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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Sitesの使用
12c (12.2.1)
E67374-02
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10 A/B Testingの使用

Oracle WebCenter Sites: A/B Testing機能を使用すると、Webサイト・ページで設計とコンテンツのバリエーションを試験し、Webサイトに対して永続的な変更を行う前に、どのバリエーションが最適な結果を生み出すかを確認できます。コンテキストに対応したこの機能の視覚的手法を使用して、Oracle WebCenter Sitesに用意されている任意のページでA/Bテストを作成します。

注意:

このOracle WebCenter Sites製品のA/Bテスト機能は、Googleアナリティクスとの統合を介して提供されます。このOracle製品のA/Bテスト機能を使用するには、まずGoogleでGoogleアナリティクス・アカウントを登録し、A/Bテストのパフォーマンスを測定できるようにします。 また、A/Bテストの一環として、匿名のエンド・ユーザー情報(テストでWebサイトにアクセスするエンド・ユーザーの情報)がGoogleに提供され、その情報に適用されるGoogleの規約に基づいてGoogleによって使用される可能性があることに同意します。

たとえば、A/B Testingを使用して次のことを調査できます。

10.1 A/Bテストの概要

A/Bテストの作成および実行には、次の主要手順が含まれます。これらについては、この章全体を通して詳しく説明します。

  1. テストで比較する内容を決定します。

    A/Bテストでは、複数のバリアントを比較します。バリアントAはコントロール(ベース)として機能し、バリアントBおよび任意の追加バリアント(C、Dなど)はそれぞれAと比較されます。

    一度に複数のA/Bテストを実行できます。

  2. テストで測定する内容を決定します。

    目標を使用して、テストで取得する訪問者アクションを指定し、バリアントを比較し、A/Bテストの結果として表示します。目標とは、追跡用として識別する特定の訪問者アクションを示し、ユースケースと適合する目標のタイプを指定できます。デフォルトの目標は、宛先、期間、セッション別のページ数およびイベントです。たとえば、「宛先」を選択すると、surfing.htmlなどのページを指定できます。このページが訪問されるたびに変換が発生します。

  3. Oracle WebCenter Sites: ContributorインタフェースのA/Bテスト・モードで、A/Bテストを作成し、これにバリアントを追加します。

    管理システムでテストを作成し、WYSIWYG A/Bテスト・モードを使用して、選択したWebページまたはモバイル・ページに1つ以上のバリアントを追加します。カラーコーディング別にバリアントを識別し、追跡した変換を簡単に保存または破棄できます。下図では、最初のバリアント(B)がA/Bテスト・パネル(B)とページ上の各(1)の両方で緑色で表示されています。「A/Bテストの作成」を参照してください。

    図10-1 A/Bテスト・モード

    図10-1の説明が続きます
    「図10-1 A/Bテスト・モード」の説明
  4. A/Bテストの基準を選択します。

    • テストをいつどのように開始および終了するかを指定します。Googleアナリティクスでは、期間として表示されます。たとえば、開始日に14、終了日に28を選択すると、Googleアナリティクスでは2週間として表示されます。「A/Bテストの開始および終了の指定」を参照してください。

    • 達成すべき統計的な確信度レベルを指定します。たとえば、結果の確信度レベルが95%の場合は95を入力します。「A/Bテストの確信度レベルの選択」を参照してください。

    • 目標の選択をクリックし、表示されたダイアログ・ボックスで目標を選択します。「A/Bテストで追跡する目標の指定」を参照してください。

    • テストのターゲットとする訪問者またはセグメントを選択します。訪問者プール全体のうち指定した割合までのテストや、選択した1つ以上の訪問者セグメントについて指定した割合までのテストを表示できます。「A/Bテストでターゲットとする訪問者またはセグメントの指定」を参照してください。

    図10-2 A/Bテストの基準ペイン

    開始および終了、訪問者、確信度、変換およびターゲットの各コントロールが表示されたA/Bテストの基準ペイン
  5. テスト(およびその依存性)を承認し、実際の試験をGoogleで確認します。

