図4-1 は、リモートライブラリを使用した構成例を示します。以降のセクションでは、この例を構成する方法について説明します。
SMC は、VTCS とリモート TapePlex 間のすべての通信を管理するため、リモート TapePlex への接続方法を認識する必要があります。これを行うには、ローカルおよびリモートの TapePlex に加え、リモート TapePlex への TCP/IP 制御パスを定義する 1 つ以上の SMC SERVER
文を定義します。次の例に示すように、SMC CMDS
ファイルでこれを行えます。
TAPEPLEX NAME(TMSPA)LOCSUB(HSC0) TAPEPLEX NAME(TMSPB)LOCSUB(HSC1) SERVER NAME(TMSPB)IP(192.168.1.10)PORT(60000)
この例の内容は次のとおりです。
TAPEPLEX
文。これは、ローカル MSP ホスト (HSC0) 上で HSC を実行しているローカルの TapePlex、TMSPA を定義します。
2 番目の TAPEPLEX
文。これは、リモート MSP ホスト (HSC1) 上で HSC を実行しているリモート TapePlex、TMSPB を定義します。
TMSPB への UUI 通信パスを定義する SERVER
コマンド。ここで:
リモートサーバー名は TMSPB です。
IP
パラメータの値は、UUI 通信用の ELS ポートの IP アドレス 192.168.1.10 です。
PORT
パラメータの値は 60000 です。TMSPB との SMC 通信用の SERVER PORT
パラメータには、この値が常に使用されます。
リモートライブラリと、VTSS からリモートライブラリへの接続を定義するように、VTCS CONFIG
デックを更新する必要があります。次の例に示すように、リモートライブラリは、CONFIG STORMNGR
文で定義されます。
TAPEPLEX THISPLEX=TMSPA STORMNGR NAME=TMSPB VTSS NAME=VTSS1 LOW=70 HIGH=80 MAXMIG=8 MINMIG=4 RETAIN=5 RTDPATH NAME=RM1RTD1 STORMNGR=TMSPB DEVNO=1A00 CHANIF=0A:0 RTDPATH NAME=RM1RTD2 STORMNGR=TMSPB DEVNO=1A01 CHANIF=0A:1 RTDPATH NAME=RM1RTD3 STORMNGR=TMSPB DEVNO=1I00 CHANIF=0I:0 RTDPATH NAME=RM1RTD4 STORMNGR=TMSPB DEVNO=1I01 CHANIF=0I:1 VTD LOW=6900 HIGH=69FF
この例では、次に留意してください。
CONFIG TAPEPLEX
文は、ローカル TapePlex として TMSPA を指定します。
STORMNGR
文は、リモートライブラリとして TMSPB を指定します。
VTSS1 の CONFIG RTDPATH
ステートメント。これは次の内容を指定します。
RTDPATH
の名前。
リモートライブラリへの接続 (STORMNGR=TMSPB
)。
デバイス番号 (DEVNO
)。
ci:p
形式での VTSS と RTD の接続ごとの CHANIF
値。ここでは:
c
は 0 または 1 です。
i
は A または I です。
P
は 0 - 3 です。
注記:
VSM5 の場合、CHANIF
値は、VSM5「IFF Configuration Status Screen」で指定された値に一致する必要があります。VSM 6 の場合、これは各 VTSS で一意である必要がありますが、VSM 6 TCP/IP ポートの実際の値に対応していません。現在、STORclas STORMNGR
パラメータを使用して、データをリモートライブラリにルーティングできます。次に例を示します。
STOR NAME(REMLIB) STORMNGR(TMSPB)
できれば VOLPARM/POOLPARM
定義を通じて、リモートライブラリのすべての MVC をローカル MVC プール定義に含める必要があります。ローカル HSC は、リモート MVC を非ライブラリとして扱います。
通常、どのリモートライブラリサーバーでも、何らかの方法で「外部管理」されるものとして MVC を定義する必要があります。直列化がないため、リモート TapePlex でローカル MVC のプールを共有させることはサポートされていません。
データ転送のために MVC のプールが共有されている場合、アクティブに MVC に書き込める TapePlex は 1 つだけです。ほかの TapePlex は、読み取り専用のアクセスだけを行えます。ドライブでの MVC の直列化はユーザーの責任で行なってください。