの作成を回避できるためです。

また、ユーザー定義組合せデータ テーブルを設定して管理できます。この方法では、データ テーブルへのデータ移入を自分で完全に制御できるため、他のテーブル タイプよりもテーブルのサイズを小さくして、効率性の向上を期待できます。

ただし、COMBO_DATA_TBL やマスター セレクタ テーブルと比較すると、通常ユーザー定義テーブルは時間が経過するにつれ、チャートフィールド環境の変化についてより注意深い分析と保守が必要になります。COMBO_DATA_TBL テーブルとマスター セレクタ テーブルについては PeopleSoft から保守機能が提供されますが、ユーザー定義テーブルについては、該当するチャートフィールドまたは値の変更の検出や検知、古い組合せや新しい組合せの削除や追加をお客様の責任で行う必要があります。

テーブルに関するこれらのアプローチをさまざまな組合せ編集グループと組み合わせて、効率性を向上できます。チャートフィールド組合せ定義およびルールの変更頻度が低い場合、これはユーザー定義テーブルの候補といえます。処理を高速化するために犠牲になる柔軟性の程度が十分許容できる範囲であるためです。組合せ定義およびルールに定期的な変更が発生する場合は、マスター セレクタ テーブルを使用すると速度と柔軟性の面でパフォーマンスを向上できる可能性があります。COMBO_DATA_TBL を展開する方法が望ましいと考えられるのは、テーブルのサイズがシステムの負担にならない、または処理時間の増加が正常の範囲内であり、かつ、チャートフィールドの組合せの変更に伴うテーブル更新がたまにしか発生しないような場合です。

選択した組合せ編集オプションは、バッチ組合せ編集とオンライン PeopleCode 編集の両方でサポートされます。処理を実行して両タイプのテーブルにデータを移入しますが、マスター セレクタ テーブルを使用する場合、テーブルの再作成にかかる時間が COMBO_DATA_TBL 展開よりも圧倒的に短いというメリットがあります。また、ツリーの範囲を使用した場合、勘定科目チャートに対してチャートフィールド値の追加や削除を行ったときに、COMBO_DATA_TBL の場合とは異なり、動的セレクタ テーブルを作成する必要がありません。

バッチおよびオンラインの PeopleCode 編集はいずれも、ビジネス ユニットに関連付けらた複数の組合せグループ (異なる組合せ編集オプションを使用する) をサポートします。

次の表に示すとおり、各種の PeopleSoft アプリケーションでチャートフィールド組合せ編集をオンラインまたはバックグラウンド (バッチ) 処理で使用できます。

アプリケーション

オンライン編集

バックグラウンド編集

資産管理

請求管理

契約管理

原価管理

不可

eProcurement-調達管理

不可

経費管理

不可

一般会計

不可 *

在庫管理

不可

生産管理

不可

買掛金管理

Pay/Bill Management

不可

生産管理

不可

プロジェクト コスト管理

購買管理

売掛金管理

sPro

不可

サプライヤ契約管理

不可

財務管理

Work Order Management

不可

エンタープライズ ラーニング マネジメント

可 **

不可

Human Capital Management (HCM)

可 **

不可

コミットメント コントロール ***

* 一般会計内のオンライン仕訳入力の組合せ編集は、仕訳編集時に実行されます。オンライン仕訳入力の保存後すぐに仕訳編集を実行できます。一般会計とその他のアプリケーションの違いは、一般会計ではバックグラウンド編集プログラムを使用するのに対し、その他のアプリケーションはオンラインのルーチンを使用してオンライン編集を実行するという点です。

** PeopleSoft エンタープライズ ラーニング マネジメント (PeopleSoft ELM) と PeopleSoft Human Capital Management (HCM) は Financials とは異なるデータベースで実行されるため、付属する Web サービスを使用して組合せ編集を実行します。組合せ編集リクエスト サービスを使用し、組合せ編集オンライン検証ロジックを呼び出して ELM で結果を取得してから、転記するデータを ELM から一般会計に送信します。

*** コミットメント コントロールはアプリケーションではありませんが、さまざまな PeopleSoft アプリケーションで使用される主要なオプション機能です。コミットメント コントロールの予算仕訳編集で組合せ編集を使用できます。予算仕訳の組合せ編集については、コミットメント コントロールのドキュメントに記載されています。

前述の一覧内のアプリケーションまたはその他の PeopleSoft アプリケーションでチャートフィールド組合せ編集がどのように使用されているか、およびエラーの解決方法については、アプリケーション固有の製品ドキュメントを参照してください。