    「A/Bテストの承認およびパブリッシュ」を参照してください。

  6. 「A/Bテスト・レポートでのテスト結果の表示」を参照してください。

    訪問者によってバリアントが閲覧され、変換が行われたら、個々のA/Bテストの結果をレポート上で参照できます。このレポートでは、テスト・バリアントの作成時に見たものと同じバリアントのカラーコーディングが保持されています。このレポートを使用して、測定可能な訪問者アクションの差異がバリアント間にあるかどうかを確認できます。Cookieが残されるため、訪問者がサイトに戻ったときに同じバリアントが表示されます。「A/Bテスト結果の表示」を参照してください。

    図10-3 バリアントが表示されたA/Bテスト

    図10-3の説明が続きます
    「図10-3 バリアントが表示されたA/Bテスト」の説明
  7. 必要に応じて、最優秀バリアントを使用するためにサイトを更新します。

    最優秀バリアントをしばらく表示した後、A/Bテストをコピーまたは作成して新しいバリアントを組み込むことにより、テストを繰り返して精度を徐々に上げていくことができます。

10.2 A/B Testingを開始する前に

A/Bテストを作成するには、次の前提条件を満たす必要があります。

  • A/Bテスト・アセット・タイプWCS_ABTestを有効にする必要があります。これは、デフォルトでは有効ではありません(avisportsおよびFirstSite IIサンプル・サイトの場合は除きます)。

    アセット・タイプはWebCenter Sites管理者または開発者が有効にします。

    詳細は、『Oracle WebCenter Sitesの管理』のA/B Testingの管理に関する項を参照してください。

  • A/Bテストを実行するテンプレートにA/Bコード・エレメントが含まれる必要があります。このコード・エレメントは、デフォルトではテンプレートに含まれていません。

    A/Bコード・エレメントはWebCenter Sites開発者がテンプレートに追加します。

    詳細は、『Oracle WebCenter Sitesでの開発』のテンプレート・アセットに関する項を参照してください。

  • 配信インスタンス(A/Bテスト・バリアントをサイト訪問者に配信する任意のインスタンス)でabtest.delivery.enabledプロパティをtrueに設定する必要があります。このプロパティは、A/Bテストの作成のみに使用するインスタンスには設定しないでください。なぜなら、誤った結果が生成されるからです。abtest.delivery.enabledプロパティは、wcs_properties.jsonファイルのABTestカテゴリ内にあります。

    詳細は、Oracle WebCenter Sitesのプロパティ・ファイル・リファレンスのA/Bテストのプロパティに関する項を参照してください。

  • A/Bテストの最優秀バリアントをプロモーションできるユーザーには、MarketingAuthorロールを付与する必要があります。A/Bテスト・レポートを表示したりテストを中止できるユーザーには、MarketingEditorロールを付与する必要があります。

    ユーザーの構成の詳細は、Oracle WebCenter Sitesの管理のユーザー、プロファイルおよび属性の構成に関する項を参照してください。

10.3 A/Bテストの作成

A/Bテストの作成には、テストするWebページのバリアントの設定、およびテスト中に適用する基準の設定が含まれます。

10.3.1 A/Bテスト・モードのオンとオフの切替え

ContributorでのA/Bテストの操作は、Webビューでの編集と似ています。主な違いは2つあり、1つは、A/Bテスト・モードの場合はサイト・ページ自体ではなくバリアントのテスト・レイヤに対して変更を行うこと、もう1つは、A/Bテスト・パネルは右側に表示されることです。

A/Bテスト・モードのオンとオフの切替えの詳細は、次のトピックを参照してください。

10.3.1.1 A/Bテスト・モードのオン

このタスクは、ツールバー・ビュー・コントロール内の「Web」という単語で表されるContributorのWebビューになっていることを前提としています。
  1. テストを追加するブラウザ・ページまたはモバイル・ページを表示します。
  2. メニュー・バーの右上のA/Bテスト・アイコンをクリックします。
    この画像は、A/Bテスト・アイコンを示しています。

    注意:

    アイコンの上にカーソルを置くと、ページに対してすでに存在するテストの数(存在する場合)がツールチップとして示されます(たとえば、「このページには2つのA/Bテストがあります」など)。

