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Oracle® VM Server for SPARC 3.4 リファレンスマニュアル

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更新: 2016 年 9 月
 
 

ovmtdeploy (1M)

名前

ovmtdeploy - deploy Oracle VM for SPARC テンプレート

形式

/opt/ovmtutils/bin/ovmtdeploy -d domain-name[,domain-name]... [-b] [-C core[,core]...]
  [-c vcpu[,vcpu]...] [-D] [-E vnet[:option=value][,vnet[:option=value]]...]
  [-e nic[,nic]...] [-I bus[,bus]...] [-k] [-l]
  [-M start-addr:size[,start-addr:size]...] [-m size[,size]...] [-N number-of-domains] [-n]
  [-o directory] [-p] [-P] [-q] [-S] [-s] [-t vsw[:option=value][,vsw[:option=value]]...]
  [-v dev:option=value[,dev]...] -x template-name 

/opt/ovmtutils/bin/ovmtdeploy [-q] -U domain-name

説明

ovmtdeploy コマンドは、テンプレートの内容を読み取って完全に機能する 1 つ以上の論理ドメインを作成します。

このコマンドは十分な領域があって root により書き込み可能であるディレクトリからスーパーユーザーとして実行する必要があります。

–d オプションを使用して作成する論理ドメインの名前を指定する必要があります。デフォルトでは、名前はテンプレートの .ovf ファイル名から取得されます。デフォルトをオーバーライドする追加の名前を指定できます。テンプレートの複数のコピーを指定するには、–N オプションを使用します。テンプレートの複数のコピーが存在する場合は、それぞれの名前のベース名に整数の接尾辞が追加されます。たとえば、OVM_SOL11_SPARCOVM_SOL11_SPARC_1 になります。

また、テンプレート (.ova) のパス template-name を指定する必要もあります。このファイルは、SPARC システムで使用するようにフォーマットされたディスクイメージが含まれる OVF 1.0 アーカイブにする必要があります。

ovmtdeploy コマンドは、テンプレートの配備の前に、配備先デバイスに十分なスペースがあることを確認します。このコマンドは、使用可能な領域が十分にない場合は、エラーで終了します。

ovmtdeploy コマンドには次のオプションがあります。

–b

バインドステップをスキップします。

–c vcpu[,vcpu]...

テンプレートファイル (.ovf) で指定された仮想 CPU の数の設定をオーバーライドします。オーバーライドする仮想 CPU の数は、論理ドメインの数に一致する必要があります。

–C core-ID[,core-ID]...

指定された名前付きコアをドメインに割り当てます。core-IDは、数値または範囲にできます。たとえば、–C 4,5,8-16 です。

–C オプションは、–c および –N オプションと相互排他です。

–e nic[,nic]...

このテンプレートに必要な仮想ネットワークスイッチで使用するネットワークアダプタを指定します。このオプションは、ゲストドメインネットワークインタフェースに接続するために仮想スイッチで使用されるプライマリドメインインタフェースを決定します。

–t オプションを使用すると、ドメインが持つインタフェースより多くのインタフェースをオーバーライドおよび割り当てできます。

システムに存在しない仮想スイッチを指定するために –t オプションを使用する場合、または制御ドメインに存在しない仮想スイッチをテンプレートで記述する場合、–e オプションを使用する必要があります。

[-E vnet[:option=value][,vnet[:option=value]]...]

.ovf ファイルに指定された仮想ネットワークインタフェースエントリをオーバーライドします。

    option には次のデバイスオプションのいずれかを指定できます。

  • pvid=port-VLAN-ID は、仮想ネットワークデバイスをメンバーにする必要のある VLAN をタグなしモードで指定します。

  • vid=VLAN-ID は、仮想ネットワークデバイスをメンバーにする必要がある 1 つ以上の VLAN をタグ付きモードで指定します。

–h

使用方法に関するメッセージを表示します。–H オプションと同じです。

–I bus[,bus]...