処理効率を上げるため、PeopleSoft Financials ではプロセス グループの組合せ編集を取引ソースごとに実行できます。取引ソースとは、資産管理取引や買掛金会計行、売掛金アイテム、一般会計の仕訳などです。取引ソースをプロセス グループに関連付け、組合せ編集処理中にルール グループで全てのソースの全データを処理するのではなく、指定した取引ソースのデータのみが処理されるようにします。

取引ソースごとの組合せ編集の定義」を参照してください。

通常は、[編集] または [保存] ボタンをクリックして PeopleCode を開始し、特定のアプリケーションで入力した取引のオンライン編集を開始します。たとえば買掛金伝票を保存すると、オンライン組合せ編集 (実装されている場合) を含むさまざまな編集や処理が自動的に開始されます。

組合せ編集処理で使用できる基礎テーブルには、オンライン編集をサポートしているものが多くあります。これらの基礎テーブルのオプションについては、このトピック内で別のトピックで説明します。

テーブル タイプを決定して基礎テーブルを作成すると、オンライン組合せ編集をサポートしているシステムであれば、そのテーブルを使用して会計行や伝票行をテーブル内の組合せに対してオンラインで検証できるようになります。これにより PeopleSoft 買掛金管理などの PeopleSoft 一般会計供給側システムは、仕訳ジェネレータを実行して仕訳編集を実行する前に、スタンドアロンのアプリケーションとしてエラーを検出して修正できます。供給側システムで組合せ編集を実行することで、仕訳を一般会計に転記する前にソース側でエラーをすぐに修正できます。

オンライン編集処理では一度に 1 件の取引行が編集されます。ビジネス ユニットに関連付けられている全てのプロセス グループに対して各行が編集されます。オンライン編集処理では動的にテーブルを作成できないため、供給側システム アプリケーションでオンライン編集を使用する前に、COMBO_DATA_TBL、マスター セレクタ テーブル、PS_COMB_EXPLODED テーブルまたはユーザー定義テーブルを作成しておく必要があります。

供給側システムのオンライン組合せ編集処理では次が行われます。

  • 組合せがテーブルに存在する場合、選択した [組合せグループ定義] オプションに応じて行に有効または無効のマークを付けます。

  • テーブルで見つからない取引行を分析し、基準チャートフィールドの値が、組合せルールで定義した値でないかどうかを確認します。

    • 基準チャートフィールドの値に組合せルールが定義されている場合で、組合せ全体が見つからない場合は、その組合せは失敗となります。

    • チャートフィールド組合せグループ ページで、[ルールにない基準値] フィールドの値を選択できます。このオプションは、仕訳行に含まれる基準チャートフィールド値に組合せルールが定義されていない場合に、その仕訳行に有効または無効のマークを付けるかどうかを決定するものです。

供給側システムは次の 3 とおりの方法でオンライン ロジックを開始します。

  • FUNCLIB_FS.EDIT_COMBINATION FieldFormula レコード PeopleCode の edit_combo 関数を使用します。

  • FS_COMBO_EDIT アプリケーション パッケージの ComboEdit アプリケーション クラスを使用します。

  • 組合せ編集サービス操作を使用して、ファイナンシャル データベース以外から発生したデータの編集を実行します。この Web サービスによって ComboEdit が呼び出されて組合せ編集が実行され、リクエスト側である PeopleSoft アプリケーションまたはサードパーティ アプリケーションに結果が返されます。

edit_combo 関数を使用する全てのページ コンポーネントには COMBO_EDIT_WRK ページを含める必要があります。[保存] ボタンを選択すると、組合せ編集グループおよびルールからの情報がワーク ページに移入されます。オンライン組合せ編集はワーク ページ上の情報を使用して取引行を処理します。ビジネス ユニットが変わるとワーク ページがリフレッシュされます。

ComboEdit アプリケーション クラスを使用するコンポーネントの場合、COMBO_EDIT_WRK ページは不要です。ComboEdit アプリケーション クラスはコンポーネント レベルでインスタント化して、クラス オブジェクトに保存される組合せ編集グループおよびルールを、同じビジネス ユニットになる全ての取引で再利用できるようにする必要があります。PeopleSoft では、供給側システムで edit_combo 関数の代わりに ComboEdit アプリケーション パッケージを使用することをお勧めしています。

組合せ編集のバックグラウンド処理を汎用化して全ての PeopleSoft アプリケーションで使用できるようにするため、組合せ編集ではチャートフィールド組合せ編集テンプレートを使用します。これについては、このトピック内の別のトピックで説明します。テンプレートはさまざまなアプリケーション取引レコードのテーブル構造を定義します。組合せ編集処理はこの構造情報を使用して編集を実行します。