    ページに対してA/B Testingが有効でない場合でも、A/Bテストは作成されますが、この場合、ページの上部に警告メッセージが表示されます。

ページに対するA/Bテストが存在しない場合、右側のパネルには、「テストを作成してください」というテキストが示された1つのコントロールが表示されます。

ページに対して1つ以上のA/Bテストがすでに存在する場合、右側のパネルには、A/Bテスト・コントロールと、基準コントロールを変更するためのオプションが表示されます。

  • A/Bテスト・コントロールを使用して、ページに対するテストを作成および編集し、ページのバリアントに対して行う変更を追跡します。

  • 基準コントロールを使用して、選択したテストの基準(開始と終了の決定子、測定対象の変換、ターゲットと確信度に関する情報など)を設定します。

A/Bテスト・モードの場合、ツールバーのコントロールも変化します。

  • ツールバー・ラベルはA/Bテストに変更されます。

  • テストがまだパブリッシュされていない場合、「保存」アイコンとページ・レイアウトの変更アイコンを使用できます。

  • 「承認」アイコンと「削除」アイコンは常に使用できます。

  • 「編集」「プレビュー」「チェックイン/チェックアウト」または「レポート」アイコンはありません。

10.3.1.2 A/Bテスト・モードのオフ

  • A/Bテスト・パネルの右上にある「X」をクリックします。

テストを作成または変更したばかりでまだ保存していない場合、テストを閉じる前に保存するよう求められます。

10.3.2 A/Bテストの作成、コピーおよび選択

A/Bテストを作成したり、これらをコピーしたり、既存のテストを選択できます。

A/Bテストの作成、コピーおよび選択の詳細は、次のトピックを参照してください。

これらのタスクでは、A/Bテスト・モードで作業していることを前提としています。

10.3.2.1 ページに対するA/Bテストの作成

  1. 「テストを作成してください」というテキストまたは既存のテストのリストが含まれるリスト・ボックスで、リスト・ボックスの横にある「+」(プラス)ボタンをクリックします。
  2. 「新規テストの作成」ウィンドウで、上部または唯一のフィールドにテストの名前を入力します。
  3. 「送信」をクリックします。
  4. A/Bテストのツールバーで、「保存」アイコンをクリックします。

10.3.2.2 A/Bテストのコピー

  1. 既存のテストのリストの横にある「+」(プラス)ボタンをクリックします。
  2. 「新規テストの作成」ウィンドウで、コピーするテストを「コピー」フィールドで選択します。

    上部のフィールドで、割り当てられているデフォルト名を変更できます。

  3. 「送信」をクリックします。
  4. A/Bテストのツールバーで、「保存」アイコンをクリックします。

10.3.2.3 A/Bテストの選択

  • 既存のテストのドロップダウン・リストを開き、必要なテストを選択します。

テストを作成、コピーまたは選択した後、バリアント(「A/Bテスト・バリアントの追加/選択および編集」を参照)を処理し、基準を選択できます。選択した基準は、テストのすべてのバリアントに適用されます。

10.3.3 A/Bテスト・バリアントの設定

10.3.3.1 A/Bテスト・バリアントの追加/選択および編集

この手順では、パネル内でバリアントを選択してそのWebページを編集することによってA/Bテストを定義してから、カラーコーディングおよび番号付けを使用して、選択したバリアントとその変更を識別します。

テスト・バリアントを追加/選択および編集するには:

  1. A/Bテスト・モード(「A/Bテスト・モードのオン」を参照)にし、処理対象のテストをパネル上部の「テスト」フィールドで選択します。

    テストの説明フィールドの下に、現在のWebページのバリアントがリストされます。最初は、ベースWebページAとこのWebページの単一のバリアントBがあります。ベースWebページにバリアントを追加すると、これらがCDEなどになります。

    元のWebページであるAがコントロールです。

    バリアントを選択すると、その文字がカラーコーディングされた円に表示されます。「B」をクリックすると緑色の円が表示され、「C」をクリックすると黄色の円が表示されます。選択したバリアントのWebページを変更すると、変更を示す番号とともに、同じ色の円がWebページ上に表示されます。

