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Oracle® Fusion Middleware Oracle DatabaseのためのOracle GoldenGateのインストールおよび構成
12c (12.2.0.1)
E70107-04
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1.2 オペレーティング・システムの要件

この項では、Oracle GoldenGateのサポートに必要なオペレーティング・システム・リソースについて説明します。

1.2.1 メモリーの要件

Oracle GoldenGateに必要なメモリーの量は、処理されるデータの量、実行されるOracle GoldenGateプロセスの数、Oracle GoldenGateで使用可能なRAMの量、およびオペレーティング・システムでRAMを開放する必要がある場合(通常はロー・ウォーターマークに達した場合)にRAMのページを一時的に格納するためにOracle GoldenGateで使用可能なディスク領域の量に応じて異なります。このRAMからディスクへの一時的な格納は、一般にスワッピングまたはページングと呼ばれます(以後スワッピングと呼びます)。プラットフォームによっては、スワップ領域という用語は、スワップ・パーティション、スワップ・ファイル、ページ・ファイル(Windows)または共有メモリー・セグメント(IBM iプラットフォーム)と呼ばれます。

最近のサーバーには、Oracle GoldenGateを実行するために十分なRAMとスワップ領域、メモリー管理システムが備わっています。ただし、Oracle GoldenGateで使用できるRAMの量を増やすと、Oracle GoldenGateのパフォーマンスおよびシステム全般のパフォーマンスが大幅に向上する場合があります。

通常のOracle GoldenGateインストールでは、RAMページからディスクへのスワッピングが過度に発生しないよう数GBのRAMが指定されます。RAMの競合が多いほど、多くのスワップ領域が使用されます。

ディスクへのスワッピングが過度に発生する場合、コミット・レコードを受信するまで各オープン・トランザクションのデータを格納する必要があるため、特にExtractプロセスにパフォーマンスの問題が生じます。Oracle GoldenGateがデータベースと同じシステムで稼働する場合、使用可能なRAMの量は、両方のパフォーマンスにとって非常に重要になります。

RAMとスワップの使用量は、Oracle GoldenGateプロセスではなく、オペレーティング・システムによって制御されます。Oracle GoldenGateキャッシュ・マネージャは、オペレーティング・システムのメモリー管理機能を利用して、Oracle GoldenGateプロセスを持続的かつ効率的に機能させます。ほとんどの場合、ユーザーは、デフォルトのOracle GoldenGateメモリー管理構成を変更する必要はありません。

Oracle GoldenGateのメモリー要件の評価の詳細は、Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXCACHEMGRパラメータに関する項を参照してください。

1.2.2 ディスクの要件

プラットフォーム、データベース、およびOracle GoldenGateを通常の方法またはOracle Universal Installer (OUI)でインストールするかに基づいて、空きディスク領域の量を割り当てます。ダウンロード・ファイルは、インストールの完了後に削除できます。

1.2.2.1 Oracle GoldenGateのインストール・ファイルのディスク要件

この項では、手動インストールおよびOUIを使用したインストールのディスク要件について説明します。

表1-1に、手動ビルドで1つのOracle GoldenGateインストールのファイルによって消費されるディスク領域を示します。手動ビルドではOUIを使用しません。Oracle GoldenGateをインストールするには、ファイルを展開して作業ディレクトリを作成します。

表1-1 手動ビルドのディスク要件

オペレーティング・システム

データベースのバージョン

タイプ

ファイル

サイズ[MB]

Linux_x64

11g

ZIP

fbo_ggs_Linux_x64_ora11g_64bit.zip

181

Linux_x64

11g

tar

fbo_ggs_Linux_x64_ora11g_64bit.tar

600

Linux_x64

11g

インストール

 

600

Linux_x64

12c

ZIP

fbo_ggs_Linux_x64_ora12c_64bit.zip

185

Linux_x64

12c

tar

fbo_ggs_Linux_x64_ora12c_64bit.tar

613

Linux_x64

12c

インストール

 

613

Solaris SPARC

11g

ZIP

ggs_Solaris_sparc_ora11g_64bit.zip

61

Solaris SPARC

11g

tar

ggs_Solaris_sparc_ora11g_64bit.tar

256

Solaris SPARC

11g

インストール

 

257

Solaris SPARC

12c

ZIP

ggs_Solaris_sparc_ora12c_64bit.zip

63

Solaris SPARC

12c

tar

ggs_Solaris_sparc_ora12c_64bit.tar

261

Solaris SPARC

12c

インストール

 

261

Windows64

11g

zip

ggs_Windows_x64_ora11g_64bit.zip

61

Windows64

11g

インストール

 

218

Windows64

12c

ZIP

ggs_Solaris_sparc_ora11g_64bit.zip

61

Windows64

12c

インストール

 