レコード テンプレートには特定の PeopleSoft アプリケーションに対応する一意の名前が付与されています。この名前を指定して、アプリケーションでバックグラウンド組合せ編集処理を有効にします。

チャートフィールド組合せテンプレート ページの [テンプレート] フィールドで、組合せ編集テンプレートの名前を選択します。このテンプレートはバックグラウンドまたはバッチ処理にのみ使用されます。

組合せ編集で使用できる基礎テーブルには、バッチ編集をサポートしているものが多くあります。これらの基礎テーブルのオプションについては、このトピック内で別のトピックでも説明します。

各種の PeopleSoft 一般会計供給側システムで仕訳入力や会計行編集、伝票行編集が行われているときに、システムによってバッチまたはバックグラウンドの組合せ編集が実行されます。いずれの場合も、編集が行われるのは仕訳が一般会計に転記される前です。

注: 仕訳入力中 Transaction Set Editor (TSE) は、仕訳行にチャートフィールドがあるかどうかを確認することで、その行の有効性を確認し、次に見つかったチャートフィールドをチャートフィールド テーブルと照合して、チャートフィールド自体の有効性を確認します。チャートフィールドが無効である場合、TSE は無効のマークを付け、その仕訳行を組合せ編集処理から除外します。

組合せ編集では、組合せグループにビジネス ユニットと元帳グループが関連付けられているかどうかの検証もバッチ組合せ編集処理中に行われます。

プロジェクト コスト管理チャートフィールドのバッチ検証

次の PeopleSoft アプリケーションでは、バッチ組合せ編集処理をとおしてプロジェクト コスト管理チャートフィールド検証を実行できます。

  • 資産管理

  • 一般会計

  • Grants

  • 買掛金管理

  • 売掛金管理

  • 購買管理

  • プロジェクト コスト管理

詳細プロジェクト チャートフィールドのオンライン検証と同様に、PeopleSoft では PC_EDIT を呼び出すことでバッチ組合せ編集をとおしてプロジェクト チャートフィールド検証を実行できます。オンライン組合せ編集はプロジェクト検証を呼び出しませんが、既存のオンライン プロジェクト編集が検証を処理します。

バッチ組合せ編集には次のプロジェクト コスト管理編集が含まれます。

  • プロジェクト コスト管理ビジネス ユニット、プロジェクト ID および アクティビティ ID の組合せの検証

  • プロジェクトとアクティビティのステータス コントロール チェックの強制 ([ファイナンシャルズ/サプライチェーン設定]、[インストール]、[インストール オプション]、[プロジェクト コスト管理インテグレーション])

  • 入力コントロール オプションの強制 ([ファイナンシャルズ/サプライチェーン設定]、[ビジネス ユニット関連]、[プロジェクト コスト管理]、[プロジェクト コスト管理オプション])

  • ダイナミック編集テーブル オプションの強制 ([ファイナンシャルズ/サプライチェーン設定]、[ビジネス ユニット関連]、[プロジェクト コスト管理]、[プロジェクト コスト管理定義])

  • プロジェクト コスト管理統合テンプレートを使用した、プロジェクト コスト管理と一般会計のビジネス ユニットのマッピングの検証 ([ファイナンシャルズ/サプライチェーン設定]、[製品関連]、[プロジェクト コスト管理]、[プロジェクト オプション]、[インテグレーション テンプレート]、[一般会計インテグレーション])

  • 分析タイプの強制は必須です (一般会計仕訳のみ)

バッチ組合せ編集によるプロジェクトチャートフィールド検証を実装するには、次が必要です。

  • プロジェクト コスト管理がインストール済製品である必要があります。

  • プロジェクト コスト管理オプション ページを使用して、他の PeopleSoft アプリケーションの取引をインポートするのに必要なプロジェクト関連の取引フィールドを設定します ([ファイナンシャルズ/サプライチェーン設定]、[ビジネス ユニット関連]、[プロジェクト コスト管理]、[プロジェクト コスト管理オプション])。

一般会計ではバッチ編集を使用して、スプレッドシート仕訳またはフラット ファイル仕訳インポートに対しプロジェクト コスト管理チャートフィールド検証を実行できます。たとえば買掛金管理では、伝票作成処理中にバッチ処理が発生します。

My Oracle Support にある「PeopleSoft General Ledger 9.1 Documentation Update: Project Costing Edit, Note number 1063525.1」(https://support.oracle.com/CSP/ui/flash.html) を参照してください。

