プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Oracle DatabaseのためのOracle GoldenGateのインストールおよび構成
12c (12.2.0.1)
E70107-04
目次へ移動
目次

前
次

5.2 使用するキャプチャ方法の決定

Oracleソース・データベースの場合、クラシック・キャプチャ・モードまたは統合キャプチャ・モードのいずれかでExtractを実行できます。使用する方法によって、Oracle GoldenGateプロセスの構成が決定されますが、次のような要因に依存します。

次に、これらのモードと各モードでサポートされるデータベースのバージョンについて説明します。

5.2.1 クラシック・キャプチャについて

クラシック・キャプチャ・モードでは、Oracle GoldenGate Extractプロセスは、ソース・システムのOracle REDOまたはアーカイブ・ログ・ファイルまたはスタンバイ・システムの転送されたアーカイブ・ログからデータ変更をキャプチャします。図5-2はクラシック・キャプチャ・モードでのExtractの構成を示しています。

図5-2 クラシック・キャプチャ

図5-2の説明が続きます
「図5-2 クラシック・キャプチャ」の説明

クラシック・キャプチャでは、ほとんどのOracleデータ型が完全にサポートされ、複雑なデータ型は制限付きでサポートされます。クラシック・キャプチャは、オリジナルのOracle GoldenGateキャプチャ方法です。クラシック・キャプチャは、マルチテナント・コンテナ・データベースを除く、Oracle GoldenGateでサポートされる任意のソースOracle RDBMSに対して使用できます。

次のもののサポートにクラシック・キャプチャを使用できます。

  • ソース・データベース互換性が11.2.0.0.0未満に設定されたUDT、VARRAY、NOLOGGING LOB

  • ソース・データベース互換性が11.0.0.0.0未満に設定されたTransparent Data Encryptionサポート

  • ソース・データベース互換性が11.2.0.0.0未満に設定されたSECUREFILE LOBサポート

  • ソース・データベース互換性が11.2.0.0.0未満に設定されたNOLOGGING LOBサポート

詳細は、「各キャプチャ・モードでサポートされるOracleデータ型とオブジェクトのサマリー」を参照してください。

5.2.2 統合キャプチャについて

統合キャプチャ・モードでは、Oracle GoldenGate Extractプロセスはデータベース・ログマイニング・サーバーと直接対話し、論理変更レコード(LCR)形式でデータの変更を受け取ります。図5-3は統合キャプチャ・モードでのExtractの構成を示しています。

統合キャプチャでは、クラシック・キャプチャより多くのデータと記憶域のタイプがサポートされ、サポートがより透過的です。詳細は、「各キャプチャ・モードでサポートされるOracleデータ型とオブジェクトのサマリー」を参照してください。

統合キャプチャのその他の利点は、次のとおりです。

  • 統合キャプチャはデータベースと完全に統合されているため、Oracle RAC、ASMおよびTDEと組み合せる場合に追加設定は必要ありません。

  • 統合キャプチャでは、データベース・ログマイニング・サーバーを使用してOracle REDOストリームにアクセスします。アーカイブ・ログの異なるコピー間またはオンライン・ログの異なるミラー・バージョン間での切替えは自動的に行われます。したがって、統合キャプチャでは、ディスクの破損、ハードウェア障害またはオペレータの誤操作によって使用できないログ・ファイルがある場合、その他のアーカイブ・ログやオンライン・ログが使用できれば、この状態が透過的に処理されます。

  • 統合キャプチャによって、表のフィルタリングが高速になります。

  • 統合キャプチャでは、Point-in-TimeリカバリおよびRAC統合がより効率的に処理されます。

  • 統合キャプチャには、統合ログ管理の機能が備わっています。Oracle Recovery Manager (RMAN)で、Extractで必要なアーカイブ・ログが自動的に保持されます。

  • 統合キャプチャは、マルチテナント・コンテナ・データベースからのキャプチャをサポートする唯一のモードです。1つのExtractで、マルチテナント・コンテナ・データベース内の複数のプラガブル・データベースをマイニングできます。

  • リリース11.2.0.4以降のソース・データベース(11.2.0.4以上に設定されたソース互換性)の場合、DDLのキャプチャはログマイニング・サーバーによって非同期に実行され、専用のトリガー、表またはその他のデータベース・オブジェクトをインストールする必要はありません。Oracle GoldenGateのアップグレードは、ユーザー・アプリケーションを停止することなく実行できます。DDLトリガーおよびサポート・オブジェクトを使用する必要があるのは、Extractが統合モードで、Oracle 11gソース・データベースがバージョン11.2.0.4より前の場合です。

  • 統合キャプチャおよび統合適用は両方ともデータベース・オブジェクトのため、オブジェクトの命名は、他のOracle Databasオブジェクトと同じルールに従います。詳細は、を参照してください。

