この章では、Oracle Data Integratorのインストールに先立ってシステムを準備する手順について説明します。
製品のインストールと構成で起きる問題を最小限に抑えるためには、この章の情報を十分に把握してください。
この章の内容は次のとおりです。
この項には次のトピックが含まれます:
このガイドは、Oracle Data Integratorの標準インストール・トポロジを作成する際に役立ちます(第1.5項)。Java EEエージェント・トポロジ(第1.5.1項)は、本番システムに適した、可用性の高いセキュアな環境になるように拡張できます。
標準インストール・トポロジは、この製品のサンプル・トポロジに相当するもので、サポートされる唯一のトポロジではありません。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の標準インストール・トポロジの理解に関する項を参照してください。
アップグレード手順の一部としてOracle Data Integratorをインストールする場合は、このガイドの手順に従ってソフトウェアをインストールしてください。ただし、構成ウィザードを実行してWebLogicドメインを作成しないでください。
ソフトウェアのインストール後に、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integratorのアップグレード』を参照してください。
このドキュメントの手順は新しいドメインを作成する方法を説明したもので、使用中のシステムにその他のOracle Fusion Middleware製品はインストールされていないことを前提としています。インストールおよびドメイン作成の手順のすべてがこの前提に基づいています。
すでにその他のOracle Fusion Middleware製品がシステムにインストールされている場合(たとえば、Java EEエージェント・トポロジを作成しようとしていて、すでにOracle Fusion Middleware Infrastructureがインストールされ、ドメインが稼働している場合)、同じ手順を使用して既存のドメインを拡張できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の同じドメインでの複数製品のインストールに関する項を参照してください。
新規ドメインを作成する場合でも、手順に示された内容と要件が合わないときは、適切な内容を選択していることを確認し、その他の詳細について説明されているドキュメントを参照してください。
Oracle Data Integratorには、次の3つのタイプのエージェントが含まれます。
Java EE
スタンドアロン
コロケート・スタンドアロン
これらのランタイム・エージェント・タイプの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integratorの理解』のランタイム・エージェントに関する項を参照してください。
Oracle Data Integrator Studioを使用してODIトポロジの構成と管理を行う予定の開発者は、第4章「Oracle Data Integrator Studioの構成」を参照してください。
Oracle Data Integratorを使用した開発を始める前に、まずOracle Data Integratorトポロジを設定する必要があります。このトポロジは、Oracle Data Integratorアーキテクチャおよびコンポーネントが物理的および論理的に表現されたものです。Oracle Data Integratorトポロジは、統合しようとしているデータのソースおよびターゲットを見つける場所を定義します。
このトポロジは、標準インストール・トポロジ(つまり、Oracle Universal Installerと構成ウィザードによりコンピュータ上にインストールおよび構成されるファイルのレイアウト)と同じではありません。
Oracle Data Integratorトポロジの詳細は、『Oracle Data Integrator開発者ガイド』のトポロジの設定に関する項を参照してください。
この項では、Oracle Data Integratorの標準インストール・トポロジをインストールおよび構成する方法について説明します。
Java EEエージェントの標準インストール・トポロジ。
Java EEエージェントは、Oracle Fusion Middleware Infrastructureを含む既存のOracleホームにインストールされます。Java EEエージェントとともに、ODI Console、ODI StudioおよびFusion Middleware Control用プラグインもトポロジにインストールされます。第1.5.1項を参照してください。
スタンドアロン・エージェントの標準インストール・トポロジ。
スタンドアロン・エージェントは、スタンドアロン・ドメインでインストールおよび構成されます。第1.5.2項を参照してください。
スタンドアロン・コロケート・エージェントの標準インストール・トポロジ。
スタンドアロン・エージェントはWebLogicドメインでインストールおよび構成され、ノード・マネージャおよび管理サーバーを使用して管理されます。第1.5.3項を参照してください。
このトポロジを使用する手順については、「標準インストール・トポロジのインストールおよび構成」を参照してください。
図1-1には、Oracle Data Integrator Java EEエージェントの標準インストール・トポロジが示されています。
このトポロジは、管理サーバーと、InfrastructureおよびJava EEエージェントがデプロイされた管理対象サーバーを含む標準的なWebLogic Serverドメインを表しています。管理対象サーバーは、クラスタ内のマシンをターゲットとしています。このドメインは単一のホストに構成され、(必要なFusion Middlewareスキーマがインストールされた)サポートされているデータベースを必要とします。
この標準インストール・トポロジの図にあるすべての要素が表1-1に説明されています。
表1-1 Java EEの標準インストール・トポロジの要素の説明
要素 | 説明と追加ドキュメントへのリンク |
---|---|
APPHOST |