組合せデータ テーブルまたはユーザー定義データ テーブルを使用したバッチ組合せ編集

組合せ編集処理は、組合せデータ テーブルまたはユーザー定義組合せデータ テーブルが選択され、ビジネス ユニットおよび元帳グループに関連付けらた各組合せグループに対し、次の処理を実行します。

  • 組合せ編集は全ての取引行をテーブルと照合します。

    組合せがデータ テーブルに存在する場合、選択した [組合せグループ定義] オプションに応じて行に有効または無効のマークを付けます。

    基準チャートフィールドの値に組合せルールが定義されている場合で、組合せ全体が見つからない場合は、その組合せの編集は失敗となります。

    基準チャートフィールドの値が組合せルールで定義された値ではない場合、その行には、[チャートフィールド組合せ編集グループ] の [ルールにない基準値] フィールドで選択した [無効に指定] または [有効に指定] のいずれかの状態が付与されます。

  • 無効な組合せが検出されると、組合せテンプレートで定義されたエラー ログ レコードに、エラー ステータス メッセージ付きで無効な取引が記録されます。

マスター セレクタ テーブル オプションを使用したバッチ組合せ編集

組合せグループに対してマスター セレクタ テーブル オプションを選択した場合、バッチ組合せ編集処理は次を実行します。

  • 指定されたビジネス ユニットおよび元帳グループに関連付けられている組合せグループを取り出します。

  • 組合せグループ内をループし、そのグループのマスター セレクタ テーブルが作成されているかどうかを確認します。まだ作成されていない場合は、アプリケーション エンジン一時テーブルを使用し、ルールに従ってテーブルを動的に作成します。

  • マスター セレクタ テーブルを展開し、組合せの順列を格納したアプリケーション エンジン一時テーブル COMB_EXP_TAO テーブルを作成します。

  • 各仕訳行を COMB_EXP_TAO テーブルと照合し、組合せがテーブルにある場合は、[組合せグループ定義] フィールドで選択したオプションに応じて、その行に有効または無効のマークを付けます。

  • テーブルで見つからない取引行を分析し、基準チャートフィールドの値が、組合せルールで定義した値でないかどうかを確認します。

    • 基準チャートフィールドの値に組合せルールが定義されている場合で、組合せ全体が見つからない場合は、その組合せは失敗となります。

    • 基準チャートフィールドの値が組合せルールで定義された値ではない場合、その行には、[チャートフィールド組合せ編集グループ] の [ルールにない基準値] フィールドで選択した [無効に指定] または [有効に指定] のいずれかの状態が付与されます。

      注: つまり、組合せが失敗と判断された場合、このフィールドで選択した属性に応じて、組合せに有効または無効のマークが付きます。

  • 無効な組合せが検出されると、チャートフィールド組合せ編集テンプレートで定義されたエラー ログ レコードに、エラー ステータス メッセージ付きで無効な取引が記録されます。

  • 編集の終了後、COMB_EXP_TAO テーブルは削除されます。

マスター セレクタ テーブルとツリーを使用してチャートフィールド組合せ値を指定したとき、静的マスター セレクタ テーブルの作成処理で保存されるのはツリー ノードが示す値の範囲のみです。作成処理ではノードで網羅される詳細値を保存しません。組合せ編集バッチ処理中の取引の編集時に、各編集リクエストの各チャートフィールドの値の範囲が展開され一時テーブルに保存されます。一時テーブルは編集の終了後に削除されるため、編集リクエストが発生するたびに再作成する必要があります。

しかし、チャートフィールド組合せ編集グループ ページでマスター セレクタ テーブルに [詳細値を保持] オプションを選択すると、作成処理で詳細値が生成された後に、詳細値の組合せが PS_COMB_EXPLODED という永続テーブルで維持されます。これにより、一度生成した組合せ詳細値を繰り返し生成する必要がなくなります。

[詳細値を保持] オプションは、ツリー ノードが多数のチャートフィールド値を網羅する場合に特に便利です。このオプションを使用した場合、作成処理に要する時間は長くなりますが、バッチの組合せ編集のパフォーマンスが大幅に向上します。これは繰り返し行われる値の展開を回避できるためです。

ただし、ツリー ノードに設定されているチャートフィールド範囲内に新しい値を追加した場合、チャートフィールド組合せ編集グループの設定ページで増分オプションを選択していても、その新しい値は永続チャートフィールド値組合せテーブルに自動的には追加されません。ツリーのバージョンは変わらないため、新しい値を範囲に追加しても、マスター セレクタ テーブルの詳細値の再作成にはつながりません。

[詳細値を保持] オプションを選択し既に組合せデータを作成している状態で、ツリー ノードの値の範囲内に新しいチャートフィールド値を追加した場合は、作成処理を再実行し、新しく追加した値を PS_COMB_EXPLODED テーブルに含める必要があります。