    バリアントに対して行われた変更は、パネル下部の追跡済変更セクションにリストされます。変更番号は、Webページ上でカラーコーディングされた番号に対応しています。

    参照専用名に加えて、各バリアントは次によって識別されます。

    • 文字Bバリアントはすでに作成および選択されており、いつでも変更を開始できます。(Aは、元のWebページであるコントロールです。)

    • 名前。ベースWebページの名前は最初は「ベース」であり、バリアントの名前は最初は「B」、「C」、「D」などです。これらの名前はいつでも変更できます。

    • 選択したバリアントを示すために表示されるカラーコーディングされた円。たとえば、「B」をクリックすると緑色の円が表示され、「C」をクリックすると黄色の円が表示されます。選択したバリアントのWebページを変更すると、同じ色の円が番号とともにWebページ上に表示されます。

    • 番号付けされた変更。これらは、パネル下部の追跡済変更セクションに表示されます。変更は、Webページ上でカラーコーディングされた番号に対応する番号が割り当てられます。

  2. バリアントを選択または追加します。
    • バリアントを選択するには、その文字(Bなど)をクリックします。割り当てられた色の円が表示されます。

    • バリアントを追加するには、最後のバリアントの下にある「+」(プラス)ボタンをクリックします。新しいバリアントが追加および選択され、割り当てられた色の円が表示されます。バリアントの名前はいつでも入力できます。バリアントをこの時点で自動的に保存するようシステムが構成されている場合があります。そうでない場合は、別のバリアントに切り替える前に、ツールバーの「保存」アイコンをクリックして現在のバリアントを保存する必要があります。

  3. ページの編集領域で、ページをWebビューで変更する場合と同じように、選択したバリアントを変更します。たとえば、ヘッドラインを変更したり、イメージを置き換えることができます。

    検索機能を使用すると、バリアント・ページに含めるアセットを検索できます。検索結果パネルによってA/Bテスト・パネルが一時的に隠されます。検索結果パネルからアセットをドラッグ・アンド・ドロップしてバリアント・ページに移動します。検索パネルを閉じ、A/Bテスト・パネルを再表示します。

    次の編集作業を行うこともできます。

    変更を行うと、これらの変更は追跡済変更セクションでリストされ、説明され、番号が付けられます。これらの番号は、Webページ上でカラーコーディングされた円内に表示される番号に対応しています。実行したがまだ保存していない変更は、「未保存の変更」セクションにリストされます。追跡済変更セクション内の各アイテムの上にカーソルを置くと、そのアイテムがWebページ上で強調表示されます。

    「(非表示)/(表示)」コントロールをクリックすると、Webページ上の番号付きの円の表示と非表示を切り替えることができます。また、番号付きの円がWebページの表示を遮っている場合は、これらをドラッグ・アンド・ドロップして位置を変更することもできます。

  4. 追跡済変更を保存または破棄します。
    • Webページ・バリアントに対して行った変更をすべて保存するには、A/Bテストのツールバーの「保存」ボタンをクリックします。

    • 追跡済変更リスト内の変更(保存済の変更であっても)を破棄するには、変更の説明の上にマウスを移動したときにその横に表示される「X」(削除)コントロールをクリックします。変更が破棄されると同時にバリアントを保存するよう求められます。

  5. テストを保存します。

10.3.3.2 A/Bテスト・バリアントのページ・レイアウトの変更

コントロールや他のバリアントとは異なるページ・レイアウトをバリアントで使用することもできます。

  1. A/Bテスト・パネルでテストおよびバリアントを選択した後、ツールバーのページ・レイアウトの変更アイコンをクリックします。

    図10-4 「ページ・レイアウト」アイコン

    図10-4の説明が続きます
    「図10-4 「ページ・レイアウト」アイコン」の説明
  2. ページ・レイアウトの変更ウィンドウ(図10-5 )で、使用する別のページ・レイアウトを選択します。コントロール(A)および他のバリアント用として選択したレイアウトが識別されます。

    図10-5 ページ・レイアウトの変更ウィンドウ

    図10-5の説明が続きます
    「図10-5 ページ・レイアウトの変更ウィンドウ」の説明
  3. テスト・バリアントのページ・レイアウトを選択した後、ダイアログがリフレッシュされ、「取消」および「適用」ボタンが表示されます。「適用」をクリックすると、選択したページ・レイアウトで現在のバリアントが適用されます。変更内容が追跡済変更表に表示されますが、番号はありません。

