3 DIVAdirector の日常的な運用

DIVAdirector が正常に運用され、適切なストレージ容量や孤立ファイル、ユーザー対話、正常なバックアップと全体的なシステムの健全性を確保するには、DIVAdirector を毎日モニターする必要があります。何らかの異常が発生し、適切な対処方法がわからない場合は、Oracle サポートに連絡し、支援を求めてください。この章では、日常的な運用業務について説明します。

使用可能なストレージ容量の確認

DIVAdirector 初期構成ではシステムのストレージロケーションおよび各ロケーションの制限を確認しました。通常の使用を続けていくうちに、ストレージロケーションはデータでいっぱいになります。使用可能な容量が各場所にどれだけ残っているかを毎日確認する必要があります。ストレージロケーションの使用量が上限に近付いてきたら、データの一部 (またはすべて) を別のロケーションに移行するか (プロキシデータについては、プロキシ移行タスクを参照)、新しいロケーションを構成する必要があります (ストレージロケーションの構成を参照)。

次の手順を使用して、ストレージロケーションと使用可能な容量の残量を確認します。

  1. 「DIVAdirector Server Configuration」画面で、「Proxy Storage Manager」をクリックし、プロキシマネージャーをロードします。

  2. Proxy Locations」タブでストレージロケーションを確認します。

    c3_proxymanager.jpgについては、周囲のテキストで説明しています。
  3. 各ロケーションのステータスアイコン (最初の列) で、現在のストレージロケーションのステータスを確認します。アイコンについては、プロキシの場所の操作状態で説明しています。

    意図的に設定したわけでもないのに、場所の状態が動作中以外の状態になっている場合は、その状態を招いた原因を特定し、必要であれば問題を解決します。サーバーのログとドロップフォルダのログが問題の特定に役立ちます。問題が解決せず、さらなる支援が必要な場合は、Oracle サポートに連絡してください。

  4. 各場所のストレージ容量の使用量と使用可能な残量は、「Used」と「Available」列でそれぞれ確認できます。追加の容量が必要かどうか、別の場所への移行が必要かどうか、その場所はそのままの状態でよいかなどについて判断する必要があります。

  5. 新しいストレージロケーションを追加する必要がある場合は、ストレージロケーションの構成を参照してください。

  6. ストレージ容量上限を調整する必要がある場合は、プロキシの場所のストレージサイズの構成を参照してください。

  7. データを別のストレージロケーションに移行する必要がある場合は、プロキシ移行タスクを参照してください。

次は、孤立ファイルの確認です。

孤立ファイルの確認

DIVAdirector との日常的なユーザー対話により、孤立したファイルが生まれることがあります。孤立ファイルはドロップフォルダ内に置かれたファイルの中で、不正な形式を持つファイルやフォルダの構成とは異なるカプセル化を使用しているファイル、またはデータベースに存在しないファイルのことです。これらのファイルは認識されないファイルとして、特別な孤立フォルダに移されます。初期構成では孤立フォルダを確認しました (ドロップフォルダの構成を参照)。

次の手順を使用して、孤立ファイルを探して必要な対応を行います。

  1. Windows エクスプローラーを開きます。

  2. 最初のドロップフォルダ用に構成した孤立フォルダに移動します。

  3. フォルダ内の各ファイルに何が含まれているかを確認します。

  4. ファイルの内容がわかったら、1) 孤立フォルダに置かれたファイルを修復し、ドロップフォルダに再ドロップして再処理する、2) ファイルを別のストレージロケーションに移動する、3) ファイルを削除する、のいずれかから対応方法を選択します。

    社内組織のポリシーやファイルの重要性に応じて、各ファイルの対応方法を決定します。

次は、監査証跡を使用したユーザー対話の調査です。

監査証跡の確認

特定のオブジェクトに形成されたシステムおよびユーザーアクティビティーを確認するには、監査証跡を確認します。これは、システムの概況を確認する場合や、ユーザーが特定のオブジェクトに対してアクションを実行しようとしてエラーが発生したような場合に使用すると便利です。

Audit Trail」画面には、DIVAdirector システムとのユーザー対話が表示されます。画面の右側にあるオプションを使用して、「Action」、「User」、期間 (「From」と「To」)、「Object Name」、および「Object Category」で表示をフィルタリングできます。フィルタの「Object Name」および「Object Category」フィールドには単語の一部を入力できます。

たとえば、名前が MySportsVideos でオブジェクトカテゴリが MOV であるオブジェクトに対し Marketing Department のユーザーが実行したアクションを検索するには、次の手順を使用します。

  1. 「Organization」フィールドに「Mark」と入力し、「Organization」チェックボックスにチェックマークを付けます。

  2. Object Name」フィールドに「My」と入力し、「Object Name」チェックボックスにチェックマークを付けます。

  3. Object Category」フィールドに「MO」と入力し、「Object Category」チェックボックスにチェックマークを付けます。

  4. 画面の右下にある「Apply Filter」をクリックし、オブジェクトを検索します。

    オブジェクトが監査証跡に存在する場合は、この手順でオブジェクトが見つかります。

c3_audittrail.jpgについては、周囲のテキストで説明しています。

画面右上の「Export」をクリックすると、フィルタ適用後の (またはフィルタ適用前の) 監査証跡がファイルにエクスポートされるため、これを使用して一般的なシステムの使用状況やエラーを追跡できます。

バックアップの正常完了の確認

システムのバックアップは必須であり、障害回復のために非常に重要です。初期構成時に作成したバックアップが正常に完了して、適切なストレージロケーションに作成されたことを確認する必要があります。破損したバックアップファイルは復元できないため、毎日確認する必要があります。

次の手順を使用して、バックアップファイルを確認します。

  1. Windows エクスプローラーを開きます。

  2. システムの初期構成で指定したストレージロケーションに移動します。

    バックアップのストレージロケーションをどこに設定したか忘れてしまった場合は、自動バックアップの構成を参照してください。

  3. フォルダ内の最新ファイルの作成日時を確認します。日付と時間がバックアップスケジュールに一致していることを確認します。

  4. システムのログファイルでバックアップジョブに関連するエラーがないかを確認します。使用する手順については、ログファイルの確認を参照してください。

破損または失敗したバックアップが検出された場合は、問題のトラブルシューティングを開始する前に、手動バックアップの実行で説明されている手順を使用してシステムの手動バックアップを試みます。

次の章では、ときどき実施する必要のあるシステム保守タスクについて説明します。