注: 組合せグループの [詳細値を保持] チェック ボックスがオンになっていても、組合せセレクタ テーブル確認で表示されるのはセレクタ テーブルからの結果です。

PeopleSoft 同期 Web サービスである COMBO_CF_EDIT_REQUEST を使用して、Financials のコア データベース外で実行されるシステムと製品でチャートフィールド組合せを検証できます。このサービスはチャートフィールド組合せ編集をブラック ボックス サービスとして他のシステムに公開します。これはサードパーティ製品や PeopleSoft Enterprise Learning Management (PeopleSoft ELM) など Financials データベースの外で実行される製品で使用できます。

PeopleSoft Enterprise Learning Management (ELM) を例にして、この処理ロジックについて説明します。

  • 同期リクエストである COMBO_CF_EDIT_REQUEST サービスを一般会計の Financials データベースに送信することにより、ELM はチャートフィールド組合せ編集を開始し、応答を待ちます。

  • 一般会計はこのサービスをリスニングしているため、組合せ編集アプリケーション クラスを呼び出して受信した取引を検証します。

  • 一般会計は応答を待っている ELM 処理に同期応答で結果を通知します。

  • ELM は組合せ編集の結果に従って取引を続けます。

注: この Web サービスはサードパーティ製品で使用できますが、PeopleSoft は公式にはサードパーティ製品をサポートしていません。

『PeopleSoft Enterprise Learning Management』の「Managing Person and Organization Data」および「Setting Up Financial ChartField Data」を参照してください。

PeopleSoft General Ledger』「General Ledger Integrations[英語版] を参照してください。

コミットメント コントロールはコミットメント会計や予算コントロールを提供するオプションの機能で、さまざまな PeopleSoft アプリケーションで使用できます。コミットメント コントロールを使用している場合は、予算および予算調整の仕訳入力でも組合せ編集を使用できます。

注: 冬と春のツリーを指定すると、複数のツリーをコミットメント コントロール組合せ編集に対応させる必要がなくなり、コントロール予算の組合せ編集を効率的に実行できます。

コミットメント コントロールの組合せ編集については、コミットメント コントロールのドキュメントに詳しく記載されています。

PeopleSoft Commitment Control』「Combination Editing for Budget and Budget Adjustment Journals[英語版] を参照してください。

PeopleSoft Commitment Control』「Using Combination Editing with Budget Transfer and Adjustment Journals[英語版] を参照してください。

COMBO_DATA_TBL の代わりに、静的または動的なマスター セレクタ テーブルを作成できます。組合せルールの特性に基づいて、組合せ作成オプションを検討します。ルールの数と、基礎の値の変更に関連する変更がどれだけ発生するかの両方を検討してください。

COMBO_DATA_TBL を作成することが現実的でない場合は、静的なマスター セレクタ テーブルのセットを作成し、一般会計供給側システムで行われるオンラインおよびバッチの PeopleCode 編集をサポートできるようにします。これに該当するのは、生成される組合せの数が多い場合や、組合せ値に変更を加えたときに COMBO_DATA_TBL のクリアおよび再作成に時間がかかる場合です。

静的マスター セレクタ テーブルは PeopleCode またはバッチ編集処理で動的には管理されないため、ツリーまたは組合せルールに変更を加えるたびにテーブルを再作成する必要があります。それでも、チャートフィールド値をシステムに追加するたびに再作成が必要になる COMBO_DATA_TBL と比べて優位性があります。追加したチャートフィールド値が、組合せルールで使用されているツリーで定義される値範囲内である場合は、マスター セレクタ テーブルを再作成する必要はありません。

ツリーを使用して組合せルールを定義した場合、システムはテーブルを作成するときに、マスター セレクタ テーブルの指定ツリー内の値の範囲を保存します。テーブルの特定の基データが変更した場合にのみ、テーブルの再作成が必要になります。たとえば、ツリーの別のノードを参照するように組合せルールを変更した場合や、100001-100099 の勘定科目範囲を持つツリーを変更し、特定のノードに新しい範囲 100004-100099 を付与するような場合にテーブルを再作成します。

任意の長さの期間について、マスター セレクタ テーブルを作成できます。指定した日付期間内の取引は正しく編集されます。テーブルには、組合せルールで参照されている PeopleSoft ツリーからのデータが格納されます。有効日付きのツリー バージョンの数がそれほど多くない場合は、たとえば 1900 年 1 月 1 日から 2999 年 1 月 1 日のように、非常に長い期間のマスター セレクタ テーブルを作成できます。