281

表1-1に、OUIが使用されている場合に、1つのOracle GoldenGateインストールのファイルで消費されるディスク領域を示します。

表1-1 OUIビルドのディスク要件

プラットフォーム Oracleバージョン 圧縮サイズ(MB) インストール・サイズ(MB)

Windows

11g

321 (zipファイル)

325 (OUIインストーラ)

504

Windows

12c

321 (zipファイル)

325 (OUIインストーラ)

504

Linux

11g

325 (zipファイル)

329 (OUIインストーラ)

492

Linux

12c

325 (zipファイル)

329 (OUIインストーラ)

521

Solaris SPARC

11g

214 (zipファイル)

219 (OUIインストーラ)

391

Solaris SPARC

12c

214 (zipファイル)

219 (OUIインストーラ)

391

1.2.2.2 ディスク領域のその他の考慮事項

Oracle GoldenGateによってインストールされるファイルおよびバイナリに必要なディスク領域に加えて、Oracle GoldenGate証跡をホストするシステムに追加で1GBのディスク領域を確保します。証跡とは、停止および処理中の作業データを格納する自己エージング・ファイルのセットです。証跡によって消費される領域は処理されるデータ量に応じて異なるため、これとは多少異なる容量が必要となる場合があります。Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXで証跡のサイズ設定のガイドラインを参照してください。

ディスク領域はOracle GoldenGate Bounded Recovery機能にも必要です。Bounded Recoveryは一般的なExtractチェックポイント機能のコンポーネントです。この機能は長時間実行中のオープン・トランザクションを特定の間隔でディスクにキャッシュして、Extractの再起動における高速リカバリを有効にします。個々のBounded Recovery間隔(BRパラメータのBRINTERVALオプションで制御されます)で必要となるディスクは次のとおりです。キャッシュ済データを備えるトランザクションごとに必要とされるディスク領域は通常、64KBプラス、64KBに丸められたキャッシュ済データのサイズです。長時間実行中のトランザクションがすべてディスクに保管されるわけではありません。Bounded Recoveryの詳細は、Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXBRパラメータに関する項を参照してください。

1.2.2.3 クラスタでのインストール

Oracle GoldenGateをクラスタ環境にインストールするには、すべてのクラスタ・ノードで使用可能な共有ファイル・システムにOracle GoldenGateのバイナリとファイルをOracleユーザーとしてインストールします。詳細は、「クラスタ内でのOracle GoldenGateのインストールの準備」を参照してください。

1.2.2.4 一時ディスクの要件

デフォルトでは、Oracle GoldenGateによってOracle GoldenGateインストール・ディレクトリのdirtmpサブディレクトリに、ディスクに書き込まれるデータが保持されます。キャッシュ済トランザクション・データの合計がCACHEMGRパラメータのCACHESIZE設定を超えると、Extractはキャッシュ・データの一時ファイルへの書込みを開始します。キャッシュ・マネージャは、ファイル・システムのすべての空き容量を使用可能とみなします。このディレクトリは、トランザクションのサイズの増加に伴ってトランザクションの量が増加すると、すぐに一杯になります。I/O競合とディスク関連のExtractの失敗を防ぐには、ディスクをこのディレクトリ専用にします。CACHEMGRパラメータのCACHEDIRECTORYオプションを使用して、このディレクトリに名前を割り当てます。

通常はオペレーティング・システムによるディスクへのスワップの方が、Extractによる一時ファイルの書込みよりも効率的です。デフォルトのCACHESIZE設定はこれを前提としています。したがって、これに対応する十分なディスク領域が存在する必要があります。CACHESIZEの値が超過した場合のみ、Extractがトランザクション・キャッシュ済データをファイル・システムのネームスペース内の一時ファイルに書き込むためです。システムで複数のExtractプロセスを実行する場合、ディスク要件が増大する場合があります。Oracle GoldenGateは、オープン・トランザクションを格納する十分なメモリーがないときにはディスクに書き込みます。トランザクションがコミットされるかロールバックされると、コミットされたデータは証跡ファイルに書き込まれ、データはメモリーから解放されて、Oracle GoldenGateはそのトランザクションを追跡しなくなります。1つ1つの操作後に毎回トランザクションがコミットされるときは、これらのトランザクションがディスクに書き込まれることがないため、ディスクの最小要件はありません。

1.2.3 ネットワーク

Oracle GoldenGateをサポートするには、次のネットワーク・リソースが使用可能である必要があります。

  • 最適なパフォーマンスと信頼性を実現、特にターゲットでの低レイテンシを維持するには、最速のネットワークを使用して、すべての障害点で冗長性を導入する必要があります。

  • DNSを含むTCP/IPサービスを使用するようにシステムを構成します。Oracle GoldenGateはIPv4とIPv6をサポートし、これらのプロトコルのいずれか、または両方ともがサポートされるシステムで稼働します。