アプリケーション層をホストしているコンピュータを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語です。 |
DBHOST |
データベースをホストしているコンピュータを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語です。 |
WebLogicドメイン |
論理的に関連するJavaコンポーネントのグループ(ここでは管理サーバー、管理対象サーバーおよびその他の関連するソフトウェアコンポーネント)。 詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareコンセプトの理解』のOracle WebLogic Serverドメインの概要に関する項を参照してください。 |
管理サーバー |
ドメインの構成オブジェクトを管理し、管理対象サーバーに構成変更を配布する、ドメインの中央制御エンティティ。 詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareコンセプトの理解』の管理サーバーの概要に関する項を参照してください。 |
Enterprise Manager |
Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control。 詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareコンセプトの理解』のOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlに関する項を参照してください。 |
クラスタ |
同時に稼働し連携する、複数のWebLogic Serverインスタンスの集合。 詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareコンセプトの理解』の管理対象サーバーと管理対象サーバー・クラスタの理解に関する項を参照してください。 |
マシン |
1つ以上のWebLogic Serverインスタンス(サーバー)をホストするコンピュータを論理的に表します。マシンはWebLogic管理対象サーバーとノード・マネージャを論理的に結び付けるものでもあります。管理対象サーバーをノード・マネージャで起動または停止するために、管理対象サーバーはマシンに関連付けられている必要があります。 |
管理対象サーバー |
アプリケーション、アプリケーション・コンポーネント、Webサービスおよび関連リソースをホストします。 詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareコンセプトの理解』の管理対象サーバーと管理対象サーバー・クラスタの理解に関する項を参照してください。 |
インフラストラクチャ |
次のものを含むサービスの集合:
|
Java EEエージェント |
Java EEエージェントです。 Java EEエージェントの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integratorの理解』のランタイム・エージェントに関する項を参照してください。 |
図1-2にスタンドアロン・エージェントの標準インストール・トポロジを示します。
このトポロジは、WebLogic Management Frameworkにより管理される、スタンドアロン・ドメインに構成されたスタンドアロン・エージェントを表します。このドメインは単一のホストに構成され、(必要なFusion Middlewareスキーマがインストールされた)サポートされているデータベースを必要とします。
この標準インストール・トポロジの図にあるすべての要素が表1-2に説明されています。
表1-2 スタンドアロン・エージェントの標準インストール・トポロジの要素の説明
要素 | 説明と追加ドキュメントへのリンク |
---|---|
APPHOST |
アプリケーション層をホストしているコンピュータを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語です。 |
DBHOST |
データベースをホストしているコンピュータを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語です。 |
スタンドアロン・ドメイン |
Oracle HTTPサーバーまたはOracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントなどのシステム・コンポーネントのコンテナです。 詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareコンセプトの理解』のスタンドアロン・ドメインに関する項を参照してください。 |
システム・コンポーネント |
Javaアプリケーション・コンテナにデプロイされない管理可能なプロセスです。 詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareコンセプトの理解』のシステム・コンポーネントに関する項を参照してください。 |
図1-3にスタンドアロン・コロケート・エージェントの標準インストール・トポロジを示します。
この標準インストール・トポロジは、WebLogicドメイン内に構成され管理サーバーにより管理されるスタンドアロン・エージェントを表しています。このドメインは単一のホストに構成され、(必要なFusion Middlewareスキーマがインストールされた)サポートされているデータベースを必要とします。
この標準インストール・トポロジの図にあるすべての要素が表1-3に説明されています。
表1-3 スタンドアロン・コロケート・エージェントの標準インストール・トポロジの要素の説明
要素 | 説明と追加ドキュメントへのリンク |
---|---|
APPHOST |
アプリケーション層をホストしているコンピュータを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語です。 |
DBHOST |
データベースをホストしているコンピュータを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語です。 |
管理サーバー |