しかし、ツリーの変更頻度が高く、ツリーに変更を加えるたびに新しい有効日付きツリー バージョンを作成する場合は、マスター セレクタ テーブルの作成頻度を上げ、テーブルに含まれる期間を短くします。指定した期間内に含まれる有効日付きツリーの数に応じて、マスター セレクタ テーブル内のデータ量が増えます。仕訳または取引が頻繁に編集される期間についてのみマスター セレクタ テーブルを作成する方法がベスト プラクティスとされています。たとえば、1 または 2 会計期間または 1 会計年度のテーブルを一度に作成します。

仕訳入力などのバッチ処理は、編集対象の仕訳また伝票の日付が含まれる期間のマスター セレクタ テーブルが作成されていれば、そのテーブルを使用して行われます。作成されていない場合は、バッチ編集によってテーブルが動的に作成されます。編集のパフォーマンスを上げるため、バッチ編集しか使用しない場合でも、マスター セレクタ テーブルを作成することをお勧めします。

マスター セレクタ テーブルに対する組合せデータ作成リクエスト ページの実行

組合せデータ作成リクエスト ページを使用して、マスター セレクタ テーブルを作成する処理を実行します。

組み合せデータ作成処理を実行する前に、ビジネス ユニットの詳細元帳グループを定義し、組合せ編集グループをその元帳グループに関連付ける必要があります。

[作成オプション] フィールドで [セレクタ テーブル作成] を選択すると、期間を入力できる [開始日] および [終了日] フィールドが有効になります。ルールに含まれ、有効日がこの期間に含まれる全てのツリーが、マスター セレクタ テーブルの作成に含められます。

チャートフィールド組合せ編集テンプレート ページは、バックグラウンドまたはバッチのチャートフィールド組合せ編集処理を使用する各 PeopleSoft アプリケーションの取引レコードの構造を定義するものです。オンライン処理ではチャートフィールド編集テンプレートは使用されません。

PeopleSoft にはバックグラウンド組合せ編集の実行に必要となるテンプレートが用意されています。たとえば、JOURNALS チャートフィールド組合せ編集テンプレートは一般会計の PeopleSoft 仕訳入力処理で使用され、VCHREDIT テンプレートは PeopleSoft 買掛金管理に含まれている伝票編集処理で使用されます。

次に、提供されるテンプレートのリストを示します。

テンプレート

説明

AMEDIT

PeopleSoft 資産管理会計用のテンプレート

AREDIT

売掛金会計用のテンプレート

BD_COMMIT

予算仕訳用のコミットメント コントロール編集テンプレート

BI_ACCT

請求取引用の組合せテンプレート

CA_TXN

契約管理取引用の組合せテンプレート

JOURNALS

仕訳用の組合せテンプレート

POBATCH

発注書バッチ作成用のテンプレート

POCCLOADLD

購買用クレジット カードの取引明細ロード処理用のテンプレート

POREQBATCH

調達依頼バッチ作成用のテンプレート

PROJECTS

プロジェクト会計用のテンプレート

PROJECTS_A

サービス会計処理モデルのテンプレート

PROJECTS_I

プロジェクト管理インターフェイス テンプレート

PROJECTS_P

プロジェクト管理価格設定テンプレート

TREASURY

財務管理会計用のテンプレート

VCHREDIT

伝票編集テンプレート

注: PeopleSoft には、組合せ編集バックグラウンド処理を使用する PeopleSoft アプリケーションで使用できるチャートフィールド編集テンプレートが用意されており、関連するテーブルやフィールド名を変えない限り、これらのテンプレートは変更する必要がありません。

組合せ編集グループは組合せルールのセットを定義するものです。組合せグループ ページを使用して、複数の組合せルールを組合せグループ定義に関連付けます。仕訳編集処理中に、これらのルールはグループとして適用されます。

たとえば、組合せ定義を作成し、ルールで ACCOUNT を基準チャートフィールド、DEPTID と PRODUCT を基準外チャートフィールドに指定した場合、同じグループに属する全てのルールはこの組合せ定義を使用する必要があります。PROJECT_ID および AFFILIATE の組合せ定義を作成した場合は、この組合せ定義を持つルール用に別のグループを作成する必要があります。

注: 同じチャートフィールド組合せ定義を使用して複数のグループを定義し、これらのグループ全てを特定のビジネス ユニットの元帳グループと関連付けることができます。しかし PeopleSoft では、同じ組合せ定義を持つルールは同一のグループに所属させることをお勧めしています。これにより処理するグループの数が減るため、組合せ編集処理のパフォーマンスが向上します。ユニット別元帳コンポーネントでは組合せ編集グループ (プロセス グループ) を取引ソースごとに処理することも選択でき、該当外のグループに対して不要な検証をしなくてよいため、この方法でも処理の効率性を高めることができます。