5.2.2.1 統合キャプチャでサポートされるデータベースのバージョン

データベースのバージョンによって、統合キャプチャで使用可能なデータ型サポートが決まります。

  • フル・サポート: すべてのOracleデータ型と記憶域のタイプをサポートするには、ソース・データベースの互換性設定を統合Extract 11.2.x用11.2.0.3データベース固有のバンドル・パッチ(My Oracle SupportドキュメントID 1557031.1)が適用された11.2.0.3以上にする必要があります。このパッチをMy Oracle Supportから入手するには、次へ移動します。

    https://support.oracle.com/oip/faces/secure/km/DocumentDisplay.jspx?id=1557031.1

  • DDLサポート・オブジェクトをインストールせずにDDLキャプチャをサポートするには、ソース・データベースをOracle 11.2.0.4以上にする必要があります。それより前のデータベース・バージョンでは、DDLサポート・オブジェクトが必要です。詳細は、「トリガーベースのDDLキャプチャのインストール」を参照してください。

  • 制限付きサポート: 統合キャプチャは、互換性が11.2.0.3未満のソース・データベースに対する11.2.0.3ダウンストリーム・マイニング・データベースで使用できますが、このモードでは、SECUREFILE LOB、XML列、Transparent Data EncryptionおよびUDTのサポートは、データベース・バージョンおよび互換性に基づいて制限されます。ダウンストリーム・マイニング・データベースは、統合Extract 11.2.x用11.2.0.3データベース固有のバンドル・パッチ(Doc ID 1557031.1)が適用されている必要があります。「統合キャプチャ・デプロイ・オプション」を参照してください。ダウンストリーム・マイニング・データベースは、マイニングされるソース・データベース・リリースと同じ(またはそれ以上の)データベース・リリース(11.2.0.3以上)である必要があります。

異なるRDBMSバージョン間のデータ型サポートの違いを理解するには、「各キャプチャ・モードでサポートされるOracleデータ型とオブジェクトのサマリー」を参照してください。

5.2.2.2 統合キャプチャ・デプロイ・オプション

この項では、統合キャプチャのデプロイ・オプションについて説明しますが、それらはマイニング・データベースのデプロイ場所によって異なります。マイニング・データベースは、ログマイニング・サーバーがデプロイされているデータベースです。

  • ローカル・デプロイ: ローカル・デプロイの場合、ソース・データベースとマイニング・データベースは同じです。ソース・データベースは、REDOストリームをマイニングして変更をキャプチャする対象のデータベースで、ログマイニング・サーバーのデプロイ先でもあります。統合キャプチャはデータベースと完全に統合されているため、このモードでは、特別なデータベース設定は不要です。

  • ダウンストリーム・デプロイ: ダウンストリーム・デプロイでは、ソース・データベースとマイニング・データベースは、異なるデータベースです。ログマイニング・サーバーは、ダウンストリーム・データベースに作成します。REDOログをダウンストリーム・マイニング・データベースに転送してそこでキャプチャを行うようにソース・データベースのREDO転送を構成します。キャプチャのオーバーヘッドや変換によるその他のオーバーヘッドおよび本番サーバーの他の処理を軽減するには、キャプチャにダウンストリーム・マイニング・サーバーを使用することをお薦めしますが、これにはログの転送や他の構成が必要です。

    ダウンストリーム・マイニング構成を使用する場合、ソース・データベースとマイニング・データベースは同じプラットフォームのものである必要があります。たとえば、ソース・データベースがWindows 64ビットで稼働している場合、ダウンストリーム・データベースのプラットフォームもWindows 64ビットである必要があります。ダウンストリーム・マイニング・データベースを構成するには、「ダウンストリーム・マイニング・データベースの構成」および「ダウンストリーム・マイニング構成の例」を参照してください。

  • ダウンストリームOracle Active Data Guardデプロイ: FETCHUSERIDまたはFETCHUSERIDALIASパラメータを使用してuserid/pwd@adgを設定し、Oracle Active Data Guard (ADG)からフェッチできます。

  • ダウンストリーム・ソースレスExtractデプロイ: Extractパラメータ・ファイルでUSERIDパラメータをNOUSERIDで置換します。TRANLOGOPTIONS MININGUSERを使用する必要があります。このデプロイメントでは、ソース・データベースのREDOがOracle GoldenGateリリース11.2.0.4以上と互換性があることが必要です。Extractは必要な情報をすべてダウンストリーム・マイニング・データベースから取得します。ソース・データベースへの接続には依存しません。Extractに影響を与えることなくソース・データベースを停止および再起動できます。

    ソース・データベースからデータをフェッチする必要があるREDO変更が発生すると、Extractは異常終了します。

  • ADGスタンバイ・データベースからの統合Extractデプロイ: 従来、Extractがデータをフェッチするときは、ソース・データベースに接続して、そこからデータをフェッチしていました。このデプロイメントを使用すると、フェッチをADGスタンバイ・データベースにオフロードできます。これにより、レプリケーションの有効化に必要なソース・データベース上の処理が削減されます。ダウンストリームおよびソースレス構成と併用すると、ソース・データベースで必要な処理がほぼ完全になくなります。