10.3.3.3 A/Bテスト・バリアントの削除

バリアントを削除するには、「X」をクリックします。ページを離れる際に保存していない変更内容が失われる場合、保存するよう求められます。

10.3.4 A/Bテスト基準の設定

10.3.4.1 A/Bテストの開始および終了日時の指定

テストを作成する場合、その開始および終了日時を指定できます。開始日時を指定しない場合、テストはパブリッシュされると同時に開始します。テストの実行が開始したら、「A/Bテスト結果の表示」および「A/Bテスト結果に基づくサイトの変更」で説明しているように、現在の結果の表示、早期の停止、および最優秀バリアントのプロモーションを行うことができます。テストはパブリッシュされた後に編集することはできません。

  1. A/Bテスト・ビューで、A/Bテスト・パネル内の「基準」をクリックします(「A/Bテスト・モードのオン」を参照)。
  2. 次のいずれかの方法でテストの開始日時を指定します。
    • A/Bテスト・アセットの承認時にテストを開始するには、開始フィールドを空白のままにします。「A/Bテストの承認およびパブリッシュ」で説明しているように、パブリッシュの開始後にテストが開始します。

    • テストを特定の日付に開始するには、「開始」フィールドの横にあるカレンダをクリックし、カレンダ・ピッカーから日付を選択します。デフォルトでは、開始時間は現在時間に設定されています。(現在の日時を選択する場合、テストはパブリッシュ時に開始します。)「hh」「mm」および「ss」フィールドを使用して、別の開始時間を指定できます。この場合、日付を再度選択して新しい時間を適用します。また、現在表示されている時間を上書きすることによって時間に新しい値を入力することもできます。開始時間に12時間と24時間のどちらの形式が使用されているかは、サーバーの設定によって異なります。12時間の形式に設定されている場合は、AMまたはPMを入力します。

  3. テストを特定の日時に終了するには、「終了」フィールドで日付を選択し、その下にあるカレンダをクリックし、カレンダ・ピッカーから日時を選択します。前述のように、開始時間を指定したときと同じ方法で終了時間を指定します。
    テストの終了時点までに達成されない確信度レベルも設定されている場合、ここで設定するテストの終了日時を超えてテストは続行されます。「A/Bテストの確信度レベルの選択」を参照してください。
  4. 保存」をクリックします。

10.3.4.2 A/Bテストの確信度レベルの選択

テストを作成する場合、その結果の確信度レベルを選択できます。この数値により、テスト結果の重要度に関する確信度が決まります。これは特に、その変換の差異が、ランダムな訪問者のバリエーションにではなくバリアントの差異自体に原因がある場合です。A/Bテストの訪問者の数が大きくなるほど、バリアントの差異における統計的な重要度を確認しやすくなります。

確信度レベルを設定した場合、設定されているテストの終了時点を超えても、設定されているレベルに達するまでA/Bテストは続行されます。

確信度レベルの計算の詳細は、「A/Bテストの確信度レベルの計算方法」を参照してください。

テストの確信度レベルをを選択するには:

  1. A/Bテスト・ビューで、A/Bテスト・パネル内の「基準」をクリックします(「A/Bテスト・モードのオン」を参照)。
  2. 「確信度」フィールドで、確信度レベルの割合を選択または入力します。割合の範囲として85%から99.9%までを選択できます。
  3. 保存」をクリックします。

10.3.4.3 A/Bテストの確信度レベルの計算方法

変換率とは、特定の訪問者アクションを実行した訪問者の数を、ページ・バリアントへの訪問者の数で割った数値を示します。この率はバリアントごとに計算されます。

確信度の間隔は、二項分布のWald検定を使用して計算されます。Wald検定(図10-6 )では、変換率はpで表されています。

図10-6 二項分布の確信度の間隔を決定するためのWald検定

図10-6の説明が続きます
「図10-6 二項分布の確信度の間隔を決定するためのWald検定」の説明

これにより、各バリアントの結果を使用してZスコア(図10-7 )が計算されます。Zスコアにより、結果の正確度を測定します。A/B Testingで使用される一般的なZスコア(確信度範囲)は、最終スコアから3%の範囲です。ただし、これは単なる一般的な使用例であり、任意の範囲の使用が可能です。この場合、標準の正規分布の百分位数範囲の標準誤差を掛けることにより、変換率(p)に対する範囲が決まります。