取引ソースごとの組合せ編集の定義」を参照してください。

次に代表的なさまざまな例について説明しますが、説明を読む前に次の点を理解してください。

  • 組合せ定義では、組合せ編集に含まれるチャートフィールドを定義します。

  • 組合せルールでは、組合せ定義の有効なチャートフィールドのを定義します。

  • 1 つの組合せグループ内の組合せルールは全て、組合せ定義が同じである必要があります。

    また、1 つの組合せグループ内の複数の組合せルールで同じ基準チャートフィールドが指定されている場合は、問題の発生を回避するため、十分な検討が必要です。

  • ルールと定義に一致した組合せに有効または無効のいずれかのマークを付けるよう指定できます。

  • ルールと定義に一致しない組合せは無効であるため、有効のマークを付けることができません。

次の例では、組合せグループを定義してさまざまなパラメータを指定するときの、ロジックおよび機能面の考慮事項を説明します。

異なるルール内に同一の基準チャートフィールドがある場合のグループ分け

同じグループに含めた複数のルールに同一の基準チャートフィールドがある場合で、基準および基準外チャートフィールドに設定した値がもう一方のセットまたはサブセットである場合、混乱が生じやすくなります。

次の例で、ルール 1 とルール 2 は双方とも基準チャートフィールドとして勘定科目を使用しています。ルール 2 の基準の勘定科目の値 614000 は INCSTMT ツリー ノードが示す勘定科目値の範囲に含まれており、DeptID 値 10000 もまた、「任意の値」が示す値のセット (有効と見なされる) に含まれています。

ルール

基準チャートフィールド

基準チャートフィールドの値

基準外チャートフィールド

基準外チャートフィールドの値

組合せで有効または無効の組合せを定義

ルール 1

勘定科目

INCSTMT

部門 ID

任意の値

有効

ルール 2

勘定科目

614000

部門 ID

10000

有効

これらのルールが同じ組合せグループに含まれていると、ルール 1 またはルール 2 の基準および基準外の値で指定される if-then 条件の一方が満たされた場合に、その行に有効のマークが付きます。この結果、ルール 1 またはルール 2 の条件を満たす行は全て有効と見なされます。同じ組合せグループに含めた場合、これらのルールは冗長ということになります。

これらのルールをそれぞれ別のグループに含めた場合、全てのルールの条件を満たした行のみに有効のマークが付きます。このシナリオでは、614000 が有効と見なされるのは部門 ID が 10000 の場合のみです。そのため、ルール 1 とルール 2 を別々の組合せグループに含めた場合、両方の組合せグループが同じ組合せ定義を使用しているか、組合せグループが有効な組合せを定義しているか、無効な組合せを定義しているか、有効無効の両方を定義しているのかについて、ブールおよびロジックが適用されます。

同じ基準チャートフィールドを持つルールが複数ある場合の、ルールに含まれない基準値の扱い

組合せグループで、ルールに含まれない基準値に無効のマークを付けることを指定した場合、オリジナルのルールに含まれない値を有効の組合せとしているルールがあっても、それらのルールは上書きされます。

ルール

基準チャートフィールド

基準チャートフィールドの値

基準外チャートフィールド

基準外チャートフィールドの値

有効または無効の組合せを定義

ルールに含まれない基準値

ルール 3

勘定科目

BALSHEET

部門 ID

空欄

有効

無効に指定

ルール 2

勘定科目

614000

部門 ID

10000

有効

有効に指定

このシナリオでは、ルール 2 の基準の勘定科目 614000 は損益計算書勘定科目であり、そのためルール 3 で指定されている BALSHEET ツリー ノードには含まれていません。勘定科目 614000 を使用する行は、部門 10000 と共に使用された場合は有効な勘定科目であると別のルールで指定されているのにもかかわらず、常に無効のマークが付きます。同じグループ内の複数のルールに同じ基準チャートフィールドがある場合は、十分な分析を行ったうえで、ルールに含まれない値への無効のマーク付けを行う必要があります。

有効と無効のルールの比較

組合せ定義が 2 つのチャートフィールドで構成されている場合、有効の組合せを定義するよりも無効の組合せを定義した方が効率的であることがあります。しかし、組合せ定義で 3 つのチャートフィールドを使用している場合、組合せグループを有効とした場合と無効にした場合で顕著な違いがあります。