  • Oracle GoldenGateのプロセスをホストし、Oracle GoldenGateの接続先となるすべてのシステムのホスト名またはIPアドレスを使用してネットワークを構成します。ホスト名の方が便利です。

  • Oracle GoldenGateでは、予約されていない制限なしのTCP/IPポートが必要とされます。必要な数は、構成内のプロセスの数とタイプによって異なります。必要なポートに対応するManagerプロセスの構成方法の詳細は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。

  • Oracle GoldenGateに割り当てたポートを記録します。Managerプロセスの構成時にパラメータを使用してそれらのポートを指定します。

  • Oracle GoldenGateポートを介した接続を受け入れるようにファイアウォールを構成します。

1.2.4 オペレーティング・システムの権限

Oracle GoldenGateをインストールしてプロセスを実行するために必要なオペレーティング・システムの権限は次のとおりです。

  • Windowsでインストールするには、Oracle GoldenGateをインストールするユーザーが管理者としてログインする必要があります。

  • UNIXでインストールするには、Oracle GoldenGateをインストールするユーザーに、Oracle GoldenGateインストール・ディレクトリの読取りおよび書込み権限が必要です。

  • Oracle GoldenGate Extract、ReplicatおよびManagerプロセスは、Oracle GoldenGateディレクトリのファイルおよびサブディレクトリに対して、読取り権限、書込み権限および削除権限を持つオペレーティング・システム・ユーザーとして動作する必要があります。また、ManagerプロセスにはOracle GoldenGateプロセスを制御するための権限が必要です。

  • (クラシック・キャプチャ・モード)クラシック・キャプチャ・モードでは、ExtractプロセスでREDOログを直接読み取り、オンラインとアーカイブの両方のログ・ファイルの読取りアクセス権限を持つオペレーティング・システム・ユーザーとして操作する必要があります。UNIXシステムの場合、ユーザーはOracleインスタンスを所有するグループのメンバーであることが必要です。このドキュメントのインストール手順でManagerプロセスをWindowsサービスとしてインストールするには、正しい権限が割り当てられるように管理者としてインストールする必要があります。Managerをサービスとしてインストールできない場合は、Extractプロセスに対する読取り権限を手動で割り当て、ManagerおよびExtractを常に管理者として実行します。

  • Extract、ReplicatおよびManagerの各オペレーティング・システム・ユーザーをOracle GoldenGate専用とします。Oracle GoldenGateのプロセスを実行するユーザーは、データベース認証の構成方法に応じて機密情報を入手できる場合があります。

1.2.5 Itaniumの要件

Intel Itaniumシステム上にOracle GoldenGateをインストールするには、vcredist_IA64.exeランタイム・ライブラリ・パッケージをインストールする必要があります。このパッケージはMicrosoft Webサイトからダウンロードできます。このパッケージには、Oracle GoldenGateがItaniumプラットフォーム上で動作するために必要なVisual Studio DLLが含まれています。これらのライブラリをインストールしない場合、Oracle GoldenGateによって次のエラーが生成されます。

The application failed to initialize properly (0xc0150002). Click on Ok to terminate the application.

1.2.6 コンソールのキャラクタ・セット

オペレーティング・システムとコマンド・コンソールのキャラクタ・セットが同じである必要があります。オペレーティング・システムではあるキャラクタ・セットが設定され、DOSコマンド・プロンプトでは別の古いDOSキャラクタ・セットを使用するMicrosoft Windowsシステムでは不一致が起こります。Oracle GoldenGateでは、オペレーティング・システムのキャラクタ・セットを使用してGGSCIコマンド出力に情報を送信するため、コンソールのキャラクタ・セットの不一致が原因で文字が正しく表示されません。次のDOSコマンドを使用して、GGSCIセッションを開く前にコンソールのキャラクタ・セットを設定できます。

chcp OS character set

コード・ページの設定後、文字が正しく表示されない場合、拡張文字セットを持つLucida Consoleにコンソール・フォントを変更してみます。

1.2.7 その他のプログラム

Oracle GoldenGateをサポートするために考慮すべきその他の事項を次に示します。

  • Oracle GoldenGateをWindowsシステムにインストールする前に、Microsoft Visual C ++ 2010 SP1再頒布可能パッケージをインストールおよび構成します。このパッケージのSP1バージョンであることを確認し、サーバーに適したビットのバージョンを取得していることを確認します。このパッケージでは、Visual C++ライブラリのランタイム・コンポーネントがインストールされます。このパッケージの詳細およびダウンロードは、http://www.microsoft.comにアクセスしてください。

  • Oracleでは、VMware仮想化環境でその製品のいずれも動作保証していません。Oracle Supportでは、次のようにVMware上でOracle製品を実行しているお客様をサポートします。Oracleでは、ネイティブOSで発生することが確認されている問題、またはVMware上で実行することで解決されると実証できる問題のサポートのみを提供します。