指定されたバス、PCIe デバイス、または SR-IOV 仮想機能をドメインに追加します。

–I オプションは –v–C–M、および –N オプションと相互に排他的です。

–k

チェックサム検証をスキップします。テンプレートをはじめてデプロイする場合、またはテンプレートが不明なソースに由来する場合は、このオプションを使用しないでください。テンプレートの整合性をすでにチェックしていて、まだ管理下にある場合は、あとでそのテンプレートをデプロイするときにこのオプションを使用できます。

–l

デプロイせずにテンプレートの内容を一覧表示します。このオプションは、テンプレートに含まれるドメインの内容とトポロジの両方の説明を提供します。

–m size[,size]...

テンプレートファイル (.ovf) で指定されたメモリーサイズをオーバーライドします。オーバーライドするサイズの数は、論理ドメインの数に一致する必要があります。size は、メモリーの量に単位を足したものです。単位は、M バイトの場合は m、G バイトの場合は g です。

–M start-addr:size[,start-addr:size]...

指定された名前付きメモリーブロックをドメインに割り当てます。start-addr は 16 進数または 10 進数のメモリーブロックの開始アドレスです。start-addr が 16 進数の場合、アドレスには 0x 接頭辞を使用してください。start-addr が 10 進数の場合、アドレスのあとに G を付けてください。size はメモリーの量で、あとに G を付けます。–M 128G:8G–M 0x80000000000:20G などです。

–M オプションは、–m および –N オプションと相互排他です。

–n

デプロイ、ロールバック、またはアンインストールコマンドを一覧表示して、予行演習を行います。

–N num-of-ldoms

複数の論理ドメイン (num-of-ldoms) を単一テンプレートから作成します。この場合、ドメイン名には 0 から増分される整数の接尾辞が含まれます。この名前は、デプロイディレクトリでも使用されます (たとえば dest-dir/OVM_SOL11_SPARC_1)。

–N オプションは –v–C–I、および –M オプションと相互に排他的です。

–o dest-dir

テンプレートコンポーネントをコピーする UFS または ZFS ファイルシステムディレクトリのフルパスを指定します。このディレクトリは、存在していて、書き込み可能であり、十分な空き領域があることが必要です。このディレクトリが指定されない場合、現在の作業ディレクトリが使用されます。テンプレート名のデプロイディレクトリは、次のディレクトリの下に作成されます。たとえば、dest-dir/OVM_SOL11_SPARC です。

–p

–l オプションと同じで、完全修飾テンプレートプロパティー名を出力します。

–P

–p オプションと同じで、テンプレートプロパティーの説明、タイプ、値の情報を出力します。

–q

出力を現在の作業ディレクトリ内のファイルにリダイレクトします。

–s

開始ステップをスキップします。

–S

正常にデプロイしたあとで、ドメイン構成ファイルを SP に保存します。

[-t vsw[:option=value][,vsw[:option=value]]...]

.ovf ファイルで指定された仮想スイッチエントリをオーバーライドします。

    option には次のデバイスオプションのいずれかを指定できます。

  • pvid=port-VLAN-ID は、仮想ネットワークデバイスをメンバーにする必要のある VLAN をタグなしモードで指定します。

  • vid=VLAN-ID は、仮想ネットワークデバイスをメンバーにする必要がある 1 つ以上の VLAN をタグ付きモードで指定します。

–U domain-name

指定されたドメインのアンインストールコマンドを実行します。

–v dev

ターゲットデバイス、ディレクトリ、またはその両方のコンマ区切りリストを指定します。次のターゲットデバイスを指定できます。

  • Raw ディスクデバイス (/dev/rdsk/c3t3d0s2 など)

  • iSCSI デバイス (/dev/rdsk/c0t600144F00021283C1D7A53609BE10001d0s2 など)

  • ZFS ボリューム (/dev/zvol/rdsk/ovmt/domain など)