この時点で、結果が重要である、つまり、ランダムなバリエーションに基づいて変換率に差異がないことを確認する必要があります。Zスコアは次の方法で計算されます。

Zスコアは、コントロールとテストの平均値の間における正の標準偏差値の数です。前述の標準的な確信度間隔を使用すると、ビュー・イベントの数が1000を超えており、Zスコアの確度が95%を超えているか5%を下回る場合、統計的重要度は95%であると判断できます。

10.3.4.4 A/Bテストで追跡する目標の指定

マーケティング担当者は、GoogleアナリティクスでA/Bテストのカスタム目標を作成して使用する必要があります。これらの目標は、A/Bテストを設定する前に作成する必要があります。独自の目標を作成することも、他のユーザーによって作成された目標を使用することもできます。

追跡する目標を指定するには:

  1. A/Bテスト・ビューで、A/Bテスト・パネル内の「基準」をクリックします。
  2. 目標の選択をクリックします。
  3. 「目標」ダイアログ・ボックスで目標を選択してから、「選択」をクリックします。

    目標は名前およびタイプ別に表示されます。必要に応じて、「ソート」ボタンをクリックしてソート順を変更します。選択した目標の名前が目標の選択ボタンの下に表示されます。

  4. 保存」をクリックします。

10.3.4.5 A/Bテストでターゲットとする訪問者またはセグメントの指定

A/Bテストは、次のどちらかについて指定した率でランダムに表示できます。

  • 訪問者プール全体

  • 選択した1つ以上のセグメント

たとえば、50と入力することにより、テストのターゲットを、すべての訪問者の50%、または65才以上の訪問者セグメント内の訪問者の50%に設定できます。(セグメントの詳細は、「セグメントの作成」を参照してください。)

指定した率内で、テスト・バリアントがターゲット訪問者と等比率で表示されます。たとえば、訪問者の30%をターゲットとするテストに、コントロール(A)に加えて2つのバリアント(BおよびC)が含まれる場合、訪問者の10%がコントロールA、10%がバリアントB、および10%がバリアントCとして表示されます。

ターゲットとする訪問者またはセグメントを指定するには:
  1. A/Bテスト・ビューで、A/Bテスト・パネル内の「基準」をクリックします。
  2. 「ターゲット」フィールドで、任意の訪問者をターゲットとする場合は「ビジター」、または選択したセグメントの一部である訪問者をターゲットとする場合は「セグメント」を選択します。
  3. 前述の手順で「ビジター」を選択した場合、テストに含める訪問者の率を、表示される訪問者の割合フィールドに入力します。
  4. 前述の手順で「セグメント」を選択した場合、1つ以上のセグメントを選択します。
    • 表示されるセグメントの選択ボタンをクリックします。

    • 「セグメント」ウィンドウの「ターゲット」フィールドで、選択したセグメント内の訪問者のうちテストに含める訪問者の割合を入力します。

    • 「セグメント名」列から、1つ以上のセグメントを選択します。名前または変更日別にセグメント・リストをソートするには、「ソート」をクリックします。セグメントの選択を解除するには、選択済セグメント列内の「x」をクリックします。

    • 「選択」をクリックします。選択したセグメントの名前が「セグメントの選択」ボタンの下に表示されます。

  5. 保存」をクリックします。

10.4 A/Bテストの承認およびパブリッシュ

テストのバリアントを作成および編集し、基準を指定した後、次の手順は、配信システムへのテストのパブリッシュを承認することです。ここで、Googleアナリティクスにテストが作成されます。この時点まで、Googleアナリティクスには何もありません。テストを承認すると、Googleにログインして試験とそのすべての設定を確認できます。

承認について考慮すべき項目をいくつか次に示します。

  • テストを承認すると、テストとそのバリアントが承認されます。すべてのWebページの承認の場合と同じように、アセットとそのすべての依存性を承認する必要があります。

