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Oracle の PeopleSoft の配賦プロセス (FS_ALLC) について

ほとんどのビジネス環境において、ある組織が管理し、そこに累積される経費や資産を、複数のビジネス ユニット、部門、その他の組織で共有することが必要になる場合があります。通常は、この残高と統計数量を組織内の複数のエンティティに配分し、分担量を適確に認識できるようにします。

PeopleSoft 配賦プロセスを使用すると、複数の配賦ステップを定義できます。また、金額を階層に従って厳密な順序で適用する必要がある場合には、ステップダウン形式の配賦を定義することもできます。ここでは、国外、国内、地域などのさまざまなレベルの組織に対して配賦を行うことが必要になる場合もあります。ステップダウン配賦は、一般的な管理経費を各ビジネス ユニットや部門にどれだけ割り当てるかということを決めるだけでなく、経費の一部を個別のプロジェクトや製品に割り当てるためにも使用できます。

配賦には次のような利点があります。

配賦を定義する際には、最初に希望する最終結果を想定します。たとえば、オフィスの賃料は、その建物に在所する部門で共有分担します。賃料を単一の金額で支払っており、これが 1 つの部門に賦課されている場合は、オフィス スペースの占有率による比例配分、人員数、またはその他の固定金額や割合、統計的な条件に従って、この経費を各部門に配賦します。

配賦の目的が決まったら、必要なレコードやテーブルを操作するための知識を習得し、影響のあるチャートフィールドを識別します。

注: 配賦で使用する勘定科目のタイプに注意し、よく検討します。配賦では仮勘定科目を使用できません。特に、[配賦ステップ定義] プロセスの [配賦先] タブでは仮勘定科目を選択しないでください。

これは、次に示す配賦の基本要素を設定する上での重要な考慮事項です。

たとえば、レンタル勘定科目 640000 として管理部門 14000 の借方に記入されたレンタル経費を配賦するとします。配賦元は、そのチャートフィールド組合せの元帳行にある金額の合計です。配賦元は、基準 (この場合は統計科目で指定された各部門の床面積) に従って、配賦先として指定されたチャートフィールド値 (社内の別の部門) の間で分割されます。配賦先勘定科目の借方に記入されると、貸借を一致させるための相殺が生成されます。

PeopleSoft 配賦プロセスでは、バックグラウンド処理を使用します。また、配賦先と相殺のテーブルを直接更新できる、配賦仕訳を作成して転記できる、後で転記する仕訳を作成できる、などの自由度があります。

最終的に、配賦の結果、配賦先元帳と相殺元帳が更新されますが、配賦の出力を仕訳入力とすることができます。仕訳入力は、配賦プロセスの中で転記することも、後から別のプロセスで転記して元帳を更新することもできます。

PeopleSoft アプリケーションでは、資金や部門など、ビジネス ユニット間 (ユニット間) またはビジネス ユニット内 (ユニット内) で配賦することもできます。

配賦設定データの移行

配賦を効率的に実装するために、開発データベースまたはテスト データベースに配賦を作成してテストすることができます。その後、データ移行ワークベンチを使用して、配賦ステップやグループ、リクエストなどを、あるデータベースから別のデータベースに、そして最終的には実稼動データベースに移行できます。

詳細については、「PeopleSoft 配賦に対するデータ移行ワークベンチの使用」を参照してください。