  • ディレクトリ

スライス上のターゲットデバイスおよびブロック型デバイス上のターゲットデバイスはサポートされません。

デバイス名 dev のあとには、次のプロパティーをコンマ区切りリストで指定できます。

  • マルチパスグループ: mpgroup=group-name

  • 仮想ディスクタイムアウト: timeout=seconds

  • 関連ディスクオプションの指定: option=option (opt=option でも可)

  • dev の代替デバイスパスおよび仮想ディスクサービス (VDS) の指定: alt=path@VDSldm add-vdsdev -q コマンドを使用すると、デバイスが検証なしでドメインの mpgroup に追加されます。VDS が存在する必要もあります。mpgroup プロパティーを指定した場合は、alt プロパティーのみを指定します。

たとえば、–v /dev/rdsk/c3t3d0s2:mpgroup=mp1:timeout=30:option=excl です。

デバイスの数は、テンプレート内の仮想ディスクの数に一致する必要があります。

ディスクイメージを追加できます。この場合、–v を使用して指定するターゲットデバイスの数は、テンプレート内で指定されたディスクイメージの数よりも多い必要があります。また、スパースファイルとして作成される、ディスク上のファイルのサイズを指定する必要があります。

たとえば、–v /dev/rdsk/c3t2d0s2,/ovmt/NewDisk.img:size=16G です。

–v オプションは、–N オプションと相互排他です。

–x

テンプレートのデプロイ時に基盤となるディスクをデバイスエクステントに展開しません。デフォルトで、デプロイプロセスは、指定されたデバイスまたはバックエンドデバイスのパーティションをエクステントに展開します。

使用例 1 デプロイせずにテンプレートの内容を一覧表示

この例は、OVM_SOL11_SPARC.ova テンプレートの内容を一覧表示する方法を示しています。このコマンドはデプロイを実行しません。

primary# /opt/ovmtutils/bin/ovmtdeploy -l OVM_SOL11_SPARC.ova
使用例 2 単一論理ドメインへのデプロイ

この例は、$HOME/ovmt ディレクトリ内の OVM_SOL11_SPARC.ova テンプレートを ldg1 ドメインにデプロイする方法を示しています。

primary# /opt/ovmtutils/bin/ovmtdeploy -d ldg1 -o ~/ovmt OVM_SOL11_SPARC.ova
使用例 3 複数のドメインへのデプロイと設定のオーバーライド

この例は、$HOME/ovmt/OVMSOL11_SPARC.ova テンプレートを使用して 2 つのドメインにデプロイする方法を示しています。指定されたコマンド行オプションは、テンプレート内のメモリーおよびコア設定をオーバーライドして、8 および 16 コアを使用し、それぞれ 8G バイトのメモリーと 16G バイトのメモリーを使用します。

primary# /opt/ovmtutils/bin/ovmtdeploy -N 2 -c 8,16 -m 8g,16g -o ~/ovmt OVM_SOL11_SPARC.ova
使用例 4 デプロイ済みドメインのアンインストール

この例は、OVM_SOL11_SPARC.ova テンプレートに基づいて OVM_SOL11_SPARC_1 をアンインストールする方法を示します。

primary# /opt/ovmtutils/bin/ovmtdeploy -U OVM_SOL11_SPARC_1 OVM_SOL11_SPARC.ova

終了ステータス

次の終了値が返されます。

0

正常にデプロイされました。

1

コマンドの前提条件が満たされていません。

2

ランタイムエラーが発生しました。

属性

次の属性の説明については、attributes(5) マニュアルページを参照してください。

属性型
属性値
使用条件
pkg:/system/ldoms/ovmtutils
インタフェースの安定性
不確実

関連項目

ovmtadm(1M)ovmtconfig(1M)ovmtcreate(1M)ovmtlibrary(1M)ovmtprop(1M)attributes(5)

Oracle VM Server for SPARC 3.4 開発者ガイド