ルール

基準チャートフィールド

基準チャートフィールドの値

基準外チャートフィールド

基準外チャートフィールドの値

組合せで有効または無効の組合せを定義

ルール 4

勘定科目

BALSHEET

部門 ID

任意の値

有効

     

製品

任意の値

有効

ルール 5

勘定科目

BALSHEET

部門 ID

空欄

無効

     

製品

空欄

無効

この例では、ルール 4 とルール 5 が同じような結果を生成するように思えます。しかし、ルール 4 は、BALSHEET 勘定科目には有効な部門 ID と製品の両方が必要であると規定しています。

ルール 5 は BALSHEET 勘定科目には空欄の部門 ID と空欄の製品があってはならないと規定しています。ルール 5 で編集された組合せが条件を満たした場合、この組合せには無効のマークが付きます。

これらのルールの違いは、ルール 5 では、空欄の部門 ID または空欄の製品と共に BALSHEET 勘定科目が使用された場合、有効のマークが付くということです。このルールでは、BALSHEET 勘定科目と空欄の部門 ID および空欄の製品の組合せが無効であるということしか規定していません。組合せ定義に 3 つ以上のチャートフィールドが含まれる場合は、十分な分析を行ったうえで無効な組合せを定義し、意図した結果が得られるようにします。

チャートフィールド組合せグループ、ルールに含まれない基準値

仕訳編集処理をとおして、次の仕訳行のチャートフィールド値を実行します。

仕訳行

勘定科目

部門 ID

製品

金額

1

110100

0100

GLDB2

500.00

2

200002

0500

GLORACLE

<250.00>

3

200003

0400

GLORACLE

<250.00>

この例ではルールのグループで、勘定科目を基準チャートフィールド、部門 ID と製品を基準外の組合せとしています。有効な組合せとする値を次のように明確に指定します。

例参照

勘定科目

部門 ID

製品

組合せ 1

110100

0100

GLDB2

組合せ 2

110100

0400

GLDB2

組合せ 3

200002

0100

GLORACLE

組合せ 4

200002

0400

GLORACLE

これらの組合せは 1 つの組合せグループに含まれています。仕訳編集処理を実行すると、どの [ルールにない基準値] オプションを選択したかによって、異なる組合せ編集結果が得られます。

フィールドまたはコントロール

定義

有効に指定

このオプションを選択した場合、仕訳行 1 に有効のマークが付きます。仕訳行 1 には、組合せ 1 で明示的に指定した値が含まれているためです。仕訳行 2 には無効のマークが付きます。仕訳行 2 には組合せルールで指定された基準値の 1 つが含まれていますが、対応する部門 ID と製品の値が、組合せで指定されているものと異なるためです。仕訳行 3 には有効のマークが付きます。これは勘定科目 200003 のルールが存在しないためです。

無効に指定

このオプションを選択した場合、仕訳行 1 には有効のマークが付きます。仕訳行上の組合せ値が、組合せ 1 の勘定科目、部門 ID、製品に明示的に指定した値と一致するためです。仕訳行 2 のように、基準値がルールで定義された明示的な組合せを持っていない場合、それらの行には全て無効のマークが付きます。勘定科目 200003 のルールは存在しないため、仕訳行 3 には無効のマークが付きます。

[組合せグループ定義] オプションを使用して組合せの指定を定義し、定義した組合せを有効な組合せとするのか、無効な組合せとするのかを指定できます。含有と除外のどちらの方式を採用するかで、定義する組合せの数を大幅に減らせる場合があります。多数の有効な組合せにわたって編集を行うよりも、比較的少数の無効な組合せについて編集を行った方が効率的です。

組合せに無効と有効のどちらのマークが付くかは、組合せグループで選択した組合せの指定オプションによって決まります。選択した内容はグループ内の全てのルールに適用されます。

  • 含有の方式を採用した場合、組合せルールに含まれている値と同じ値を持つ全ての行に有効のマークが付き、同じ基準値を持つけれども基準外の値が異なる全ての行に無効のマークが付きます。

  • 除外の方式を採用した場合、組合せルールに含まれている値と同じ値を持つ全ての行に無効のマークが付き、同じ基準値を持つけれども基準外の値が異なる全ての行に有効のマークが付きます。

空欄の基準外チャートフィールド値を無効な組合せとして組合せを定義できるため、このオプションを 値必須 フラグの代わりに使用できます。空欄値を使用する組合せを定義するにはツリーを使用する必要があります。

注: 組合せ編集に PeopleSoft ルールを使用する場合は、少なくとも 1 つの有効な組合せルールを選択する必要があります。行を挿入して、任意の数のルールを追加できます。