  • テストを承認するには、テストに目標が含まれる必要があります。

  • A/Bテストは、選択する宛先にパブリッシュされます。この宛先自体は管理者によってすでにパブリッシュされている必要があります。使用可能なパブリッシュ済宛先がない場合は、管理者に問い合せてください。

  • パブリッシュ時に、テストの基準に指定した日時でテストが開始します。この時間がすでに経過している場合、テストは即時開始します。

テストのアセットのパブリッシュを承認し、テストを開始するには:

  1. A/Bテスト・モードで、承認するテストを選択します。
  2. ツールバーの「承認」アイコンをクリックし、宛先を選択します。
    「承認」画面にアセットと依存性がすべてリストされます。
  3. 「すべて選択」リンク→「依存性による承認」をクリックし、アセットと依存性がすべて承認します。
アセットのパブリッシュの完全な詳細は、「コンテンツの承認とパブリッシュ」を参照してください。

10.5 A/Bテスト結果の使用

A/Bテストの結果は、A/Bテスト・レポートに表示されます。これらを使用して、テストしたバリアント・ページの1つをアクティブなWebサイトにプロモーションするかどうかを決定できます。

A/Bテスト結果の使用の詳細は、次のトピックを参照してください。

10.5.1 A/Bテスト結果の表示

テストが開始されたら、訪問者がWebページのコントロール(A)またはバリアント・バージョンを閲覧するたびに、サイトの訪問情報が取得され、これらの統計がA/Bテスト・レポートで使用可能になります。完了したテストの場合、このレポートには、ベースのWebページ設計とバリアントのWebページ設計の相対的なパフォーマンスを比較するためのデータが表示されます。この情報を使用して、バリアントの1つを、訪問者が閲覧するWebページにプロモーションするかどうかを決定できます。このレポートの完全な説明は、「A/Bテスト・レポート」を参照してください。

ContributorインタフェースでA/Bテスト・レポートを表示するには:

  1. A/Bテストを検索します。

    これを行う1つの方法は、「検索」ボックス内のドロップダウン・リストから「A/Bテスト」が事前設定された検索を選択し、「検索」ボタンをクリックします。

    進行中のテストごとに、チャートと追加情報が含まれる検索結果ボックスが表示されます。これにはテストの最新の結果が表示されますが、完全なレポートではありません。

  2. 検索結果ボックスの右下隅で、小さな本のアイコンをクリックします。
    これにより、使用可能なデータがすべて表示されたA/Bテスト・レポートが開きます。

    テストのステータスに応じて、このレポートの右上にあるボタンは次のように表示されます。
    • テストが進行中である場合、ボタンは赤色になり、「停止」と表示されます。テストを停止(および完了)するには、この赤い「停止」ボタンをクリックします。いったん停止したテストを再開することはできません。
    • テストが完了している場合、ボタンは緑色になり、「昇格」と表示されます。レポートに表示された結果を使用して、バリアントを訪問者に表示されるページにプロモーションするかどうかを決定します。「A/Bテスト結果に基づくサイトの変更」を参照してください。
    • テストがパブリッシュされていない場合、ボタンは緑色になり、「編集」と表示されます。ボタンをクリックし、テスト・バリアントをさらに編集します。テストはパブリッシュされた後に編集することはできません。

10.5.2 A/Bテスト・レポート

A/Bテスト・レポートには、ベースのWebページ設計とバリアントのWebページ設計の相対的なパフォーマンスを比較するためのデータが表示されます。この情報を使用して、バリアントの1つを、訪問者が閲覧するWebページにプロモーションするかどうかを決定できます。

