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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Sitesのインストールと構成
12c (12.2.1)
E70074-02
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10 インサイトとサポート・ソフトウェアの構成

この章では、Oracle WebCenter Sites: インサイトとそのサポート・ソフトウェア(Kafka、HBaseおよびEndeca)の構成方法について説明します。インサイトのランタイムは、インサイトWebアプリケーション(WARファイル)とクラスタの全メンバーで共有するconfigディレクトリで構成されます。

次のトピックでは、サポート・ソフトウェアの詳細とインサイトの構成方法について説明します。

10.1 インサイトに必要なソフトウェア・コンポーネント

Oracle WebCenter Sites: インサイトは、サポート・ソフトウェア・コンポーネントに依存しており、これらをインサイトよりも先にインストールして構成する必要があります。

インサイトをデプロイする前に、次のソフトウェアをインストールして構成します。

  • Apache Kafka 0.8.2.1 (Zookeeper使用) — インサイトのメッセージング・キュー(データ・バッファ)サービス

    インサイトによって収集されるRAWデータは、Kafkaのメッセージ・キューに追加されます。インサイトはキューからRAWデータを取り出し、訪問者の国、ブラウザおよびオペレーティング・システムなどのメタデータでデータ・エンリッチメントを行い、それをエンリッチ・データ・キューに書き込みます。最後に、インサイトはエンリッチされたデータを取り出し、永続記憶のためにHBaseに書き込みます。

  • HBase 0.98.6-hadoop2またはCDH 5.2.0 (Zookeeper使用) — インサイトのエンリッチ・データのデータ・ストア

  • Oracle Endeca Server 7.6

  • (オプション) Oracle Endeca Information Discovery 3.1(Zookeeper使用) — レポート生成ツール。

    インサイト内に構成されたデータ・ローダがHBaseから特定のデータ範囲を取り出し、レポートを生成するためにEndecaにロードします。

  • Zookeeper – インサイトがプロパティ管理のために使用できるスタンドアロン・インスタンス

注意:

Kafka、EndecaおよびHBaseはサード・パーティ製品であり、インサイトの一部として配布されません。これらは各ベンダーから入手する必要があります。zookeeperのポートが相互に競合するため、同じサーバー上でKafka、EndecaおよびHBaseのいずれかの組合せを実行しないでください。別のサーバー・インスタンス上で各サービスを実行する(推奨)か、zookeeperのポートを変更します(推奨されません)。

10.2 インサイトの構成

環境に応じてインサイトを構成し、その構成をテストできます。

インサイトを構成する前に、次の前提条件を満たす必要があります。
  • Apache Kafka 0.8.2.1およびHBase 0.98.6-hadoop2をインストールして構成します。

  • 完全に機能するWebCenter Sitesインスタンスを1つ以上インストールして構成します。

  • WebCenter Sitesドメインの構成」で説明しているように、WebLogic構成ウィザードとOracle WebCenter Sites — Insights — 12.2.1.0.0テンプレートを使用して、WebCenter Sitesドメインにインサイトの管理対象サーバーを構成します。

    インサイトでは、製品のホーム・ディレクトリはORACLE_HOME/wcsites/insights (WCS_INSIGHTS_HOME)、構成ディレクトリはDOMAIN_HOME/wcsites/insights/config (WCS_INSIGHTS_CONFIG)です。

  • WebCenter Sitesドメインのためにまだ実行していない場合は、次のスクリプトを実行して、ORACLE_HOME/wcsites/wcsites_common/lib/sites-security.jarOracle Platform Security Services資格証明ストアの読取り、書込みおよび削除のアクセス権限を付与します。

    • UNIXオペレーティング・システムの場合:

      DOMAIN_HOME/wcsites/bin/grant-opss-permission.sh
    • Windowsオペレーティング・システムの場合:

      DOMAIN_HOME\wcsites\bin\grant-opss-permission.bat

    スクリプトから入力を要求されたら、WebLogic Server管理者のユーザー名とパスワードを使用します。

  • 「インサイトに必要なソフトウェア・コンポーネント」に記載されたサード・パーティのサポート・ソフトウェアをインサイトのためにインストールして構成します。

インサイトの構成手順:
  1. ORACLE_HOME/wcsites/insights/binディレクトリで、config.propertiesファイル内の次のプロパティを環境に適した値で更新します。
    destination インサイトconfigディレクトリのフル・パス。デフォルトでは、DOMAIN_HOME/wcsites/insights/configです。
    server.zookeeper.connect スタンドアロンZookeeperインスタンスのホスト名とクライアント・ポート番号をhostname:client-portの形式で指定します。スタンドアロンZookeeperインスタンスが構成されていない場合は、kafka.zookeeper.connectと同じ値に設定します。
    kafka.zookeeper.connect ターゲットKafkaインスタンスのZookeeperのホスト名とクライアント・ポート番号をhostname:client-portの形式で指定します。
    metadata.broker.list ターゲットKafkaインスタンスのホスト名とメタデータ・ブローカ・ポート番号をkafka-hostname:broker-portの形式で指定します。
    hbase.zookeeper.quorum ターゲットZookeeperインスタンスのホスト名。
    hbase.zookeeper.property.clientPort ターゲットZookeeperインスタンスが接続を待機しているポート番号。
    vs.uri (オプション)ターゲット訪問者サービス・インスタンスのURI。このプロパティを構成すると、訪問者サービスの訪問者データによってインプレッション・データをエンリッチメントできます。
    cors.allowOrigin クロスドメイン・リソース・リクエストが受け入れられるホスト名とポート番号(hostname:port形式、カンマ区切り)。値にワイルドカード(*)を指定すると、CORSフィルタが無効になります。
    zookeeper.overwrite (オプション)起動時に既存のZookeeperのノード構成を上書きするかどうかを指定します。trueまたはfalseを指定できます。

    (オプション)訪問者のインプレッション・データを、データ・ローダを使用せずに直接にHBaseからEndecaにロードする場合は、次のEndecaのプロパティも構成してください。

    endeca.hostname ターゲットEndecaインスタンスのホスト名(前述のEndecaのSSL構成の一部としてすでに設定されている場合は必要ではありません)。
    endeca.port ターゲットEndecaインスタンスが接続を待機しているポート番号。
    endeca.datadomain ターゲットEndecaデータ・ドメインの名前。
    endeca.context ターゲットEndecaサーバー・インスタンスのコンテキスト。
  2. 構成ユーティリティを実行します: java -jar insights-configtool.jar config.properties
  3. インサイトを起動します。
    1. HbaseまたはCDHが稼働中であることを確認します。
    2. Kafkaサーバーを起動します。
    3. インサイトの管理対象サーバー。
      インサイトの管理対象サーバーが稼働中の状態になった後、URL (http://insights-server-host-name:insights-port/insights/)にアクセスすると、"Insights Web Service Application!"メッセージが表示されます。

    インサイトが実行されているかどうかを確認するには、次の例に示すように、insights-logging.xmllogger name='oracle.wcsites.insights.consumer.hbase'logger level='TRACE:32'に設定します。

    <logger name='oracle.wcsites.insights.consumer.hbase' level='TRACE:32' useParentHandlers='false'>

    次に、http://insights-server-host-name:insights-port/insights/rest/trackerにアクセスし、インサイトのログDOMAIN_HOME/servers/insights-server/logs/をチェックします。ログに[oracle.wcsites.insights.consumer.hbase]が出力されている必要があります。

    注意:

    インサイト管理対象サーバーの起動が失敗する場合は、インサイトをホストしている物理マシン上で実行中のオペレーティング・システムでユーザーが利用できる最大プロセス数(max user processes)を増加し、再び試みてください。
  4. Webブラウザで次のURLにアクセスして構成をテストします: http://insights-host:port/insights/。「Insights Web Service Application」のメッセージは、インサイトが稼働中であることを確認します。
  5. インサイトの統合を有効にするために、WebCenter Sitesを設定します。
    1. WebCenter Sites管理インタフェースにログオンします。
    2. プロパティ管理ツールを使用して、次のように、config.propertiesを設定します。
      • insights.enabletrueに設定する

      • server.zookeeper.connectと同じ値をinsights.zookeeper.connectに設定する

      • insights.datacaptureurlhttp://insights-host:insights-port/insightsに設定する

      • insights.asset.management.enabledtrueに設定する

  6. WebCenter Sitesページのプレビューが追跡されない場合は、ページのプレビューに使用されるテンプレートに、AddAnlyticsImgtagが含まれていることを確認してください。例: <render:callelement elementname="insights/AddInsightsImgTag" args="c,cid,d,site,recid"/>

注意:

レポートおよび他のインサイトに関連する構成は、analyticsロールを持つユーザーのみがアクセスできます。レポートのデータはEndecaから取得されるので、レポートが表示されない場合は、サイトのローダーが構成されているかどうかを確認してください。ローダーは、定期的または一度にすべてのデータをHbaseからロードするようにスケジュールできます。詳細は、Oracle WebCenter Sitesの管理のデータ・ローダーの構成に関する項を参照してください。

インサイトの構成の詳細は、Oracle WebCenter Sitesでの開発のインサイトの開発に関する項を参照してください。

注意:

WARファイルに加えた変更は、再デプロイ時に保持されないため、WARファイルの変更は、Webアプリケーションの各再デプロイの後にコピーする必要があります。一般に、イメージやスタイルシート・ファイルなどの静的アーティファクトをWebサーバーにデプロイすることをお薦めします。