WEMフレームワークの詳細は、次の項を参照してください。
WEMフレームワークを使用するには、コンテンツ管理プラットフォームが必要です。WEMフレームワークはOracle WebCenter Sites上で稼働し、図56-1に示すように、WebCenter Sites Representational State Transfer (REST) APIが同梱されています。サイト、ユーザーおよびデータ・モデルなど、WebCenter Sitesデータベース内のオブジェクトは、WEMフレームワークでRESTリソースにマッピングされます。
WEMフレームワーク上に実装されたアプリケーションは、RESTサービスを介してWebCenter Sitesデータベースと通信します。このアプリケーションは、WEM Adminで「アプリケーション」ページ(図56-2)のリスト項目として表示されます。管理者はユーザーの認可を行う際に、アプリケーションおよびそのリソースへのアクセスも構成します。そのため、WEM Adminインタフェースでは、メニュー・バー上のリンクを介してから認可アイテムが(アプリケーションとともに)公開されます。
図56-3 に示すようにアイテムを結合することによって、ユーザーにアプリケーションの使用を許可します。
結合処理が完了すると、ユーザーはデータベース・レベル、RESTレベルおよびアプリケーション・レベル(図56-4)で認可されます。
習熟したWebCenter Sites開発者であれば、WEMフレームワークによって、アプリケーションへのアクセスを制御するためのサイトおよびロールの用途が拡張されることがわかります。ただし、WebCenter Sitesとは異なり、WEM Adminインタフェースはデータ・モデルを公開しません。REST APIが公開します。この点においてWEM Adminは厳密な意味での認可インタフェースとみなすことができ、(ACLおよびグループの構成用に) Adminインタフェースでサポートされます。
開発者がWEM Adminを使用することはほとんどありませんが、ユーザー認可の背後にある概念を理解しておくことにより、アプリケーション開発に役立つ場合があります。以降の各章では、アプリケーション開発に関係するWEMフレームワークについて説明し、アプリケーション・コードの例を示します。
アプリケーション開発には、アプリケーション・ロジックのコーディング、アプリケーションのデプロイに加え、管理者がアプリケーションを管理したり、他のユーザーに提供したりできるように、アプリケーションを登録してWEM Adminで公開することも含まれます。この情報は、アプリケーション開発のチュートリアルではなく、経験を積んだアプリケーション開発者がWEMフレームワークの使用方法を習熟できるようにするためのリファレンスです。これらの章のユーザーは、WebCenter Sitesに習熟し、この項に記載されているテクノロジについて実践的な知識を持った開発者である必要があります。
この項には次のトピックが含まれます:
Representational State Transfer (REST)。WebCenter Sitesプラットフォームとの通信に使用されます
Central Authentication Service (CAS)。WebCenter Sitesのインストール時にデプロイされ、WEMのシングル・サインオンをサポートします
Java Server Pages Standard Tag Library (JSTL)、Java、JavaScript、JerseyおよびSpring MVCフレームワーク。WEMに付属のArticlesサンプル・アプリケーションのコードを実行します
開発者は次に関する実践的な知識を持っている必要があります。
WebCenter Sites Admin (管理インタフェース)
WebCenter Sitesのベーシック・アセット・モデルおよびフレックス・アセット・モデル
アセットAPI
ACL。データベース表を保護し、表に対して実行可能な操作のタイプを定義します。
サイトおよびロールの概念
この項では、次のドキュメントについて説明します。
『Oracle WebCenter Sites REST APIリソース・リファレンス』
Oracle WebCenter Sites Java APIリファレンス
ACL、サイト、ロールの詳細およびこれらのWebCenter Sitesでの使用方法については、『Oracle WebCenter Sitesの管理』を参照してください。
このガイドのこの部分では、次のサンプル・アプリケーションを使用します。
Articles。軽量なコンテンツ管理アプリケーションです。
SSOサンプル・アプリケーション。本番サイト用のサイズの小さい認証アプリケーション。アプリケーションは、wem-sso-api-cas-sample.war
としてパッケージ化されます。
Recommendations。RESTリソースの作成プロセスを示します。
このガイドでは、ログイン動作のカスタマイズについて説明する際に、Customizable Single Sign-Onファシリティを使用します。
WEMフレームワークには、弊社のAPIを使用したクロスドメインの実装方法およびRESTを介したアセットの管理方法を示すサンプル・ファイルが同梱されています。
すべてのサンプル・アプリケーションおよびファイルは、WebCenter Sitesインストール・ディレクトリ内のMisc/Samples/WEM Samples
フォルダにあります。
このガイドのこの部分の情報を使用する場合、または開発およびテストを行う場合は、次のように、WEM Adminインタフェースにアクセスし、アプリケーション登録プロセスの結果をテストします。
Webブラウザで、次のURLにアクセスします。
http://wcs-server:wcs-port/wcs-context-root/
fwadmin
(または同等のユーザー)でログインします。
表示されたページで、AdminSite、「管理」 (最初のアイコン)の順に選択します。
WEM Adminの「サイト」ページが表示されます(図56-5)。登録済アプリケーションが「アプリケーション」ページに一覧表示されます。
このガイドのこの部分は、順序に関係なくお読みいただけます。
WEMフレームワークの詳細は、「WEMフレームワークとサービスの理解」を参照してください。
Articlesアプリケーションのデモについては、「Articlesサンプル・アプリケーションでの作業」を参照してください。
Articlesアプリケーション・コード、プログラムによるアプリケーション登録、およびクロスドメイン実装の詳細は、「WEMフレームワークでのアプリケーションの開発」を参照してください。手動でのアプリケーション登録の例については、「WEMフレームワークでのアプリケーションの手動登録」を参照してください。
RESTリソースの作成の詳細は、「WEMフレームワークを使用したカスタムRESTリソースの開発」を参照してください。
SSOサンプル・アプリケーションのデモについては、「本番サイトでのシングル・サインオンの使用」を参照してください。
システム・セキュリティの詳細は、「WEMフレームワークでのRESTリソースの使用」を参照してください。
WEMフレームワークのログイン動作のカスタマイズの詳細は、「WEMフレームワークへのCustomizable Single Sign-Onファシリティの導入」を参照してください。
バッファリングの詳細は、「WEMフレームワークでのバッファリング」を参照してください。