ヘッダー・セクション

図10-8 A/Bテスト・レポート: ヘッダー・セクション

A/Bテスト・レポートのヘッダー・セクション

表10-1 A/Bテスト・レポートのヘッダー・セクションの機能

機能 説明

製品およびレポート名領域

Oracle WebCenter Sites A/Bテスト・レポートが表示されていることを確認します。

ステータス領域

レポートが進行中であるか、完了しているか、またはパブリッシュされていないかを示します。

ボタン

これは、赤色の「停止」ボタン、緑色の「昇格」ボタン、または緑色の「編集」ボタンです。


サマリー・セクション

図10-9 A/Bテスト・レポート: サマリー・セクション

A/Bテスト・レポートのサマリー・セクション

表10-2 A/Bテスト・レポートのサマリー・セクションの機能

機能 説明

情報領域

A/Bテストの名前、テストが実行されているWebページの名前、テストの所有者、およびテストの説明が表示されます。

変換

テストが監視している変換のタイプ。

セグメント

テストにセグメント化されたユーザー・ベースが含まれる場合、ここでセグメント化について説明します。「すべて」は、ユーザー・ベースがセグメント化されていないことを意味します。

停止

テストを停止する日時と方法。

チャート

比較できるようにまとめて表示された各バリアントの変換率。


メトリック・バー

図10-10 A/Bテスト・レポート: メトリック・バー

A/Bテスト・レポートのメトリック・バー

表10-3 A/Bテスト・レポートのメトリック・バーの機能

機能 説明

ターゲット

テストに設定されているすべての訪問者の割合、終了日、および確信度の割合。

今日までのサマリー

すべてのバリアントを合算した、サービスを提供した訪問者の数、変換の数、およびこれまでに達成した確信度の割合。1つのバリアントが他のバリアントより優れていることをテストで識別できた場合、テストの完了時にこれが最優秀バリアントとして表示されます。


変換セクション

図10-11 A/Bテスト・レポート: 変換セクション

A/Bテスト・レポートの変換セクション

表10-4 A/Bテスト・レポートの変換セクションの機能

機能 説明

選択基準

通常は「デバイス」に設定されています。

表示

各バリアントに関する変換情報。


確信度セクション

図10-12 A/Bテスト・レポート: 確信度セクション

A/Bテスト・レポートのコンバージョン・セクション

表10-5 A/Bテスト・レポートの確信度セクションの機能

機能 説明

チャート

各バリアントの訪問者の数、変換の数、変換の割合、Zスコア(「A/Bテストの確信度レベルの計算方法」を参照)、および確信度の値。


10.5.3 A/Bテスト結果に基づくサイトの変更

テスト結果に基づいて、特定のテスト・バリアントをプロモーションすることを決定できます。これにより、選択した最優秀バリアントによってコントロールが永続的に置き換えられ、このバリアントがすべての訪問者に対して表示されます。

バリアントをプロモーションするには:

  1. 「A/Bテスト結果の表示」で説明しているように、A/Bテストのレポートを表示し、「昇格」をクリックします。
  2. テスト・バリアントのリストから、プロモーションするバリアントを選択します。(ベースWebページAはコントロールであるため、選択できません。)
    プロモーションするバリアントを決定します。たとえば、最善の選択肢は、変換率は低いものの、モバイル・デバイスの訪問者からの結果が最高である場合があります。
  3. 「昇格」をクリックします。
  4. パブリッシュするページ情報が表示されたフォームで、「昇格」をクリックします。
    選択したバリアントをすべての訪問者向けのWebページで表示するには、ここでパブリッシュする必要があります。「A/Bテストの承認およびパブリッシュ」を参照してください。

10.6 A/Bテストの削除

A/Bテストを削除すると、このテスト用として生成されたレポートすべてにアクセスできなくなります。ただし、データは破棄されないため、EIDに直接アクセスし、独自のレポートを作成してこれを取得できます。

実行中のA/Bテストを削除しようとすると、削除を完了する前に警告が表示されます。

注意:

後続の手順を実行してA/Bテストを削除した場合でも、Googleで作成された試験は削除されません。Googleから試験を削除するには、Googleアナリティクスのインタフェースにログインして削除します。

A/Bテストを削除するには:

  1. A/Bテストのツールバーで、「削除」ボタンをクリックします。

    Webページは非表示になり、アセットの削除パネルが表示されます。この段階で、ツールバーの「戻る」ボタンをクリックすると、削除を取り消すことができます。

  2. 削除するアセットを選択します。
  3. 「削除」ボタンをクリックします。削除しようとしているA/Bテストがパブリッシュされていない限り、警告は表示されません。

ツールバーの「戻る」ボタンをクリックすると、テストしていたWebページに戻ることができます。