ドメインの構成オブジェクトを管理し、管理対象サーバーに構成変更を配布する、ドメインの中央制御エンティティ。 詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareコンセプトの理解』の管理サーバーの概要に関する項を参照してください。 |
Enterprise Manager |
Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control。 詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareコンセプトの理解』のOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlに関する項を参照してください。 |
マシン |
1つ以上のWebLogic Serverインスタンス(サーバー)をホストするコンピュータを論理的に表します。マシンはWebLogic管理対象サーバーとノード・マネージャを論理的に結び付けるものでもあります。管理対象サーバーをノード・マネージャで起動または停止するために、管理対象サーバーはマシンに関連付けられている必要があります。 |
システム・コンポーネント |
WebLogic Management Frameworkにより管理されるスタンドアロン・プロセスです。 詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareコンセプトの理解』のシステム・コンポーネントに関する項を参照してください。 |
このガイドでは、Oracle Data Integratorの標準トポロジをインストールして構成するために必要なすべての手順を示します。このトポロジを若干変更したバージョンを作成する場合に使用できる補足情報への参照も、ガイドの手順内に記載されています。
表1-4に、トポロジをインストールして構成するために必要な手順を示します。
表1-4 Oracle Data Integratorインストール・ロードマップ
タスク | 説明 | ドキュメント |
---|---|---|
システム環境を確認します |
インストールの前に、最小限のシステム要件およびネットワーク要件を満たしていることを確認します。 |
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の動作保証とシステム要件の確認に関する項を参照してください。 |
インストールに備えたシステムの準備 |
必要な環境変数が設定され、適切なインストール・ユーザーを特定していることを確認します。 |
Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニングのインストールに備えたシステムの準備に関する項を参照してください。 |
インストール・ディレクトリを決めます |
作成する必要があるディレクトリが作成されているか、またはインストーラからアクセスでき、最小要件を満たすシステムに存在していることを確認します。
|
Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニングの推奨ディレクトリ構造の理解に関する項を参照してください。 |
動作保証されたJDKをインストールします。 |
ディストリビューションのインストール・プログラムは、ご使用のシステムで動作保証されたJDKを必要とします。 |
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』のJDKのインストールに関する項を参照してください。 |
データベースのインストールおよび構成。 |
ドメインを構成するには、Oracle Data Integratorに必要なスキーマのために正しく構成された動作保証済のデータベースへのアクセス権が必要です。 |
Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニングの推奨ディレクトリ構造の理解に関する項を参照してください。 |
適切なディストリビューションを入手します |
インストール用のOracle Data Integrator製品ディストリビューションを入手します。 Java EEエージェントまたはスタンドアロン・コロケート・エージェントを作成する場合は、Oracle Data Integratorをインストールする前に、Oracle Fusion Middleware Infrastructure製品を入手してインストールする必要もあります。 |
第1.7項を参照してください。 |
ソフトウェアをインストールします |
ソフトウェアのインストールにより、使用しているシステムにソフトウェアが転送され、Oracleホーム・ディレクトリが作成されます。 |
第2章を参照してください。 |
マスター・リポジトリおよび作業リポジトリ・スキーマを作成します。 |
Repository Creation Utility (RCU)を使用して「マスターおよび作業リポジトリ」データベース・スキーマを作成します。 |
第3章を参照してください。 |
物理ドメインを作成します。 |
ODI Studioを使用して物理エージェントを作成します。 |
第4章を参照して物理エージェントを作成します。 |
ドメインを作成して構成します。 |
構成ウィザードを使用してドメインを作成および構成します。 |
第5章を参照してJava EEエージェントのトポロジを作成します。 第6章を参照してスタンドアロン・エージェントのトポロジを作成します。 第7章を参照してスタンドアロン・コロケート・エージェントのトポロジを作成します。 |
高可用性のドメインのための管理および準備を行います |
ドメインを管理するための追加のツールおよびリソースを検出します。 Java EEエージェントを構成した場合は、可用性が高くなるようにドメインを準備して構成することもできます。 |
第8章を参照してください。 |
Java EEエージェントまたはスタンドアロン・コロケート・エージェントを作成するには、まずOracle Fusion Middleware Infrastructureをインストールして、Oracleホーム・ディレクトリを作成する必要があります。『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストールと構成』を参照してください。
Oracle Data Integratorディストリビューションには、付録Aに記載された製品および機能セットが含まれています。